790 / 867
第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ
問題発症解決編044幕 マンションと領民 ×第059話 切れない糸たち:まじない篇 贈り物/第59話 異界 《アヴィラタン》編 第24幕 プ
しおりを挟む
問題発症解決編044幕 マンションと領民
「皆さん、お好きにこのマンションに住んで頂いて構いません、家賃等は必要なく仕事なども希望があれば紹介しますよ」
住居空間を先に完成させ、集まって来た領民達を奴隷ギルドの面々が案内し気に入った場所へ住んで貰う事にした。
収納袋を貸し出し荷物を運び必要のない物は崇幸のスキルで捨てて貰うか、使えそうな物は《アウトランダーズ商会》で買い取る事にし、マンションの住み心地が良ければ住んでいた家を処分するか残すかもその時決めて良いと破格の条件で《ノルデン》の領民達はざわざわと騒ぐが用意されたマンションやアパート、懐記の家を見て回り各自希望の場所へと住み移りこれから現在職がない者や身体に不調がある者達は治療しこの領地を盛り立てて行く事になった。
「大河君、少しは休めたか?」
「ああ、よく寝れた」
「良かった」
「すごいな、一気に景色が変わった」
「ああ、皆が築き上げて来た物だからこんなに早く出来るんだ。そうだ、今からイザラ君達がお茶の試飲会がてら昼を摂るから一緒に食べていくといい。俺はタナトスさんの所に行って、そのあとはファラルシェスさんの所に行くから」
「試飲会?分かった、崇幸さんも…千眼と休んでくれ」
「そうだな」
マンションの畑部分を造っていた崇幸の元へ大河が訪れる、崇幸は少しすっきりしたような顔をした大河を見てほっとする、《憩いのカフェ》とイザラが命名した古民家カフェで出すお茶の試飲会兼昼食を自分達の家に残ると言った領民達と行っていると教えて貰い大河はイザラ達の元へ転移で向かった。
「大河ちゃん!良かった顔色良くなった」
「うん、やっぱり少し休んで良かった。1人で無茶しちゃダメだよ、俺達もいるんだから」
イザラ達がいたのは既に広めの古民家の庭先、高齢の領民達とお茶やあんぱん等を食べている、足元には小さいタマちゃん達とクッキーの人形?とゴーレム達がいて賑やかだ、大河の姿を確認し燈火と舵もほっとした表情を浮べる、それほど酷い顔色を浮べていたのだろう大河もまたみんなの顔を見て安堵する。
「あの子は?どうかな?後で俺達も様子を見に行くよ」
「…《アストマーズ》の悪魔達が見てくれる、衰弱が激しいがすぐに命が失われる物じゃないと」
「良かった…」
舵が呪われている少女の容態を訊ね燈火も安堵する、イザラ達もそれ聞きほっとして大河達を呼ぶ。
「崇幸のスキルのあんぱんは置くんだ、後はお茶!」
「数を増やしても…種類は少なく、3種類…あんぱんと日替わりの物を置く、父さんの店とかからの…」
「領民の皆さんで運営していくそうですよ、この子達もいますから数日中にはカフェが始められますね」
「そうか、俺も本を置かせて貰おう」
イザラ達と領民で話し合った結果だという、無料の《憩いのカフェ》給金は…話し合った結果出さない、その代わり作った物はカフェで売って良いしその利益は全て売った者に入る、使った者達で清潔さを保っていく決まりを設けた。
「足湯も作ったんですよ」
「そうそう、造っていく内に色々増やしちゃってー《アストマーズ》と今懐記ちゃん達がいる所に贈ろうと思って」
「いいんじゃないか良い物だ、他の国にも贈ったら喜ばれると思う」
室内には足湯のスペースや寝転べる場所も設けたと言う、燈火も舵もイザラ達に頼られて嬉しくて相当張り切ったらしく大河の提案で他の国にもこういう《憩いのカフェ》を出そうと話しが盛り上がった。
「大河も食べよ」
「おう、お茶で腹たぽたぽだし肉食べようぜ」
「ナイル殿の所でサンドイッチを作って来ました」
「僕は豆のスープとサラダを持って来ました」
「俺はプリンと果物、さ、食べよ」
イザラとイデア、オベリスカが庭に出したテーブルに皆の持ち寄りを並べて、高齢の領民達と共に食卓に着いて大河も座った、この後は裏街に行って状況の確認とダンジョンの進捗の状況等をするつもりだが今はこうして穏やかな時間に身を委ねる事にした。
第059話 切れない糸たち:まじない篇 贈り物
「おはよー千歳さん!ラジカさん!」
「おはよう、晴海君」
「おはようございます、晴海さん」
「千歳さん、名前決まった?」
「うん、今から《アヴィラタン》と繋ぐよ、名前を贈って話が終わった後に婚礼のお祝いに行こうね」
「うん!率さん達ももう少ししたら来るよ!朝ごはん持って来てくれるって」
朝、《アタラクシア号》の食堂で晴海が千歳とラジカを待っていた、晴海の隣にはベビーカーに乗せた空が手をにぎにぎして身体を動かしていた。
「おはようございます」
「おはよー」
「おはようございます!」
ゴーレムに温かいお茶を頼んでいると、率やエツィアとキートが転移で朝食を持ってやってくる。
「おはよう」
「おはようございます、びっくりしました!タマちゃんが子供を産んで?その子が異世界の神の代理になるって」
「今ね、店の皆とスマートフォンを繋げているよー大勢で来ても向こうに悪いから僕達3人で来たよ」
「お祝いのお菓子と髪飾り持って来ました…喜んでくれると嬉しいですね」
「さあ、皆さん座ってください。《アヴォルジア》に繋げて貰いますから」
率が早速朝食用にオベリスカやナイル達と作ったサンドイッチ、キノコと野菜と腸詰のスープ、オムレツとサラダと果物を並べていく、朝だからと命名の祝いの乾杯にはカウンのジュースを用意している。
率は千歳の孫?に会うのを楽しみにしている、エツィアはチナスやテスカとカヌイ達と繋いでいる、キートはお菓子の箱と髪飾りの箱を抱えて気に入ってくれるかどうか不安そうにしつつ識が《アヴィラタン》と繋げてくれた…。
第59話 異界 《アヴィラタン》編 第24幕 プレゼント
「準備出来たわ、ガイドっちお願い」
『承知しました、繋ぎます』
朝、朝食の準備を皆で行い、魔物達に手本を見せながら作ったオムライスと魚のスープ、腸詰ソテーとサラダ果物、こちらもカウンのジュースを準備しガイドに千歳達の元へ繋いで貰う。
『おはよう、みんな。さっそく名前を君プレゼントしてもいいかな』
「いいよ、おじいちゃん」
モニターに映る千歳手にはカウンのジュースを注いだグラス、タマちゃん8号の子は悪戯をしたような笑みを浮べて待つ。
『……君の名は千景(ちかげ)…千という僕の名にも使われている字、それと景色から取った景いう字、君にはこれから沢山の景色…それこそ千なんて超えた物を見て欲しいという意味を込めて付けさせて貰ったよ。そして真名は××××…受け取って欲しい、僕が孫である君に初めて贈る物…気に入ってくれると嬉しい』
「ちかげ…千景…うん、気に入ったよ穂高千歳、また真名謹んで頂戴致します」
『うん、では千景…《アヴィラタン》の代理者に乾杯!』
『かんぱーい』
『うにょん!』
千景は名を噛み締めて頷く、真名もまた千景に刻まれそして命名に祝いを画面越しに晴海や率達もグラスを掲げ盛大な乾杯が行われた。
「千景っち、飯食ったら一緒にきて、見せたい物あるから?」
「いいよ、そんなに時間は無いと思うけど」
それぞれが千景にグラスを向けてカチリと鳴らす、懐記が後で一緒にと言えばもう此処にいられる時間は短いだろうと言いつつ頷いた…。
あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×EXTRA MYROAD~男は独り異界で飯を食う~
「あの親子にパンの作り方と後は…教えてここから発とうか……何か仕入れが安い物で…これ…」
「らっしゃい、赤芋だよ茹でたり焼いたりするとうまいよ」
「ああ、これいいかもね。これを1袋ちょうだい」
朝の市場、今朝は小麦粉を薄く伸ばした生地に具材を撒いたクレープの様な物とスープを買う、このクレープのような物ボリュームはあるが味は塩の味しかしない、もっと甘辛くしたら美味いのにと思いつつ野菜の屋台に目を向ければ丸くて皮が赤い芋、ああこれは良いと1袋かい収納に入れて店に向かった。
「おはよう」
「お、来たな。昨日と同じで頼む」
「おはようございます!」
「おはようございます、よろしくお願いします」
酒場には既に親子と店主がいて挨拶を交わす、今日も頼むと言われて店主に1つ案を伝える。
「この芋を蒸かして潰した物を生地に混ぜてみると良いと思うんだ、どう?」
「お、いいぞ!うまけりゃそく店売るからやってみてくれ」
「分かった」
芋を収納から出して店主に言えば乗り気だったのでさっそく芋を鍋に入れて茹でていく、母親は1人で魚のフライを作っていく、流石は海の町の住人だ魚料理は佳月よりも遙かに上手い。
佳月は芋を見つつ子ども一緒にパンを焼いていく、もう店には客が来ているらしい、パンを待っている間飲み物が売れている様で、酒場は売上がすごい事だろう、佳月は給金が貰えれば良いと出来た生地から焼いていく。
「お、芋を練り込んだやつうまいな!これも店に出すぞ!」
店主が茹でた芋を潰して練り込んで焼いた物を食べて喜ぶ、従業員と親子も美味しいと言うので即商品化だ、この世界は砂糖や甘い物は貴重だからこういったパンで気軽に甘さを感じられるのなら喜ばれるだろう、そうしている間にもパンを売れていき、もうすぐ200個になり完売が近い。
「これ…焼いた物を混ぜてもおいしいと思います」
「やってみたら良い、茹でるより細かく刻んで炒めて混ぜた方が早い」
「お!やってみてくれ」
「はい」
母親がパンを食べ終わりぽつりと呟く、佳月はやってみたら良いと店主も後押しるするので後は任せ夜の仕込みを佳月は行った。
「今日もすごい売れたぞ、芋代も入れて13,000ロハだ!あとは賄いだ」
「どうも、それと明日ここが終わったら町を出るよ」
「……そうか、息子も怪我が治ったし従業員も増えたからな!ありがとうな!」
「ああ、楽しかったよ」
賄いの芋のパンと魚のフライ、芋とキノコのソテーを貰い旅に出る事を伝えて店主が礼を言い酒場を後にする。
「芋を使えばパンが美味くなるって気づいたからきっと他にも色々出来るって分っただろう」
佳月は夜の道を歩く、いつだって白い月と青い星はそこに在る、今夜は濃い酒を飲もうと決めて宿に向かった…。
本日の食事:クレープの様な物とスープ 芋のパンと魚のフライ 芋とキノコのソテー 濃い酒…古橋 佳月でした…。
「皆さん、お好きにこのマンションに住んで頂いて構いません、家賃等は必要なく仕事なども希望があれば紹介しますよ」
住居空間を先に完成させ、集まって来た領民達を奴隷ギルドの面々が案内し気に入った場所へ住んで貰う事にした。
収納袋を貸し出し荷物を運び必要のない物は崇幸のスキルで捨てて貰うか、使えそうな物は《アウトランダーズ商会》で買い取る事にし、マンションの住み心地が良ければ住んでいた家を処分するか残すかもその時決めて良いと破格の条件で《ノルデン》の領民達はざわざわと騒ぐが用意されたマンションやアパート、懐記の家を見て回り各自希望の場所へと住み移りこれから現在職がない者や身体に不調がある者達は治療しこの領地を盛り立てて行く事になった。
「大河君、少しは休めたか?」
「ああ、よく寝れた」
「良かった」
「すごいな、一気に景色が変わった」
「ああ、皆が築き上げて来た物だからこんなに早く出来るんだ。そうだ、今からイザラ君達がお茶の試飲会がてら昼を摂るから一緒に食べていくといい。俺はタナトスさんの所に行って、そのあとはファラルシェスさんの所に行くから」
「試飲会?分かった、崇幸さんも…千眼と休んでくれ」
「そうだな」
マンションの畑部分を造っていた崇幸の元へ大河が訪れる、崇幸は少しすっきりしたような顔をした大河を見てほっとする、《憩いのカフェ》とイザラが命名した古民家カフェで出すお茶の試飲会兼昼食を自分達の家に残ると言った領民達と行っていると教えて貰い大河はイザラ達の元へ転移で向かった。
「大河ちゃん!良かった顔色良くなった」
「うん、やっぱり少し休んで良かった。1人で無茶しちゃダメだよ、俺達もいるんだから」
イザラ達がいたのは既に広めの古民家の庭先、高齢の領民達とお茶やあんぱん等を食べている、足元には小さいタマちゃん達とクッキーの人形?とゴーレム達がいて賑やかだ、大河の姿を確認し燈火と舵もほっとした表情を浮べる、それほど酷い顔色を浮べていたのだろう大河もまたみんなの顔を見て安堵する。
「あの子は?どうかな?後で俺達も様子を見に行くよ」
「…《アストマーズ》の悪魔達が見てくれる、衰弱が激しいがすぐに命が失われる物じゃないと」
「良かった…」
舵が呪われている少女の容態を訊ね燈火も安堵する、イザラ達もそれ聞きほっとして大河達を呼ぶ。
「崇幸のスキルのあんぱんは置くんだ、後はお茶!」
「数を増やしても…種類は少なく、3種類…あんぱんと日替わりの物を置く、父さんの店とかからの…」
「領民の皆さんで運営していくそうですよ、この子達もいますから数日中にはカフェが始められますね」
「そうか、俺も本を置かせて貰おう」
イザラ達と領民で話し合った結果だという、無料の《憩いのカフェ》給金は…話し合った結果出さない、その代わり作った物はカフェで売って良いしその利益は全て売った者に入る、使った者達で清潔さを保っていく決まりを設けた。
「足湯も作ったんですよ」
「そうそう、造っていく内に色々増やしちゃってー《アストマーズ》と今懐記ちゃん達がいる所に贈ろうと思って」
「いいんじゃないか良い物だ、他の国にも贈ったら喜ばれると思う」
室内には足湯のスペースや寝転べる場所も設けたと言う、燈火も舵もイザラ達に頼られて嬉しくて相当張り切ったらしく大河の提案で他の国にもこういう《憩いのカフェ》を出そうと話しが盛り上がった。
「大河も食べよ」
「おう、お茶で腹たぽたぽだし肉食べようぜ」
「ナイル殿の所でサンドイッチを作って来ました」
「僕は豆のスープとサラダを持って来ました」
「俺はプリンと果物、さ、食べよ」
イザラとイデア、オベリスカが庭に出したテーブルに皆の持ち寄りを並べて、高齢の領民達と共に食卓に着いて大河も座った、この後は裏街に行って状況の確認とダンジョンの進捗の状況等をするつもりだが今はこうして穏やかな時間に身を委ねる事にした。
第059話 切れない糸たち:まじない篇 贈り物
「おはよー千歳さん!ラジカさん!」
「おはよう、晴海君」
「おはようございます、晴海さん」
「千歳さん、名前決まった?」
「うん、今から《アヴィラタン》と繋ぐよ、名前を贈って話が終わった後に婚礼のお祝いに行こうね」
「うん!率さん達ももう少ししたら来るよ!朝ごはん持って来てくれるって」
朝、《アタラクシア号》の食堂で晴海が千歳とラジカを待っていた、晴海の隣にはベビーカーに乗せた空が手をにぎにぎして身体を動かしていた。
「おはようございます」
「おはよー」
「おはようございます!」
ゴーレムに温かいお茶を頼んでいると、率やエツィアとキートが転移で朝食を持ってやってくる。
「おはよう」
「おはようございます、びっくりしました!タマちゃんが子供を産んで?その子が異世界の神の代理になるって」
「今ね、店の皆とスマートフォンを繋げているよー大勢で来ても向こうに悪いから僕達3人で来たよ」
「お祝いのお菓子と髪飾り持って来ました…喜んでくれると嬉しいですね」
「さあ、皆さん座ってください。《アヴォルジア》に繋げて貰いますから」
率が早速朝食用にオベリスカやナイル達と作ったサンドイッチ、キノコと野菜と腸詰のスープ、オムレツとサラダと果物を並べていく、朝だからと命名の祝いの乾杯にはカウンのジュースを用意している。
率は千歳の孫?に会うのを楽しみにしている、エツィアはチナスやテスカとカヌイ達と繋いでいる、キートはお菓子の箱と髪飾りの箱を抱えて気に入ってくれるかどうか不安そうにしつつ識が《アヴィラタン》と繋げてくれた…。
第59話 異界 《アヴィラタン》編 第24幕 プレゼント
「準備出来たわ、ガイドっちお願い」
『承知しました、繋ぎます』
朝、朝食の準備を皆で行い、魔物達に手本を見せながら作ったオムライスと魚のスープ、腸詰ソテーとサラダ果物、こちらもカウンのジュースを準備しガイドに千歳達の元へ繋いで貰う。
『おはよう、みんな。さっそく名前を君プレゼントしてもいいかな』
「いいよ、おじいちゃん」
モニターに映る千歳手にはカウンのジュースを注いだグラス、タマちゃん8号の子は悪戯をしたような笑みを浮べて待つ。
『……君の名は千景(ちかげ)…千という僕の名にも使われている字、それと景色から取った景いう字、君にはこれから沢山の景色…それこそ千なんて超えた物を見て欲しいという意味を込めて付けさせて貰ったよ。そして真名は××××…受け取って欲しい、僕が孫である君に初めて贈る物…気に入ってくれると嬉しい』
「ちかげ…千景…うん、気に入ったよ穂高千歳、また真名謹んで頂戴致します」
『うん、では千景…《アヴィラタン》の代理者に乾杯!』
『かんぱーい』
『うにょん!』
千景は名を噛み締めて頷く、真名もまた千景に刻まれそして命名に祝いを画面越しに晴海や率達もグラスを掲げ盛大な乾杯が行われた。
「千景っち、飯食ったら一緒にきて、見せたい物あるから?」
「いいよ、そんなに時間は無いと思うけど」
それぞれが千景にグラスを向けてカチリと鳴らす、懐記が後で一緒にと言えばもう此処にいられる時間は短いだろうと言いつつ頷いた…。
あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×EXTRA MYROAD~男は独り異界で飯を食う~
「あの親子にパンの作り方と後は…教えてここから発とうか……何か仕入れが安い物で…これ…」
「らっしゃい、赤芋だよ茹でたり焼いたりするとうまいよ」
「ああ、これいいかもね。これを1袋ちょうだい」
朝の市場、今朝は小麦粉を薄く伸ばした生地に具材を撒いたクレープの様な物とスープを買う、このクレープのような物ボリュームはあるが味は塩の味しかしない、もっと甘辛くしたら美味いのにと思いつつ野菜の屋台に目を向ければ丸くて皮が赤い芋、ああこれは良いと1袋かい収納に入れて店に向かった。
「おはよう」
「お、来たな。昨日と同じで頼む」
「おはようございます!」
「おはようございます、よろしくお願いします」
酒場には既に親子と店主がいて挨拶を交わす、今日も頼むと言われて店主に1つ案を伝える。
「この芋を蒸かして潰した物を生地に混ぜてみると良いと思うんだ、どう?」
「お、いいぞ!うまけりゃそく店売るからやってみてくれ」
「分かった」
芋を収納から出して店主に言えば乗り気だったのでさっそく芋を鍋に入れて茹でていく、母親は1人で魚のフライを作っていく、流石は海の町の住人だ魚料理は佳月よりも遙かに上手い。
佳月は芋を見つつ子ども一緒にパンを焼いていく、もう店には客が来ているらしい、パンを待っている間飲み物が売れている様で、酒場は売上がすごい事だろう、佳月は給金が貰えれば良いと出来た生地から焼いていく。
「お、芋を練り込んだやつうまいな!これも店に出すぞ!」
店主が茹でた芋を潰して練り込んで焼いた物を食べて喜ぶ、従業員と親子も美味しいと言うので即商品化だ、この世界は砂糖や甘い物は貴重だからこういったパンで気軽に甘さを感じられるのなら喜ばれるだろう、そうしている間にもパンを売れていき、もうすぐ200個になり完売が近い。
「これ…焼いた物を混ぜてもおいしいと思います」
「やってみたら良い、茹でるより細かく刻んで炒めて混ぜた方が早い」
「お!やってみてくれ」
「はい」
母親がパンを食べ終わりぽつりと呟く、佳月はやってみたら良いと店主も後押しるするので後は任せ夜の仕込みを佳月は行った。
「今日もすごい売れたぞ、芋代も入れて13,000ロハだ!あとは賄いだ」
「どうも、それと明日ここが終わったら町を出るよ」
「……そうか、息子も怪我が治ったし従業員も増えたからな!ありがとうな!」
「ああ、楽しかったよ」
賄いの芋のパンと魚のフライ、芋とキノコのソテーを貰い旅に出る事を伝えて店主が礼を言い酒場を後にする。
「芋を使えばパンが美味くなるって気づいたからきっと他にも色々出来るって分っただろう」
佳月は夜の道を歩く、いつだって白い月と青い星はそこに在る、今夜は濃い酒を飲もうと決めて宿に向かった…。
本日の食事:クレープの様な物とスープ 芋のパンと魚のフライ 芋とキノコのソテー 濃い酒…古橋 佳月でした…。
0
お気に入りに追加
355
あなたにおすすめの小説
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~
手乗りドラゴンと行く異世界ゆるり旅 落ちこぼれ公爵令息ともふもふ竜の絆の物語
さとう
ファンタジー
旧題:手乗りドラゴンと行く追放公爵令息の冒険譚
〇書籍化決定しました!!
竜使い一族であるドラグネイズ公爵家に生まれたレクス。彼は生まれながらにして前世の記憶を持ち、両親や兄、妹にも隠して生きてきた。
十六歳になったある日、妹と共に『竜誕の儀』という一族の秘伝儀式を受け、天から『ドラゴン』を授かるのだが……レクスが授かったドラゴンは、真っ白でフワフワした手乗りサイズの小さなドラゴン。
特に何かできるわけでもない。ただ小さくて可愛いだけのドラゴン。一族の恥と言われ、レクスはついに実家から追放されてしまう。
レクスは少しだけ悲しんだが……偶然出会った『婚約破棄され実家を追放された少女』と気が合い、共に世界を旅することに。
手乗りドラゴンに前世で飼っていた犬と同じ『ムサシ』と名付け、二人と一匹で広い世界を冒険する!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる