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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第050話 それぞれの休日2/第50話 昼と夕食も

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第050話 それぞれの休日2
綴の休日
「綴殿」
「ナイデルさん、アゲイルさん。お久ぶりです」
「綴殿!元気そうで何よりだな」
「はい、色々ありましたが沢山の事を知り学んだ日々でしたね」
「そうですか、こちらは変わらず子ども達が増え皆熱心に学んでいますよ」
「そうだな、魔人の御子達はとても健やかに育っていて周りの子ども達の良い友だな」
「それは良かったです、グローリー君も喜ぶでしょう」
《トイタナ》の教室の休憩時間に綴が訪れナイデルとアゲイルが出迎えてくれる、子ども達は友達とおしゃべりしたり水分を補給したりと自由に過ごしている、共に学ぶ大人も増え教室を分けてモニターを使い同じ授業を受けている。
生徒も増え教室も拡張し教室は明るく花が飾られ自然と綴が笑みを零す、子ども達が次々綴の元へ駆け寄り『おかえりなさーい』よ明るい声が響く、賑やかな声に綴は笑い授業を皆で受けた後は昼食作りに参加しイーノキィ達に挨拶し行こうかと思いながら授業に耳を傾けた。

晴海の休日
「空、エスティア、ここが公園だよ」
「えぅ」
「ゴーレム達がいる、大きいなゴーレム…」
「ここの管理人」
「そ、俺達がいないときはここで色々やってくれてんだ」
「とても清涼場所ですね」
『愛しい子よその通りだ』
『私達も心地よいですね』
広い公園木々や植物は全て食べられる物、自由に持ち帰って良い物なのでこの時間は教室に通う子ども達の姿は無く小さな幼児や赤ん坊を連れた人々や食事にと採取をしていく人々が自由に過ごしていた。
「キッフさんがここに小さな動物園を造ってくれるんだよ、楽しみだね空」
「うー?」
公園にやって来た空とイザラ達とオベリスカと両親に、グローリーは魔人の子ども達と公園で遊んでいる、子ども達の笑い声で賑やかだ、他の子ども達も一緒にブランコや滑り台でゴーレムやヒヨコ達とはしゃいでいた。
「ぱぱーだっこ」
「ぱぱーおんぶー」
「あそぼー」
「おかちたべよ」
「あっちいこ」
「ほんよんでぇ」
「うん、おやつは後だよ。本を読むからベンチにいこうね」
『あーい』
グローリーは子ども達をだっこにおんぶしベンチで渡された本を読み始める、ゴーレム達やヒヨコも座って『シンデレラ』を読み聞かせしている、空もそちらに手を伸ばすので晴海も参加し、イザラ達は公園の散策をしようとオベリスカを連れて歩いた。

千歳の休日
「ドーナツ屋が出来たみたいだね、貰おうか」
「そうですね、最近は飲食にも力を入れているので増えましたよ。定食屋とサンドイッチ屋もオープンします」
「それは楽しみだね、少し来ないと色々変わるね」
商業エリアを散策中の千歳とラジカ、天井の景色は青空快晴小さな店のショーケースに揚げ立てのドーナツが並び人々が次々購入していく流れに沿って千歳も2つ購入しラジカに渡す、葉に包まれた揚げたてのドーナツを食べながら先に進む、賑やかで活気がありどの店にも客がいる。
「うん、美味しいね」
「はい、そういえばカフェに新作の飲み物が昨日から売られています、行きませんか?凍らせた果物を使ったアイスティーです」
「行こう、その後はブックカフェで本を読みたいな」
「そうですね、ユピカさんからおすすめの本を読みたいですね」
「あ、ラジカさん!千歳さん!」
「こんにちわ!」
「こ、こんにちわー」
「こんにちは、シアさん、ヒビカ君、エニュー君と……崇幸さんが連れて来た子達かな」
「そうだよー僕達の弟!」
「可愛いでしょーお店を案内していたんだ」
「みんな良い子」
千歳とラジカが歩きながら散策していとシアとヒビカとエニュー達が獣人の小さな子供達の手を引いて歩いている所に出会う、シア達はニコニコしているがラジカの表情は動かない。
「そうだ、よければ皆今からカフェに行かないかい?美味しいジュースをご馳走するよ」
「そうですね、父上。彼らの紹介もして欲しいですね」
「いいよー」
「やった!」
「ありがとうございます」
千歳がシア達にジュースを奢るからカフェへ行こうと提案すれば、シア達は嬉しそうに頷いて皆でカフェへと向かった。

第50話 昼と夕食も
「昼は具沢山のスープとサンドイッチね、たまごサンドと焼いた肉挟んだやつに野菜サンドね大量に用意しよ」
「料理人も来ました」
「パンも焼いてる」
「沢山焼いたし、今夜はパンを使った飯がいいな」
「おけ」
厨房に戻れば五衰と鵜隗が手配した天界の料理人達も加わり、パンや具材にスープを準備している。イシュターやジラとフォンとフェシェスタはダンジョンで食材を獲りに行き、マユリとシュリはジュカと収穫や畑仕事に勤しんでいた。
「人手を連れて来た、子どもが多いが仕事を教えてやってくれ。食事や着替え風呂は済ませている」
「ん、じゃこっち。パンに具材挟んでって」
サロスラージュがどうやら浮浪児たちに仕事を与えようと連れて来たらしい、皆骨が浮き立つような細さだが食事を与えられ血色は良さそうだ、パンに具材を挟むのをチェカと行い、料理人達はせっせと肉を焼きスープを掻き混ぜる。
大所帯の厨房でセレネのゴーレムが本日の《アタラクシア》からの便を口から出して並べる、ジャムやフルーツ飴に肉や魚、葉に包んだ弁当が50人前程届きそれは夕食にと懐記が収納にしまってジャムはチェニエとビヒメゴの店に届ける様ゴーレム達に頼んだ。
「フルーツ飴来たわ、綺麗だし。五衰っち達これ耀帝っち達にあげて」
「これは宝石のようですね、美しい…」
「ええ…先1つ…瑞々しい果物の酸味と砂糖の甘さが際立つ物ですね」
「作り方は簡単」
「是非教えて頂きたい」
「おけ」
懐記が様々なフルーツ飴を五衰と鵜隗に味見して貰い感動していれば、手伝いの子ども達も物珍しそう
にみているので彼らにも食べて貰おうと渡すとぱあっと目を輝かせて皆顔を綻ばせた。
「茹でたまごの試食出来たよ、食べてみて!」
「固ゆでと普通のと半熟」
「おいしいよ!」
「たべてたべて」
子ども達が商業エリアでゆで卵屋を始める為に試食を作り運んで来てくれる、お礼に懐記がフルーツ飴をあげれば嬉しそうに頬張る、つくってみたいと言う声があがるので後で皆で作ろうとう話しになった。
ファーツコクス達は商業エリアの店の管理や人手の管理、《ワークフロント》の依頼等を行う為に出ている、忙しい…昼食の準備が出来たらこちらも昼にしようとフルーツ飴を齧った…。

「……」
今この白い空間には自分しかいない…先生は今何処かに行ってしまっている…。
外に出たいどうしても…行かないといけない、出るなら今だ…そう覚悟を決めた…。

「天帝達の我が儘には困った物です、異界人が作った食事に風呂を城内にと幾ら勝手が良くとも私まで呼び出されるとは…長く離れるわけにはいかない」
「分かっております…空間魔法に長けているのは鴻吏(こうり)様ですから…」
「あなたも第三妃という立場でありながらこのような小間仕えなど」
「私は構いません」
「……そうですか」
《強羅城》の赤い絨毯が何処までも続く廊下、白衣の男と美しく着飾った耀帝の第三妃が音も無く歩く、男はやれやれと《強羅城》の地下に地上界から持ち込まれた風呂を完璧に配置して戻る所だった。
確かに耀帝が使うに相応しい物だったが、地上界からの移送に配置には時間も労力も魔力も割かれる上に使われている材質が異界の神が造り出した物、《強羅城》の豪奢な扉まで第三妃に丁重に送り出され空間転移で戻ればそこは…伽藍洞だった。
「まだそれほどの力を有していたとは…私も燕碑も耀帝も見くびっていましたね…」
男は深く溜息を吐いて空間から出ていく、ここにいる事が幸せなのにと幸福はここにあるのだと男はそう信じて疑わななかった…。
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