あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

問題発症解決編042幕 憩いのカフェ×第057話 切れない糸たち:まじない篇 名前/第57話 異界 《アヴィラタン》編 第22幕 相談

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問題発症解決編042幕 憩いのカフェ
「そうかカフェか、なら無料にしようか」
「え…無料ってタダでお茶を飲むの?」
「ああ、憩いの場を造ろう」
「崇幸ーそれは危険だろ?こんな荒れた領地でそんなもん作ってもすぐに壊れる」
「それはやってみないと分からない、ここに住んで最後までここにいたいという人々が笑顔でお茶を飲める場所を提供しよう。ただ掃除やお茶は彼らが用意し掃除もする、売りたい物があれば売って誰もが客で誰もが従業員、そんな店を作ろう。店番には俺がゴーレムを造ろう、千歳くんのタマちゃんも置いて」
《ノルデン》の領主屋敷が様変わりしていた、その中心にいた崇幸にイザラが相談すれば斜め横からの提案にイデアが肩を竦めオベリスカも目をぱちくりさせチカは面白そうに笑っていた。
「本当に出来る?」
「やってみよう、失敗したらまた他の角度からアプローチすればいい。イザラ君達どんなカフェにするか一緒に考えよう、お茶とか何を置くか考えよう」
「ゆき…メダルゲームと自動販売機を置きたい…メダルゲームはカジノの物を入れる」
「いいそれ!食べ物の自動販売機とメダルゲームは暇つぶしに良いな!よし早速…」
「みんな!まずは昼めし!」
『はーい』
千眼のアイディアに崇幸が目を輝かせ早速取り掛かろうとすれば、詠斗からストップがかかり少し遅めの昼食にした。

「……すまない、俺には…」
「ぁう…」
療養街に連れてきた少女と弟、ベッドの上で苦し気に息を吐く少女の身体は枯れ木のようにほそく脆く頼りない、泣き疲れた弟は椅子に座ってベッドに身体を預けて眠っていた。
「ごめ…な…」
「しゃべるな、辛いだけだろう」
ずっとうわ言で謝り続ける彼女、蒐集家に聞けばすぐに彼女が何をしたのか分るだろう、だが聞いて果たして大河がこの少女に良くなって欲しいという気持ちが残るのかどうか…。
万能薬も効かない神々もこれは解呪できないと言う、このまま…このまま苦しみ続けるならいっそ大河は楽にしてやればいいのかと考える。
『大河様《アストマーズ》の悪魔が解呪に手を貸すそうです、如何です?』
「そうか、なら頼む。何を渡せば良い?」
『特には何か面白い本や食べ物、日本のビールを渡せば良いと思います』
「分かった、頼む」
風早の声で思考が正常に戻る、《アストマーズ》に解呪を依頼する事にし大河は本と飴と缶ビールを用意し風早に頼んだ。

「神が無理なら悪魔に頼むか、私に縋らないのは賢明ですね」
カジノタワーの最上階の蒐集家の自室で薬の調合を行いながら嗤う、今夜も大河は戻らないだろう。
「あの呪い悪魔共なら容易いでしょう、原始の悪魔ならばもっと楽に壊せる…」

第057話 切れない糸たち:まじない篇 名前
「すごいねー千歳さん、家族が増えたね!」
「う、うーん。そうだね」
「神というより魔王という言葉がしっくりきますね」
《アタラクシア号》の食堂、夕食は焼き肉サラダと具沢山スープ、ご飯ときんぴらごぼうと芋の味噌煮が並び、空にミルクを与え終えた晴海がベビーカーに空を乗せた。
コーカスが先程の《アヴィラタン》の世界で誕生した千歳の孫、タマちゃん8号の子の印象を述べた。
「神の代行者ですか、途方もない存在ですね」
「そうだけれど、どうにも実感がないよ。タマちゃん達とは繋がっている感じはするけれど、彼とは繋がってないと思うし…」
「興味深いですね、神が誕生すれば何もなかった世界に変化が起こる、その辺かはきっと《アタラクシア》にも影響を及ぼすかもしれません。何せ魔王から神が誕生したのですし」
「…そうだね、きっと彼は優しい世界をタマちゃんと作っていくよ。食事をしたら名前を考えないとね」
コーカスの言葉に千歳は笑みを浮べる、ラジカも千歳から誕生した存在ならば良い方へ導いていくだろうと考える、千歳が立ち上がり自室へと戻り名前を考え、晴海は明日のお祝いの確認を率とする、コーカスはラウンジでコーヒーを飲みながら夜の空を眺めると決めデザートのアイスを食べた後は各々の時間を過ごした…。

第56話 異界 《アヴィラタン》編 第22幕 相談 
夕食が済み各自自室や風呂、魔物達の元へと自由に過ごす夜、外神は明日の朝食の仕込みをしている懐記のいる食堂に足を運ぶ。
「懐記さん…僕が出来る事はありますか?」
「ん、どうしたらタマちゃんの子が《神の庭》に行かなくても済む方法を知りたいんだけど」
「はい…代理者として地上で《アヴィラタン》を管理するという事ですね」
「まーそんな感じ?ここに《神の庭》を持ってくればいい?」
『もちゃ!』
外神が口を開き懐記が頷く、傍らのもちゃは首を傾げている、外神が懐記が千歳の孫が《神の庭》に行くのを良しとはしていない事だけ理解し持ち掛けた。
「出来ない事はないです、空間を《神の庭》に繋げていつでも地上に来られるようにすれば良いと思います。扉や転移石を用意すれば可能だと思います」
「んーそれもありね、管理はするってのは前提ね」
「その役目から逃れられません、彼もそれを受け入れています」
『ふむ、ならば手を貸そうかの。《アヴィラタン》の《神の庭》を繋げて此方で暫く管理しようかの、今神が誕生したばかりの《アヴィラタン》はある意味不安定じゃ、管理者も地上で管理をするのが良い』
『《アタラクシア》の魔王から派生した存在です、我々も手を貸します』
『はい、《アヴィラタン》は責任を持って管理します」
「ん、おけーさんきゅ神様ズ」
「では地上で彼が管理できる場所を設けます」
『ならばタマちゃんの腹の中が良い、そこに地上で管理できる場を設ける。タマちゃんの腹中の空間は此方で準備しよう』
「頼むわ」
「では必要な物で用意出来そうな物は此方で用意します」
「じゃあさ」
《アユズラーグ》の神と《アタラクシア》の神々が手をかすと言うので、外神と懐記は彼の為に準備に取り掛かった…。



あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×EXTRA MYROAD~男は独り異界で飯を食う~
「お、これって油。売って」
「あいよ、これで2,000ロハね」
仕事に向かう途中で屋台で壺に入った油を見つけ、値段もお手頃骨せんべいを揚げようかと購入して酒場に向かった。

「よ!今日もパンを頼んだ」
「分かった」
「おはようございます!」
「ああ、おはよ」
食堂に向かえばまだ店は始まっていない、店主と従業員と少年が向かえてくれさっそく一緒にパンを準備する。
「俺は魚のフライをやるから、パンをやってくれ」
「は、はい!」
魚のフライを挟んだパンも人気で佳月は準備し、少年は徐々に慣れて来たパン生地をせっせと練っていく、木の実も店主が用意しこれも使ってくれと言うので木の実も細かく刻んで混ぜて貰う。
「明日、もう1人この子の母親がくるから教えてやってくれるか?」
「別に構わないけど」
「いやー実は朝にこの店をパン屋にしようと思ってな、コイツの母親も色々な仕事をするより1つの仕事で稼げた方が良いだろうと思ってな、ゆくゆくはパンの店を任せても良い」」
「パンにんきです!すごい」
「そうですよーもう並んでます」
「へぇ、でも今日も売る量決めてくれずっと作るのは大変だし」
「分かった、200個で頼む」
口コミなのだろうかネットもテレビもない世界、誰かの口から広がっていく噂は侮れない、もうじき此処を発つつもりの佳月は頷いてを捌いていった…。

「今日もごくろーだった、これは給金だ。それと今夜はかなり注文が入ったからな賄いがない、1万ロハを渡す」
「おーありがと」
「明日はもっと仕入れてくるからな、それとこれは行商が持ってきた酒だ。小さいからお前にやる」
「それは嬉しいな、ありがと」
店は混雑しパンもすぐに完売、酒場が終わる頃には食材が尽きていた。
店主からイロを付けて貰った給金を受け取り、小さめな瓶に入れられた酒を受け取り酒場を出る。
「魚のスープとパンが収納にあるからそれと酒でいいか」
朝と昼は焼き立てパンと店主が焦がした魚の焦げた部分を除いた物だけで、腹はそこそこ空いている、明日はもう少し多めに食べて向かおうと決め、安宿へ向かった。

本日の食事:パンと焦げた魚 酒とパンとスープ …古橋 佳月でした…。



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