あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第019話 金はない/第19話 ステーキパーティ

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第019話 買い取り
「なんだここ!!すげぇ!」
「すごい魔法ですよ、この建物に使われている材質もそうですが…この窓に使われているガラス1枚で我が国の4人家族が1年は遊んで暮らせますよ…」
「久しぶりですね、グステナ、イーノキィ……変わりないですね」
「いやあん時よかでかくなったぞ!」
「そうでね…タナトス先生は身体が…綺麗な方でしたが…身体を治したんですね」
「そう言われたらそうじゃん、こんな感じなんだ。おいイーノキィ、何処が綺麗なんだよ、腹黒さと性格の悪さがにじみ出てるじゃねぇか」
「兄上、どうしてそうべらべらと…」
「これが俺の長所じゃねぇか」
「ちゅごいねー」
「しゅてきー」
「かっこいいー」
「きゃー」
「えらーい」
「びんぼーだね」
「だから1匹変なのがいんぞ」
《療養街》に率の転移で戻りはしゃぐグステナと呆然とするイーノキィを出迎えるタナトス達、イーノキィは挨拶を交わすがタナトスの顔をまじまじとみたグステナが吐き捨て素直さが自分の長所だと自慢すれば魔人の子ども達が囃し立て、1名ディスりが入る。
「ようこそ、お茶の準備が出来ていますよ。良ければ」
「酒」
「兄上、止めて下さい」
千歳と大河が歓迎し茶の席を設けるが態度の悪いグステナが酒と言いイーノキィはもう距離を置く、ラージュ達もと誘い今回設けたティールームに案内する。

「酒はお土産に渡しますから、甘い物は好きですか?」
「千歳、先程子ども達は学院でお菓子を貰ったので…今回はこれで失礼する」
「たまごー」
「だんじょんいこー」
「あそぼー」
「ねむいー」
「のむー」
「これあげるー」
「んだよこれ?酒?」
「そうだね、それはカウンのジュースかな。ラージュさんの国で造って物だね」
「はぁ!なんでそんなもん持ってんだよ」
魔石で生み出した人工的な陽の光と花と植物が植えられた庭園の様な場所、すでにいくつかに分かれた鉱石で出来たテーブルにはゴーレム達が飲み物と菓子の準備をしてくれていたが、ラージュがおやつをすでに食べていた子ども達が欲しがらない様にと《ロメンスギル》へ戻ろうかとすると、喉が渇いたとダンジョンに行きたいという意見が出たので、タイタロスとプロキオンを呼んで手伝って貰う事にした。
「魔人の子どもが作った物…これの酒はありますか?他にも何があるのか気になりすね」
『では、目録をどうぞ。《ロメンスギル》の魔人の御子様達の間で売買が流行しているので、色々作って売ったり買ったりして遊んでいます』
「あん、何買うんだよ。俺もかいてぇ」
「自分で買って下さい、貸しても返って来ないんだから」
「俺、今100ログしかねぇ。部下共は金貸さねぇし、宝物庫漁るとじじぃに怒られるし」
「当たり前です」
タイタロスが気になるイーノキィに紐で綴った目録を渡し、グステナの所持金に一国の王がそれで良いのだろうかと皆疑問に思う。
「100ログが最小通貨か?」
「いや、10ログだった筈」
「1ログです」
ヴリトゥユとニジェルガ…皇帝達の通貨認識をラージュが訂正する、一国の王ならまだしも皇帝にもなれば自ら金を出して何かを買ったりはしないだろう。
『買い取りも行いますよ?』
「本当か?んじゃ周辺の盗賊団潰しにいこ」
「そろそろ、こちらとも話しをして欲しいな」
「ああ、茶が冷めるからな」
気分が乗ったグステナに千歳と大河がそろそろ話をと言い、ニジェルガも魔人の子ども達の面倒を見つつ話を進める事にした。

第19話 ステーキパーティ
ファーツコクス達が他の操者とマイスター達を誘えば全員参加するとの事なので、各自賞金を受け取りファーツコクスの家に転移で戻り外でナイトマーケットの時間までバーベキューをして過ごす事になり、外神は1人ダンジョンに潜り肉の確保に向かう。
「ラスボスのドラゴンの肉とは…市場に出したらいい値が付くだろう?本当に良いのかファーツコクス?」
「私がダンジョンで倒したわけではないし、彼方が良いと言っているんだ。それに懐記の食事は美味い」
「そうか」
一通り挨拶が終わり各自準備を行う、鉄板で食材を焼くから切る焼くの工程で良いしかなりの大人数での食事だが、鉄板を多めに用意し、ジュカ達も手伝い肉や野菜を焼いていく。
「異界の魚もある…食べてみて欲しい」
「弁当も美味いし、酒も美味い」
順位を競っていた操者達も野菜を切り、見様見真似で野菜を切って鉄板で焼き、ホセサライはせっせと唐揚げを作って揚げていき、チェニエやビヒメゴもドラゴンの肉のステーキを焼き、グラシアスは畑から収穫し、マイスター達は弁当を食べていた。
「この粒…美味いな。焼いているのか?」
「この肉を皮で包んだ物も大変美味だ」
「このソースが合う、キノコがここまで美味しくなるとはな…」
「それで彼らに《毒の地》を渡すのか?ファーツコクス」
「そうだ、ツェスタス。彼らなら出来るさ、浄化した者の所有物になる」
外神が出したテーブルにお重を並べてチャーハンやシウマイを食べながらツェスタスが尋ねれば、ファーツコクスは事もなげに腸詰を齧りながら頷いた。

『懐記様、カジノタワーとタナトス様の奴隷ギルドのビルを複製しエクト様の空間から此方へ運ぶ事が可能です、如何です?』
「へぇ、いいじゃん。ダンジョンとかゲームとかそのまんま?」
『生物は難しいですが、ダンジョンは無機物なので植物もそのまま無人のカジノタワーと奴隷ギルドビルが運べます』
【そのまんま、療養街も船も飛行船も複製できますよー】
「おけ、いつでもいいわ運んで。明日《毒の地》浄化して、ビヒっち達にそっち使って貰うわ、タダだし店もそのまんまっしょ。ついでに車もちょうだい」
『そうよーおっけーよん』
懐記がドラゴンの肉を焼き方を色々変えて、ソースも醤油やステーキソース、塩コショウ、ガーリック、フルーツソース等で焼いた端から配っていると、タナトスのスキルが提案し風早達が進めてくるので丁度良いとカジノタワーや他の建物が持ち込めれば話は早いと思っていると、こちらをじっと見ている端正な容貌の…ラグージェだった。
「ラグっちゃん、肉食べる?」
「肉たべたことない…おいしい?」
「おいしいけど、食べれないの?」
「食べたことない」
「ふうん、保護者連れて来て」
「ほごしゃ?」
「ラグージェ様、果物と野菜を焼いた物があります。こちらへ」
「アンフルパス、たべちゃだめ?」
「…後で聞いておきます、こちらへ」
「はーい」
外見の割に随分幼い喋り方だと懐記は思う、マイスターのアンフルパスが焼いた野菜と綺麗に皮を剥いた果物を皿に盛りラグージェを連れていく、《ホローリングレース》の時の空を駆ける姿とはかけ離れた物だった。
「ラグージェはずっとああだよ、果物と野菜としか食べない」
「ふうん、識っち、これラグちゃんに渡して。お菓子」
『はぁ~い』
収納から懐記が包んだクッキーを識に渡し、肉が食べられないのであればお菓子をとことこマイスターのアンフルパスに渡した。
「戻りました…解体してきます」
「ん、おかえり。ドラゴン美味いわ、それとカジノタワーとかコピーしてこっち持ってくるって」
「そうですね、《アタラクシア》の皆さんも話し合って食べるそうです、素材や油の木も渡したらナイルさん達が喜んでました」
「ん」
戻った外神と短めに会話し外神が解体に向かう、少し離れた場所でニコニコとラグージェが食事を行う姿は何処かベルを連想だせた…。

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