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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ
第099話 スタート/第99話 スタート
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第099話 スタート
『それでは《アストマーズ》ラストレース開幕致します!』
皇国の至る所に設置されたモニターから高らかに宣言される、皆その時を待った。
「みんな頑張れ!」
《ゼロ商会》の他大陸の孤児院の魔人の子ども達も画面越しに応援している、熱気と活気で賑やかだ。
『さぁ!みなさん!カウントダウンをしましょう!』
『3,2,1,ゼロー!』
カウントダウンが入り画面越しに操者達の馬が飛び立つ、13名13頭の翼を持つ馬達が華麗に飛び立つ、《アタラクシア》でも雨が降り始めた…。
第99話 スタート
「最後の最期で雨…」
「これでいい」
カウントダウンの合図で始まったレース、雨は強くなっていく、ファーツコクスは薄く笑い何の因果で雨なのかと漏らせば隣にいたアナスタリタスは無感情な声で返す。
「これでお前の関心を持つ物が1つ減る」
「だからお前は気持ちが悪い」
「私はお前が私以外に関心、興味、感情を抱くのが面白くない」
「本当に気持ち悪い」
アナスタリタスの淡々とした物言いにファーツコクスは肩を竦める、理解できない感情のアナスタリタスにファーツコクスは苦い笑みを浮かべた。
「綺麗に行ったな、ラグージェの操作は機能的で無駄が無い」
「今回はジュカが動くからな、お手本のような操作では難しいだろ」
「ジュカには感謝している、彼のお陰で他の操者も我々も罰を受けずに済んだ…」
「やっとこれが終わる…」
観客でレースを見守るマイスター達、サロスラージュ、ツェスタス、ミノシータヤ、ヨキュユホートが感慨深く呟いた、上位の天使達の対として《ホローリングレース》に身を投じ操者を死なせてしまったマイスターも降りたいと何度も訴えたマイスターも自分の操者の順位が振るわず詰られたマイスターも皆ここで最後のレースを見守った。
「これで終わりか…」
「終わっても仕事があるし、明日は変わらない」
「そうだね、レースが終わるそれだけさ」
セベクパペト、ミクカコス、イナンエナも並んでレースを観ている、もうレースの賞金をあてにしなくても生活は出来る、悪魔は怠惰という印象だが働かなければ着る服も食べ物も住む家もない、天使は天上界にいれば食べ物も住む家も服もある、天上界とはそういう場所だ。
悪魔と天使は産まれ落ちた瞬間から優劣があり、悪魔は天使の添え物でしかない、彼らと天界の天帝の退屈を取り除くための種のような者達、上位の天使には上位の悪魔…だが地上にいる悪魔達に身分の差は然程ない、生きる為に努力し勝ち取った物が評価され認められる。
「頑張れよみんな」
「美味い酒を吞もう」
「俺達のおごりで」
懐記達にご馳走を用意して貰っている、今夜は記念のパーティだ、サプライズも用意している。
『おおーと最後のレースは序盤からラグージェとジュカの一騎打ち!他の操者を置き去りに最初の輪を…潜ったのはジュカだぁぁあ!』
司会も白熱する、ジュカのマゥがラグージェの馬をリングを潜る寸前タックルで弾き飛ばし最初のリングをジュカが潜り熱い声が上がった。
最後のレースに用意されたリングは13、全てのリングを潜り13番目のリングを最初に潜った者が勝者、抜かれたラグージェが雷撃を放つがジュカは後ろを見もせず風魔法を駆使して雷を避け先へ進む、魔法を使用すると僅かな時間馬の操作が鈍くなる、ラグージェは魔法を使うのを止め純粋な速さでジュカに迫る事にした。
「ジュカっちとラグっちの一騎打ちね、カッコいいじゃん2人とも」
「これで終わってしまうのはもったいない」
「でも、最後だからこその本気だ、ジュカの目がそう言っている」
席で観戦している懐記達、シュリが惜しむがマユラは最後だからこその本気なのだとジュカの画面越しの目を見て気持ちを読む。
「綺麗だなー雨は降っているけど、それもまた良いな」
「お、ビヒメゴとホセサライとチェニエが上がって来たぞ」
ギーギスが徐々に強くなる雨が魅せる光景に見惚れ、ジラがチェニエ達の方も応援する。
「2つ目のリングラグージェが潜ったな…純粋な速さは彼が上か」
「魔法とセンスはジュカが上だね」
両者譲らぬ僅差で2つ目のリングを潜ったのはラグージェ、ジュカが唇を舐めて笑って氷の矢を放った。
「え、氷使えるのぉ?今まで本当に本気じゃなかったんだ…1度も…」
氷の矢がラグージェの横を掠め空中で霧散する、思考と馬の操作、ジュカは今まで1度たりとも本気など出していなかったのだ、ジュカが風魔法以外使っているのを見た事がない…それに…。
「ジュカ…天人族…そっか…ラグーといっしょ…ううん…ラグーははんぶん…ジュカは…」
ラグージェは少し悲しそうな顔をし、そして炎の玉を飛ばして視界を阻むが、それを圧倒する氷の量で炎の玉を包み突き進んだ。
『ジュカ…何も惜しまなくていい』
「旦那…今までありがとう…」
『お前が何であれ、最後の《ホローリングレース》は骨の髄まで自分の為に楽しむと良い』
「旦那…俺は…勝つよ、別に願いもないし、これからも同じ毎日が続けば良い、ラグージェ!俺はお前を抜いて先に行く」
「ら、ラグーにも願いがあるから!」
「じゃ、願いのない俺にお前の全てで勝ってみせろよ」
「うんっ!」
4つ目のリング、先に進むラグージェにジュカは氷と竜巻の柱で行く手を阻む、ラグージェはジュカの挑発に笑顔を向けそして炎と水の剣を両手に生み出しその2柱を願いを持って切り裂いた…。
『それでは《アストマーズ》ラストレース開幕致します!』
皇国の至る所に設置されたモニターから高らかに宣言される、皆その時を待った。
「みんな頑張れ!」
《ゼロ商会》の他大陸の孤児院の魔人の子ども達も画面越しに応援している、熱気と活気で賑やかだ。
『さぁ!みなさん!カウントダウンをしましょう!』
『3,2,1,ゼロー!』
カウントダウンが入り画面越しに操者達の馬が飛び立つ、13名13頭の翼を持つ馬達が華麗に飛び立つ、《アタラクシア》でも雨が降り始めた…。
第99話 スタート
「最後の最期で雨…」
「これでいい」
カウントダウンの合図で始まったレース、雨は強くなっていく、ファーツコクスは薄く笑い何の因果で雨なのかと漏らせば隣にいたアナスタリタスは無感情な声で返す。
「これでお前の関心を持つ物が1つ減る」
「だからお前は気持ちが悪い」
「私はお前が私以外に関心、興味、感情を抱くのが面白くない」
「本当に気持ち悪い」
アナスタリタスの淡々とした物言いにファーツコクスは肩を竦める、理解できない感情のアナスタリタスにファーツコクスは苦い笑みを浮かべた。
「綺麗に行ったな、ラグージェの操作は機能的で無駄が無い」
「今回はジュカが動くからな、お手本のような操作では難しいだろ」
「ジュカには感謝している、彼のお陰で他の操者も我々も罰を受けずに済んだ…」
「やっとこれが終わる…」
観客でレースを見守るマイスター達、サロスラージュ、ツェスタス、ミノシータヤ、ヨキュユホートが感慨深く呟いた、上位の天使達の対として《ホローリングレース》に身を投じ操者を死なせてしまったマイスターも降りたいと何度も訴えたマイスターも自分の操者の順位が振るわず詰られたマイスターも皆ここで最後のレースを見守った。
「これで終わりか…」
「終わっても仕事があるし、明日は変わらない」
「そうだね、レースが終わるそれだけさ」
セベクパペト、ミクカコス、イナンエナも並んでレースを観ている、もうレースの賞金をあてにしなくても生活は出来る、悪魔は怠惰という印象だが働かなければ着る服も食べ物も住む家もない、天使は天上界にいれば食べ物も住む家も服もある、天上界とはそういう場所だ。
悪魔と天使は産まれ落ちた瞬間から優劣があり、悪魔は天使の添え物でしかない、彼らと天界の天帝の退屈を取り除くための種のような者達、上位の天使には上位の悪魔…だが地上にいる悪魔達に身分の差は然程ない、生きる為に努力し勝ち取った物が評価され認められる。
「頑張れよみんな」
「美味い酒を吞もう」
「俺達のおごりで」
懐記達にご馳走を用意して貰っている、今夜は記念のパーティだ、サプライズも用意している。
『おおーと最後のレースは序盤からラグージェとジュカの一騎打ち!他の操者を置き去りに最初の輪を…潜ったのはジュカだぁぁあ!』
司会も白熱する、ジュカのマゥがラグージェの馬をリングを潜る寸前タックルで弾き飛ばし最初のリングをジュカが潜り熱い声が上がった。
最後のレースに用意されたリングは13、全てのリングを潜り13番目のリングを最初に潜った者が勝者、抜かれたラグージェが雷撃を放つがジュカは後ろを見もせず風魔法を駆使して雷を避け先へ進む、魔法を使用すると僅かな時間馬の操作が鈍くなる、ラグージェは魔法を使うのを止め純粋な速さでジュカに迫る事にした。
「ジュカっちとラグっちの一騎打ちね、カッコいいじゃん2人とも」
「これで終わってしまうのはもったいない」
「でも、最後だからこその本気だ、ジュカの目がそう言っている」
席で観戦している懐記達、シュリが惜しむがマユラは最後だからこその本気なのだとジュカの画面越しの目を見て気持ちを読む。
「綺麗だなー雨は降っているけど、それもまた良いな」
「お、ビヒメゴとホセサライとチェニエが上がって来たぞ」
ギーギスが徐々に強くなる雨が魅せる光景に見惚れ、ジラがチェニエ達の方も応援する。
「2つ目のリングラグージェが潜ったな…純粋な速さは彼が上か」
「魔法とセンスはジュカが上だね」
両者譲らぬ僅差で2つ目のリングを潜ったのはラグージェ、ジュカが唇を舐めて笑って氷の矢を放った。
「え、氷使えるのぉ?今まで本当に本気じゃなかったんだ…1度も…」
氷の矢がラグージェの横を掠め空中で霧散する、思考と馬の操作、ジュカは今まで1度たりとも本気など出していなかったのだ、ジュカが風魔法以外使っているのを見た事がない…それに…。
「ジュカ…天人族…そっか…ラグーといっしょ…ううん…ラグーははんぶん…ジュカは…」
ラグージェは少し悲しそうな顔をし、そして炎の玉を飛ばして視界を阻むが、それを圧倒する氷の量で炎の玉を包み突き進んだ。
『ジュカ…何も惜しまなくていい』
「旦那…今までありがとう…」
『お前が何であれ、最後の《ホローリングレース》は骨の髄まで自分の為に楽しむと良い』
「旦那…俺は…勝つよ、別に願いもないし、これからも同じ毎日が続けば良い、ラグージェ!俺はお前を抜いて先に行く」
「ら、ラグーにも願いがあるから!」
「じゃ、願いのない俺にお前の全てで勝ってみせろよ」
「うんっ!」
4つ目のリング、先に進むラグージェにジュカは氷と竜巻の柱で行く手を阻む、ラグージェはジュカの挑発に笑顔を向けそして炎と水の剣を両手に生み出しその2柱を願いを持って切り裂いた…。
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