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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ
後第010話 研修へ/第10話 次の異世界への目途
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第010話 研修へ
翌日食堂で《ガルディア》や《ホウラク》《トイタナ》から運ばれた持ち寄りの食事を食べながらわいわいと賑やかな朝食を楽しむ、チカは朝からウォルゾガの元へ戻り大量のゆで卵を取りに行き塩を掛けて食べている。
「結局なんの情報もなかったな」
「大河達が帝国も情報を集めるって言ってたしな」
「ん?あんたら石像を捜しているのかい?よく出来た綺麗な男の石像なら見た事ある」
「どこにあるんだ?」
「この大陸の中心地、《ファンネンド国》の遺跡で見たな」
『……』
カイム達は《カタフ》に石像と《砂上の牙》達の情報も得られなかったと言い、旅人達とその家族を連れてこの後《ホウラク》へ向かうつもりだが犬が石像の在処を知っているというので何処にあるのかヤハネが尋ね《ファンネンド王国》と答え、その国名にラジカとコーカスのハムを切る手が止まった。
「……そう、手帳に書かれた国と外神君の孤児院がある国とルート的にはどうかな?」
「そうですね、向かうとするならば《バーススカ集合国》の手前で少し外れますがそこで向かうのが良いと思いますよ」
「ええ、《ファンネンド王国》は移民が多く古い国です。ダンジョンもありますよ」
コーカスが笑みを浮かべラジカが付け加える、犬もまた行けるのかーと喜んでいるので千歳は頷いて《フェンネンド王国》も行程に付け加えることにした。
「中継器を置いて、タマに此処を頼んで《カタフ》を散策したら、《ヨレーファ国》へ向かおうか」
「いいですね、ここは布や木工、陶器等の工芸品が特産ですから。帝国の手土産にも良いと思います」
「カジノの景品や《アストマーズ》の交易にも良いですね」
「それはいいね」
「なら、俺に任せてくれ安くて質のいい店紹介するぞ」
「犬さんありがとう、是非」
皆を連れて《カタフ》で買い物へ出ようと千歳が誘い、犬が良い店を案内すると言えばコーカスとラジカも楽しみだと頷いた。
『もう間もなく《カテラント帝国》のある大陸です、首都《ヴァキン》手前に到着予定は昼過ぎ頃です』
《白鷺》の風早のアナウンスに、広大に拡がる海が終わり巨大な大陸が姿を現す。
「来たな」
「ああ」
「うわぁすごいー」
『フェマーすごいー』
「……」
グステナとカトゥーシュカ達も集合し、複雑そうに地上を見ているザレナダーラ、大河達も彼らフェマーとエンエと共に安全と自由を最優先に皇帝と交渉するつもりだ。
「到着後すぐに陛下と謁見でいいんですね?」
「ああ、その為に来たからな」
「分かりました、一応忠告と言いますか助言を…陛下は私の弟ではありますが、思考は理解出来ません。正直あまり会いたくない」
「助言ではないな」
「そうですね、気を付けて下さい。この大陸を統べる者がまともな訳はない」
「弟に随分な言い種ですね」
「兄弟という認識は正直ありませんから」
座席に座って本を読む大河の傍らに立つフルカリス、蒐集家は大河の隣でクスリと嗤う、フルカリスはそれだけを言い自席へと戻って行った。
「血は流れ穢れ大地を潤す涙は空に帰り恵みを齎す声は風に消えてやがて還る紡いだ糸は繋いで遙か先へ行く」
「それは?」
「古い帝国の伝承ですね、吟遊詩人の詩です。子どもの子守歌らしいです」
「随分古い詩を知っているな」
「ええ、帝国の糸は繋がれていますか?」
蒐集家が詩を紡ぐ大河は何だと聞けば今度は傍らにグレスナーが立っている、蒐集家はグレスナーに問う蒐集家はその質問の答えを知っているが聞く、グレスナーは答えない。
「今の皇帝を見れば分る」
「そうですね」
蒐集家は自室へ向かいグレスナーは自席へ戻る、大河は答えは帝国にあるというのならばそれ以上は聞かず大陸を眺めた…。
第10話 次の異世界への目途
「2日後には此処を発ちます」
「そ、なら収穫して酒とか造って過ごせばいいわ」
「はい、この世界は《アタラクシア》の神々の管理下に入ります。この世界は《アヴォルジア》という名に決まりました。縁が出来ましたからこれから幼い神が育てば生物も産まれると思います」
「そうか…また来よう」
「だな、やっぱり生き物いた方ぞー気に入った木は持って帰るけど」
食堂で作った果物料理やジュースを味わった後、そのまま次の世界の予定を外神が告げ、懐記はそれまで外で採取と酒造りを行うつもりだ。
イシュター生物が誕生した頃にまた来ようと笑みを浮かべ、フォンは懐記に付いて採取を行うつもりだ。
「俺はジャムとか果物のお菓子作ってジュナイ達に贈る」
「俺はー父さんとお兄ちゃん達に贈ろ」
「では私は仲間達に贈るか」
「そうですね、ゼナドやレト達に贈るとしよう」
「俺も手伝うぞ」
残り2日間は採取チームと加工チームに分かれて作業を行う事に決める、外神と懐記のラインに蒐集家か《アヴォルジア》の土を使ってゴーレムを造ってみて欲しいと言うのでウズラとチェカと外神がその作業を買って出た。
「蒐集家さんへのゴーレムは浄化し毒を消した物と浄化をしない状態の土で僕がゴーレムを造ります」
「それ、大丈夫なのか?毒のゴーレムだろ?あいつ何に使うんだ?」
「ただの趣味じゃん」
「悪趣味だな」
「大丈夫です、《アタラクシア》では毒が出ない様に調整します。作りたい薬に利用したいそうです」
物騒な物を渡して平気なのかとジラが眉根を寄せる、外神が悪用出来ないようにすると言うのでジラも外神に任せる事にし、もう夜も深いので解散し各自自由な時間を過ごした…。
翌日食堂で《ガルディア》や《ホウラク》《トイタナ》から運ばれた持ち寄りの食事を食べながらわいわいと賑やかな朝食を楽しむ、チカは朝からウォルゾガの元へ戻り大量のゆで卵を取りに行き塩を掛けて食べている。
「結局なんの情報もなかったな」
「大河達が帝国も情報を集めるって言ってたしな」
「ん?あんたら石像を捜しているのかい?よく出来た綺麗な男の石像なら見た事ある」
「どこにあるんだ?」
「この大陸の中心地、《ファンネンド国》の遺跡で見たな」
『……』
カイム達は《カタフ》に石像と《砂上の牙》達の情報も得られなかったと言い、旅人達とその家族を連れてこの後《ホウラク》へ向かうつもりだが犬が石像の在処を知っているというので何処にあるのかヤハネが尋ね《ファンネンド王国》と答え、その国名にラジカとコーカスのハムを切る手が止まった。
「……そう、手帳に書かれた国と外神君の孤児院がある国とルート的にはどうかな?」
「そうですね、向かうとするならば《バーススカ集合国》の手前で少し外れますがそこで向かうのが良いと思いますよ」
「ええ、《ファンネンド王国》は移民が多く古い国です。ダンジョンもありますよ」
コーカスが笑みを浮かべラジカが付け加える、犬もまた行けるのかーと喜んでいるので千歳は頷いて《フェンネンド王国》も行程に付け加えることにした。
「中継器を置いて、タマに此処を頼んで《カタフ》を散策したら、《ヨレーファ国》へ向かおうか」
「いいですね、ここは布や木工、陶器等の工芸品が特産ですから。帝国の手土産にも良いと思います」
「カジノの景品や《アストマーズ》の交易にも良いですね」
「それはいいね」
「なら、俺に任せてくれ安くて質のいい店紹介するぞ」
「犬さんありがとう、是非」
皆を連れて《カタフ》で買い物へ出ようと千歳が誘い、犬が良い店を案内すると言えばコーカスとラジカも楽しみだと頷いた。
『もう間もなく《カテラント帝国》のある大陸です、首都《ヴァキン》手前に到着予定は昼過ぎ頃です』
《白鷺》の風早のアナウンスに、広大に拡がる海が終わり巨大な大陸が姿を現す。
「来たな」
「ああ」
「うわぁすごいー」
『フェマーすごいー』
「……」
グステナとカトゥーシュカ達も集合し、複雑そうに地上を見ているザレナダーラ、大河達も彼らフェマーとエンエと共に安全と自由を最優先に皇帝と交渉するつもりだ。
「到着後すぐに陛下と謁見でいいんですね?」
「ああ、その為に来たからな」
「分かりました、一応忠告と言いますか助言を…陛下は私の弟ではありますが、思考は理解出来ません。正直あまり会いたくない」
「助言ではないな」
「そうですね、気を付けて下さい。この大陸を統べる者がまともな訳はない」
「弟に随分な言い種ですね」
「兄弟という認識は正直ありませんから」
座席に座って本を読む大河の傍らに立つフルカリス、蒐集家は大河の隣でクスリと嗤う、フルカリスはそれだけを言い自席へと戻って行った。
「血は流れ穢れ大地を潤す涙は空に帰り恵みを齎す声は風に消えてやがて還る紡いだ糸は繋いで遙か先へ行く」
「それは?」
「古い帝国の伝承ですね、吟遊詩人の詩です。子どもの子守歌らしいです」
「随分古い詩を知っているな」
「ええ、帝国の糸は繋がれていますか?」
蒐集家が詩を紡ぐ大河は何だと聞けば今度は傍らにグレスナーが立っている、蒐集家はグレスナーに問う蒐集家はその質問の答えを知っているが聞く、グレスナーは答えない。
「今の皇帝を見れば分る」
「そうですね」
蒐集家は自室へ向かいグレスナーは自席へ戻る、大河は答えは帝国にあるというのならばそれ以上は聞かず大陸を眺めた…。
第10話 次の異世界への目途
「2日後には此処を発ちます」
「そ、なら収穫して酒とか造って過ごせばいいわ」
「はい、この世界は《アタラクシア》の神々の管理下に入ります。この世界は《アヴォルジア》という名に決まりました。縁が出来ましたからこれから幼い神が育てば生物も産まれると思います」
「そうか…また来よう」
「だな、やっぱり生き物いた方ぞー気に入った木は持って帰るけど」
食堂で作った果物料理やジュースを味わった後、そのまま次の世界の予定を外神が告げ、懐記はそれまで外で採取と酒造りを行うつもりだ。
イシュター生物が誕生した頃にまた来ようと笑みを浮かべ、フォンは懐記に付いて採取を行うつもりだ。
「俺はジャムとか果物のお菓子作ってジュナイ達に贈る」
「俺はー父さんとお兄ちゃん達に贈ろ」
「では私は仲間達に贈るか」
「そうですね、ゼナドやレト達に贈るとしよう」
「俺も手伝うぞ」
残り2日間は採取チームと加工チームに分かれて作業を行う事に決める、外神と懐記のラインに蒐集家か《アヴォルジア》の土を使ってゴーレムを造ってみて欲しいと言うのでウズラとチェカと外神がその作業を買って出た。
「蒐集家さんへのゴーレムは浄化し毒を消した物と浄化をしない状態の土で僕がゴーレムを造ります」
「それ、大丈夫なのか?毒のゴーレムだろ?あいつ何に使うんだ?」
「ただの趣味じゃん」
「悪趣味だな」
「大丈夫です、《アタラクシア》では毒が出ない様に調整します。作りたい薬に利用したいそうです」
物騒な物を渡して平気なのかとジラが眉根を寄せる、外神が悪用出来ないようにすると言うのでジラも外神に任せる事にし、もう夜も深いので解散し各自自由な時間を過ごした…。
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