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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ
第0100話 ゴール/第100話 ゴール
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第0100話 ゴール
『おおっと!両者互いに先を許さない!ラグージェの魔法を紙一重で躱すジュカ!これは見ごたえがありますよ!フィナーレを飾るに相応しい名勝負!』
『おおー』
皇国中に響く歓声、手に汗を握る勝負、5つ目のリングを抜けジュカが先を行く、ラグージェはそれを許さず魔法の攻撃を緩めない、速度も落とさない、後者の操者達を置いてけぼりにし2名の操者は勝利を争う、先に最後のリングを潜る事に全てを賭けている。
「見事な勝負ですね、面白い」
「そうだな、綺麗だ」
観客席で足を組み嗤う蒐集家と同意する大河、雨降る異界で空を駆ける天馬達の姿は綺麗な物だ、大河はチケットを全員分購入し皆を応援している、対する蒐集家は1点買い、買わないだろうと踏んでいたがどうやら気に入った操者がいたらしい。
「向こうで雨が降ったのはお前の仕業か?」
「いえ、雨を呼んだのは彼ですよ」
「彼?」
「……」
チリン…大河の問い蒐集家は答えない、ただ蒐集家の視線は画面の向こうに向いていた。
「おーいけ!ジュカ、お前に賭けたからな!勝てよ!」
「兄上…」
「莫迦孫め」
観客席で野次を飛ばすグステナ、イーノキィとオジカトもしっかり両手にチケットを握り締め、グステナと他人の振りをする事にした。
「静かに観れないんですか?」
「こういうのは声出すんだよ!いけー」
「ラグージェ頑張れ!」
「ジュカーいいぞー」
「がんばれー」
「ちゅごーい」
「うんー」
「みんなすごい」
アコミアとキッフと魔人の子ども達も声を出す、レースは中盤を超え一進一退どちらが勝ってもおかしくはない状況、観客達も白熱していた。
「ラグージェが抜かした…」
「いけ!ジュカ!」
「わ!すごい速いねー」
「綺麗…魅入ってしまいます」
イザラ達の観客席、こちらも盛り上がっている、賭けはしなかったが友人たちの見事な争いに応援をし続ける。
誰が勝っても良いんだ、ジュカ達が悔いが無い様にレースを最後まで行えばと。
グローリー達も観戦し子ども達も応援している、興奮と熱狂が場を呑み込み支配しそして…間も無くゴールのリングが迫る…。
第100話 ゴール
雨は降る中盤のリングを潜る頃、激しさを増し操者もマイスターも観客の身体を濡らし、それすれも忘れレースに魅せられていく、熱狂狂気歓喜…それを呑み込みジュカが炎の矢を僅かに先行するラグージェに放つ、操者は《ホローリングレース》で命を落とす場合もある、それすらレースの1部、明らかな殺意を持って挑む、ジュカは明白な殺意を露わにラグージェに矢を放つ、これこそ本気を自分を賭けたレース、普段のジュカは何処にもいない、そこにいるのは…前を行く物を阻む操者、自分が前にいなければならない、邪魔な物を排除する。
『おおっと!ここでラグージェが雷と水の同時魔法発動!これが終盤に…ひび…』
司会の男の声が此処で止まる、水で炎の矢を打ち消し雷でジュカを狙う、同時魔法は操者の体力を削る…そのうえでジュカはそれ以上の事をやってのけた。
雷、水、風の同時魔法、ジュカの鼻から鼻血が垂れる、鉄の味が口を伝うがどうでもいい、目の前の…自分の目の前にいる物をユルサナイ。
「これがジュカっちね、へえ、綺麗だわ」
「そうですね、彼は強いですね」
観客席で懐記と外神がジュカの異変を冷静に見ている、雨は雷を孕み音を立てる。
ラグージェは冷静に静かにジュカの攻撃を回避し、リングを潜る、彼もまた幾つもの修羅場を潜って来た覇者、ジュカは目からも血の涙を零しリングを潜りながらラグージェを捉えていく、観客の熱気も狂気も声援も全て飲み込みジュカは勝つ為に動く。
身体と脳と心臓が熱い…どうでもいい、身体がバラバラになりそうだ…どうでもいい、ジュカは根っからの操者だ産まれた時から操者になる為の素質を持って産まれた。
『君はそういう星の下に産まれ落ちた、操者達とマイスター達を守って欲しい』
旦那…育ての親、実の親以上の存在…そんなファーツコクスの頼み、操者が受ける全ての罰をファーツコクスが受けるからとずっと下でいてくれという願いをジュカは受け入れた、最後の最期でその枷が外れた。
ジュカは笑う、最後のリングを潜った瞬間に死ねたら最高だと気持ちが良いだろうと、本当の両親も見ている、この瞬間に死にたい、産まれる前からジュカは産まれる事を許されなかった。
両親の歪んだ願いがファーツコクスに託され、ファーツコクスはその願いを叶え、ジュカは生きている。
「ああ、楽しい、たのしいね!ラグージェお前もそんなつまらない願い捨てろよ、此処まで来いよ!」
「…捨てない、捨てないよ、ジュカ戻ってジュカ、戻ってよ」
「なんで?こんなに楽しいのに!殺すよラグージェ!ここはそれが赦される!お前も俺を殺していいんだ!」
「殺さない、勝って父さまと母さまに会う。ラグーは行くよ、ジュカ」
「そ」
『もう間も無くゴール!ここでジュカがラグージェに体当たりラグージェを弾き12番目のリングを潜ったぁー!!』
静かなラグージェの言葉に冷めたジュカがラグージェに体当たりを行い前に出る、ラグージェはすぐに体制を立て直し最後のリングに向かう、両者一歩も引かずそして…決着が着いた…。
『おおっと!両者互いに先を許さない!ラグージェの魔法を紙一重で躱すジュカ!これは見ごたえがありますよ!フィナーレを飾るに相応しい名勝負!』
『おおー』
皇国中に響く歓声、手に汗を握る勝負、5つ目のリングを抜けジュカが先を行く、ラグージェはそれを許さず魔法の攻撃を緩めない、速度も落とさない、後者の操者達を置いてけぼりにし2名の操者は勝利を争う、先に最後のリングを潜る事に全てを賭けている。
「見事な勝負ですね、面白い」
「そうだな、綺麗だ」
観客席で足を組み嗤う蒐集家と同意する大河、雨降る異界で空を駆ける天馬達の姿は綺麗な物だ、大河はチケットを全員分購入し皆を応援している、対する蒐集家は1点買い、買わないだろうと踏んでいたがどうやら気に入った操者がいたらしい。
「向こうで雨が降ったのはお前の仕業か?」
「いえ、雨を呼んだのは彼ですよ」
「彼?」
「……」
チリン…大河の問い蒐集家は答えない、ただ蒐集家の視線は画面の向こうに向いていた。
「おーいけ!ジュカ、お前に賭けたからな!勝てよ!」
「兄上…」
「莫迦孫め」
観客席で野次を飛ばすグステナ、イーノキィとオジカトもしっかり両手にチケットを握り締め、グステナと他人の振りをする事にした。
「静かに観れないんですか?」
「こういうのは声出すんだよ!いけー」
「ラグージェ頑張れ!」
「ジュカーいいぞー」
「がんばれー」
「ちゅごーい」
「うんー」
「みんなすごい」
アコミアとキッフと魔人の子ども達も声を出す、レースは中盤を超え一進一退どちらが勝ってもおかしくはない状況、観客達も白熱していた。
「ラグージェが抜かした…」
「いけ!ジュカ!」
「わ!すごい速いねー」
「綺麗…魅入ってしまいます」
イザラ達の観客席、こちらも盛り上がっている、賭けはしなかったが友人たちの見事な争いに応援をし続ける。
誰が勝っても良いんだ、ジュカ達が悔いが無い様にレースを最後まで行えばと。
グローリー達も観戦し子ども達も応援している、興奮と熱狂が場を呑み込み支配しそして…間も無くゴールのリングが迫る…。
第100話 ゴール
雨は降る中盤のリングを潜る頃、激しさを増し操者もマイスターも観客の身体を濡らし、それすれも忘れレースに魅せられていく、熱狂狂気歓喜…それを呑み込みジュカが炎の矢を僅かに先行するラグージェに放つ、操者は《ホローリングレース》で命を落とす場合もある、それすらレースの1部、明らかな殺意を持って挑む、ジュカは明白な殺意を露わにラグージェに矢を放つ、これこそ本気を自分を賭けたレース、普段のジュカは何処にもいない、そこにいるのは…前を行く物を阻む操者、自分が前にいなければならない、邪魔な物を排除する。
『おおっと!ここでラグージェが雷と水の同時魔法発動!これが終盤に…ひび…』
司会の男の声が此処で止まる、水で炎の矢を打ち消し雷でジュカを狙う、同時魔法は操者の体力を削る…そのうえでジュカはそれ以上の事をやってのけた。
雷、水、風の同時魔法、ジュカの鼻から鼻血が垂れる、鉄の味が口を伝うがどうでもいい、目の前の…自分の目の前にいる物をユルサナイ。
「これがジュカっちね、へえ、綺麗だわ」
「そうですね、彼は強いですね」
観客席で懐記と外神がジュカの異変を冷静に見ている、雨は雷を孕み音を立てる。
ラグージェは冷静に静かにジュカの攻撃を回避し、リングを潜る、彼もまた幾つもの修羅場を潜って来た覇者、ジュカは目からも血の涙を零しリングを潜りながらラグージェを捉えていく、観客の熱気も狂気も声援も全て飲み込みジュカは勝つ為に動く。
身体と脳と心臓が熱い…どうでもいい、身体がバラバラになりそうだ…どうでもいい、ジュカは根っからの操者だ産まれた時から操者になる為の素質を持って産まれた。
『君はそういう星の下に産まれ落ちた、操者達とマイスター達を守って欲しい』
旦那…育ての親、実の親以上の存在…そんなファーツコクスの頼み、操者が受ける全ての罰をファーツコクスが受けるからとずっと下でいてくれという願いをジュカは受け入れた、最後の最期でその枷が外れた。
ジュカは笑う、最後のリングを潜った瞬間に死ねたら最高だと気持ちが良いだろうと、本当の両親も見ている、この瞬間に死にたい、産まれる前からジュカは産まれる事を許されなかった。
両親の歪んだ願いがファーツコクスに託され、ファーツコクスはその願いを叶え、ジュカは生きている。
「ああ、楽しい、たのしいね!ラグージェお前もそんなつまらない願い捨てろよ、此処まで来いよ!」
「…捨てない、捨てないよ、ジュカ戻ってジュカ、戻ってよ」
「なんで?こんなに楽しいのに!殺すよラグージェ!ここはそれが赦される!お前も俺を殺していいんだ!」
「殺さない、勝って父さまと母さまに会う。ラグーは行くよ、ジュカ」
「そ」
『もう間も無くゴール!ここでジュカがラグージェに体当たりラグージェを弾き12番目のリングを潜ったぁー!!』
静かなラグージェの言葉に冷めたジュカがラグージェに体当たりを行い前に出る、ラグージェはすぐに体制を立て直し最後のリングに向かう、両者一歩も引かずそして…決着が着いた…。
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