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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第033話 何でも売る買う/第33話 昼はフードコートで

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 第033話 何でも売る買う
「我が国の民の治療感謝する、《コレメキバ学院》の件もだ」
「いえ、気になさらず。北方の件は片付きましたか?それと、先ほどの商人が言っていた《クトゥーン》という場所は?」
「ふむ北方は問題ない残りの魔物を片付けられん軟弱な兵はおらん、《名も無き島》に近い物と言えば分り易いか?なんでもどんな物でも売る帰る魔都だ」
オジガトが千歳達に今回の地の人魚によって悲惨な状態になった《コンヴェ》の民の治療や燈火達による再生魔法での建物の再構築、《コレメキバ学院》の再開のどちらもオジガトは深く感謝していた。
オジガトはちらりとタナトスの方を見て《クトゥーン》の事を話す、《コレメキバ学院》がある《リュキタス》の北の地にある《クトゥーン》はある。
「《クトゥーン》に売られた奴隷を探す?とはまた随分面倒な事を」
「貴方は《クトゥーン》に店を構えているでしょう」
「ええ、ありますよ」
「コーカスさん、探したい人がいるんです」
「ええ、事情は風早殿から伺いました。力になる…と言いたい所ですが難しいですね、先に私が《クトゥーン》に入り情報を探りましょう、危険な場所ですから。あの場所は神であろうが魔王であらうが魔人であろうが売り物は売り物買い手は買い手、商人は商人…ありとあらゆる種族を超えて等しく平等な場所です、あの場所で奴隷が王を殺したとて、王が奴隷を殺したとて罪の重さは同じ、そして《ナイジアナ皇国》の牢獄だったあの場所よりも遙かに金が物を言う場所です、そんな場所ですから…私も会った事はありますがあの場所の支配者は恐らく魔人だお思われます、あくまで根拠のない物ですが」
「私も同行します」
「私も行ってかまいませんか?」
風早から呼ばれ転移で訪れたコーカスに千歳が頼めば難しいと言うが快く引き受ける、タナトスと何故かメンルェトが同行を希望した。
「どうします?タナトス殿とメンルェト殿を連れて行くのは私は構いませんよ?」
「分かった、俺も行く。千歳さんそっちは頼む」
「大河君…」
「んじゃ、俺も行くぜ。その雑種の人魚はヤバけりゃ《クトゥーン》もヤバいしな、じじい暫く国王休むな」
「お前はまともに王などしとらん、許す。ただ、3日以内に地の人魚の探し人が見つからない場合は全員必ず帰還せよ。それが許可を出す条件だ」
「そうですね、それが期限ですね。4日以内に見つからなければもうあの場所にいないと思って下さい。それと大河殿、良ければ貴族の位を買いませんか?貴族になれば《クトゥーン》で有利に事が運べます、私も買いましたが手札は多ければ良いですね。貴族になれば権力を振るえます、他の客の購入した品の横取りも可能です。金さえ積めば買える物ですから」
「そうか、なら行くメンバー全員に貴族の位を買うぞ」
「ひゅー、太っ腹じゃねぇか。派手に入ろうぜ」
「グステナの貴族位の費用は此方で用意しよう」
「いや、金はある。その金はここの補償に充てるといい。行くメンバーは俺とコーカス、タナトス、グステナ、メンルェトで構わないか?」
『私も行きましょう』
「……結構です」
コーカスの提案に大河が同意する、オジガトからの資金提供は断れば転移でタナトスのスキルガイドがフォローを行うと言いタナトスが顔を顰めるがフェマーの行方を探すには時間が経てば経つほど不利になっていく、今から《クトゥーン》に向かおうと動き出した。

第33話 昼はフードコートで
「やっぱ土台あると早いわ」
「フードコートも出来ましたね、同じ建物でも大分雰囲気が変わりますね」
「美味いな、こっちの飯もうまい」
「食べてばかりだ、ジラ」
「んじゃ、今夜は動くかダンジョンで」
《アストマーズ》の商業エリアは活気づいていた、飲食店を中心に皆試作品を作り合い各店の外にはテーブルや椅子、買った物を食べられるスペースも広く取り、水は自由に飲み放題でグラスはこの世界の物を大量に買い、掃除やグラス、店の食器などの洗い場はゴーレム達の指揮の元この世界の獣民や人々を雇い運営する手筈になった。
《アウトランダース商会:アストマーズ支店》も出来上がり、塩や《アタラクシア》の物をノイズとギーギスやナチェが並べてくれいつでも開店が出来るようになった。
賑やかだ、懐記と外神とジラ、イシュターの卓にはゴーレム達が試作品が次から次へと運び代わる代わる皆が試食をしにやってくる。
《アストマーズ》の料理も美味しい物が沢山あり、《アタラクシア》に送ろうと色々楽しんでいた。
「ん、これってもしかしてバターケーキじゃん」
「こちらはカスタードケーキですね」
「これ出してる店教えてもらお、行ってくるわ」
「僕も行きます、皆さんに食べて欲しいです」
「んー」
「ああ、よければチグリス達の分も頼む。美味だ、食べて貰いたい」
その中でも皿に乗せられた2種類のケーキ長方形の白いケーキは固めのクリーム、昔祖母と祖父と食べた味で懐かしく、もう1つは茶色い丸いボールの様なケーキ中を割る濃いオレンジのクリーム食べればカスタードクリームに近くチェニエの店に向かいどの店の物か聞く事にした。

「あら、それはカニューレのお店のね。向かいのお店よ、ギィムートさんがオーナーよ」
チェニエの店もマイスターのミノシータヤが手伝い準備が進められている、チェニエが向かいの店をさせばエプロンを付けた男と長い耳と長い尻尾の獣民と数名の少女達が忙しなく動いていた。
「どもー」
「どうも、オーナーのお2人。良い店をありがとう、道具も使いやすいし素敵だ。私の対の天使にも見に来て欲しい位だ」
「ん、さっき試食で貰ったバターケーキとカスタードクリームのやつうまいから土産にしたいんだけど、クリームだけってのもおけ?」
「もちろん、オーナー達になら売りますよー」
「今出来てる商品全部買ってもおけ?レシピとか聞くのはNG?俺達の世界にいる友達や家族にレシピを渡したいんだけど」
「おお!それは嬉しい、どうぞこれがレシピだ。別の世界で出来たうちの店のメニューを食べさせてくれるなら構わないよ」
「ん、オッケ。楽しみにしてて」
ニコニコしているギィムートが快くレシピのメモを渡してくれる、店の中の棚やショーケースの商品を全て売ってくれる、カスタードクリームとバタークリームが入った容器を渡してくれた。
「また明日も作るから気に入ったら寄ってくれ」
「ありがとうございます、これは僕達の世界の野菜と果物と塩です。よければ…」
「おお、頂こう」
外神が礼にと収納から果物と野菜と塩を渡せばギィムートが喜ぶ、怠惰な悪魔が多いというが熱心な働き者の悪魔もこうしている。
懐記と外神は周辺を歩き、気になった物を買い果物や野菜と塩を挨拶代わりに渡して回った。
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