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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ
第090話 古物市/第90話 謁見
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第090話 古物市
「異界の品々ですか興味深い」
「これは……不要な物なんですか…異界では」
「しゅ、しゅごいですぅ」
《アストマーズ》の古物市、商人達が多く品定めをしている中《ラグライック商会》のコーカス、スミト、ファミが見て回る熱気や熱量も計り知れない、他国の使者達も気配を消してはいるものの皆緊張の面持ちで品を見ている。
「これはこれは」
「おや」
コーカス達の前にはグレスナーを伴ったフルカリス、ケストナーと鉢合わせし軽く挨拶を交わす…世間話や腹の探り合いをしている場合でもなく品を定めていく、魔人だろうが皇族だろうが商人は商人という事だ。
「このナイフと反物は凄い物ですね」
「この絵もこの世界に革新的な物を齎しましゅ」
「この小物も良いですね」
コーカス達が手に取り値段を確認していく、古物市という事で値段もお買い得、これから異界と交流が始まるというので焦る必要も無い、幾つか気になる品を買い見て回っていく、ファミもいつもと雰囲気が違い目は商人その物集中し品を観察していた。
「後で外神さんと懐記さんに異界で何が求めらているか聞いてみましょう」
コーカスが興味深く周囲を見て行く、今日以降も品が運ばれてくるというので楽しみだ。
「この剣良い品だ」
「…自分の褒賞から買って下さい」
「帝国の財政事情は把握している」
「……はぁ」
「帝国の皇族らしからぬ溜息を吐くな」
「仕方ないでしょう、こうして出稼ぎしている位なんですから」
武器が陳列されているエリアでグレスナーが剣を吟味し隣で装飾の凝ったナイフをフルカリスが眺めている、余裕でいくつか買える値だが長年の財政難ですっかり守銭奴なフルカリスにグレスナーが嘆息し、剣を3本購入する。
「このナイフ皇子達に買いましょう」
ケストナーが自分と帝国の魔人への土産を買い、フルカリスは皇子に土産としてナイフを2本購入する事にした。
「この筆良い物ですね…オークション用に絵も購入しますか」
「いんじゃない」
「ツァヒグ、戻ったんですか?」
「まぁ、祭を楽しんでおいでって、土産も買う」
美術品エリアでケストナーが絵や筆を選んでいれば隣に気配もなくツァヒグが並びケストナーが顔を綻ばせる、ツァヒグも小さめな異界の景色を描いた絵画と動物の置物を手に取り購入した。
「……腹へったんだけど」
「ご馳走するのでよければ一緒に」
「んー」
ぼそとツァヒグが言えばケストナーが笑みを浮かべ絵を幾つか購入し、食事をする為に外に向かう。
『ツァヒグ…楽しんできてください、彼らの様子も教えて下さいね。いってらっしゃい』
ツァヒグはケストナーの隣に並び、戻った際に言われた言葉を思い出す、優しい声、優しい笑みに見送られいつかいつか…此処へ彼らもと思った…。
第90話 謁見
「見事な黄金龍じゃ」
『光栄な事だ、異界の天帝殿』
皇城の謁見の間に招かれた各国の賓客達と、《アストマーズ》と繋がった画面越しの耀帝が先にニジェルガと挨拶を交わす、ニジェルガの煌めく黄金の美に耀帝が褒め称えニジェルガも玉座で微笑む、集まった賓客達も異界の幼い姿をした耀帝に微かにさざめきすぐに静寂へと変わる。
詠斗達と崇幸達の旅で出逢ったホスィソ達、オベリスカの国《イグン王国》の使者、エスティアがいた国《ガンネ国》からも国王と王女アネイシャ、それ以外にも多くの賓客がニジェルガと耀帝との謁見を皮切りに献上品と共に挨拶を交わしていった。
『こちらは僕が買い物のお手伝いをしていきますね、よろしくお願いします』
『俺もいるよー』
ノイズ達のいる会議室、買い物担当は綴とヤハネ、服飾品エリアから買い物を始めていく。
「そのカバンいいね!」
「その敷物すごい凝っていますね。いくつか欲しいです、部屋に飾りたい」
「その服と上着が欲しいな」
『分りました』
天使と悪魔、ヒェチブネやグシアス達値段が手ごろなのでまとめて購入していく。
天使やサロスラージュ達も参考にとタペストリーや服を購入し楽しんでいる、特に天使達には刺繍の細かいデザインのタペストリー、悪魔達は上着やズボンや小物を購入している。
「異界の服やカバン、タペストリーというのも参考になるな」
『タペストリーは壁に飾ったりするのも人気ですよ、小さめの物は低い棚の上に敷いたりテーブルに敷いています。身近な物ですよ』
「それはいい、小さめのタペストリーを幾つか貴方の好みで構わないので購入して欲しい」
『分りました』
「そちらの綺麗な刺繍が施された布の袋をよく見たい」
『これは巾着と言う物です、僕達がいた世界の物で中に物を入れて紐を縛って使う物なんです』
「それ、欲しいですね。いくつかお願いします」
「作り方をしりたいな、構わないかな?」
エクセレンスやサロスラージュが巾着に興味を示す、それも綴が購入し今度画面越しに作り方の講座を開く約束を交わした。
「なるほど、このポップコーンというもの是非こちらでも作りたいですね」
「トウモロコシの木を作ります」
五衰達料理人が軽食として出したポップコーンに興味を持ち、食べる手が止まらない。
外神がトウモロコシの木を用意するというので、画面越しにニアが作り方を丁寧に教えてくれる。
料理人達が熱心に聞き取り、他にも屋台の料理に関心を寄せグステナ達の芋焼きやナティ等も外神に頼み道具を用意して貰う事にする。
「外神殿、天帝様から許可を得たので天界にも畑を増やす事にしましたが、先程見た時計台の中に植物等を植える事は可能でしょうか?」
「それは良い案だと思います、植物と共存する時計台にしますね」
「ありがとうございます、天界でも強羅城に次ぐ象徴になると…大事にしていきます」
「はい」
五衰と鵜隗も嬉しそうに顔を綻ばせる、天界には娯楽が少ないので少しでも皆の楽しみが増える事が嬉しいと言う天人達、外神もそれに応えようと此処を発つ前に出来る事はして行こうと決めている、交流は続くが会うのは難しいだろう…。
「異界の品々ですか興味深い」
「これは……不要な物なんですか…異界では」
「しゅ、しゅごいですぅ」
《アストマーズ》の古物市、商人達が多く品定めをしている中《ラグライック商会》のコーカス、スミト、ファミが見て回る熱気や熱量も計り知れない、他国の使者達も気配を消してはいるものの皆緊張の面持ちで品を見ている。
「これはこれは」
「おや」
コーカス達の前にはグレスナーを伴ったフルカリス、ケストナーと鉢合わせし軽く挨拶を交わす…世間話や腹の探り合いをしている場合でもなく品を定めていく、魔人だろうが皇族だろうが商人は商人という事だ。
「このナイフと反物は凄い物ですね」
「この絵もこの世界に革新的な物を齎しましゅ」
「この小物も良いですね」
コーカス達が手に取り値段を確認していく、古物市という事で値段もお買い得、これから異界と交流が始まるというので焦る必要も無い、幾つか気になる品を買い見て回っていく、ファミもいつもと雰囲気が違い目は商人その物集中し品を観察していた。
「後で外神さんと懐記さんに異界で何が求めらているか聞いてみましょう」
コーカスが興味深く周囲を見て行く、今日以降も品が運ばれてくるというので楽しみだ。
「この剣良い品だ」
「…自分の褒賞から買って下さい」
「帝国の財政事情は把握している」
「……はぁ」
「帝国の皇族らしからぬ溜息を吐くな」
「仕方ないでしょう、こうして出稼ぎしている位なんですから」
武器が陳列されているエリアでグレスナーが剣を吟味し隣で装飾の凝ったナイフをフルカリスが眺めている、余裕でいくつか買える値だが長年の財政難ですっかり守銭奴なフルカリスにグレスナーが嘆息し、剣を3本購入する。
「このナイフ皇子達に買いましょう」
ケストナーが自分と帝国の魔人への土産を買い、フルカリスは皇子に土産としてナイフを2本購入する事にした。
「この筆良い物ですね…オークション用に絵も購入しますか」
「いんじゃない」
「ツァヒグ、戻ったんですか?」
「まぁ、祭を楽しんでおいでって、土産も買う」
美術品エリアでケストナーが絵や筆を選んでいれば隣に気配もなくツァヒグが並びケストナーが顔を綻ばせる、ツァヒグも小さめな異界の景色を描いた絵画と動物の置物を手に取り購入した。
「……腹へったんだけど」
「ご馳走するのでよければ一緒に」
「んー」
ぼそとツァヒグが言えばケストナーが笑みを浮かべ絵を幾つか購入し、食事をする為に外に向かう。
『ツァヒグ…楽しんできてください、彼らの様子も教えて下さいね。いってらっしゃい』
ツァヒグはケストナーの隣に並び、戻った際に言われた言葉を思い出す、優しい声、優しい笑みに見送られいつかいつか…此処へ彼らもと思った…。
第90話 謁見
「見事な黄金龍じゃ」
『光栄な事だ、異界の天帝殿』
皇城の謁見の間に招かれた各国の賓客達と、《アストマーズ》と繋がった画面越しの耀帝が先にニジェルガと挨拶を交わす、ニジェルガの煌めく黄金の美に耀帝が褒め称えニジェルガも玉座で微笑む、集まった賓客達も異界の幼い姿をした耀帝に微かにさざめきすぐに静寂へと変わる。
詠斗達と崇幸達の旅で出逢ったホスィソ達、オベリスカの国《イグン王国》の使者、エスティアがいた国《ガンネ国》からも国王と王女アネイシャ、それ以外にも多くの賓客がニジェルガと耀帝との謁見を皮切りに献上品と共に挨拶を交わしていった。
『こちらは僕が買い物のお手伝いをしていきますね、よろしくお願いします』
『俺もいるよー』
ノイズ達のいる会議室、買い物担当は綴とヤハネ、服飾品エリアから買い物を始めていく。
「そのカバンいいね!」
「その敷物すごい凝っていますね。いくつか欲しいです、部屋に飾りたい」
「その服と上着が欲しいな」
『分りました』
天使と悪魔、ヒェチブネやグシアス達値段が手ごろなのでまとめて購入していく。
天使やサロスラージュ達も参考にとタペストリーや服を購入し楽しんでいる、特に天使達には刺繍の細かいデザインのタペストリー、悪魔達は上着やズボンや小物を購入している。
「異界の服やカバン、タペストリーというのも参考になるな」
『タペストリーは壁に飾ったりするのも人気ですよ、小さめの物は低い棚の上に敷いたりテーブルに敷いています。身近な物ですよ』
「それはいい、小さめのタペストリーを幾つか貴方の好みで構わないので購入して欲しい」
『分りました』
「そちらの綺麗な刺繍が施された布の袋をよく見たい」
『これは巾着と言う物です、僕達がいた世界の物で中に物を入れて紐を縛って使う物なんです』
「それ、欲しいですね。いくつかお願いします」
「作り方をしりたいな、構わないかな?」
エクセレンスやサロスラージュが巾着に興味を示す、それも綴が購入し今度画面越しに作り方の講座を開く約束を交わした。
「なるほど、このポップコーンというもの是非こちらでも作りたいですね」
「トウモロコシの木を作ります」
五衰達料理人が軽食として出したポップコーンに興味を持ち、食べる手が止まらない。
外神がトウモロコシの木を用意するというので、画面越しにニアが作り方を丁寧に教えてくれる。
料理人達が熱心に聞き取り、他にも屋台の料理に関心を寄せグステナ達の芋焼きやナティ等も外神に頼み道具を用意して貰う事にする。
「外神殿、天帝様から許可を得たので天界にも畑を増やす事にしましたが、先程見た時計台の中に植物等を植える事は可能でしょうか?」
「それは良い案だと思います、植物と共存する時計台にしますね」
「ありがとうございます、天界でも強羅城に次ぐ象徴になると…大事にしていきます」
「はい」
五衰と鵜隗も嬉しそうに顔を綻ばせる、天界には娯楽が少ないので少しでも皆の楽しみが増える事が嬉しいと言う天人達、外神もそれに応えようと此処を発つ前に出来る事はして行こうと決めている、交流は続くが会うのは難しいだろう…。
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