俺が、恋人だから

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『豪雨』

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「へーわ、答えて」

正面から平和を見つめる綾野の傷ついた眼差しに、自分も傷ついていることに気付いたけれど状況を打開する術はなかった。
黒より黒い、綾野の瞳。
印象的な三白眼が今、罪人を問いただすのではなく傷の手当てを求めるように平和を見ている現実が胸をつらぬく。

(時を、巻き戻したりできないだろうか)

生まれるところからやり直したいとまでは言わない。
油断して唯司の大麻の臭いにまみれた日でもなくていい。
ほんの4日前だ。
唯司の車に乗った、あの日。

──あのさ、平和くんて、華高だよね?
──伊藤嵐(いとうあらし)って、知ってる?
──伊藤嵐くんと平和くんがお友達だったら、ちょっと面倒なことになるかもなって教えてあげたかったんだよ。
──この話って、平和くん次第なんだよ。今から平和くんが、俺のしたいことをさせてくれたら、馬鹿男が嵐くんに何もできないようにしてあげられるよ?

愚かで浅慮な選択をしてしまったあの夜に戻りたい。
綾野をここまで傷つけてしまうことをする前の時間に。

「へーわ、」

静かな声で呼ばれた名から、いくつもの訴求が伝わってきた。
何か言ってほしい。
言い訳をしてほしい。
悪い夢だと。
動画は誰かの悪意による偽物だと。
好きな人を、綾野を傷つけるものはこの世界には何もないと、平和だって言いたかった。
でも言葉がない。
だって今、気付いてしまった。
「綾野のために嵐に向かう悪意を肩代わりしたと見せかけて、結局は自分のためにやった行為だ」とは、絶対に言えない。
そうだ。嵐のためなんかじゃない。
綾野のためですらない。
平和は、唯司から選択を迫られたあの夜、利己的な気持ちが少しもなかったと言えば嘘になる。
嵐を助ければ、綾野を助けたことにもなって。
ふたりの間に入りこめるような気がした。
これまでセックスでしか繋がっていなかった自分と綾野の絆が、何かもう少し、簡単には切れないものになるのではないだろうかとも考えたのだ。
例えば雨水を含んだ土のように。泥となりぬかるんでいたとしても、乾いた土よりはずっとましなのではないかと。
美しく強い花は咲かなくとも小さな芽吹きくらいはあるのではないかと、欲がでた。
今、傷ついた綾野を目の当たりにした平和は自分の醜悪さを理解し、何も言えない。

「────、なんで?」

綾野が一度眼差しを伏せ、ふたたび平和を見る。その目にはここまではなかった新たな感情が宿っている。
落胆。
嫌悪。
軽蔑。
今の綾野の表情が、さっき教室で見た嵐に重なった。顔の造形はまったく似たところがないふたりなのに。

「なんで、へーわ。俺が部活ばっかりだから? 寂しくて浮気したの?」

浮気という言葉に息を呑むほどの衝撃を受ける。
唯司との行為は、綾野との恋愛の延長線上には欠片ほども存在していないから。
綾野への恋はどんな瞬間にも寂しさがあったけれど、他の人となんて考えたこともなかった。

(でも俺がしたことは、浮気以外のなんでもない)

説明できないのだから、あの動画がすべてなのだ。
またしても何も言わない平和に、綾野は「はー……」と深い息を吐く。
今まで一度も聞いたことがないほど冷たいため息だった。
平和への友好的な感情を、全部吐きだしたみたいだと思った。

「言い訳とかも、してくれないんだ。……もしかして、動画の奴のほうが本命ってこと?」

そんなわけない。
強い否定の気持ちをこめて綾野を見返す。
でも口からは短い吐息しかでない。喉に声がはりついてしまったかのようだ。この状況で平和は何を言ったとしても、綾野の傷をさらに攻撃することになってしまう気がして怖かった。
綾野は苦しげに眉を寄せて平和から目を逸らす。

「なんでそんな……、俺のほうが酷い感じで責めてるみたいな顔するの」

今、自分がどんな顔をしているのかわからなかった。
けれど表情を自分自身でコントロールできる精神状態ではないことはたしかだった。
平和は咄嗟に手の甲を鼻先と口にあてるようにして顔の半分を隠す。
それすらも綾野の傷口を引っ掻く行為だったようで。

「ごめん」

どうしてか、綾野が謝る。
絞り出したような声は少し掠れていた。

「ごめん、へーわ。俺に原因があるのかもしれないけど、……ごめん。もう無理」

ああ。
綾野はほんとうに、べつの世界の人なのだ。
他人に酷く傷つけられて、その人を無理だと、これ以上関係を続けられないと自分の人生から追い出す時、綾野みたいな人は謝るのだ。
怒りをぶつけるでもなく。
汚い言葉でののしるでもなく。
彼の物語では、『浮気をした恋人』という登場人物ですらレビューではこう書かれるのだ。

『悪い人がでてこない、観たあと人に優しくなれる物語だった』
『浮気しちゃった元恋人にも、きっと事情があるんだなって思うと、考えさせられた。自分も恋人を大切にしようと思った』

もしくはこういうレビューもあるかもしれない。

『浮気しといて主人公に謝らせた元恋人以外は好きなキャラクターだった。あの元恋人とのシーンだけなんか別ジャンル?って感じに思えたかも。暗くて、つまんない。別れて、ちゃんと次の人と出会って、最後はハッピーエンドでよかった!』

ああ、これが正しい気がする。
脚本会議で、「全員いい人なんてリアリティがないから、ちょっと嫌なキャラもいれておきましょう。途中退場させればいいですし」と、メタ視点で決定した気の毒なキャラクターだ。彼のその後を、観客は誰も気にしない。本当に寂しいという理由で浮気したのか。本当に嫌な奴だったのか。主人公と別れたあとはどう生きていくのか。……どう死ぬのか。
誰も気にしない。
主人公でさえも。
平和は、綾野の人生においてそういう存在だ。

「最後まで何も言ってくれないとか……へーわ、ちょっと酷すぎ」

あ、と思った時にはもう綾野の背中しか見えなかった。
別れという現実を直視できず意識を飛ばしてしまっていた。
長い脚でぐんぐん離れていく綾野の進行方向、渡り廊下の終わりの場所に、嵐が立っていた。
彼は綾野の肩をとんっと軽くたたき、ぴったりとはまるパズルのピースみたいに隣に寄りそう。
平和はふたりの後ろ姿を黙って見ていた。
綾野は決して振り返らなかったが嵐だけは階段の手前で平和を見る。
彼の顔にはもう、さきほど教室で平和に向けた憤怒はなく、ただただ平和を世界一気の毒そうに、哀れだと、可哀想だとでも言いたげな表情だった。
顔がカッと熱くなる。

(そんな目で俺を見る視覚、お前にはない)

心の中でしか言えない。だってもう視線の先にふたりの姿はないから。
胸が苦しくて、目にじわりと涙がこみあげて下唇を強く噛んだ。
嵐なんか、ほうっておけばよかった。
酷い目に遭えばよかったんだ。
暗い世界を生きる人間の嫉妬でぐちゃぐちゃにされて。
怪我をして。
大事な試合には出られず。
悔しさと無力さで死ぬほど泣いて、苦しめばよかった。
そうしたら──。
そうしたら綾野は、嵐のことで頭も心もいっぱいになって。
平和は結局、ふたりの間には入りこむことができないのだ。

(だったらせめて、この結末でよかった)

嫌悪され、拒絶され、物語に登場しなくなったその後を誰も気にしない登場人物だとしても。
利己的だったとしても。
平和は嵐への嫉妬や妬みよりも、綾野への恋心で行動したのだから。
そもそも用意された選択肢はどれも酷いものだった。
マシなほうを選んだのだ。
綾野には、嵐がいる。
傷はすぐ癒えるだろう。

(うん。……うん)

心のなかで現状のすべてに2回頷いて、渡り廊下から見える雨空をあおぐ。
綾野と話している間に雨粒は大きくなりけっこうな勢いで降っていた。予鈴が聞こえる。教室に戻らなければ。
なんだかものすごく長い時間この場所に立っていた気がした。だから普通に歩ける気がしなかったのだけれど、足を一歩踏み出せば今までと何も変わらず進むことができた。
何があっても前進できるとかそういう感覚ではない。
ただ、思い知らされている。
綾野椿の恋人だった時間も、守山平和という人間は、なんの変化もなく守山平和だったのだと。


教室に戻り、綾野も嵐も視界に入れないよう神経を張りつめながら自分の席に座った。
リムレスフレームの眼鏡をかけた長身の数学教師が教壇に立ち、いつもどおり、私的な会話ゼロで授業が始まる。
やる気のない生徒に知識の架け橋を示すタイプの教師ではないため、ぼんやりと外を見ている平和に注意の声が飛ぶことはない。
窓ガラスの向こう側が雨にけぶるのを眺めているうちに、だんだんと、綾野と話していた時には考えが及ばなかった恐怖がこみ上げてきた。
そもそも綾野は、どうしてあの動画を持っていたのだろう。
誰かが彼に送ったのだろうか。
誰が?
綾野と平和の関係を知っている他人は嵐以外にいないはずだ。
嵐が事情を知っていたのは綾野が話したからだろうか。
それとも、嵐も同じ動画を見たのだろうか。
嵐にも誰かが送った?
だとしたら犯人は唯司だと考えるのが普通だけれど、唯司はどうして平和と綾野の関係を知っていたのだろう。話していないのに。
もうひとつ最悪の展開は、唯司がSNS上にあの動画をアップロードして、不特定多数の目撃者のなかに綾野本人か、綾野に繋がる人がいた可能性もある。
胃がうぞうぞするような感覚におそわれた平和は酸っぱい唾を飲みこんだ。
そこで授業終了のチャイムが鳴る。
数学教師はいつもどおり淡々と教材を片付け、なんの余韻も残さず教室から出ていった。
放課のざわめきが教室に満ちていく。

「やばい。シャー芯なくなった」
「売店行く?」
「雨やばー。今日の傘、寿命近いビニ傘なんだけど」
「てかクーラー寒くね? ジャージ着よーっと」
「ねえ待って。そのジャージさ、私が知る限りずっとロッカーに入ってない? 洗濯って言葉知ってる?」

穏やかで平和な雑談が耳に入ってきて、心には留まらず消えていく。
教室内はクーラーでよく冷えて乾燥している。けれど平和は自分がじっとりと冷や汗をかいていることに気付いていた。
嵐と綾野が連れだって教室から出ていく姿が目に入る。
その後ろを華奢な女子生徒たちが小鳥みたいな足取りで嬉しそうについていく。

「うおっ、光った!」

誰かが教室中に響く声で叫んだ──……数秒後。ゴロゴロゴロと雷鳴が。限界だ。平和は机の横にかけていた鞄を引っ掴んで立ち上がる。

「守山くんどうした?」

フラットな声音で話しかけてきたのは隣の席の月山修二(つきやましゅうじ)だった。
おはようのあいさつを何気なく交わす、爽やかなクラスメイト。サッカー部のエース。1年生の時も同じクラスだった平和に「やった、知ってる顔。今年も1年よろしく」と、笑顔で言ってくれた気の良い人柄だった。
そんな月山が、急に鞄を持って立ち上がった平和を気にかけて見上げてくる。

「もしかして、早退する?」

体調が悪いのか、というニュアンスを柔らかく混ぜ込んだ、嘘を許してくれる問いかけだった。
平和は曖昧にうなずく。

「……夏バテで、」
「マジか。あ、たしかに顔色がちょい……大丈夫?」
「うん。……ごめん。先生に言っておいてもらってもいい?」
「わかった。任せて」
「ありがとう」

優しくされる資格なんてないのにと苦しくなりながら、そそくさと教室を後にする。
廊下の人混みを足早に通り過ぎて校舎から出た。
すごい雨だ。
全身を叩くような勢いの、豪雨。
あっという間にびしょ濡れになる。
今日は朝から降っていたので傘を持っているけれど、自分のために差すのが嫌で雨ざらしで歩く。

「待って!」

校門を出ようとしたところで背後から声がかかった。
雨音にまぎれた幻聴であってほしいと願ったけれど、もう一度、「守山くん!」と聞こえてこめかみがキィンと痛んだ。知っている声だ。
「椿」と綾野を呼ぶ、晴れの日みたいな声。
振り返った先に立っていた嵐は青い傘の下で平和を睨みつけていた。
燃えるような目だと、そう思った。
どんな豪雨でも消火できそうにないほど鮮烈な炎を彼の瞳のなかに見て足がすくむ。

「逃げるのか」

そう言うと嵐は綾野に負けず劣らずの長い脚で水たまりを踏みながら平和との距離を詰め、青い傘をずいっと差し出した。
傘の下に入った刹那、雨音の種類が変わる。
人ひとり分もないほどの近距離に立つ嵐からは、綾野と同じ香り。シトラス。
苦しい。胸がしめつけられる。
綾野の恋人になってからずっと、綾野のことを考えた分だけ、嵐のことも考えてきた気がする。

「逃げるの、守山くん」

強い視線は、平和を捕らえて逃がさない。

「椿は、守山くんと付き合えてめちゃくちゃ嬉しそうだった。バスケだって調子よくなって、オレ、守山くんが椿の恋人になってくれてすごい嬉しかったのに。なんでだよ。なんで浮気……?」

嵐はまるで自分が裏切られたみたいに悲愴な面持ちだ。

「最初から、椿のことなんて好きじゃなかった?」
「違う!」

反射的に尖った声がでた自分に驚く。
嵐は一瞬だけ息を呑んだようだったけれど、すぐに表情を変えた。
澄んだ瞳に、平和だけが映る。
まるで心の奥まで見透かされそうな眼差しには静かな威圧感があった。
以前、綾野が言っていたことを思い出す。
コートの中で最も寛容で、攻撃的で、性格が悪くて、性格がよいのは嵐なのだと。
チームの司令塔としてすべてを見て、すべてをコントロールしている。
相手チームには恐れられ、味方には深く信頼される絶対的エース。

──世界中が嵐の敵になったとしても、俺は、嵐の敵になりたくないかな。

そう言って愉しそうに笑った綾野の表情にどうしようもなく嫉妬してしまい、平和は決定的に嵐のことが嫌いになった。

「違うなら、理由は? なんで浮気したの?」

(……なんで。どうして嵐くんに、こんなふうに問い詰められなきゃいけないんだろう)

ふと、自分の心の、柔らかくもろい部分からねっとりと重たい悪意が生まれた。
今、嵐に言ってやろうか。
お前が女子に勘違いさせるような言動をするから、俺が巻き込まれたのだと。
嵐を守ったせいでこうなったのだと。
綾野が傷ついたのは、嵐のせいだと。

「また黙って逃げるの?」

言ってやればいい。
お前のせいだと。
お前さえいなければと──

「俺は、……ちゃんと綾野のこと、好きだ」
「じゃあなんでだよ! 欲求不満とかだったら最悪すぎる!」

違う。
違う違う違う……。
でも理由は説明できない。
だって、嵐は悪くない。
何も知らないだけだ。
彼みたいな人間は知らなくてもいいことが、この世界には沢山ある。
それに、もし平和がこの状況を上手く説明できたとして、今更どうなるというのだろう。
結局はあの動画が現実なのだ。
平和の選択は、唯司に好き勝手されること。綾野を傷つけた行いは取り消せない。

「守山くん、答えろってば。オレにできることならするから。椿はまだ守山くんのこと、許してくれると思う」

綾野が、許してくれたとしても。
あの動画を送ったのが唯司だとしたら綾野も嵐もきっと安全ではない。ふたりは大事な東海大会を控えている。
きっと正直にすべて話せば「一緒になんとかしよう」と言ってくれるだろう。
けれどそれはふたりをただ巻き込むだけで、平和は今、自分がそれを望んでいないことだけはわかっていた。
口を閉ざす平和をじっと見ていた嵐だったが、やがて綾野と同じように深いため息を吐いたかと思うと、彼らしくない乱雑な所作で髪をかき上げた。

「ごめん。ちょっと守山くん、最低すぎる。椿があまりにも可哀想だ」

彼も綾野と同じ。
酷い人に、酷いことを言う時に謝るのか。
平和はなんだかもう何もかもどうでもよくなって。
無意識に、少し笑っていた。

「嵐くんがいれば、綾野は大丈夫だと思う」
「は……?」
「俺、帰るから」
「待てって!」

痛いほどの力で肩を掴まれた。
傘が揺れ、水滴が散る。

「言い逃げするな。オレも言うことある」
「うん、」
「守山くんみたいな人が、椿の傍からいなくなるなら安心する。今、守山くんが言ったように椿の傍にはオレがいる。守山くんは、もう二度と椿に近付くな」

頬を、熱い水滴がつたった。
涙じゃない。
前髪からこぼれた雨粒だ。
さっきびしょ濡れになったから。
嵐の前で泣くなんてあまりにもみじめすぎる。

「約束しろ。椿に連絡とかもしないで。教室でも話しかけないで」
「わかった」
「最低だ。ほんとに」

青い傘が地面に落ちた。
雨に濡れる嵐の背中が遠ざかっていく。

(傘は、置いていってくれるんだ)

平和はあまり力の入らない手で嵐の傘を拾いあげ、頭上にかざす。
青い。
青空の色。
平和は絶対にこの色の傘を選ばない。
ふと、綾野椿という存在もこの傘みたいなものだったのかもしれないと思う。
嵐が、一時的に平和に貸してくれていた。
借りたものは返さなければならない。

「……は、」

頬を熱いものがつたう。
平和は嵐の傘を閉じて校門に掛けておいた。
どうせびしょ濡れだから今更傘をさしたところで意味がない。
鞄を抱え直して、豪雨のなかを歩き出す。
ポケットの中でスマホがふるえていた。
嫌な予感は、ほぼ当たる。
泣きながら着信相手を確認すると予感どおり。
『芦谷唯司』と表示されていた。

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