あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第066話 本の修復作業/第66話 天使のお願い

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第066話 本の修復作業
「エスティアもグローリーも修復上手いな!」
《ウワムス王国》の図書館、イザラ達は引き上げ残ったのはエスティアとグローリーとアコミアとキッフ、建物を改修しているメンルェトと管理を行っているヒスンスだけだった。
『おやつにしましょう、本日はプリンです。ゴーレム達も手伝いに来てくれましよ』
風早が声を掛けゴーレム達がプリンを運んでくれる、メンルェトも呼びテーブルにお茶とゴーレムとヒヨコ達が作ったクッキーとプリンを並べた。
「わあ、こんなお菓子初めて見ました!」
「プリンはナイルさん達の料理ギルドで作ってくれたんだな」
「あそこすごいよなーこの世界の食材や調味料だけじゃなく異界の食材とかもあるからなー」
「面白い…美味しいよ、今度行こう」
「わ、嬉しいです!この国……こんなに沢山の良い本があるんですけど…豊かな国という訳でもないのであまり人が来なくて…今日は沢山来てくれて嬉しいですね」
プリントクッキーに眼を輝かせるヒスンス、アコミア達がナイルが作った物で今度一緒に料理ギルドへ行こうと誘う、ヒスンスは客が多いと喜びはしゃいでいた。
「確かに質は置いておくとして、貴重な本が多いですね。いくつか借りて読ませていただきます」
「もちろん!グステナ様から皆さんは好きなだけ借りて良いし禁書も制限なく読めますから」
プリンを口に運びながらメンルェトが蔵書の量を褒めヒスンスが頷く、グローリーも後で何か借りて帰ろうとエスティアに言いエスティアは本の修復が気に入ったらしく家でも修復したいと伝えた。
「私の家は此処なのでいつでも来て下さい」
「そうなの?」
「はい、家に帰る暇がないので住む事にしました!部屋が綺麗になって嬉しいです!メンルェト様ありがとうございます」
「良かったですね」
「はい!」
「ま、俺も店に住んでたしい同じようなもんか。部屋後で見せてよ」
「はい、私が個人で所蔵している本もありますから」
「お、それは楽しみ」
「私も興味があります」
「俺も、泊めてくれよ。明日はそのまま公園に行くか」
『部屋を広くしましょう、夜食も用意しますね』
『あらぁ、本好き青年達の夜いいわぁ~』
「父上、私も泊まりたい」
「………」
「グリ、俺がエスティアを見るよ。グリは1回帰れば良いさ、な、エスティア」
「うん」
「分かった」
アコミア、メンルェト、キッフがヒスンスの私室の本を読むようなので、エスティアもそれに興味を持つ。
グローリーも残りたいと思うが、明日は早くからニスムの孤児院の子ども達と海ダンジョンに行く約束がある、アコミアがエスティアを見てくれると言うので頷き頼む事にした。

「魔人と帝国の皇族の新顔か」
《アタラクシア号》のラウンジで酒を飲みに来たデュスノア、鉢合わせしたのはフルカリスとグレスラーだった。
「これはこれは…」
「ドラゴンか」
「良い、私も此処では只の客だ。礼は要らん」
「そうですか、よければ一緒に如何ですか?」
「良いのか?」
「フルカリスと飲んでもつまらんからな」
「そういう事なので」
「そうか、ならばこの2人に300年物のカウン酒の炭酸割とつまみを」
フルカリスが立ち上がり礼を取ろうとすればデュスノアが遮り、フルカリスがならば席を共にと言うので座りゴーレムに注文をする。
「ここの飯は美味いな、はっきり言えば帝国の飯は不味い」
「帝国は今、作物の育ちが悪く魔物肉を主食としているからだろう。魔物を家畜化し繁殖している国だ、処理が甘ければ魔物は不味い。魔物を家畜化させた事は見事だが」
「よくご存じで」
「だからこそテイマーが必要だったのだが、空振った」
運ばれて来たグラスの酒と木の実と辛めに味付けした干した肉と腸詰とポップーン、最近のデュスノアの気に入っているメニューだ。
「そうそう、テイマーなど見つからない」
「そうですね。ん、この酒…美味いですね…ここは食が豊かだ…」
「そうだな、食事も睡眠も然程必要ない魔人の我でも食い過ぎてしまう」
「ならば、大河には帝国の手土産には食料をと伝えておくとしよう」
「ありがたい話しです、帝国に帰るのが少し憂鬱だった所です」
フルカリスもグレスラーも酒を楽しむ、グレスラーはポップコーンが気に入った様でお代わりをゴーレムに頼む。
「料理ギルドを訪ねてみると良い、意見はくれるだろう。帝国も少しはマシになる」
「そうしてみます」
デュスノアのアドバイスにフルカリスが何度も頷き、明日は商業エリアと料理ギルドをグレスラーを伴い訪れる事にした。

第66話 天使のお願い
「素晴らしい部屋ですね」
「地上界の様子をはっきりと見えるのが良い」
「ここの空気は天上界と変わりません、天上界の植物も此処で育てられそうですね」
「私の対の悪魔に食べて欲しい…」
希望した天使達の第一陣の部屋の割り振りが決まり、ナビとゲーテ達が部屋の装飾や配置の希望などを聞き纏めている。
天使達が特に喜んだのは部屋の大きな窓、下の悪魔達の生活眺められる事が嬉しいようだった。
『ぴんぽんぱんぽん~はぁーいみなさんお部屋決まりましたねぇ~おやつ用意出来たから会議室に来てちょうだい~プリンあるわよ~』
「では会議室へいきましょう…」
識の館内放送を聞いた外神が喜ぶ天使達に声を掛け会議室に向かう、懐記は無邪気な天使達を見て羽ってしまえるし羽毛みたいに舞ったりしないんだと思いつつ移動した。

「これはおいしい!」
「異界はこんな美味しい物があるんですね」
「お茶も香りが良いですね、私も淹れたいです」
「上の天使様達はこんな美味しい物を先に食べていたんですか」
「ずるいですね」
「本当に」
口々に喋りながらプリントお茶を優雅に味わう、白い…天使って白いなーとギーギスは目を細める、綺麗な物だらけ、お腹は一杯…そんな感じでイシュターもジラも同じような感じでその光景を眺めていた。
「異界の皆様…お願いがあります…私達にもこのぷりんの作り方を教えて頂けませんか?とても美味しくて…」
「ええ、対の悪魔にも食べて欲しいですね、他のお菓子も是非」
「別に良いけど、作り方は簡単。材料は1つこの世界で入手しにくい物だけど」
「そうですか、どんな食材が手に入り難いのでしょう?」
「牛乳、ミルク。この世界ミルク飲む習慣がないみたいだし、牛とかいないし」
「ミルク…ですか?」
「これだよ」
天使の何名かが懐記を囲む、懐記はミルクがこの世界で入手しにくいからこのプリン《アタラクシア》から運んでいると言えばジラがコップに入れたミルクを天使達に渡す。
「香りや風味はちがいますが…乳水ですね」
「良かった!これなら天上界にありますよ」
「運んできましょう」
「へえ、気になるわ。他にも食べられる物あったら持って来てよ」
『はい!』
天使達はあーでもないこーでもないと話す、余程プリンが気に入ったのかとても感動している。
「ミルクがあると料理の幅が広がりますし、《アタラクシア》にも運べますから」
「そうね、ナイルっち達が喜んでるわ」
異界交流は順調だ、ナイルやバルタルやカイネが積極的にレシピの交換を行い充実している、厨房は常にフル稼働で日々料理の研究が行われていた…。


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