あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

第006話 《砂の宿》/第06話 異世界探訪

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第006話 《砂の宿》
「これは綺麗ですね、美しい」
「ああ、材料はそれほど必要ではないが芸術というものだな」
出来上がったステンドグラスクッキーにフルカリスとグレスナーは感動している、砂糖と水と果物の果汁で色付けした物や飴を溶かした物を使い1度焼いたクッキーのくり貫いた部分に注いで再加熱して出来た物は食べるのが惜しい程だった。
燈火から渡された包装紙を使いフルカリスは3つ、グレスナーは2つラッピングをして燈火の収納空間にしまって貰った。
『きゃー燈火ちゃん、舵ちゃん素敵ー!きれいよ!これ!』
『本当だな!売れるぞ!』
『ええ、耀帝様も喜ばれるでしょう』
「いいでしょー映えるよね。型はプレゼントね!他にも欲しい型とかあればオーダーで作れるから」
『たのんじゃおうかしら!』
『俺もネコ型のやつ』
『良いですね、馬も良いかと』
《アストマーズ》のチェニエ達も綺麗に出来上がったステンドグラスクッキーを見て感動している、まだ誰も食べていないがフルカリスやグレスナーも笑ってその光景を眺めていた。

「ここは宿なのか?」
「ええ、一応。造ったばかりで僕達も数日後には此処を発つんです」
「ここで働きますか?働いてくれる方を他にも連れて来てくれるとありがたいですね。住み込みで働いてくれると尚助かります」
旅人達に事情を話す、ここは《ガルディア》や他国へ行く為の中継器を置く場所、それだけだとつまらないのでこうして店にした事、ゴーレムは置くつもりだが他に従業員が集まれば住み込みで宿を始めて貰いたい旨を伝え、ラジカが良ければと聞けば旅人達はその話に食いついた。
「俺は旅かな、ずっと旅してる、これからも旅を続けていく」
「なら、僕達と旅をする?空も海も、大陸も超える長い旅、戻ったり進んだりするけれど」
「へぇ、いいね。旅ってのはそういうもんだ。命がある限り俺は旅をする」
『………』
千歳の提案に同意し犬は留まる場所も故郷も必要ないと語る、その言葉にラジカとコーカスは遠い目をしていた。
「じゃあ、僕達と行こうか犬さん」
「おう、よろしくな!」
「後でどんな旅を僕達がしているか説明をするよ、此処で働いて貰う人達の説明や家族がいれば連れてくるから犬さんは休んでおくと良いよ」
「そうか、甘えさせて貰う」
千歳がそう言い旅人達と1度《カタフ》へ向かい、犬はグローリー達と部屋で休む事にした。

第06話 異世界探訪
「これが本物の金とかだったら大金持ちってやつ」
『懐記様達は既に大金持ちですよ』
「そう?金は実際あんま使ってないわ」
『お金は大事ですよねー大半の事はできるー』
『そうそう、金は大事』
「まあね」
生物のいない毒の世界の植物を見て懐記はこれが本物金だったらなーと言い、ガイド達は周辺を散策しながらお金は大事だと言う、天使と悪魔の力から産まれている割には俗物的だと思う。
「2人に名前考えたんだけど、使う?」
『『使います!』』
「そ、アナスタリタスっちの子は天ちゃん、ファーツコクスっちの子は夜ちゃんね」
『はーい私は天でーす』
『私は夜…』
『……』
天と夜は懐記の名づけに喜びはしゃいでいる、ガイドはやれやれといった感じで肩を竦めた。
「あれ黄金の林檎?きれいじゃん」
『猛毒猛毒ですー』
『はい、あれ1つで国が滅びる猛毒です』
「ふうん、持って帰って剥いてみたいわ。中も金?」
『それは気になりますね』
少し先の金色の木に生ってい金の林檎、天と夜はどうやら鑑定が出来るらしくあまりの毒っぷりに…楽しそうだった。
ガイドが石を投げ林檎を落とし風魔法で浮かせている、懐記が手に取りマジマジと眺めておもむろに齧った。
『懐記様!?』
「うま、歯ごたえがあってそこまで甘くない、シードルとか作れそうなやつ」
『……ゴーレムのこの身でも影響を及ぼす程の代物です』
「あーなんか新たに追加されたスキルが状態異常無効極とかゲームぽいやつになってたからイケる、しかもポイント転移特典で10ポイント、お得じゃん」
『もう、心臓によくないです!心臓ないですけどー』
『天使も悪魔も下手をすれば神にも影響を来すレベルの代物、空間にも干渉ってこの世界の神ってかなり強いのでは?』
「赤ん坊なのに、うまいってだけ。これ収納に入れて持って帰ろっかな」
『……収納空間にも影響出るレベルです、この世界の植物の強さは異常です』
『外神様の空間なら行けると思います……おそらく』
「へえ、外神っちにたのも。蒐ちゃんが喜びそ、この林檎の酒作りたい。部屋つくろっかな、毒って美味い、フグとかもそうだけど。フグ昔じいちゃんい食べさせて貰ったわ、毒を除去するから高級品てわけ」
『成程、手間がある分価値が上がるという訳ですね』
「そ、資格が必要だし」
ガイドが感心し懐記は金色の林檎の中は白い実だわと言いつつ食べ終わり、芯は火魔法で燃やした。
ガイド達は懐記の思考に少し引きつつ、引き続き散策を行うと金の苺や葡萄、キウイに木苺、ザクロ等果樹園の様な場所に出てしまい、懐記が味見と称して食べていく姿を眺めた…。
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