あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
643 / 867
第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第024話 《最期の魔人》/第24話 プレゼント

しおりを挟む
第024話 《最期の魔人》
「お前四千年も生きているのか?」
「そうよぉ」
「なら、四千年前の魔人達の事は知っているのか?」
「知らないのよぉ、石像は見た事あるけどー回収出来ないし」
イザラとナチェの質問に崇幸の腕の中で答える子どもの姿をした魔人、グローリーは不思議そうな顔をしてただずっと見ている。
「俺達と来るか?」
「行ってもいいのよぉ、でもここ美味しい砂糖が採れるしこの下の国は砂糖が特産で、アテシの大好物のみずあめが沢山売っているのよ」
「そうなのか?ならここに中継器を置いて、その国にも置いていつでも来られるようにしような」
「いつでもこれるならいいのよぉ」
「名前は?」
「ないのよぉ、いろんなところで適当に名乗っているのよ」
「……この狭間の子は?」
「ないのよぉ、喋れないし歩けないの1人で寂しいから一緒にいるのほとんど木なのよ」
『………』
名前も持たず喋る事も話す事も出来ない相棒と長い時を生き続ける子どもの姿をした魔人、からっとした物言いに孤独や寂しさは感じられない。
「俺達が君を呼ぶ名を考えてくれ、それで今から昼飯食おうな。君は何が好きなんだ?」
「水あめ!キノコ!名前は今の魔神皇に付けてほしいのよ、よければこの子も」
「………うん、分かった」
崇幸が優しく尋ねる無邪気な笑顔で答え、グローリーは少し考え頷いた。
話しは食事をしながら聞こうと言う話しになり、ラウラスとトゥナー達が準備してくれたドラゴンのステーキやすじ煮込み等が運ばれ賑やかな昼食になった。

「蛮族との交渉は上手くいった、南方の領主も決まり食料は中継器と収納袋ですぐに王都に運ばれる」
「蛮族……カンブラ殿や側近が上手くやるでしょう、北方のオジガト殿に書簡を送れば後は元に戻りますよ」
「終わったからな、じじぃにボコられる程度ですむぜ!で?ドラゴンの肉食わせろ」
《ウワムス王国》の南方の現状を千歳達のいる《空船》とタナトスとイーノキィ達がいる《療養街》と連絡えを繋げつつデュスノアとアガニータが報告し、グステナはドラゴンの肉を食わせろと言いイーノキィが頭を抱える。
『分りました、ではグステナは食事を終えたら《ウワムス王国》に戻る様に』
「あん、泊めろよ。カジノやりてぇ」
『仕事があるでしょう、国王でしょう』
「あん、手下にやらせる。帰らねえ」
「グステナさん、皆が困ってしまうから。終わらせて来るといいですよ」
「終わらせたらすきなだけ遊べ、酒もやるから仕事はしろ。王だろう」
「分かった、片付けてくるから遊ばせろよ」
「ああ、ほらカードだ。これでカジノに行ける」
まだ問題が片付いたという訳でもないグステナに仕事をするように千歳と大河が説得し、カジノの会員カードを渡してやりゴーレムが用意してくれたドラゴンの肉を渡してやれば素直にグステナが国へと戻る。
『グステナならすぐに仕事を片付けてくるでしょう』
『兄上はやる気があればすぐに仕事を片付けて来ますから』
「ご褒美があればやる気もでるよね、僕達も頂こうか」
「そうだな、懐記くんと外神くん達も無事に異世界を楽しんでいるようで良かった。金にも困ってないようだしな資材や肉も送ってくれる」
さっさと国に戻るグステナ、やる気が出たようだと大河も千歳も夕食に外神が送ってくれたドラゴンのステーキにしようと決め食堂に向かった。

第24話 プレゼント
「というわけで、このタワーの上から1フロアと《アタラクシア》で商業エリアで使ってる店早い物がちで好きなとこプレゼントで」
『懐記様、最上階は蒐集家のエリアなので使用不可との事です。管理は我々が行います』
『私も加わります、カードは此方です。懐記様、タナトスのタワーはネコタワーにしましょう。設計は私にお任せを」
「そ、分かった。それ最高、名前無くて不便なんだけど?タナトスっちに付けて貰うわ」
『お任せします』
『…………』
「中入ろうせ、案内と何階にするか決めろよ。ここなら店代も家代も掛からないからな」
「家を希望でしたら、魔石代で教えます」
ファーツコクスの家に戻り死屍累々と倒れている面子を起こし浄化が済んだ《毒の地》に全員連れて行けば驚いて空いた口が塞がらない、風早達は相変わらず仕事をしたがりタナトスのスキルまで加わる。
懐記が1名につき1フロアをプレゼントするという言葉もジラが入ろうという声掛けも中々入らない、ただただ皆遙か天に聳える2つのタワーを見上げた。
「中からの景色も面白いから見てよ」
「せっかくのお誘いだ、皆入るとしよう。私はあの家が気に入っているからな」
「うん、畑もあるしー俺達はあの家で」
「そ?でもあげるから使ってよ」
「それならお言葉に甘えて」
ファーツコクスが笑みを浮かべ外神がくれた家が良いとジュカも同意するが、ここにる操者やマイスター達に商人達にプレゼントするからと案内をする。

「というわけで最上階を飛ばして、昨日の《ホローリングレース》順に上からね。今日から好きに使って」
「足りないもの必要な物があれば追加しますね」
『………』
「次は商業エリア?カジノか?」
「みんな店とかあるなら商業エリアからじゃない、他にも店持ってるやついたら連れて来たらいいよな。俺も店やろうかなー《アタラクシア》の物売る店」
「俺は野菜と果物でも売るか」
「僕は肉売る」
【塩売ります!塩!ね、マスター】
「はい、沢山ありますから」
「チェカ達はよく働くな、私はダンジョンで肉を狩って運ぶか、カジノタワーのダンジョンも使えるのだろう?」
『そうよぉ~たまごダンジョンも肉ダンジョンも通常のダンジョンも使えるわぁ』
それぞれにカードを渡し部屋の説明が終わり、ギーギスやチェカとノイズは店を出そうかと言えばシュリとマユラが肉や資材の調達をと買って出てくれ、フォンとフェシェスタはカジノでもやるかと話している。
ビヒメゴやチェニエ達は商業エリアに胸を躍らせエレベーターで階下に降りる、何もしていないのに家が手に入り店までとは…流石にマイスター達も何か返礼を用意しようかと思いながら懸念も視野に入れつつ懐記達に続いた…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

処理中です...