あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

問題発症解決編019幕 反乱した者達の末路×第034話 呪具師/第34話 異界 《アユズラーグ》編 終幕 出発と贈り物 

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題発症解決編019幕 反乱した者達の末路
「随分な扱いじゃねぇか、帝国」
「敗北者の末路なんてこんなもんだろ?敗けたら何をされても仕方ないじゃない。理由は発端はどうであれねぇ」
「酷い!早く治療を…」
「……ヤハネ、彼らは敗者です。パスヴァの言う通りです、私達に彼らを治療する権利は現在ありません。帝国と交渉を」
パスヴァに連れて来られた広場、反乱によって捕らえられた少数民族達、魔石と鉱物で造られた頑丈な檻には怪我や飢えで瀕死の者達が無造作に投獄されていた。
カイムは呆れパスヴァは肩を竦めヤハネは鑑定で急がないと不味いと言うが、ヴィッセは首を横に振る。
『皆様、大河様が多額の賠償金を支払い彼らの身柄を買い取りました。治療可能です』
「風早、仕事はやいじゃん」
『一刻を争うので先に許可を頂きました。間も無く大河様達が来ます』
「よし、パスヴァ出してくれ。治療するから」
「食料とテント、回復薬とレグ殿からの回復札もあります。さっそく治療を」
「パスヴァ、お前も手伝えよ」
「えーほっとけばいいのにー」
「いいから、檻壊すぞ」
風早の声に1番ほっとしたヴィッセ、カイムが蹴りで檻を壊しヤハネが早速収納袋から必要な物を出していき、ヴィッセとカイムが回復や札を使いカイムは他の檻も壊していけば大河達が訪れ目の前の悲惨な状況に顔を顰めるが治療に加わった。
「俺は奴隷商を引き続き捜す、治療が済んだら合流しろ」
「分かった、すぐに向かうから」
後をヤハネ達に任せカイムは子ども達の行方を追う為に離れる、大河がヤクハやストフス達も呼ぶと言うので任せてパスヴァが目の前に聳える山を指す、一時は盗賊のアジト等があったと潜伏するにはおあつらえ向きだと言うので転移石を使いカイムは向かった。

「道に迷ったっぽい」
「だろうな」
「ごはんー」
「少し休むとしよう」
山の中を歩く3名の名が少年1名が幼児、幼児が指を咥えているので休憩を取る事に決めた。
「ふぃー帝国ってほんと広いよな」
「それはそうだろう、大陸1つが統一……された事になっている国だ」
干し肉と干した果物、山で採取した木の実と果物を幼児に食べさせる、見た目よりもよく食べる幼児は嬉しそうにバクバク食べているのでその様子を眺め笑みを浮べる。
「たくさん食えよ、山抜けたら美味いもん食わせてやるからさ」
「はーい」
「……」
「どうかしたのかよ?」
「いや、山が騒がしい」
「俺、索敵とかないしーわかんねー」
「いるーたくさん!」
「…休憩が終わったら行こう」
「ま、いいよ」
何やら山が騒がしいと気配を感じ、幼児がニコニコしている良い方なのだろうと判断し気配がある方へ向かう事にした。

第034話 呪具師
「コーカス殿、《スェファテ商会》と繋いで頂きなんと言ったらよいか」
「気にせずに、《スェファテ商会》の支配人とは友人ですので遠慮せずに。事前に尋ねる旨は伝えていますから。異界の品にとても感心を寄せていましたよ」
《アタラクシア号》のラウンジに集まった面々、ズィーガーとユナイド、《クトゥーン》のオークションの支配人の魔人ケストナーも合流した。
「招待して頂きありがとうございます、異界の品も大変評判が良く高値で落札されていますよ。商業エリアでの売買《クトゥーン》は今活気づいてます」
「それは良かった」
千歳がケストナーの《クトゥーン》の様子を聞き顔を綻ばせる、コーカスの紹介で今回は《スェファテ商会》に行ける事になり嬉しそうだ。
タナトスがかつて支配人をしていた《名も無き島》は行けば買う事が出来る、向かうまでが大変だが。
《スェファテ商会》は気に入った相手としか取引きをしない、謎の多い商会らしい。
「今日はゆっくり此処で過ごして明日、行こう。今夜はカレーだよ、ゆっくりして欲しい。ファラルシェスさんも」
「感謝する、両親や他の兄弟にも久しぶりに会えて良かった。夕食を摂った後はフィズ達の元へ行かせて貰うとしよう。なにやら大変そうだと聞いたからな」
「お言葉に甘えて、部屋で休ませて貰いますよ」
「そうですね」
家族と手短に再会の挨拶を交わしたファラルシェスは夕食後フィズ達がいる《カテラント帝国》へ、ズィーガーとユナイドは明日の商談の為に部屋で夕食まで少し休むと言う。
「ファラルシェス殿は呪具師の中でも高名な《再呪具師(さいじゅぐし)》ですよね」
「よく知っている」
「さいじゅぐし?」
「呪われた物を解呪して呪具として造り直す、解呪したまま売ったりもする、この大陸ではあまり馴染みはないだろう、他の大陸では呪いや呪いが魔法と同じように近い物として存在している。この大陸にはまだ見ぬ呪具を求めて来たんだ」
「再利用ですね、今度ゆっくりファラルシェスの呪具を見せて貰えませんか?」
「それは私も是非」
「ああ、構わない」
千歳の疑問にファラルシェスが答える、ケストナーも是非と言い頷いてくれたので夕食時まで各自休憩をと千歳とラジカはファラルシェスを案内した。

第32話 異界 《アユズラーグ》編 19幕 出発と贈る物
「行きましょう」
「また来よう…」
朝、出発の刻皆が集まり外神が出発の合図を行い、イシュターが頷く、イフタークは自分がいた世界かた立つというが通常運転よろしく両手にドーナツを持ちむしゃむしゃと食べていた。
『それでは、異空へ向かいます、異空では3日滞在の後異界へと出る予定です。その間に神々が《アユズラーグ》の物を《アタラクシア》と《アユズラーグ》に運びます』
「はい…」
「ガイドっちよろー」
「3日かー魔法具作ったりしよ」
『そうだな、この世界の物を使って造ってみるとしよう』
「僕は本を読む」
「俺は宝物庫とか見たいなー」
「保存食の味見も良いよな」
チェカやウズラ、ノイズやナチェとジラは異空での過ごし方をどうするか話す、イシュターやマユラとシュリは《アユズラーグ》の武器等を使って身体を動かす事にし、《異空鳥》が空に浮かび《アユズラーグ》から遠ざかる。
「さようなら」
懐記がそう言って数日を過ごした世界に別れを告げる、次に来るときは花が咲き植物に覆われているだろう…。
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