あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第012話 本をたくさん買う/第12話 お弁当

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第012話 《エンビ》で買い物
蒐集家やバルタル達から薬草の本や料理の本があれば仕入れて欲しいと頼まれアコミアとキッフに案内を頼んだ詠斗達、手分けして色々みてみようとなりアコミア、綴、晴海と空とチグリスで本屋を巡る。
塩の店は《鋼の足》のメンバーとその家族で運営していく方針が決まり、近々《エンビ》を発つ。
「こっちの本屋は高いけど高価で絵が多いし分りやすい本薬草の本が置いてある」
そう言ってアコミアが案内してくれたのは古い石造りの本屋、多少文具や魔法具も取り扱っているらしく中も広い。
「お、アコミアか。この街を出るんだろう?」
「そう出るよ、また来るけど」
「そうか、親方が少し驚いていたがそういう事か」
「そうだよ、薬草の本買いたいんだけど」
奥にいる店主に声を掛ければきちんと分類されているらしくそっちだと顎で示す、手狭で雑多な店なので晴海とチグリスは他の棚を見ている。
「教科書が必要になりますね」
「教科書?教本なら俺が作れるよ」
「それは助かりますね、座学に使うならどれがいいでしょうか」
「それなら、この辺だな。高いが色があってわかりやすいのと…とんでもなく高価…うちの店じゃ最高額…この街でもかなり高い本だが…」
店主がいくつか棚から選んでくれる、そしてカウンターの床下からアコミアに手伝って貰い、身体の半分程ある本を引き上げる。
「なんだ?この本すごい重いんだけど」
「これはな、とんでもない製法で作られた《薬草蒐》という物だ。噂によると魔人が造ったもので保存魔法が掛けられていて…魔力を使って開く本らしい…」
「らしいだらけじゃん?それに魔人って…」
「どういう経緯でこの本がうちの店にあるか分からん、爺さんのもっとまえの爺さんの代からある」
店主が本を開こうとしてもびくともしない、魔人が作った本という事でアコミアが綴達を見る。
「おいくらですか?」
「一千万ログ!」
「……少し待って下さい。蒐集家さんに連絡を…」
【買って下さいとの事です、購入したらすぐにあちらに送りますー】
「分かりました、これ頂きます」
「本当か!?」
「はい」
スマートフォンを出して蒐集家に確認を取ろうとしたが、先にナビから連絡が入り綴が購入を決め店主が前のめりで興奮を伝える。
「こっちの魔法具も欲しいな、こっちもこれ植物の標本?だよね綺麗」
「ああ、そうだよ。保管が出来る薬を使っているんだ。高いがね」
晴海が持ってきたのは薬草などをピンで刺した木箱、綺麗な状態で保管されているので晴海が気に入って買う事を決めた。
「では、この本とあの標本とこちらを下さい」
「ツケは効くが」
「全て今お支払いします」
「おお、アコミア良いお客さんだな!」
「そうだね」
綴が収納ショルダーバッグからコインを入れた袋を幾つも出して店主が嬉しそうに数える、10万ログコイン100枚数えて愛想よく送り出してくれた。

「料理の本だと絵があった方がいいよね」
「後は細かい分量が記載されているといいですね」
「そうす、分量は大事す」
「手始めにここに入ってみよう」
こちらは詠斗達、キッフの案内で露店を見て周っていく、資料の意味合いもあるので細々本を買っていく。
「この本も良いですね、異国の料理」
「いいすね、こっちも」
「たくさん買っていこうよ!カイネとバルタルとナイルさん達のギルド楽しみだなぁ」
「ギルドを作るなんてすごいよなぁ」
露店の本をトゥナーとラウラスが手に取り購入していく、詠斗はナイルから飲食ギルドに携わると連絡が来てからとてもワクワクしていた。
「これ、綺麗な絵」
「どうだい?すこしボロだが中は良いよ」
「あ、ほんとだ。これも貰おうかな。あとはこの本も」
綺麗な絵の本を手に取り購入し他の本も購入する、明日は店の手伝いと様子を見て話し合っていつ出るか決まるだろう、中継器が稼働すれいつもで来れる連絡も取れるし今度は大河達と来ようと決めて本を多く買い求めた。

第12話 お弁当
「爬虫類系のダンジョンですね」
「……早い…早すぎる…強いねもうラスボス」
「《解体卿》の名に二言はないんだなー」
「外神はこんな物だ」
「剣はからきしだけどな」
一直線の道をボス部屋をクリアしながらラスボスの部屋の前、ホセサライが呆れ返っている程早く進んだ。
ドラゴンのダンジョンというよりもその型に近い爬虫類ダンジョンというのが外神の印象だ、解体しごたえる魔物は純粋に嬉しい。
「飯にしよ。飯」
「同感だな、もうラスボスだし」
「…分かりました。ちなみにラスボスはどれ位で復活しますか?」
「何度も挑むつもり?」
「はい」
「約10程で復活する」
「分かりました、食事をしていて下さい。先に入ります」
「外神…私も行く」
外神が収納からシートと懐記から持たされたお重の弁当と飲み物を出して扉の目の前で、昼食を食べる間先に行くという外神にイシュターが同行する。
「次は俺も行くーお、うまそ!握り飯と唐揚げと玉子焼きとこのタコさんウィンナー」
「外神も握るが懐記の方が美味い、玉子焼きも」
「何故か違いが出るんだよな」
ジラがお重を並べてさっそく有り付く、外神よりも懐記の方が料理が美味いというのが外神と付き合いの長いシュリとマユラも同じ意見だ。
「こ、これ食べていいのか?」
「ああ、ほらスープと果実水な」
「これは異界の肉だぞ、俺達の世界の肉も美味いから食ってみて欲しい」
「このからあげと玉子焼きがまた美味い」
感心を示し前のめりになるホセラサイにシュリが皿に分けて渡してやる、手づかみで唐揚げを食べればホセラサイの顔がぱあと明るくなった。
「おいし!マイスターにも食べて欲しい」
「それは喜びそうだ」
「待ってて!連れてくる!
ファーツコクスが箸で玉子焼きを食べて言えばタタ…と何処かへ走って行ってしまう、すぐに戻るだろうとホセサライとマイスターの分を残し……もう外神とイシュターが戻ってくる。
「早くない?」
「……もう一度行きます」
「試しに同時攻撃を仕掛けたら終わった…」
「ほら、飯食えよ」
「またすぐ復活するだろ、私達も挑みたい」
消化不良な顔をしている外神とイシュターを座らせ食事を勧める、相も変わらず外神は少食でイシュターは出された物を食べ……互いに溜息を吐いた…。
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