あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
764 / 867
第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

問題発症解決編018幕 北×第033話 盗人の店/第33話 異界 《アユズラーグ》編 18幕 龍の背に乗って 

しおりを挟む
問題発症解決編018幕 北
「この辺りがごたごたしている所」
「じゃ、奴隷商を捜すか。ヤハネ、どうだ?」
転移でパスヴァ、カイム、ヤハネ、ヴィッセが訪れた先は反乱が収束し、混乱が続く北の地。
反乱を抑え込んだパスヴァが言うには少数民族と獣人達が同盟を組み北の地の領主の城を攻め落とそうとしたらしい、北の地の領主達と兵士と騎士団で対抗していたが、消耗が激しく長期戦へと移りヴァルキアの命令で魔人…パスヴァが介入した結果すぐに決着は着いたが、遣り過ぎたのだ街道や街は瓦礫の山と化し負傷者も多い、その光景を見てカイムが呆れ返った。
「お前、遣り過ぎだ」
「いやー向こうも必死でぇちょっとね」
「その負けた方はどうしたんです?」
「投獄してる、処刑待ち。帝国に牙を剥いたからなしかたないよね」
ヴィッセが反乱を起こした方はと聞けば、纏めて牢に入れていると食べ物もないから処刑が行われる迄に餓死で殆ど死ぬだろうとパスヴァ事も無げに言い、ヤハネが顔を顰めすぐ様大河に連絡し怪我人や反乱を起こして投獄されている者達を帝国の裏街のテントに運びたいとヤハネがスマートフォンで大河に頼めば、大河が蒐集家達を連れてすぐに向かうと言ってくれる。
「ま、良いけどー罪人は罪人だから賠償とか肩代わりする?」
「金はあるからな、建物とか食料とかも出せるし。それと引き換えでそいつら貰うか」
「ふぅん、ま、それならこっちにいるけどーほとんど死に掛けだよー奴隷商とかはどうする?」
「それは、私が探ります。ヤハネは彼らの方を」
「うん、分かった。カイムは?」
「俺も、ヤハネと行くぜ。大河が他の連中を連れて来るだろ?魔人のガキはどうも気配を掴み辛いしな。他の魔人も連れて探すぞ、ヴィッセも一緒に来い、大河達と合流次第分かれる」
「分かりました」
そう言ってヴィッセはカイムの指示に従いパスヴァに連れられ、反乱を起こした者達の牢へ…そこで目を覆いたくなる惨状を見る事になる…。

第033話 盗人の店
「いらっしゃい」
「フェシェスタさん?」
「ん?俺の兄弟の事知っているのかい?」
奥に進むと茣蓙に敷かれた品を並べた店主が千歳とラジカに声を掛けてくれる、その男の顔は今は異界にいるフェシェスタに良く似ていて、どうやらフォン達の兄弟らしい。
「ええ、フォンさんやフィズさん、ご両親も今此方にいますよ」
「へぇ、元気?」
「ええ、みなさん元気ですよ。良ければ会いますか?」
「フィルはいるか?」
「いないですね」
「なら、顔を久しぶりに見るか。俺はファラルシェス、しがない商人兼盗人兼呪具師だ」
「これ全て呪具ですね、呪いはないようですが」
「ああ、呪われた物を盗んで解呪して売っている」
物静かなフェシェスタと言った雰囲気のファラルシェス、ラジカが並んでいる品々を見て呪具だと鑑定しファラルシェスは鷹揚に頷いた。
「何故、解呪した物を売るんですか?」
「呪いが必要な者達の元へ行くように、呪具師は作り売り解きまた売るのが役目さ」
「……」
「千歳、呪いも善し悪しです。呪具師はそういう者です」
だから納得するようにと暗にラジカは千歳に伝える、呪いに良い印象はないが千歳は頷いた。
「では、ご家族がいる《黒鷺》に案内します」
「頼む」
腰に下げた収納袋に並べた商品をしまい、千歳がファラルシェスを家族がいる《黒鷺》へと転移で運んだ。

第31話 異界 《アユズラーグ》編 18幕 龍の背に乗って
「種はこの袋の中に、空からイシュターさんの背に乗って蒔いていきましょう」
朝、外神が全員に種を入れた収納袋を渡す、既にイシュターは龍の姿に戻り皆その背に乗る。
『では、行く…』
大きく朱色の翼を広げ空へと上がる、《アユズラーグ》一周とまでは行かないが行ける所迄行くと行った感じだ。
「空から見るとこんな感じかー」
「種を蒔いたら出発します」
「ん、おけ」
もちゃ達参加し種を蒔いていく、緑魔法と活性魔法で地面に種が落ちればすぐに花が咲く、色とりどりの様々な花が大地を埋め尽くしていくだろう。
皆楽しそうにパラパラ種を蒔いて風に流れていく様を見ていた、イフタークは無表情に種を蒔き大地を眺める、血に濡れていた大地、間も無く眠る世界、眠るといっても今いる生物はそのままに新たな生命の産出が為されなくなる、それが世界が眠る事であると《アユズラーグ》の神は教えてくれた。
人が居なくなり、《アユズラーグ》は自然の摂理のあるがままの世界として存在する、人が生み出した物は全て植物で覆われていくだろう。
「気持ち良いなー」
「うん」
「楽しいー」
『眺めが素晴らしい』
ギーギスとノイズ、チェカとウズラが楽しそうに種を蒔き、風を感じている。
「外神、またこの世界に来れるか?」
「…《アユズラーグ》の神、どうですか?」
『勿論、此処にゲートを置くとしよう。景色が変わる頃にまた来ると良い』
ジラが種を蒔き、自分達が蒔いた種がどうこの世界の景色を変えていくのか気になったので外神に聞けば外神は《アユズラーグ》の神に尋ねる、空からの声に皆頷きまた来ようと決めた…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

処理中です...