あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第083話 夜はまだ続く/第83話 夜はまだ続く

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第083話 夜はまだ続く
「芋焼きうまいな」
「おいしい…」
「だろ、野営でもこればっかだ」
《ウワムス王国》の城の庭適当に集まった民達と焼いた芋串を食べる、今夜はチーズも持ち込まれエスティアがお代わりをしている、ガイドとゲーテが肉を焼きパンケーキを切り分けて酒やジュースも振舞われ周囲は笑みで溢れていた。
「ヒスンスは?いつくる?」
「あいつは図書館から出られねーからな、適当に誰かが運んでいる」
「盟約ですか?」
「ああ、親父が捕まえてあの図書館に封印しているしアイツ自身がそれで良いって言ってるからな」
「ん?ヒスンスは…」
アコミアがヒスンスの芋串し焼きとパンケーキを用意してグステナに尋ねれば酒を飲みながら答え、メンルェトがヒスンスの正体を把握しているようでグステナが頷き、アコミアが首を傾げた。
「彼は異界の生物ですよ、図書館に縛られている。中々強そうですね」
「あぁー俺達が生まれる前からいるし、俺らの剣と学の師匠だな。ししょーとはまた違う意味で面倒だったな。どれ位強いかはしらねーけど、国に何かあれば民は図書館に逃げるようにじじいと親父が言ってた」
「異界の生物?見ただけじゃ分からないな」
「強い…あの図書館全てに眼がある…」
キッフが今度は肉串に齧り付き、エスティアがカノリのジュースを飲んで頷く、アコミアはそうかと後で持って行こうかと残しておく事にした。

「ベルンちゃんかわいーね」
「ん、そーそー、カタンちゃんもラピスちゃんも可愛いね」
「えへへ」
「あう!」
「ベルも可愛い」
ベルン達のテントの外、画面越しの人々と話しをしながら大勢でバーベキューを行う、新たに加わったフォンの兄たちが酒を片手にベルン達が可愛いとしきりに言えば、ベルン達もえへへと照れ、ベルも自分も可愛いと抗議しフィズが優しくベルの頭を撫でる、ベルは納得してタイタンに焼いた肉を食べさせて貰い口元をベタベタにすればプロメテウスが口元を拭う。
ファスイとフォカイも酒と肉を味わい、舵が追加で野菜と魚をユインと運び、トイとニトが焼いてくれる、毎日大所帯の為大抵食事は外で行う、テーブルと椅子と鉄板やコンロなど外に台所を造り屋根を置いて周辺には香草や自分達の手べる分の野菜を植え暮らしている。
「じゃんじゃん焼くよー食べて食べてー明日はミルクを売ったらお祭りで売る商品作るから早めに休むよー」
『はーい』
最近モギのミルクと野菜を売る他、カルから貰う鉱物ダンジョンの鉱石を使って瓶やコップに皿なんかを造って出している、主にユインが商業エリアで売ってくれているが評判はとても良い、祭典に向けて沢山用意しようという話しになり明日も早くから皆働こうと、もりもり夕食を食べていった。

第82話 夜はまだ続く
「明日はこれを送って」
『承知しました』
「懐記さん、朝食は何にします?」
「フォンちゃんが親子丼って言ってからそれ」
「分かりました、ご飯と肉を切っておきます」
「おけ、玉ねぎ切っておくわ」
真夜中とも呼べる時間、ファーツコクスの家のキッチンで懐記は明日《アタラクシア》に送って貰う物を風早に頼み、外神が朝食の下準備に動き出す、喉が渇いたとジュカが部屋から出て来たので冷えた字果実水を外神が渡した。
「ぷふぁ、おいし」
「お代わり飲みますか?」
「ん、ちょうだい」
外神から追加を貰いカウンター越しに座るジュカ、懐記が軽く何か食べるか聞けば頷いたので干した木の実を渡しカリカリと齧っていく。
「みんなが来てくれたおかげで美味しい物が沢山食べられる、街に貧しくて仕事も無くて座っている人たちがいなくなった、すごいよね」
「そ?俺達が来たって本人達が生活変えようとしなきゃ変わんないしょ、きっかけってだけね」
「それでもすごいよー旦那も楽しそうだし俺を育ててくれた親父みたいなもんだけど、いつも淡々としていたし俺の事はきちんとやってくれたけど、他のマイスターの旦那達からも天使達からも色々言われてたんだ」
「コクスっち優しいからね」
「そうなんだ、《ホローリングレース》でも俺が最下位でいれば他の操者が辛い思いしなくても良いからって、本当の親の事も話せなくてすまないってそう言ってくれる旦那なんだよね」
ジュカはファーツコクスを実の親の様に慕っている、懐記達にも最初から優しかった。
「………」
外神はファーツコクスの優しさに違和感を覚えてはいる、だが余計な詮索をするつもりはない。
「ふぁ、じゃおやすみ。懐記も外神も早めに寝なよ」
「ん、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
欠伸1つしジュカは部屋に戻っていく、外神と懐記も準備が終わり部屋に向かう前に1杯カウン酒を懐記が注いでソファに座って飲もうと誘う。
「いただきます…果物の香りがしますね」
「こっちの果物を漬けてなんちゃってサングリアね」
「おいしいですね」
「ん、そうね。色々な酒でやってみるわ」
「ならこの青い酒でも」
「おけ」
外神が収納から青い酒の瓶を渡す、とりとめのない会話をぽつりぽつりと行い夜明けごろ2人はベッドに眠りに入る、いつも夜はもう明ける…。
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