あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
729 / 873
第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

第001話 砂を貰う/第01話 ダラダラダラ

しおりを挟む
第001話 砂を貰う
「なるほど…半無人販売ですか…」
「ええ、盗難等の防犯も問題ありません。他国での実績があります、住み込みの従業員の皆さんが在庫管理や補充など行ってくれます」
「ふむ、それは興味深いですが…土地はありません、この国の土地は全て国の物です。何分周辺は砂の海…建物も狭く民は窮屈な生活を強いられています」
「確かにそのような印象を受けました」
砂の国《カタフ》着いた時に抱いた印象はごちゃごちゃしていて窮屈な国、商業ギルドも1階は冒険者ギルド、2階が商業ギルド3階が商談やギルドマスター達の執務室となっている、土地も国が管理し個人で所有出来るのは建物だけだった、それに勝手な改築等は隣人同士の諍いが起こりやすく、国の承認を待たなければならない。
「めんどいな、おい、この国出た周辺の砂場は誰かのもんか?」
「いえ、手入れをした者達が所有できます。ですがあの砂は何の役にも立ちません、サラサラし過ぎていて固められませんし、焼いても固まりませんし…ですが魔物が出ますよ、良いとは言えません」
「そうですか、魔物の件は大丈夫です。カイム君良い案だね。この国の外に店を造ります。コーカスさんは仕入れをします?」
「いえ、そちらの方が面白そうなのでそちらに参加します」
気だるげにカイムがなら国の外なら好きにやって良いのかと訊ねれば商業ギルドマスターが頷くが、膨大な砂の使い途がないと言うが、千歳は興味深いとギルドマスターに礼を言って皆を連れて《カタフ》の外の離れた場所へ向かった。

「あーそう、なんもなしって事か、じゃ、こっち来いよ」
砂場に空いた面々、カイムが《カタフ》で探りを入れているヤハネとヴィッセにスマートフォンで連絡を取り、転移石を使って合流した。
「砂じゃんー一面、ぜーんぶ砂」
「すごいよね、良い光景だ。せっかくだからここに《ホウラク》のホテルを複製しておこうか」
『あらあ、崇幸ちゃんがタージマハルみたいなの置きたいってー何かしらー』
「じゃ、ホテルと一緒に置けばいいんじゃね」
「えーと、タージマハル…崇幸さんは休む気があるのかな?」
ゴーレム姿の識の眼を通してどうやら崇幸が見ているらしい、千歳は苦笑いを浮かべて塩の店なのに、宿を運営してくれる住み込みの従業員の募集を掛けて貰おうか程度の事を考えていたが…まさかの墓所を模した物まで造ろうとするとは………。
「千眼さんからの電話が、出るね、もしもし?ああ、なるほど…それを今送ってくれるんだね分かった…お願いします。……千眼さんがこちらに支柱と土台を送ってくれるって、それとみんなでこの砂を使ってゴーレムを造って欲しいって」
「千歳…」
「本当に砂だらけ…」
「すげ、ここになんか建物つくんだろ?」
「お手伝いします」
「この砂ねぇ」
「ゴーレム造るよー」
千眼からの通話を切ると、グローリーを始め晴海達がやってくる、ゴーレム達を主体にホテルやタージマハルの運用を任せて行くと良いとのアドバイスに、晴海達が手伝いに来てくれ賑やかになる。
「みんな、お願いするよ。今支柱を埋め込んで砂を収納して神々に《ホウラク》のホテルを複製して貰うから。タージマハルは向かいに造ろうか」
「千歳さん!噴水と向かいに続く道に水路?があったらカッコいいと思うんだ!イザラ達と造っていい?」
「もちろん、きっと素敵な物が出来上がるよ。みんな下がっていてね」
識のゴーレムの口から何十本もの白い支柱と何十枚もの板が現れ千歳が魔法で浮かせて、砂に深々と打ち込み砂を収納していく、支柱と板が砂の侵入を阻みさらに送られた来た鉱石を埋め込みすなで隙間を埋めて平らにしたそのうえに《ホウラク》のホテルの模倣した物を置けば砂の大地にホテルが完成した。
「《砂の宿》かな」
「すごーい!」
「えうんー」
「よしよし。空、すごいねー」
背中の空が空間魔法に反応し泣くが、晴海があやせばすぐに泣き止むが指しゃぶりを始めたのでおしゃぶりをグローリーがさせてくれ落ち着いた。
「中に入って食事にしましょう、明日またギルドで募集を掛ける事にして」
「ゴーレム造りな」
ラジカが扉を開きカイムがさっさと中へ入っていく、グローリー達も後に続いた…。

第01話 ダラダラダラ
24時間の映画祭り、今は3本目の恋愛物を観ている、フォンは欠伸を噛み殺し風呂に向かう、ジラとイシュターは厨房に良き、ウズラとナチェは熱心に鑑賞しチェカとノイズは先程《アタラクシア》からの依頼で《コレメキバ学院》で使われる備品制作に取り掛かっていた。
「いいねー俺もこんな学び舎なら通いたかったな」
「僕も…」
以来されたのは生徒達に渡される転移魔法を組み込む腕輪、鉱石を紐で結び自分で長さを調整出来るような物を見本と図案が送られて来たのでそれを元に結んでいく、映画を鑑賞しながらの良い手仕事だ。
『皆様、夕食の支度が整いました。食堂へ』
「よし、行こう」
「うん」
作業を止めて映画も一時停止し、食堂へ向かった。

「お、五衰やチェニエやみんな…」
「写真撮って後で送ろう」
ナチェやチャカが五衰達が持たせてくれた食事に感動し、スマートフォンで写真を撮り喜ぶ。
ジュカが持たせてくれた野菜で作ったスープを配り、食事を楽しむ。
重箱に詰められた丁寧なおかず、おにぎりや玉子焼きに煮物、魚の煮つけやつやつやの豆、肉団子とミニハンバーグに懐記も嬉しそうにしていた。
「先生がいいからじゃねぇか」
「そうだねー」
「眺めているのも良いが食べて味わおう」
「酒もな天使の酒にしよう」
「俺も貰うか、ミルク割りで」
「私もそれで」
「はい」
続々と食堂に集まるジラ達、弁当にパンや唐揚げや餃子に肉まんも並び、酒とミルクが並び乾杯して異空間での夕食が始まった…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。

3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。 そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!! こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!! 感想やご意見楽しみにしております! 尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ペット(老猫)と異世界転生

童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。

異世界でタロと一緒に冒険者生活を始めました

ももがぶ
ファンタジー
俺「佐々木光太」二十六歳はある日気付けばタロに導かれ異世界へ来てしまった。 会社から帰宅してタロと一緒に散歩していたハズが気が付けば異世界で魔法をぶっ放していた。 タロは喋るし、俺は十二歳になりましたと言われるし、これからどうなるんだろう。

黒の創造召喚師

幾威空
ファンタジー
※2021/04/12 お気に入り登録数5,000を達成しました!ありがとうございます! ※2021/02/28 続編の連載を開始しました。 ■あらすじ■ 佐伯継那(さえき つぐな)16歳。彼は偶然とも奇跡的ともいえる確率と原因により死亡してしまう。しかも、神様の「手違い」によって。 そんな継那は神様から転生の権利を得、地球とは異なる異世界で第二の人生を歩む。神様からの「お詫び」にもらった(というよりぶんどった)「創造召喚魔法」というオリジナルでユニーク過ぎる魔法を引っ提げて。

処理中です...