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14、初めての鍛錬!!!

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「ルイのちくびを口でしたら、どうなってしまうのか」

これは本当に、自分の声で紡いでいる言葉か?
そう疑念に呑まれ、体験している現実から意識が離れそうになる瞬間があってもおかしくないはずなのに、私のすべての感覚は鋭敏で、全開だった。

(認めよう。今、ルイ・ローラン相手に興奮していると)

「は──…?」

きょとんと私を見返す表情は26歳で国の要職につく騎士とは思えないほどに、初心だ。
胸の突起を、舌で愛撫する。そう告げた私を信じられない様子のルイのほうが、ちょっと信じられない。
同時にたまならい気持ちになった。
自分は初物趣味ではないと思っていたが、どうやら勘違いだったらしい。
思えば私の経験値を上げてくれたのはスプリングロードのプロたちで、四大貴族に少しの粗相もあってはならないと常に熟練の者が迎えてくれた。ゆえに私は性的なことで相手の初心さを感じたこともなく、不手際に戸惑った経験もない。そういった環境だったので性行為を巧みに楽しむ者と肌を合わせることを好む性質なのだと考えていたのだけれど──

「口は……いきなりすぎ、じゃん?」

声は平常と軽さを装いつつも潤んだ目を明らかに弱った様子で泳がせるルイの胸を、なにがなんでも舐めしゃぶりたいという、性欲。
すでに硬く存在を主張している胸の突起を優しく、丁寧に、少し強引に愛撫したらルイはどうなるのだろう。……見てみたい。やりたい。

(──やろう。これは鍛錬なのだから)

とはいえ胸元を舐めるといっても、いきなり露出させてはルイが怯えそうでもある。

(また泣かせるのは……)

逡巡の間を経て、私はルイの手をそっと握った。かさついた肌と剣だこの凸凹は騎士の名誉だ。ルイが鍛錬所で真剣にトレーニングする姿を視察の際に見た記憶を思い出した。手を握る指先に少し力がこもる。

「っ、……ニコス?」
「ルイ、私は気持ちいいことしかしません。ゆっくりやりましょう」
「あ──……うん。ありがと、ニコス」

安堵を隠さないで口元をほころばせたルイに、教えてやりたい。こういう雰囲気の時にそういう表情をすれば男を煽るのだということを。
私はルイから目を逸らして身をかがめ──…キスをした。
ブラウス越しの、ルイの胸元に。

「ぅ、ぁ……っ」
「じっとして。無理に脱がせたりもしません。乱暴なことは何もしません」

ブラウスの内側でしっかりと硬くなっている突起に、しゃべって動く唇がわざとこすれるようにした。

「っ、んッ」
「ここを……吸っても?」

ルイの胸元がうねるように跳ね、握っていた手が逃げるように離れていく。ルイは肘を曲げて腕部分で目元を隠してしまう。露出している口元をぎこちなく動かして言った。

「吸……ッ、てくれ……頼む」

不自然に低くなったルイの声。
硬直した表情。
使命感と拒絶の狭間で、羞恥と困惑に押しつぶされそうになりながらも自分に言い聞かせているのだろう。
これは鍛錬なのだと。
やるしかないのだと。

(優しい快楽で、マイナスの感情を上書きできれば……)

目標を明確にした私は、ルイの胸の突起にちゅっと吸いつく。

「ぅあ……っ」

(小さいな……、だが乳輪は)

やや盛り上がっているのはさわっている時からブラウス越しでもわかり、ふわふわと柔らかい。
パフィーニップルというものだろうか。
話に聞いたことがあるだけで実物は見たことがない。
今すぐ脱がせ、ルイの胸元を暴きたい欲情を堪え口での愛撫に意識を集中させる。
まずはブラウスの生地に唾液をしみこませ、舌先で舐めやすくなるほど濡らした。

「…──ん、……ふ……」

甘い声がもれている。
どんな顔をしているのか見たくなったので少し口を離して、ルイの痴態を観察することにした。
目を濡らし、頬を赤らめたルイは諦めと脱力を感じるとろんとした表情だ。
白ブラウスの胸の片方、小範囲で濡れた箇所にはやや濃いピンク色が透けていた。
ルイの表情をじっと見ながら指の腹ですり…とこする。

「あ……っ!」

ルイは快楽がにじむ声を恥じるように顎を引いて、唇を噛む。

「いい反応ですね」

親指でルイの唇を優しく割って、噛んではいけないと教える。
かさついた唇は新鮮だ。

「む…、ぅ……っ」
「ルイのちくび、私の唾液で濡れて、いやらしく透けていますよ」

しゃべりたさそうに唇を開いたので指をひいた。ルイは批難をこめた目で私をとらえる。

「いちいち言うな…──っていうのは、違うよな。鍛錬だし……」
「そう、鍛錬です。だからもっと、ルイが気持ちいことをしなければなりません」
「あ、待てニコス……っ」

待たない、と心の中で返事をした私はふたたび身をかがめ、濡らしたほうの突起に今度は激しく吸いついた。

「んぁ…ッ」

ふわふわの乳輪ごとしゃぶる。
じゅっと音をたて、強めに吸う。
そうしながら舌先では突起をくにくにと舐め、ルイの反応をうかがう。

「あ…っ、んん……」

これが気に入ったのかルイはひくりと腹筋を跳ねさせ、私の服をぎゅっと握りしめた。

(この反応……)

正直、くるものがある。
敵の男たちがなだめすかしてルイに愛撫をした場合、羞恥に戸惑いながらも感じることを隠しきれていない彼の反応には相当煽られたことだろう。

(……難儀だな)

冷静に分析しながらも、自分の下腹部がさっきから度し難いことになっているのは当然わかっていた。もっと、ルイを暴きたい。もっといろいろして、いろいろなルイの反応を……感じている姿を見たい。
口にふくんだ突起は唾液をまぶようにして丹念に舐めながら、ブラウスのボタンを、上から2個目、3個目と外していく。

「ッ、あっ……脱がす、か……?」
「いいえ。私の指をいれるスペースをつくっただけです」
「んんっ、……ぁ……胸、したまましゃべる……な……」
「ふ──、どうして?」
「ん…っ」

いやらしく「気持ちいいから」と言わせたいが、今は少し余裕がない。ブラウス越しに舌での愛撫を続けつつ、ボタンを外した隙間から指を忍ばせ──…

「ふぁ…っ」

指先が、ふわふわの乳輪にたどりついた途端ルイが顎を逸らし、ここまでで一番艶っぽい声を洩らした。
白い首筋と、男の主張をあらわにする喉ぼとけの隆起にかぶりつきたくなる──…が、今は両胸にそれぞれの刺激を与えることを続行しよう。
ふれたルイの素肌の胸元。柔らかくぷっくりした乳輪を、指でくるりと円をえがくようにして撫でる。その際、ほんの少しだけ硬くなった突起にもこすれるようにして。

「ふ…っ、ぁ……」
「ルイはこんなにもいやらしい胸をしていたのですね」
「や、言うな……ッ」

くにくにと乳輪を揉みながら言葉でも性感を与える。

「言いますよ、たくさん。私が敵だったらこの胸は──」

刺激を待ちわびるように限界まで硬くなっているであろう突起を、きゅっとつまんだ。

「あぁ…っ!」
「すごい、いやらしくコリコリです」

指の腹で優しくつまんだまま、くにくにと揉むようにいじる。

「ん…っ、ぁあ……っ」

小さいそれを育てるように上下にしごけば、ルイはびくびくと全身をふるわせた。じっとりと汗ばんできた胸元から、シトラスの香りが濃くたちのぼる。
私はごくりと喉を鳴らしながら、話そうと決めた。接触だけに集中してしまうと歯止めをかけるべきタイミングを見失うと思ったから。
小さな突起にいやらしい刺激を与え続けつつ、言葉でもルイの羞恥を刺激する。

「騎士団では、着替えの際などに普通に上半身をさらすのでしょう? こんな胸を見せつけていたなんて、ちょっと信じられませんね」
「っ、見せつけてなんて……ない……っ。誰も、俺の胸とか見てない……し」
「見ているかもしれませんよ?」

ああそういえばと、意識の端のほうで埃をかぶっていた情報をふいに思い出した。

「彼は、ルイを好きだとよく言っているじゃないですか。──スピロ・ゴティエ」
「ッ!」
「好きな人がこんな卑猥な胸をしていたら、私なら視姦します」
「や、もうこれ以上は──」
「何を言ってるんですか。ここからでしょう」

ブラウスをぐっと引っ張ってずらす。ボタンを外した隙間に、卑猥に勃起したルイの乳首があらわれた。さわって感じたとおり乳輪はぷっくりと柔らかそうに存在を主張し、中心には可愛らしいといっても過言ではないピンク色の小さな突起が。
ボタンをすべてはずさない無理やりの露出が、彼を強引に暴いている気がして全裸よりよほど煽情的だ。

「こんな胸を、血気盛んな騎士団の男たちに無防備に見せていたんですね」
「いやいやだから──…んぁっ!」

ルイの声のトーンが平常心を必死で取り戻そうとしているようだったので、その隙を与えないという意思をこめて、むき出しの突起をれろっと舐めた。
シトラスの香りが鼻腔に満ちる。
好きな香りに煽られた私は弾くように舌を動かし、ルイの胸の突起を攻める。

「あぁ…っ、ふ……んゃ、ぁ……っ」
「嫌なのに、こんなにもちくびを硬くしているんですか?」
「ぁ……っ、知らな……っ、んぅ……ッ」
「知らないことはないでしょう。ルイ、あなたの躰です」

乳輪ごと口にふくみ、たっぷり濡らした舌先でれろれろと全部を刺激する。
さっきブラウス越しに舐めたほうの胸にはふたたび指での愛撫を。衣服越しに、勃ちきったそこをカリカリと爪の先で優しく刺激しつづける。

「ニコ、ス……待って……俺、変……っ」
「変になりそうなくらい気持ちいいんですか?」
「きもちい……っ、きもちいけど、変で……っ」

完全に余裕を失ったルイの目から、ほろりと一粒の涙がこぼれた。
一瞬ハッとしたがそれは突然受けとめすぎた快感の涙だと判断する。
ルイの下腹部には血が集まり、腰が動いている。
私を見つめる目には嫌悪や拒絶はなく、どちらかと言えば今、会話のために胸への刺激が減っていることに焦れているようにも見えな……くも、ない。
──だが、念のために。

「ルイ、……その涙は? 本気で嫌なのであれば今日はここまでにします」

理性を総動員して身を起こし、指での愛撫も止めた私はルイとまっすぐに目を合わせた。
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