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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ
問題発症解決編038幕 領地×第053話 切れない糸たち:まじない篇 寄付/第53話 異界 《アヴィラタン》編 第18幕 増殖
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問題発症解決編038幕 領地
「うーん、帝国は貧しいんだな…改めてそう思うよ」
「はい、本当に1部の権力者だけが私腹を肥やしている状態です、私を育ててくれた両親も貴族でしたが質素な生活をしていました」
「……まずはここに住んでいる人達に話を聞いて領主の屋敷に行こうかー」
「……この国全体がこうなんだろうな…だから呪いが…」
「大河君、何処にでもそういった物はある。帝国が俺達の目に付きやすかったんだ、俺達に出来る事をしよう…そうするしかない」
「はい」
着いた先《ノルデン》…そこは裏街と変わない荒廃した場所だった、崇幸がしみじみ感想を言いカリュシュも淡々と告げる、大河の声に崇幸は肩に手を乗せる、崇幸は大河ももう限界なのに気付いていた。
休ませてやりたいが当の大河は首を振るだろう、責任感の強い青年だ気負い過ぎたのだ、帝国は広くそして貧しい国家だ恵まれない国は犯罪を生む、いざとなればなんとしてでも大河を止めて自分が前に立つつもりだ、綴もそうだ千歳だって代わるつもりだ皆大河を心配している、此処《ノルデン》は早期に決着を崇幸は着けるつもりでいる。
「屋敷はあちらですね」
「んじゃ、行くか」
カリュシュが先頭に立ちカイムが護衛として最後尾を歩く、千眼が周囲に目を向けながら歩く人は粗末な服を着て痩せこけ売っている物も少なく高い、物乞いがこちらを見て物欲しげにしている、カイムがにらみを効かせて向かった領主屋敷はそれはそれは立派な物だった…。
第053話 切れない糸たち:まじない篇 寄付
夜市を短めに楽しんだ翌日、千歳とラジカと晴海に空、率とエツィアで孤児院を寄付と店の事で訪れた。
「綺麗な建物ー」
「教会みたいだね」
「ここ、結界が張られているね。結構精度が高い」
「うぇぇん」
「空?」
「どうやら、空さんは結界を拒否しているようですね」
「なら、僕が預かって街を見ているよー任せて、こう見えて僕13人の魔人の子を見ていたし」
「僕もエツィアと行きます、また明日でも良いしね。店を始められたら何回も来ると思うし」
市場の店主に聞いた場所は市場から少し外れた場所、林が広がる小さな講堂の様な白い落ち着いた風合いの建物、子供達の笑い声と畑にエツィアが分不相応な程の強力な結界に空が泣き、エツィアと率が空を連れて街観光をするというので流石にそれは危ないと1度空をグローリー達に預けて来ようかという話しになった所で孤児院から昨日の少女が出て来てペコリと挨拶をしてくれる。
「昨日の方達とご家族でしょうか?こんにちは、何かごようですか?」
鈴の音を転がす柔らかな声、綺麗な少女がニコリと微笑んだ…。
「ごめんなさい、この子が…なので外でお茶を…」
「いえ、子供は愚図ったり笑ったりするのが仕事です。それを責める事はよくありません」
「えーと、貴女のお名前は?」
「私はアンと申します」
出て来た少女を茶に誘い、孤児院が見える外でテーブルを出し率とラジカがお茶を用意してくれ晴海が頭を下げれば緩くアンと名乗った少女が笑った。
「昨日の華鏡のお礼と布をお礼にわずかばかりの寄付と、ここの孤児院の院長が病に倒れていると聞きこれは万能薬なのでよければ納めてくれるかな」
「…ありがたい事ですね、良いのですか?今いる女で相手がいない者は私しかいませんが私でも構いませんか?」
「……やっぱりここはそういう孤児院なんだね」
「……同意の上です、家族を養う為に自ら身売りして来た者達に少しでも価値を付けるために教育し作法を教えその手数料等で暮らしています」
「え……」
千歳の静かな言葉に優雅に茶を飲むアンは何でもない事の様に人身売買を語る、晴海が目を大きく拓いてまじまじとアンを見つめる、晴海と同年代だろう酷く大人びて見える顔は何の感情も読めない。
「合法です、良い事をしていますね。学があり作法が身に着き何処にだしても恥ずかしくない見目の良い少女達の価値は高い」
「お、俺!ただ昨日のお礼がしたかったの!だから受け取って!それだけだから」
「はい、そうですか。明日ここで婚姻の儀があるのでよければ見に来られますか?万能薬があれば院長も立ち会えるでしょう、店の件もそこで伝えれば良いかと、お茶ご馳走様でした」
ラジカが淡々と褒め、アンは頷き晴海の気持ちを汲み取り頭を下げて万能薬の瓶と革袋に入った寄付を抱えて孤児院へと戻る、晴海は何を胸にもやもやとした物を残し、率が肩を叩く。
「おめでたいね!何かお祝いを贈ろう、晴海くんお店へおいでよ。一緒に選ぼう、エツィアも」
「……うん、そうだね」
声を掛ける率に返事を返しつつエツィアの視線は孤児院の方へ向いたまま、ラジカも千歳も孤児院を見ていた…。
第52話 異界 《アヴィラタン》編 第18幕 増殖
『うにょんうにょん』
「タマちゃんが増殖してる…」
「子供だ!子供が産まれた!」
「えーと、千歳が造ったゴーレムから産まれたから千歳の孫?」
「神に成ったからこの世界に必要な手数を増やしたといった所だ」
タマちゃん8号が鳴きながら腹部分から小さいタマちゃんが出て来るので、ギーギス、チェカ、ナチェが驚きジラが首を傾げイフが餅を食べながら答える。
「神よ…」
「かみさまー」
「ふえたー」
「すごーい」
魔物達は自分達の為に手数を増やしてくれたタマちゃんに感激し、平伏している魔物もいる。
『もちゃぁ』
『うにょん』
『ぎゅー』
「千歳っちに動画送ろう」
「このタマちゃん1体でも相当だ…千歳が造った上に神鋼を用いている、異界の神の座に就くのは妥当とも言えるが…」
懐記がスマートフォンで動画を撮りイシュターが冷静に観察する、その間もタマちゃん8号はタマちゃんを産み続けていく。
『ほほ、世界に尽くす神と感極まる魔物達相思相愛じゃの』
『…そうですね』
『タマちゃん8号様達は様々な魔法やスキルが付いていますね、《アヴィラタン》はこれから発展していくでしょう』
《アユズラーグ》の神は面白そうに言い、《アタラクシア》の神々も困惑しながらも受け入れ、ガイドは冷静だった。
「タマちゃん達は飯食べないの?」
「食べると思います、食べなくても良いみたいですね…」
『我々から《アヴィラタン》の神の誕生を祝して肉ダンジョンと魚ダンジョンを贈りましょう』
『儂からも布を生成する蜘蛛を贈るとしよう、食べる物によって色が変わるぞ』
神々が祝福し、近く祝いが贈られるとの事、懐記は動画を撮りながらもう共食いをしなくても飢えなくても大丈夫だろうと笑った。
あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×EXTRA MYROAD~男は独り異界で飯を食う~
朝少し早めに起きて誰もいない静かな海で魚を捌いてテーブルを出して籠に並べて干して行く、ついでに塩を作ろうと海水を火魔法と風魔法で空中で煮詰めていく風魔法を調整し下に置いた鍋に荒い塩が落ちていく。
「塩ってほんと高いからなーちょっと質は落ちるけど自分で作った方がいい」
魔法で片手間で塩を作る、魔法は便利だなとしみじみ思う、攻撃魔法とか人を洗脳する魔法とかよりもこういった生活に役に立つ魔法の方が良い。
「転移魔法と収納魔法とかは便利だけどなー」
魚を干しながらしみじみ思う、朝の海はひんやりとしていて気持ち良い。
ここもその内発つ、しばらく魚に困らない様にして生活しているだけだった。
「お、そろそろいいかな」
別の鍋に貝を入れて酒を入れて蒸した物、貝の口が開いて適当に調味料をいれて匙で掬って皿に盛り食べる、朝から贅沢だなーしかも仕事に行く前にと佳月は肉厚な貝を楽しんだ。
「うまーやっぱ酒しかかたん!っと仕事仕事、片付けないと。状態異常無効様様、いくら酒飲んでも酔わなし幾らでも飲める、健康診断を気にしないい」
砂を払ってゴミは燃やして浄化魔法を掛けて塩は空いている壺に入れて、身支度を整えて酒場へ向かった。
「よ、今日もパンを頼む。後は魚を捌いてくれ、パンは用意した干し肉を入れてくれ」
「分かった」
昼間は食堂になっている酒場は今日も賑わい、パンを焼いてくれと1番に頼まれ頷いて準備に取り掛かる、パンのお陰か客が増えたようで良い事だ。
小麦粉と塩を混ぜて、水に浸していた干し肉の水を混ぜて練っていく、干し肉を刻んで混ぜて生地になった物を千切っていく。
「これ貰ったからこれを使って焼いてみてくれ」
「分かった」
店主がなじみ客から貰った干した果物を渡され頷いて刻んでそれように生地を作る、本当はジャムとか練り込みたい所だけれど砂糖は貴重だなーと思いながらパンを焼いて生地を練って、小麦粉を混ぜていった。
「今日もありがとな、よければ明日から従業員を増やそうと思ってな、パンの作り方を教えてやって欲しい、日給8,000でどうだ?」
「んー」
「小さい子で、父親が冒険者で死んじまってなお袋さんは昼夜問わず働いていてな…お前もずっといるわけじゃないだろ?息子の怪我が治ってもいてくれたらいいんだが」
「俺は旅をしたいからな、いいよ。分かったその子に教えるよ」
「そうか!悪いな!今日も8,000ロハと今夜は魚の煮込みとパンだ。この干し果物のパンうまいな」
酒場が終わり片付けをしている佳月に店主が拝みながら頼む、やる気が起きない佳月に店主が訳を話し佳月は了承した。
喜ぶ店主から魚の煮込みと佳月が焼いたパンを受け取りそれを食べて店を出る、魚の煮込みは身が柔らかくて美味しかった…宿に戻って干し肉を齧りながら酒を飲もうと宿に向かう、今夜も変わらず白い月と青い星は綺麗に輝いていた…。
本日の食事:貝の酒蒸し 魚の煮込みと干し果物のパン 酒と干し肉 …古橋 佳月でした…。
「うーん、帝国は貧しいんだな…改めてそう思うよ」
「はい、本当に1部の権力者だけが私腹を肥やしている状態です、私を育ててくれた両親も貴族でしたが質素な生活をしていました」
「……まずはここに住んでいる人達に話を聞いて領主の屋敷に行こうかー」
「……この国全体がこうなんだろうな…だから呪いが…」
「大河君、何処にでもそういった物はある。帝国が俺達の目に付きやすかったんだ、俺達に出来る事をしよう…そうするしかない」
「はい」
着いた先《ノルデン》…そこは裏街と変わない荒廃した場所だった、崇幸がしみじみ感想を言いカリュシュも淡々と告げる、大河の声に崇幸は肩に手を乗せる、崇幸は大河ももう限界なのに気付いていた。
休ませてやりたいが当の大河は首を振るだろう、責任感の強い青年だ気負い過ぎたのだ、帝国は広くそして貧しい国家だ恵まれない国は犯罪を生む、いざとなればなんとしてでも大河を止めて自分が前に立つつもりだ、綴もそうだ千歳だって代わるつもりだ皆大河を心配している、此処《ノルデン》は早期に決着を崇幸は着けるつもりでいる。
「屋敷はあちらですね」
「んじゃ、行くか」
カリュシュが先頭に立ちカイムが護衛として最後尾を歩く、千眼が周囲に目を向けながら歩く人は粗末な服を着て痩せこけ売っている物も少なく高い、物乞いがこちらを見て物欲しげにしている、カイムがにらみを効かせて向かった領主屋敷はそれはそれは立派な物だった…。
第053話 切れない糸たち:まじない篇 寄付
夜市を短めに楽しんだ翌日、千歳とラジカと晴海に空、率とエツィアで孤児院を寄付と店の事で訪れた。
「綺麗な建物ー」
「教会みたいだね」
「ここ、結界が張られているね。結構精度が高い」
「うぇぇん」
「空?」
「どうやら、空さんは結界を拒否しているようですね」
「なら、僕が預かって街を見ているよー任せて、こう見えて僕13人の魔人の子を見ていたし」
「僕もエツィアと行きます、また明日でも良いしね。店を始められたら何回も来ると思うし」
市場の店主に聞いた場所は市場から少し外れた場所、林が広がる小さな講堂の様な白い落ち着いた風合いの建物、子供達の笑い声と畑にエツィアが分不相応な程の強力な結界に空が泣き、エツィアと率が空を連れて街観光をするというので流石にそれは危ないと1度空をグローリー達に預けて来ようかという話しになった所で孤児院から昨日の少女が出て来てペコリと挨拶をしてくれる。
「昨日の方達とご家族でしょうか?こんにちは、何かごようですか?」
鈴の音を転がす柔らかな声、綺麗な少女がニコリと微笑んだ…。
「ごめんなさい、この子が…なので外でお茶を…」
「いえ、子供は愚図ったり笑ったりするのが仕事です。それを責める事はよくありません」
「えーと、貴女のお名前は?」
「私はアンと申します」
出て来た少女を茶に誘い、孤児院が見える外でテーブルを出し率とラジカがお茶を用意してくれ晴海が頭を下げれば緩くアンと名乗った少女が笑った。
「昨日の華鏡のお礼と布をお礼にわずかばかりの寄付と、ここの孤児院の院長が病に倒れていると聞きこれは万能薬なのでよければ納めてくれるかな」
「…ありがたい事ですね、良いのですか?今いる女で相手がいない者は私しかいませんが私でも構いませんか?」
「……やっぱりここはそういう孤児院なんだね」
「……同意の上です、家族を養う為に自ら身売りして来た者達に少しでも価値を付けるために教育し作法を教えその手数料等で暮らしています」
「え……」
千歳の静かな言葉に優雅に茶を飲むアンは何でもない事の様に人身売買を語る、晴海が目を大きく拓いてまじまじとアンを見つめる、晴海と同年代だろう酷く大人びて見える顔は何の感情も読めない。
「合法です、良い事をしていますね。学があり作法が身に着き何処にだしても恥ずかしくない見目の良い少女達の価値は高い」
「お、俺!ただ昨日のお礼がしたかったの!だから受け取って!それだけだから」
「はい、そうですか。明日ここで婚姻の儀があるのでよければ見に来られますか?万能薬があれば院長も立ち会えるでしょう、店の件もそこで伝えれば良いかと、お茶ご馳走様でした」
ラジカが淡々と褒め、アンは頷き晴海の気持ちを汲み取り頭を下げて万能薬の瓶と革袋に入った寄付を抱えて孤児院へと戻る、晴海は何を胸にもやもやとした物を残し、率が肩を叩く。
「おめでたいね!何かお祝いを贈ろう、晴海くんお店へおいでよ。一緒に選ぼう、エツィアも」
「……うん、そうだね」
声を掛ける率に返事を返しつつエツィアの視線は孤児院の方へ向いたまま、ラジカも千歳も孤児院を見ていた…。
第52話 異界 《アヴィラタン》編 第18幕 増殖
『うにょんうにょん』
「タマちゃんが増殖してる…」
「子供だ!子供が産まれた!」
「えーと、千歳が造ったゴーレムから産まれたから千歳の孫?」
「神に成ったからこの世界に必要な手数を増やしたといった所だ」
タマちゃん8号が鳴きながら腹部分から小さいタマちゃんが出て来るので、ギーギス、チェカ、ナチェが驚きジラが首を傾げイフが餅を食べながら答える。
「神よ…」
「かみさまー」
「ふえたー」
「すごーい」
魔物達は自分達の為に手数を増やしてくれたタマちゃんに感激し、平伏している魔物もいる。
『もちゃぁ』
『うにょん』
『ぎゅー』
「千歳っちに動画送ろう」
「このタマちゃん1体でも相当だ…千歳が造った上に神鋼を用いている、異界の神の座に就くのは妥当とも言えるが…」
懐記がスマートフォンで動画を撮りイシュターが冷静に観察する、その間もタマちゃん8号はタマちゃんを産み続けていく。
『ほほ、世界に尽くす神と感極まる魔物達相思相愛じゃの』
『…そうですね』
『タマちゃん8号様達は様々な魔法やスキルが付いていますね、《アヴィラタン》はこれから発展していくでしょう』
《アユズラーグ》の神は面白そうに言い、《アタラクシア》の神々も困惑しながらも受け入れ、ガイドは冷静だった。
「タマちゃん達は飯食べないの?」
「食べると思います、食べなくても良いみたいですね…」
『我々から《アヴィラタン》の神の誕生を祝して肉ダンジョンと魚ダンジョンを贈りましょう』
『儂からも布を生成する蜘蛛を贈るとしよう、食べる物によって色が変わるぞ』
神々が祝福し、近く祝いが贈られるとの事、懐記は動画を撮りながらもう共食いをしなくても飢えなくても大丈夫だろうと笑った。
あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×EXTRA MYROAD~男は独り異界で飯を食う~
朝少し早めに起きて誰もいない静かな海で魚を捌いてテーブルを出して籠に並べて干して行く、ついでに塩を作ろうと海水を火魔法と風魔法で空中で煮詰めていく風魔法を調整し下に置いた鍋に荒い塩が落ちていく。
「塩ってほんと高いからなーちょっと質は落ちるけど自分で作った方がいい」
魔法で片手間で塩を作る、魔法は便利だなとしみじみ思う、攻撃魔法とか人を洗脳する魔法とかよりもこういった生活に役に立つ魔法の方が良い。
「転移魔法と収納魔法とかは便利だけどなー」
魚を干しながらしみじみ思う、朝の海はひんやりとしていて気持ち良い。
ここもその内発つ、しばらく魚に困らない様にして生活しているだけだった。
「お、そろそろいいかな」
別の鍋に貝を入れて酒を入れて蒸した物、貝の口が開いて適当に調味料をいれて匙で掬って皿に盛り食べる、朝から贅沢だなーしかも仕事に行く前にと佳月は肉厚な貝を楽しんだ。
「うまーやっぱ酒しかかたん!っと仕事仕事、片付けないと。状態異常無効様様、いくら酒飲んでも酔わなし幾らでも飲める、健康診断を気にしないい」
砂を払ってゴミは燃やして浄化魔法を掛けて塩は空いている壺に入れて、身支度を整えて酒場へ向かった。
「よ、今日もパンを頼む。後は魚を捌いてくれ、パンは用意した干し肉を入れてくれ」
「分かった」
昼間は食堂になっている酒場は今日も賑わい、パンを焼いてくれと1番に頼まれ頷いて準備に取り掛かる、パンのお陰か客が増えたようで良い事だ。
小麦粉と塩を混ぜて、水に浸していた干し肉の水を混ぜて練っていく、干し肉を刻んで混ぜて生地になった物を千切っていく。
「これ貰ったからこれを使って焼いてみてくれ」
「分かった」
店主がなじみ客から貰った干した果物を渡され頷いて刻んでそれように生地を作る、本当はジャムとか練り込みたい所だけれど砂糖は貴重だなーと思いながらパンを焼いて生地を練って、小麦粉を混ぜていった。
「今日もありがとな、よければ明日から従業員を増やそうと思ってな、パンの作り方を教えてやって欲しい、日給8,000でどうだ?」
「んー」
「小さい子で、父親が冒険者で死んじまってなお袋さんは昼夜問わず働いていてな…お前もずっといるわけじゃないだろ?息子の怪我が治ってもいてくれたらいいんだが」
「俺は旅をしたいからな、いいよ。分かったその子に教えるよ」
「そうか!悪いな!今日も8,000ロハと今夜は魚の煮込みとパンだ。この干し果物のパンうまいな」
酒場が終わり片付けをしている佳月に店主が拝みながら頼む、やる気が起きない佳月に店主が訳を話し佳月は了承した。
喜ぶ店主から魚の煮込みと佳月が焼いたパンを受け取りそれを食べて店を出る、魚の煮込みは身が柔らかくて美味しかった…宿に戻って干し肉を齧りながら酒を飲もうと宿に向かう、今夜も変わらず白い月と青い星は綺麗に輝いていた…。
本日の食事:貝の酒蒸し 魚の煮込みと干し果物のパン 酒と干し肉 …古橋 佳月でした…。
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