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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ
問題発症解決編023幕 魔人の少年達と子ども達×第038話 支配人/第38話 異界 《××××××》編 第3幕 夜中に…
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問題発症解決編023幕 魔人の少年達と子ども達
「あいつら人買いか…魔人の子どもだってわかってなさそうだ…」
気配を感じ向かった先の木の上から今でも壊れそうな場所を無理やり走らせている、この先に何かあるのか木の上を飛び後を追うルンカ、すぐ後方をルコーを抱えて走るカリュを感じ馬車が止まったタイミングで馬車を襲撃しようと。
「他の魔人がいるな、ガキ共追って来たってとこか。馬車が止まった所を狙うつもりか」
「向こうも子どもみたいだぞ、3人」
カイムが奴隷商から救け出した子ども達を大河達の元へ連れて行きヤハネを連れ山に戻り、ヤハネによって子ども達の現在地を木の上から追いながら周囲の索敵を行なえば別方向から別の魔人の気配も感じ馬車が止まるその時を待つ。
「気味わりぃなこのガキども、殴っても蹴ってもけろっとしてるし怪我もしねぇ」
「なんかの混ざりもんだろ?ドラゴンだったら儲けもんだ。一生働かなくて済む」
今にでも車輪が外れ壊れそうな馬車の中、2人の小汚い盗賊の男達と反対側の席に座って楽しそうゴトゴト揺れる馬車に座っている3名の子供達、男達はイライラしている。
頑丈な子どもを裏街で買い山を下った先の拠点に向かう途中で馬車が1台壊れ、テントに仲間と壊れた馬車に乗せていた子ども達を置いて来たそれで拠点で待つ商人に一緒に乗っている子ども達を先に売り、またテントに戻るという手間が増えた上にこの馬車も途中で壊れる可能性がある。
「うおぉ!」
御者をしていた男の叫ぶ声、馬車の車輪が外れ激しい音…馬の嘶き…だが衝撃はない、ふわりと馬車が宙に浮いて男達はほっとした。
「カイムぅ、止めるなら言えよー」
「止めた」
「ったく」
「おーい、兄さんたちが止めたのか?俺はルンカ!連れがいるんだもうすぐ来るよ」
「カイムだ」
「俺はヤハネ!馬車に行こう!あいつら逃げるから」
馬車が止まらないのに痺れを切らしたカイムが一礫を指で弾き見事走る馬車の車輪に命中し車輪が外れヤハネが風魔法で馬車を浮かしせば木の枝を飛びカイム達の元へ来たルンカと共に馬車へと向かった。
「カリュー」
「ああ、馬車が止まった……あの魔人…」
「カリュー?」
「何でもない」
ルコーを抱えたカリュが馬車の前にいたカイム達を確認し足を止める、抱えたルコーが首を傾げたのでなんでもないとゆっくりとした足取りで向かった。
「お前らの拠点どこだ?」
「し、しるか」
「ふうん、テントの奴らは殺したしガキ共はもうここにいない、死ね」
「まて、カイム!」
「あー首おっちまった」
「おまえな!」
カイムが御者をしていた男の首を掴み揺さぶる、御者は答えないのでカイムが首の骨を折り放り投げヤハネが批難するがそっぽを向いている、ルンカは馬車から子ども達を救出し中の奴らはどうするのか聞けばヤハネが帝国の騎士団に突き出すか療養街へ連れて行くと言う。
「お、カリュ、ルコー!」
「んだよ、最上位か」
「……初めまして、カリュシュ・ビソデー・ウォンカと申します」
カリュシュとルコーに気付いたルンカが手を振り、カイムが舌打ちするが丁寧に礼をし名乗るカリュシュにヤハネも自己紹介をする。
「グローリー…親父が待ってるから、連れて行くからな」
「私は盗賊の拠点へ一緒に向かっても構いませんか?役に立つと思います」
「へぇ、いいぜ。おい、ヤハネ他のガキ共連れてけ」
「ええ?……分かった」
「カリュ?お前…」
「後でまた」
「うん…」
「あとでねーカリュー」
ヤハネの言葉に子ども達もルンカも喜ぶが、カリュシュがカイムから視線を外さず一緒に盗賊の拠点を叩くと言うので面白そうに笑って許可する、ヤハネは良いのかなーと思いながらも早くグローリーに会わせてやりたい気持ちがあるのでルンカも後ろ髪引かれつつ転移札で馬と盗賊を連れて裏街のテントに戻っていく。
「俺に用かよ、最上位様」
「貴方も魔神ですね、何故魔神皇にならなかったのですか?」
「お前俺が親父の方が嬉しいか?」
「……それは」
「だろ?それにグローリーは魔神皇だが違うまだな」
「最上位の大半は貴方が魔神皇になる事を望んでいるでしょう」
「だったら、なおさらやらねーなぁ。俺は最上位が嫌いだしな」
「………ライリング様が…」
「へぇ、お前そこまで…分かってるわけね。ま、いい。行くぞ」
「はい…」
カリュシュの言葉をカイムが鼻で笑う、転移で目の前で御者を殺された盗賊が吐いた拠点に向かって転移で向かった。
第038話 支配人
「次も大陸を越えた魔法具と魔術の本、魔法の本ですね。他の大陸では魔法よりも呪術や存在が消された魔術の形跡も残されています」
「この魔法具は?望遠鏡かな」
「《遠見の目》です、魔力を込めて城や砦の見張りに使われます」
「いいね、こういうのは複製してもいいのかな?」
「問題ありません」
次に出されたのは数冊の古めかしい本と、鉱石で来た細い筒の様なレンズが付いた物はどうやら望遠鏡のような物らしい子ども達の玩具に良いと沢山複製して配る事にする。
「本も全て購入させて下さい」
「承知しました、次は支配人が随分昔に仕入れた物で、皆様でしたら興味を持って頂けるかと思います」
そう言って出て来たのはワゴンに載せられた3台の布を被せられた品、従業員が布を取ると5歳程の子供の大きさのゴーレム……6体、目を惹くのはその外観。
「700年程前の技術で造られたゴーレムです、喋る事が出来ます」
「それは珍しいですね、ゴーレムやアンスローポモフィクの分野でアンスローポモフィクはゴーレムの数倍の価格で取引されている要因が外観と話せる事ですから」
「これ、試しで造ったもんじゃん。継ぎ接ぎだらけで不完全な未完成品」
「ええ、ですが1体1千万ログ。ゴーレムの製作者トロープ・ソヒハルス作です」
タナトスが感心する、チカが色の違う土や鉱物鉱石を埋め込まれたよく観察した結果が未完成と言うがテンディのゴーレムを造った製作者の名前を聞き、千歳とズィーガー以外の面々の動きが止まる。
「各商会に1体ずつでいいでしょうか?」
「他のはねぇのか?」
「この商会にあるのは6体のみです」
「これを手放すとは、本当に良いんですね?」
「ええ、皆様にならばと支配人は託すと」
ラジカが各商会に1体と提案しチカが他のゴーレムをと言えばテンディが首を横に振る、タナトスが再度念を押して尋ねた。
「そんなにすごい物なの?」
「ええ、トロープ殿のゴーレムは700年前に製造されて尚今現在動いています、彼のゴーレムの中で唯一話せるゴーレムは別大陸の噂ではとある遺跡を守っているそうです」
「それしか話すゴーレムはいないってなっていたが…崇幸のゴーレムは別格として。それの要は未完成品だからな崇幸が手を加えたら話すんじゃねーか」
千歳の疑問にタナトスとチカが答える、そのゴーレム全部購入し後で崇幸に動かして貰う事にすればどうやら支配人が戻ったらしく次の商品を持って室内に従業員と一緒に入って来た…。
第37話 異界 《××××××》編 第3幕 夜中に…
『むむ…小さいがゴーレムが完成したぞ』
「すごいじゃん」
「もちゃぁ」
『私達が入ってもいい感じですよー』
『身体が軽い…』
『小さい身体も良いですね』
ウズラとチェカとナチェ、ノイズが集まった部屋ウズラが造った小さい掌大のゴーレムに天と夜とガイドが入り身体を動かしている。
『大きなゴーレムが造りたいな、色々な土や魔石を使って試してみよう』
「手伝うよ、ウズラ」
「僕は見ているのが面白い」
「だな、傀儡魔法って面白いし楽しいよなー」
『よしやるぞー』
ウズラ達は夜通しゴーレム造りに取り込むようで、ガイド達は後で夜食でも届けようかとわいわいと土弄りを行うウズラ達を眺めた。
『もちゃ?』
『ぎゅー?』
「しー、私は餅を盗み食いしに来た。食べたい、もちゃ達にもあげよう」
『もちゃぁ…』
『ぎゅ…」
ゴーレム製作見学を終え食堂でジュースやお茶や果物を食べていたもちゃ達、気配遮断をフルに使って忍び込んで来たイフターク、もちゃとぎゅーは首を傾げイフタークが真剣な表情で盗み食いしに来たと聞いて呆れ返って、関わらないでおこうとヒヨコやネコやゴーレムの皆で真夜中のお茶会を続ける、今夜の夜食は懐記が用意してくれた焼いた餅のジャム掛けを味わい、黄金鳥とお化け野菜とマンドランド達は酒も飲んでいる。
「ふ…私も混ぜて貰おう」
『もちゃぁー』
『ぎゅぅ…』
餅やら調味料を抱えたイフタークがもちゃ達のテーブルに座る、もちゃ達は巻き込んで欲しくないなぁと思いながら付き合ってあげようかという感じで、黙って我が子の盗み食いを見ている《アユズラーグ》の神に断りを入れてからうきうきと餅をトースターで焼いていく。
「ふふ、私はこの餅が膨らむ姿が大好きだ…」
イフタークが綺麗な笑みを浮べてトースターの中で膨らむ餅の様子を見ている、もちゃたちはイフタークに干した果物とお茶を用意してあげその姿を見守った…。
『……仕方ありませんね』
「いいわ、今夜は。そこまで気に入ってくれたなら」
「嬉しそうですね」
外神と懐記の部屋、ガイドから映像が届き今夜は好きに食べてくれれば良いともちゃ達との夜食パーティを見守る。
『すまないな、ああも貪欲だとは…食に…』
《アユズラーグ》の神が苦笑いを浮かべている、《アタラクシア》の神々も微笑ましく見ているようで外神と懐記もまた明日餅はほどほどに…という位にしておこうかと……朝に餅の在庫の確認をするまではそう思っていた…。
「あいつら人買いか…魔人の子どもだってわかってなさそうだ…」
気配を感じ向かった先の木の上から今でも壊れそうな場所を無理やり走らせている、この先に何かあるのか木の上を飛び後を追うルンカ、すぐ後方をルコーを抱えて走るカリュを感じ馬車が止まったタイミングで馬車を襲撃しようと。
「他の魔人がいるな、ガキ共追って来たってとこか。馬車が止まった所を狙うつもりか」
「向こうも子どもみたいだぞ、3人」
カイムが奴隷商から救け出した子ども達を大河達の元へ連れて行きヤハネを連れ山に戻り、ヤハネによって子ども達の現在地を木の上から追いながら周囲の索敵を行なえば別方向から別の魔人の気配も感じ馬車が止まるその時を待つ。
「気味わりぃなこのガキども、殴っても蹴ってもけろっとしてるし怪我もしねぇ」
「なんかの混ざりもんだろ?ドラゴンだったら儲けもんだ。一生働かなくて済む」
今にでも車輪が外れ壊れそうな馬車の中、2人の小汚い盗賊の男達と反対側の席に座って楽しそうゴトゴト揺れる馬車に座っている3名の子供達、男達はイライラしている。
頑丈な子どもを裏街で買い山を下った先の拠点に向かう途中で馬車が1台壊れ、テントに仲間と壊れた馬車に乗せていた子ども達を置いて来たそれで拠点で待つ商人に一緒に乗っている子ども達を先に売り、またテントに戻るという手間が増えた上にこの馬車も途中で壊れる可能性がある。
「うおぉ!」
御者をしていた男の叫ぶ声、馬車の車輪が外れ激しい音…馬の嘶き…だが衝撃はない、ふわりと馬車が宙に浮いて男達はほっとした。
「カイムぅ、止めるなら言えよー」
「止めた」
「ったく」
「おーい、兄さんたちが止めたのか?俺はルンカ!連れがいるんだもうすぐ来るよ」
「カイムだ」
「俺はヤハネ!馬車に行こう!あいつら逃げるから」
馬車が止まらないのに痺れを切らしたカイムが一礫を指で弾き見事走る馬車の車輪に命中し車輪が外れヤハネが風魔法で馬車を浮かしせば木の枝を飛びカイム達の元へ来たルンカと共に馬車へと向かった。
「カリュー」
「ああ、馬車が止まった……あの魔人…」
「カリュー?」
「何でもない」
ルコーを抱えたカリュが馬車の前にいたカイム達を確認し足を止める、抱えたルコーが首を傾げたのでなんでもないとゆっくりとした足取りで向かった。
「お前らの拠点どこだ?」
「し、しるか」
「ふうん、テントの奴らは殺したしガキ共はもうここにいない、死ね」
「まて、カイム!」
「あー首おっちまった」
「おまえな!」
カイムが御者をしていた男の首を掴み揺さぶる、御者は答えないのでカイムが首の骨を折り放り投げヤハネが批難するがそっぽを向いている、ルンカは馬車から子ども達を救出し中の奴らはどうするのか聞けばヤハネが帝国の騎士団に突き出すか療養街へ連れて行くと言う。
「お、カリュ、ルコー!」
「んだよ、最上位か」
「……初めまして、カリュシュ・ビソデー・ウォンカと申します」
カリュシュとルコーに気付いたルンカが手を振り、カイムが舌打ちするが丁寧に礼をし名乗るカリュシュにヤハネも自己紹介をする。
「グローリー…親父が待ってるから、連れて行くからな」
「私は盗賊の拠点へ一緒に向かっても構いませんか?役に立つと思います」
「へぇ、いいぜ。おい、ヤハネ他のガキ共連れてけ」
「ええ?……分かった」
「カリュ?お前…」
「後でまた」
「うん…」
「あとでねーカリュー」
ヤハネの言葉に子ども達もルンカも喜ぶが、カリュシュがカイムから視線を外さず一緒に盗賊の拠点を叩くと言うので面白そうに笑って許可する、ヤハネは良いのかなーと思いながらも早くグローリーに会わせてやりたい気持ちがあるのでルンカも後ろ髪引かれつつ転移札で馬と盗賊を連れて裏街のテントに戻っていく。
「俺に用かよ、最上位様」
「貴方も魔神ですね、何故魔神皇にならなかったのですか?」
「お前俺が親父の方が嬉しいか?」
「……それは」
「だろ?それにグローリーは魔神皇だが違うまだな」
「最上位の大半は貴方が魔神皇になる事を望んでいるでしょう」
「だったら、なおさらやらねーなぁ。俺は最上位が嫌いだしな」
「………ライリング様が…」
「へぇ、お前そこまで…分かってるわけね。ま、いい。行くぞ」
「はい…」
カリュシュの言葉をカイムが鼻で笑う、転移で目の前で御者を殺された盗賊が吐いた拠点に向かって転移で向かった。
第038話 支配人
「次も大陸を越えた魔法具と魔術の本、魔法の本ですね。他の大陸では魔法よりも呪術や存在が消された魔術の形跡も残されています」
「この魔法具は?望遠鏡かな」
「《遠見の目》です、魔力を込めて城や砦の見張りに使われます」
「いいね、こういうのは複製してもいいのかな?」
「問題ありません」
次に出されたのは数冊の古めかしい本と、鉱石で来た細い筒の様なレンズが付いた物はどうやら望遠鏡のような物らしい子ども達の玩具に良いと沢山複製して配る事にする。
「本も全て購入させて下さい」
「承知しました、次は支配人が随分昔に仕入れた物で、皆様でしたら興味を持って頂けるかと思います」
そう言って出て来たのはワゴンに載せられた3台の布を被せられた品、従業員が布を取ると5歳程の子供の大きさのゴーレム……6体、目を惹くのはその外観。
「700年程前の技術で造られたゴーレムです、喋る事が出来ます」
「それは珍しいですね、ゴーレムやアンスローポモフィクの分野でアンスローポモフィクはゴーレムの数倍の価格で取引されている要因が外観と話せる事ですから」
「これ、試しで造ったもんじゃん。継ぎ接ぎだらけで不完全な未完成品」
「ええ、ですが1体1千万ログ。ゴーレムの製作者トロープ・ソヒハルス作です」
タナトスが感心する、チカが色の違う土や鉱物鉱石を埋め込まれたよく観察した結果が未完成と言うがテンディのゴーレムを造った製作者の名前を聞き、千歳とズィーガー以外の面々の動きが止まる。
「各商会に1体ずつでいいでしょうか?」
「他のはねぇのか?」
「この商会にあるのは6体のみです」
「これを手放すとは、本当に良いんですね?」
「ええ、皆様にならばと支配人は託すと」
ラジカが各商会に1体と提案しチカが他のゴーレムをと言えばテンディが首を横に振る、タナトスが再度念を押して尋ねた。
「そんなにすごい物なの?」
「ええ、トロープ殿のゴーレムは700年前に製造されて尚今現在動いています、彼のゴーレムの中で唯一話せるゴーレムは別大陸の噂ではとある遺跡を守っているそうです」
「それしか話すゴーレムはいないってなっていたが…崇幸のゴーレムは別格として。それの要は未完成品だからな崇幸が手を加えたら話すんじゃねーか」
千歳の疑問にタナトスとチカが答える、そのゴーレム全部購入し後で崇幸に動かして貰う事にすればどうやら支配人が戻ったらしく次の商品を持って室内に従業員と一緒に入って来た…。
第37話 異界 《××××××》編 第3幕 夜中に…
『むむ…小さいがゴーレムが完成したぞ』
「すごいじゃん」
「もちゃぁ」
『私達が入ってもいい感じですよー』
『身体が軽い…』
『小さい身体も良いですね』
ウズラとチェカとナチェ、ノイズが集まった部屋ウズラが造った小さい掌大のゴーレムに天と夜とガイドが入り身体を動かしている。
『大きなゴーレムが造りたいな、色々な土や魔石を使って試してみよう』
「手伝うよ、ウズラ」
「僕は見ているのが面白い」
「だな、傀儡魔法って面白いし楽しいよなー」
『よしやるぞー』
ウズラ達は夜通しゴーレム造りに取り込むようで、ガイド達は後で夜食でも届けようかとわいわいと土弄りを行うウズラ達を眺めた。
『もちゃ?』
『ぎゅー?』
「しー、私は餅を盗み食いしに来た。食べたい、もちゃ達にもあげよう」
『もちゃぁ…』
『ぎゅ…」
ゴーレム製作見学を終え食堂でジュースやお茶や果物を食べていたもちゃ達、気配遮断をフルに使って忍び込んで来たイフターク、もちゃとぎゅーは首を傾げイフタークが真剣な表情で盗み食いしに来たと聞いて呆れ返って、関わらないでおこうとヒヨコやネコやゴーレムの皆で真夜中のお茶会を続ける、今夜の夜食は懐記が用意してくれた焼いた餅のジャム掛けを味わい、黄金鳥とお化け野菜とマンドランド達は酒も飲んでいる。
「ふ…私も混ぜて貰おう」
『もちゃぁー』
『ぎゅぅ…』
餅やら調味料を抱えたイフタークがもちゃ達のテーブルに座る、もちゃ達は巻き込んで欲しくないなぁと思いながら付き合ってあげようかという感じで、黙って我が子の盗み食いを見ている《アユズラーグ》の神に断りを入れてからうきうきと餅をトースターで焼いていく。
「ふふ、私はこの餅が膨らむ姿が大好きだ…」
イフタークが綺麗な笑みを浮べてトースターの中で膨らむ餅の様子を見ている、もちゃたちはイフタークに干した果物とお茶を用意してあげその姿を見守った…。
『……仕方ありませんね』
「いいわ、今夜は。そこまで気に入ってくれたなら」
「嬉しそうですね」
外神と懐記の部屋、ガイドから映像が届き今夜は好きに食べてくれれば良いともちゃ達との夜食パーティを見守る。
『すまないな、ああも貪欲だとは…食に…』
《アユズラーグ》の神が苦笑いを浮かべている、《アタラクシア》の神々も微笑ましく見ているようで外神と懐記もまた明日餅はほどほどに…という位にしておこうかと……朝に餅の在庫の確認をするまではそう思っていた…。
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