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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第034話 《クトゥーン》へ/第34話 繋がった

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 第034話 《クトゥーン》へ
「もうすぐ懐記君達の顔が見られるのは良かったけれど、大河君と千歳君は大丈夫なのか?2人も疲れているだろう?それだけ立て続けに事件が起きれば」
『そうなんだよねぇ、力になりたいけど俺この世界じゃ最弱じゃん魔王なのに』
「魔王とか関係ないだろう、舵は舵だ」
『でも、何の役にも立ててないよ』
「そんな事はないさ、舵も頑張ってるいるだろう?魔法も使えない中、やれる事をやっているんだ。すごいじゃないか」
『うん…俺なりになんかとか力になりたい』
「そうだなぁ、今は立て込んでいるからな…舵達が元気で過ごしていれば千歳君も大河君も俺も嬉しいよ。まずはそこだな」
『崇幸兄…』
《黒鳶》で舵からスマートフォンで連絡を受けながらメルヘンをテーマにしたお菓子の家モチーフの店造りを晴海やイザラと行い、こっちにも欲しいというので幾つかテーマ違いで造ってみる事にした。
「その人魚は今はどこにいるんだ?身体は大丈夫なのか?」
『今はカトゥーシュカさん達の家にいるよ、栄養失調と身体の細かい傷…虐待されてたみたいで…それが治れば大丈夫…身体はね」
「そうか…タナトスさん達が行くなら大丈夫さ、きっと見つかる…探し出せるさ」
『うん…あ、いけない!お鍋こげちゃう!また』
「ああ、ラインする」
『うん!』
崇幸は皆を信じているきっと今回も上手く話しが纏まるだろう、絶対的にそう信じている。
「ただいま、《水ダンジョン》……疲れたな」
「ねばねばしていた」
「また行く」
「うん…」
「身体をあらうのよぉ」
《水ダンジョン》を適当な所で切り上げて来たグローリー達、泥だらけになったのでそのまま風呂に直行のその前にイザラがドロップ品が入った収納袋を渡していく、崇幸が中の物を取り出すと目を少年の様にキラキラさせた。
「これはいいぞ!」

「カトゥーシュカ殿とアガニータ様が来るならば心強いですね」
「護衛として行かせて貰う、幾らお前達でもあの国は危険すぎる」
「ええ、力になりますよ」
《クトゥーン》の手前まで転移し派手な入国をというタナトスとコーカスの指示でゴーレム王国(現在建国中)からの2階建ての豪奢な装飾の馬車とゴーレムの馬3体をゴーレムが御者をするとんでもない代物が用意され乗り込む手前で、カトゥーシュカとアガニータが合流いた。
「あん?カトゥーシュカといや北海の覇者のガーランバルーダの第二王子、兄貴に毒を盛られて継承争いに敗北してから行方知らずって聞いてたがここにいたのかよ、人魚の戦いで海魔法使ってたからだろうなとは思ったが、ふーん。今北海はアンタのクソ兄貴のお陰で滅茶苦茶らしいな」
「…どんな手を使ったとて勝者は兄上、長に立った兄上の采配だ。私は追放された身、言うべき事はない」
「そうかよ、ま、北の海の情勢なんざ興味はねぇが、毒盛られた位でまけるアンタじゃねぇだろ。みりゃ分る」
「……私より兄上を長に推す声が多かった…父上も祖父上もだ」
「はん、どいつもこいつも自分より秀でたやつが上に立つのは気に喰わねぇって事か」
「……それよりも、間も無く入国だ降りよう。先に私が降りる」
「俺もだ、俺も侍従として潜入だからな」
馬車の中は空間魔法が用いられソファとテーブルに飲み物置かれ天井にはシャンデリア、奥にはベッドルームまで用意されている空間、カトゥーシュカと向かい合わせの偉そうに長い足を組むグステナは変装の為髪を栗色に変え眼鏡を掛け執事服に身を包んでいる、カトゥーシュカの過去を掘り下げてもカトゥーシュカの顔色は何1つ表情も変わらない、カジノで氷情と言われる程感情を出さない、彼は顔色感情何も変わらない、打ち合わせ通りにと虫1匹不法な侵入を許さない鉄壁の巨大な岩壁に囲まれた特殊な街、誰にも侵される事を赦さない都市《クトゥーン》への潜入を開始した。

第34話 繋がった
『皆様、神々の努力が実を結びました』
『みんなと連絡取れるわよ~でも時間制限ありの同時接続は無理みたいだからーまずはー料理部門のナイルちゃんと燈火ちゃん達ねぇバルタルちゃんとカイネちゃん達もいるわよぉ』
『時間が掛かりましたね』
【魔人の子ども達でエクト様のように運べる子が増えてくれたので助かります】
【この世界の作物や布等も喜ばれていますよー】
「ん、いいんじゃない。頼むわ」
バタークリームとカスタードクリームを貰い店を回りフードコートに戻れば、風早達が制限付きで《アタラクシア》と連絡が取れたと教えてくれ、放送で今ここにいる操者とマイスター達や興味をもった者達を集め異界交流を行なってみる事にした。

『懐記ちゃん!外神ちゃん!良かった!元気そう!ちゃんと食べているの?』
「燈火っち、元気元気、食べてる食べてる」
「はい、《アストマーズ》の皆さんも良い方たちばかりですね」
風早が神鋼で造ったスマートフォンもどきをテーブルに置けば映像が宙に映し出される、懐記が燈火達に手を振り燈火やナイル達も嬉しそうにしていた。
『時間もないみたいだからさっそくレシピとか《アタラクシア》の名産のカバンとかの設計図を送るよ』
『私が作ったお菓子が評判のようで嬉しいです、油もとても質が良い物でありがとうございます。崇幸さん達が手に入れた砂糖の木もそちらに送りますね。とても綺麗な砂糖ですよ』
「こっちもバタークリームとカスタードクリーム手に入ったから送るわ」
『はい、楽しみしています』
ナイルやバルタルとカイネも異界に興味津々で、此方の人々や悪魔達も興味深そうにしていた。
『崇幸さんがお店の形をお菓子の家にするみたいですよ、今度俺達もお菓子で小さな家を子ども達と作るんです!出来たらエクトちゃん達に頼んで送りますね』
「へぇ、メルヘンー」
「お菓子の家?なんだか素敵な響き。こっちでも出来るかしら?」
「とくにルールはないですよ、お菓子を使って全て食べられる小さな家です。崇幸さんは見た目がそれ風の住める家を造ろうとしているようですね」
「外神ーラグーお菓子の家にすみたぁい、つくってー」
「食べられないですよ」
「?いいよーお菓子のおうちほしいー」
「分かりました」
バルタルの話しにこっちも場が湧く、ラグージェが外神の服の裾を掴みお菓子の家に住みたいというので見た目がそれ風の物でよければと提案すれば満面の笑みで頷いた。
それからは食材やお菓子や料理の交流をお茶を飲みながら行い、互いの世界にとって良い刺激となる有意義な時間が過ぎた…。
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