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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ
第038話 まさかの /第38話 準備
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第038話 陽気な魔人
「イーノキィ様、教官の皆様、休憩は如何です?ヴィッセさんもおやつにしましょう」
「ケークス殿、ありがとうございます」
「…はい、すみません。きりがいい所まで進めます、先にどうぞ」
イーノキィと《コレメキバ学院》から出向いた職員達とタナトスの卓で仕事を行うヴィッセ達に、ケークスやテスカやワンズ達が間食の準備を行い勧めれば、ヴィッセがメールや書類の確認にタナトスの確認が必要な書類、それに《ナイジアナ皇国》周辺の国の罪人達の受け入れ等も手配していた。
タナトスがここにいる場合は所謂在宅での仕事を行うヴィッセだが、1日分のタナトスの仕事を片付けるのに相当キツイ、化け物かと思う…此方は魔人の最上位の筈なのだが…といつもヴィッセは思っている。
教官達もナイデルやアルケール達の元ドラゴンやモッカ達との授業の詰めを行い、再開に向けて準備を行なっている。
「本日はナイルさんからスコーンが来ましたよ、ジャムをたっぷり付けて食べてくださいね」
「お茶をどうぞ、ヴィッセさんは何を飲みます?」
「コーヒーをブラックでお願いします」
「…あまり根を詰めないで下さいね」
「……はい」
焼き立てのスコーンのジャムを塗り食べる、ヴィッセは濃いコーヒーを希望しケークスが苦笑いを浮かべた…。
「初めまして、《ヴリトヘル商会》の支配人を務めています。フルカリス・ノシアスザァレと申します」
「俺は、大河と言う。時間がないさっそく用件を言わせて貰いたい」
「ええ、どうぞ」
「そちらが買い取ったフェマーという人物を此方に譲って欲しい、金やこちらが用意出来る物で支払いたい」
馬車でスミトも伴い訪れた《ヴリトヘル商会》、コーカスの商会と肩を並べる建物の外で恭しくお辞儀をする男が何も言わず扉を開けて中へと入れば端整な青年が笑顔で出迎え、自己紹介と共に大河の早急の要件にも笑みを崩さない。
「残念ですね、彼は昨夜ここから馬車で運ばれています」
「どこへ向かった?」
「私は譲るとは言っていませんよ?まだ」
「今の条件では譲れないという訳だな」
「そんな事はありません、貴方方を敵に回すのは帝国にとって不利益ですから。攻められても勝てるとは思っていません」
「なら答えて欲しい」
「大河、昨夜運ばれたのであれば場所は分ります。帝国が大陸を渡る際に飛行種の魔物を使います、昨夜運ばれたのであればこの国から山を越えた先でいくつかの島を経由し運びます」
「まだ間に合いますよ」
「よし、行くぞ」
「待って下さい、帝国の荷を奪うつもりですか?」
「ああ、その後交渉をする事にする。邪魔をした、転移で向か…」
「失礼いたします、フルカリス様………」
「な…」
大河がフルカリスがこちらと争う気もフェマーを渡す気も無いとの事、タナトスが現在の大まかな場所ならば割り出せる、アガニータも急げば大陸から出る前に確保出来るというので、大河がフェマーを奪ってから改めて話しをと転移しようとするが大股でフルカリスの部下が慌てた様子でフルカリスに耳打ちを行い、大河以外の耳に話の内容が届いた。
「不味い、主殿。移動中にフェマー殿が奪われたようだ。彼はやはりテイマーか…危険だ」
「ご主人様、帝国の荷を奪うような者ならば急がねばなりません。テイマーの力が好ましくない者達の手に陥ればこの大陸全土に影響を及ぼします」
カトゥーシュカが腕を組み唸る、執事モードのグステナが慇懃に大河に事の危うさを伝えた。
「まさか、帝国の荷が奪われてしまうとは、護りが薄かったのでしょうか?これは重大な事件ですね」
「皇帝の耳に届けばフェマーを手に入れた者達との戦争でしょうか?」
「心中お察しします、フルカリス殿。我々はこれで失礼します」
コーカスとアガニータがフルカリスを煽りを止めに心底同情するコーカス、もう用はないと転移でその場に向かおうとすれば「待って下さい」と声が掛かる。
「申し訳ありません、支配人殿。こちらも火急に動かねばなりません、失礼致します」
「その芝居は結構です、グステナ陛下。分かりました、まだ陛下にテイマーが手に入ったと報告はしていません。テイマーは諦めますが、彼と一緒に運んでいるもう1つの荷は絶対に取り戻さなければなりません。手を貸して頂きたい。魔人が護衛を務めています、荷が奪われる筈はないのですが…」
「いいだろう、その荷のは何だ?」
「……《神魔獣×獣将:ザレナダーラ》…異界の生物です…帝国が保有する魔人と騎士とテイマーを使って捕縛した疵渦級です」
「……細かい話しは現場で聞く、襲われた場所を教えてくれ。転移で行くぞ、ガイド、神々と千歳さんと念の為コォン達にも声を掛けてくれ」
『承知しました、神々が動きました』
「ああ、行こう」
その場にいた全員が向かう、ガイドが神々や動き出し不穏な空気と共に転移で皆を運んだ…。
「あちゃ、機会を狙ってと思ってたら転移しちゃったよ。テイマーねぇ……よし手を貸そう、でもってこっちの頼みも聴いてもらおっと」
第38話 準備
「昨日は賑やかだったなー」
「そうね、明日が会議だし準備とかするわ」
「みなさん、朝食は自由に食べて下さい」
昨日の賑やかな夕食の余韻を残しつつ、朝ファーツコクスの家で寝泊りした面々と朝食を適当に用意ていく、米やらパンやら山積みにし目玉焼きと腸詰ソテーも山のように焼いてスープも昨日貰った物を出し、野菜や果物も並べておけば適当に起き出した者達から手べていっていた。
さっさと起きていた懐記と外神はカジノタワーの食堂の厨房でエクト達のゴーレムを連れ、準備を始める事にした。
「餃子の皮と具材の準備するわ、焼きは、カタムスっちに任せるわ」
「こちらは肉まんの準備と…唐揚げはホセサライさんに任せます。ドーナツ等も仕上げは任せますね」
「そうね、カジノタワーの景品もトラングっち達に追加頼んだし。ゆで卵も出すわ、後で頼むわ」
【懐記様、マスター魚ダンジョンがオフィスビルに構築されました。ネコの皆さんが遊んでます】
「へえ、後で魚貰おう」
『アナウンスで観光がてら案内するわよぉ、買い取りもしちゃうわ』
とてとてとナビと識が懐記達の足元で、魚ダンジョンが増え自由に出入りできるネコ達が遊んでいて、《アタラクシア》の神々が観て喜んでいるらしい、もう少しすれば向こうでも見られるようになるいうので皆きっと可愛いと喜ぶだろう。
「おはよー野菜持って来た。商業エリアで売って来るー」
「んー」
ジュカが厨房に野菜をマンドランド達と運び込み、店の準備をしている悪魔や人々に売りにいくと楽しそうに商業エリアに向かい、ビヒメゴ達も自分達の店の準備が整ったら手伝うと声を掛けて行ってしまう。
『懐記様、外神様。本日も見学希望や出店希望の方たちが来ています』
「おけ、いいよ。明日は会議だから明日は対応出来ないから」
『分りました』
『たまごダンジョンに入りたい子ども達の案内と肉ダンジョンに入りたい方たちの案内でゴーレムをお借りします』
「ん、ガイドっちよろ」
「おはよぅ」
「おはよう」
「おはようございます」
「おはよ」
操者やマイスター達が次から次へと挨拶がてら厨房により各自の店に向かう、早くオープンさせたくてうずうずしているようだ。
【マスターたちぃ、《ワークフロント》のマスターからここに出張所を置かせてほしいときてますぅ、ダンジョンや店が増えたらなら仕事も人手も豊富だからってー】
「構いません、商業エリアのギルドの建物を使う様に伝えて下さい」
【分かりましたー】
調理を行いながら次から次へと上がってくる話しに柔軟に対応する外神と懐記、やりたいようにやってみたら良いと2人は思う、その為の場所は此処にある…。
「イーノキィ様、教官の皆様、休憩は如何です?ヴィッセさんもおやつにしましょう」
「ケークス殿、ありがとうございます」
「…はい、すみません。きりがいい所まで進めます、先にどうぞ」
イーノキィと《コレメキバ学院》から出向いた職員達とタナトスの卓で仕事を行うヴィッセ達に、ケークスやテスカやワンズ達が間食の準備を行い勧めれば、ヴィッセがメールや書類の確認にタナトスの確認が必要な書類、それに《ナイジアナ皇国》周辺の国の罪人達の受け入れ等も手配していた。
タナトスがここにいる場合は所謂在宅での仕事を行うヴィッセだが、1日分のタナトスの仕事を片付けるのに相当キツイ、化け物かと思う…此方は魔人の最上位の筈なのだが…といつもヴィッセは思っている。
教官達もナイデルやアルケール達の元ドラゴンやモッカ達との授業の詰めを行い、再開に向けて準備を行なっている。
「本日はナイルさんからスコーンが来ましたよ、ジャムをたっぷり付けて食べてくださいね」
「お茶をどうぞ、ヴィッセさんは何を飲みます?」
「コーヒーをブラックでお願いします」
「…あまり根を詰めないで下さいね」
「……はい」
焼き立てのスコーンのジャムを塗り食べる、ヴィッセは濃いコーヒーを希望しケークスが苦笑いを浮かべた…。
「初めまして、《ヴリトヘル商会》の支配人を務めています。フルカリス・ノシアスザァレと申します」
「俺は、大河と言う。時間がないさっそく用件を言わせて貰いたい」
「ええ、どうぞ」
「そちらが買い取ったフェマーという人物を此方に譲って欲しい、金やこちらが用意出来る物で支払いたい」
馬車でスミトも伴い訪れた《ヴリトヘル商会》、コーカスの商会と肩を並べる建物の外で恭しくお辞儀をする男が何も言わず扉を開けて中へと入れば端整な青年が笑顔で出迎え、自己紹介と共に大河の早急の要件にも笑みを崩さない。
「残念ですね、彼は昨夜ここから馬車で運ばれています」
「どこへ向かった?」
「私は譲るとは言っていませんよ?まだ」
「今の条件では譲れないという訳だな」
「そんな事はありません、貴方方を敵に回すのは帝国にとって不利益ですから。攻められても勝てるとは思っていません」
「なら答えて欲しい」
「大河、昨夜運ばれたのであれば場所は分ります。帝国が大陸を渡る際に飛行種の魔物を使います、昨夜運ばれたのであればこの国から山を越えた先でいくつかの島を経由し運びます」
「まだ間に合いますよ」
「よし、行くぞ」
「待って下さい、帝国の荷を奪うつもりですか?」
「ああ、その後交渉をする事にする。邪魔をした、転移で向か…」
「失礼いたします、フルカリス様………」
「な…」
大河がフルカリスがこちらと争う気もフェマーを渡す気も無いとの事、タナトスが現在の大まかな場所ならば割り出せる、アガニータも急げば大陸から出る前に確保出来るというので、大河がフェマーを奪ってから改めて話しをと転移しようとするが大股でフルカリスの部下が慌てた様子でフルカリスに耳打ちを行い、大河以外の耳に話の内容が届いた。
「不味い、主殿。移動中にフェマー殿が奪われたようだ。彼はやはりテイマーか…危険だ」
「ご主人様、帝国の荷を奪うような者ならば急がねばなりません。テイマーの力が好ましくない者達の手に陥ればこの大陸全土に影響を及ぼします」
カトゥーシュカが腕を組み唸る、執事モードのグステナが慇懃に大河に事の危うさを伝えた。
「まさか、帝国の荷が奪われてしまうとは、護りが薄かったのでしょうか?これは重大な事件ですね」
「皇帝の耳に届けばフェマーを手に入れた者達との戦争でしょうか?」
「心中お察しします、フルカリス殿。我々はこれで失礼します」
コーカスとアガニータがフルカリスを煽りを止めに心底同情するコーカス、もう用はないと転移でその場に向かおうとすれば「待って下さい」と声が掛かる。
「申し訳ありません、支配人殿。こちらも火急に動かねばなりません、失礼致します」
「その芝居は結構です、グステナ陛下。分かりました、まだ陛下にテイマーが手に入ったと報告はしていません。テイマーは諦めますが、彼と一緒に運んでいるもう1つの荷は絶対に取り戻さなければなりません。手を貸して頂きたい。魔人が護衛を務めています、荷が奪われる筈はないのですが…」
「いいだろう、その荷のは何だ?」
「……《神魔獣×獣将:ザレナダーラ》…異界の生物です…帝国が保有する魔人と騎士とテイマーを使って捕縛した疵渦級です」
「……細かい話しは現場で聞く、襲われた場所を教えてくれ。転移で行くぞ、ガイド、神々と千歳さんと念の為コォン達にも声を掛けてくれ」
『承知しました、神々が動きました』
「ああ、行こう」
その場にいた全員が向かう、ガイドが神々や動き出し不穏な空気と共に転移で皆を運んだ…。
「あちゃ、機会を狙ってと思ってたら転移しちゃったよ。テイマーねぇ……よし手を貸そう、でもってこっちの頼みも聴いてもらおっと」
第38話 準備
「昨日は賑やかだったなー」
「そうね、明日が会議だし準備とかするわ」
「みなさん、朝食は自由に食べて下さい」
昨日の賑やかな夕食の余韻を残しつつ、朝ファーツコクスの家で寝泊りした面々と朝食を適当に用意ていく、米やらパンやら山積みにし目玉焼きと腸詰ソテーも山のように焼いてスープも昨日貰った物を出し、野菜や果物も並べておけば適当に起き出した者達から手べていっていた。
さっさと起きていた懐記と外神はカジノタワーの食堂の厨房でエクト達のゴーレムを連れ、準備を始める事にした。
「餃子の皮と具材の準備するわ、焼きは、カタムスっちに任せるわ」
「こちらは肉まんの準備と…唐揚げはホセサライさんに任せます。ドーナツ等も仕上げは任せますね」
「そうね、カジノタワーの景品もトラングっち達に追加頼んだし。ゆで卵も出すわ、後で頼むわ」
【懐記様、マスター魚ダンジョンがオフィスビルに構築されました。ネコの皆さんが遊んでます】
「へえ、後で魚貰おう」
『アナウンスで観光がてら案内するわよぉ、買い取りもしちゃうわ』
とてとてとナビと識が懐記達の足元で、魚ダンジョンが増え自由に出入りできるネコ達が遊んでいて、《アタラクシア》の神々が観て喜んでいるらしい、もう少しすれば向こうでも見られるようになるいうので皆きっと可愛いと喜ぶだろう。
「おはよー野菜持って来た。商業エリアで売って来るー」
「んー」
ジュカが厨房に野菜をマンドランド達と運び込み、店の準備をしている悪魔や人々に売りにいくと楽しそうに商業エリアに向かい、ビヒメゴ達も自分達の店の準備が整ったら手伝うと声を掛けて行ってしまう。
『懐記様、外神様。本日も見学希望や出店希望の方たちが来ています』
「おけ、いいよ。明日は会議だから明日は対応出来ないから」
『分りました』
『たまごダンジョンに入りたい子ども達の案内と肉ダンジョンに入りたい方たちの案内でゴーレムをお借りします』
「ん、ガイドっちよろ」
「おはよぅ」
「おはよう」
「おはようございます」
「おはよ」
操者やマイスター達が次から次へと挨拶がてら厨房により各自の店に向かう、早くオープンさせたくてうずうずしているようだ。
【マスターたちぃ、《ワークフロント》のマスターからここに出張所を置かせてほしいときてますぅ、ダンジョンや店が増えたらなら仕事も人手も豊富だからってー】
「構いません、商業エリアのギルドの建物を使う様に伝えて下さい」
【分かりましたー】
調理を行いながら次から次へと上がってくる話しに柔軟に対応する外神と懐記、やりたいようにやってみたら良いと2人は思う、その為の場所は此処にある…。
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