あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
828 / 867
第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

第0114話 魚の食べ方×第0114話 《バーススカ集合国》編 後ろ髪引かれつつ/第0114話 《アンツクイア》編 第肆拾伍幕 絵を買い本を

しおりを挟む
第0114話 魚の食べ方
「このぎょしょう?おいし」
「おいしい」
「これ、魚にすごく合う。作り方教えて欲しいです。きっと売れます」
「それ!いい!さいこー教える」
「なら瓶を用意しないとな」
《黒鯨》を浜辺に到着させ捌いた魚と焼いた魚を子ども達に振る舞う、この世界で醤油に近い味が出せる魚醬、500年前に外神が広めた物を魚に掛けて食べるとより美味しいと子ども達は興奮し、ポゥがこれも売りたいと積極的に作り方を教えてくれと頼みゴーレム達が頷く。
「骨せんべいを作るには油が沢山必要だからゴーレムちゃん達にお願いしてください」
「ぱりぱりー」
「よく噛んで喉に刺さらないようにしないと」
「そうだぞ、小さい子には食べさせないように」
『はーい』
燈火が揚げてくれた骨せんべいを少年達が食べ満腹になる、詠斗達が食後に果物やミルクアイスを出して一息ついた…。

「けほけほ…」
「貴方も風邪ですか?これをどうぞ貰った物ですが喉によく効きます」
「あ、ありがとうございます…けほ…最近店を開いた薬師の所で薬も貰ったんですけど、不摂生がたたってますね…」
「ろくに休みも取れませんから」
《ゴウニー》の商業ギルドと冒険者が一体になった建物のカウンター内、書類を纏めていたテベサの横で部下が咳き込む、大河と崇幸から貰った貴重な蜂蜜飴の巾着を懐から出して1つ渡す、ろくに休みも取れず休養もない職場で体調は壊しやすい、よく見ると冒険者ギルドの職員も咳をしている者が数名いる。
「明日、薬師の所で薬を調合してもらいましょう。薬草の依頼を多めに出して下さい、それと買い取りも少し上乗せして数を集めたい」
「わかりました、これとても美味しい飴ですね…買えますか?」
「そうですね…おそらく買えば給金の半分は飛びますよ」
「う…」
舐めた飴が美味しいと職員が喜びテベサは肩を竦め、冒険者ギルドの職員にも飴を配った…。

第0114話 《バーススカ集合国》編 後ろ髪引かれつつ
「魔人の石像の側に未知のダンジョンですか」
「そう、僕も入れるよ。行きたいんだけれど」
「これから調査隊を出すんだって」
テントで空と留守番をしていたラジカが状況を聞き、行きたいと言う千歳を宥め隊の編成を組むエーヴォに声を掛けた。
「エーヴォ殿、サニドツノス殿、魔人の石像が居たダンジョン危険すぎますね。こちらから調査隊を出します、任せて頂けませんか」
「この国の事はこの国で…と言いたい所だがありがたい申し出だ」
「サニドツノス様、ならこっちも腕の立つ戦士を出す。任せっぱなしってのはすきじゃない」
ラジカの提案にサニドツノスが頷きエーヴォも部下を出すとの事で話しが着く、エーヴォが使いを出しラジカがフィズやカトゥーシュカ達に連絡を取った。
「ふぇ」
「空、お腹減った?ごはんにしよ」
「手伝うぞ、明日は俺はイザラ達の手伝いに戻る。カリュシュが来るから」
「分かった、今帝国で仕事をしているんだよね」
「そーそ、すげー真面目なやつ。こっちでも国や領地の運用を学ぶって言ってたな」
「すごいね」
ラジカから受け取った空の為に果物の擦り下ろしと野菜を煮込んだ物を出し、イザラが椅子やタオルを出してくれるのでそれに座った。
晴海が帝国の名を出せばぴくりとかすかにサニドツノスが反応し、すぐに千歳達と仕事に専念する。
「もう少ししたら、夜ご飯だ」
「俺、唐揚げ持って来たから出す。カーテスパパが揚げたやつ」
「やった!おしいよね」
「えーう」
「空ももう少し大きくなったら一緒に食べようね」
「たくさん、食えるようになったら俺がたくさん唐揚げ揚げてやるからな」
イデアが旺盛に晴海の匙から食事を食べる空の頭を撫で、晴海はニコリと楽しみだなと優しい笑みを浮かべた…。

第0114話 《アンツクイア》編 第肆拾伍幕 絵を買い本を買い
「安くなった絵を大量に買ったね、壁に隙間が出来た」
「たくさんあっても損はないし」
「船に絵を飾りましょうか」
「それ採用」
片っ端から安い絵を買い上げぼんやりとしていた従業員は大慌てで他の店員も呼び計算すれば100万ロデ近い金額、佳月がやや呆れ外神の提案に戻ったらさっそくやろうと決め次は本のコーナーに足を運んだ。

「この棚が売れている本だね、あっちは時間が経って劣化した本を安く売っているよ」
「へえ、じゃこの棚全部と安くなった本全部買うわ」
「そうですね」
人の目に付きやすい棚には上から売れている順に本が表紙を見せて品良く並び、奥の方では売れなかった本が値引きされ乱雑に置かれていた。
懐記が両方とも纏めて買うと言うので佳月は肩を竦めたが面白いと感じる、彼らに会ってからずっと面白いと感じていた、もう数十年そんな感情など感じなかったのに。
「綺麗な絵の本ですね」
「そうだね、綺麗な絵だ。今はこういう絵が描かれ売れる時代だ」
「これも買うわ、金足りなくなるかも」
「そうですね、また総合ギルドに売りに行きます」
綺麗な花の本も10万ロデ、本は高価だ、安くなっているのも元は高い、欲しい本を全て買うには金が足りない、外神がまた売りに行くと言い買い物は続いた…。



あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×Play With Fate ~砂上の世界にて~
Place:7 ついに
「え、ええ、え…これって…もしかして」
動物達とスープとビスケットに手に入れたジャムを付け果物を食べた後、再び店の中を探索し段ボールを開けると中には透明なジップに入った正方形の固い麺、もしやこれはと食べたばかりだが黒文字で書かれた文字を読む。
「これに水を入れて5分待つ……カップラーメン!しかも水で出来るんだ…味は…とにかくやってみよう」
袋を開け水魔法で水を入れて時間表示がない短針と長針だけの時計でざっくり時間を計り袋を開くと湯気が漂い、匂いも洋風な香りも感じる。
「あーパスタかーいや!でもすごい!しかも味もあるみたいだし、食べよう………美味しい!なんだろう何味……近いのはニンニクが入っていないペペロンチーノ?うん美味しい!」
フォークで立ったままパスタを啜る、あっという間に食べ終わり満足する。
「日本にいた時…お金なくてそうめんとかこういうパスタばっかり食べてたな…あの時は飽きたなーって言いながら食べたけど…久しぶりに似た味を食べると懐かしいな…」
思い出に浸る、戻りたい帰りたい場所と言い切れない故郷。
「よし、元気出た!全部確認したら収納にしまって今日はもう休もう」
今日の予定を立て、棚を確認を続けた…。

 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

処理中です...