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12 魔石を売って欲しいだけなのに…
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古市場…今日も今日とて賑わいを見せている…作ったショルダーバッグで買い物…特に気分は上がらず、本を買ったりする。
何でもいい、暇な時に暇を潰すだけのアイテムだ。
高いが『魔法と魔力』や『生活に役立つ魔法』や『おすすめダンジョン』『美味しくない草をなんとか美味しくする本』『簡単な料理』など…魔法関連や料理の本なども購入してみる、1冊が高いがこういう金の使い方も悪くはない。
先日と同じ場所に魔石売りの男が相も変わらずその場で魔石並べている、此方に気づき手を振ってくれた。
「お、どもーひましてたから相手してくんない」
「……魔石が欲しいんです…」
「お、いいよー金もいらないからさその……そのカバンすげーいいじゃん!どこ?どこに売ってんの?」
「………」
あーめんどくさいパターン…どうしようか…等と考えていると、男が食い入るようにバッグに釘付けなので、頼まれたら作っても良いかと自分が作ったと明かした。
「アンタすごいな!俺はギーギス!なあ、俺にそのカバンの作り方教えてくれ!ここの魔石全部やるし、明日までにまた魔石用意するし!どうだ!?」
「………」
作って欲しいではなく教えて欲しい…その方が良いのかもしれない…了承すればすぐさまギーギスが魔石全てを渡し収納に茣蓙をしまう、紐が必要かもしれないとあの老婆の店に向かった。
「おや、お兄さんみてごらんよ!貰ったバッグを見て作ってみたのさ!お兄さんが通ったら渡そうと思ってね!」
「お。これもいいじゃん!!これの作り方も教えてくれよ!」
ギーギスが老婆が見せてくれたトートバッグも見て言う、近い作り出し応用も効くだろうと老婆からトートバッグを貰い、茣蓙に並んだ紐を全て欲しいと言えば持って行けと言われてしまう。
「おや、お兄さんのそのバッグもいいねぇ」
「………」
「今から作り方を教えて貰うんだ」
「なんだって!是非うちの店の連中にも教えておくれよ!!!うちの店使っていいわ!ほら行くよ!」
「………」
「はは、元気な婆さんだなー」
ぱぱと目にも止まらぬ速さ早さで片付け、ギーギスが茣蓙を持ってやり老婆の後ろを着いてあるく……魔石買いたかっただけなのに……。
「ここが自慢の店さ!」
「店?このボロやが?いてっ」
「………」
目の前に建つ斜めに傾いた木の店と言うか建物というか、斜めになって崩れそうで崩れない『ドッカスのカバン屋』の看板が入口に立てられ…外でカバンを売っていた……(それもそうか)危ない。
「おかえりばあちゃん、あのバッグ売れて今忙しいんだよ。親父が布買いに出たし…いらっしゃい!」
「お客じゃないよ!先生だよこのバッグをくれてまた新しいバッグの作り方を教えてくれるのさ!」
「本当か!おーい母ちゃん!みんなー」
入れ口でバッグを売っていた青年が店の奥にいる家族を呼び出せば……次から次へと7人程出てくる、流石に驚くが木自体は頑丈で老婆の夫が建てた家で崩れない奥行きのある内部らしい。
「外にテーブル出しておくれ!椅子も茶も!先生に出しておくれ!」
「…………」
嫌だ逃げ出したい……何だってこんな事に……さっさと説明して帰ろう、そう思い椅子に座った。
「肩紐の編み方から…」
『お願いしまーす』
「成程こんな編み方が…」
「紐を編まなくても布で紐を…」
「頑丈さは欠けるがそれもいいな」
「見てくれ!どうだ!俺の紐!」
「………良いと思います」
気が付けば夕方辺りは薄暗い、カバン屋の家族とギーギス達が熱心に紐を編み練習したり、色々な編み方を教えたり等してこの時間だ。
「じゃ、次はバッグの方だね明日また朝来とくれ。先生には紐を渡すわ」
「飯食ってってくれ先生!といってもスープしかないけどな…」
「いやあ、祭りで売れてはいるけど中々…」
老婆が紐を外神に渡す、孫と息子が飯でもと誘うが先立つ物は少ないらしい、いや、帰りたいのだけれど……仕方ない。
「食料……出します」
「い、いえそんな悪いです!こんなすごい物を教えて貰った上に食事まで…」
「スープと果物…野菜位しか…」
「おーアンタの果物美味かったぞー」
ぐうううう…ギーギスの腹が成り、仕方ないと収納から果物と野菜と残りのスープを出した。
「わあ!ご馳走だ!すごい!」
「いいの!食べて…」
「どうぞ…」
野菜は刻んでスープに足して、芋は葉に包んで焚火に放り込んで食べる事にした。
よく見れば皆痩せているが活き活きとしている…さっき商品を見せて貰ったが丁寧に作られて価格も安い、生地に妥協もしていないが中々売れないらしい、祭りで観光客や旅人や商人が遠方から来れば売れるが普段は服縫製などの下請けがメインらしい。
「昔からの大店があるの国のお抱えもね、うちみたいな小さい所は中々ね…」
母親が呟く、この国は味や腕ではなく有名な店や国が御用達にしている店などが主流のようだ、稼ぎの薄い冒険者達や庶民が買いに来るだろうがカバン等はそうそう買い替える物でもない。
「ま、こんな変わったカバンがあれば客もくるさ。お、芋良いないいただきー」
「うわ!この芋うまい!」
「スープもおいしい!」
「いい先生が来てくれたよ!」
「…………」
芋や果物はまた明日持って来ようか……らしくもない、人助けも困っている人間も異世界に来たからと言って助ける必要はないと思う…スープと芋はいつもと変わらない味がした…。
「じゃ、また明日な!」
「……はい」
カバン屋を後にしギーギスは祭りの間は偶々取れた宿に泊まっているらしく分かれて、テントに向かう、風呂に入ってだらだらして本でも読んで寝ようかと思いつつ歩いた…。
何でもいい、暇な時に暇を潰すだけのアイテムだ。
高いが『魔法と魔力』や『生活に役立つ魔法』や『おすすめダンジョン』『美味しくない草をなんとか美味しくする本』『簡単な料理』など…魔法関連や料理の本なども購入してみる、1冊が高いがこういう金の使い方も悪くはない。
先日と同じ場所に魔石売りの男が相も変わらずその場で魔石並べている、此方に気づき手を振ってくれた。
「お、どもーひましてたから相手してくんない」
「……魔石が欲しいんです…」
「お、いいよー金もいらないからさその……そのカバンすげーいいじゃん!どこ?どこに売ってんの?」
「………」
あーめんどくさいパターン…どうしようか…等と考えていると、男が食い入るようにバッグに釘付けなので、頼まれたら作っても良いかと自分が作ったと明かした。
「アンタすごいな!俺はギーギス!なあ、俺にそのカバンの作り方教えてくれ!ここの魔石全部やるし、明日までにまた魔石用意するし!どうだ!?」
「………」
作って欲しいではなく教えて欲しい…その方が良いのかもしれない…了承すればすぐさまギーギスが魔石全てを渡し収納に茣蓙をしまう、紐が必要かもしれないとあの老婆の店に向かった。
「おや、お兄さんみてごらんよ!貰ったバッグを見て作ってみたのさ!お兄さんが通ったら渡そうと思ってね!」
「お。これもいいじゃん!!これの作り方も教えてくれよ!」
ギーギスが老婆が見せてくれたトートバッグも見て言う、近い作り出し応用も効くだろうと老婆からトートバッグを貰い、茣蓙に並んだ紐を全て欲しいと言えば持って行けと言われてしまう。
「おや、お兄さんのそのバッグもいいねぇ」
「………」
「今から作り方を教えて貰うんだ」
「なんだって!是非うちの店の連中にも教えておくれよ!!!うちの店使っていいわ!ほら行くよ!」
「………」
「はは、元気な婆さんだなー」
ぱぱと目にも止まらぬ速さ早さで片付け、ギーギスが茣蓙を持ってやり老婆の後ろを着いてあるく……魔石買いたかっただけなのに……。
「ここが自慢の店さ!」
「店?このボロやが?いてっ」
「………」
目の前に建つ斜めに傾いた木の店と言うか建物というか、斜めになって崩れそうで崩れない『ドッカスのカバン屋』の看板が入口に立てられ…外でカバンを売っていた……(それもそうか)危ない。
「おかえりばあちゃん、あのバッグ売れて今忙しいんだよ。親父が布買いに出たし…いらっしゃい!」
「お客じゃないよ!先生だよこのバッグをくれてまた新しいバッグの作り方を教えてくれるのさ!」
「本当か!おーい母ちゃん!みんなー」
入れ口でバッグを売っていた青年が店の奥にいる家族を呼び出せば……次から次へと7人程出てくる、流石に驚くが木自体は頑丈で老婆の夫が建てた家で崩れない奥行きのある内部らしい。
「外にテーブル出しておくれ!椅子も茶も!先生に出しておくれ!」
「…………」
嫌だ逃げ出したい……何だってこんな事に……さっさと説明して帰ろう、そう思い椅子に座った。
「肩紐の編み方から…」
『お願いしまーす』
「成程こんな編み方が…」
「紐を編まなくても布で紐を…」
「頑丈さは欠けるがそれもいいな」
「見てくれ!どうだ!俺の紐!」
「………良いと思います」
気が付けば夕方辺りは薄暗い、カバン屋の家族とギーギス達が熱心に紐を編み練習したり、色々な編み方を教えたり等してこの時間だ。
「じゃ、次はバッグの方だね明日また朝来とくれ。先生には紐を渡すわ」
「飯食ってってくれ先生!といってもスープしかないけどな…」
「いやあ、祭りで売れてはいるけど中々…」
老婆が紐を外神に渡す、孫と息子が飯でもと誘うが先立つ物は少ないらしい、いや、帰りたいのだけれど……仕方ない。
「食料……出します」
「い、いえそんな悪いです!こんなすごい物を教えて貰った上に食事まで…」
「スープと果物…野菜位しか…」
「おーアンタの果物美味かったぞー」
ぐうううう…ギーギスの腹が成り、仕方ないと収納から果物と野菜と残りのスープを出した。
「わあ!ご馳走だ!すごい!」
「いいの!食べて…」
「どうぞ…」
野菜は刻んでスープに足して、芋は葉に包んで焚火に放り込んで食べる事にした。
よく見れば皆痩せているが活き活きとしている…さっき商品を見せて貰ったが丁寧に作られて価格も安い、生地に妥協もしていないが中々売れないらしい、祭りで観光客や旅人や商人が遠方から来れば売れるが普段は服縫製などの下請けがメインらしい。
「昔からの大店があるの国のお抱えもね、うちみたいな小さい所は中々ね…」
母親が呟く、この国は味や腕ではなく有名な店や国が御用達にしている店などが主流のようだ、稼ぎの薄い冒険者達や庶民が買いに来るだろうがカバン等はそうそう買い替える物でもない。
「ま、こんな変わったカバンがあれば客もくるさ。お、芋良いないいただきー」
「うわ!この芋うまい!」
「スープもおいしい!」
「いい先生が来てくれたよ!」
「…………」
芋や果物はまた明日持って来ようか……らしくもない、人助けも困っている人間も異世界に来たからと言って助ける必要はないと思う…スープと芋はいつもと変わらない味がした…。
「じゃ、また明日な!」
「……はい」
カバン屋を後にしギーギスは祭りの間は偶々取れた宿に泊まっているらしく分かれて、テントに向かう、風呂に入ってだらだらして本でも読んで寝ようかと思いつつ歩いた…。
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