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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ

第09話 いざ異世界/第9話 到着

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第09話 いざ異世界
「建物は出来た端から街に運んでくれ、ゴーレム達とヒヨコ達も頼む」
『分りました、それと風早、識、ナビ、ゲーテ、それと…タナトスのスキルを《アストマーズ》に運ぶ準備が整いました』
「そうか、無事に行けるといいな」
早朝《黒鳶》の会議室で崇幸とグローリー達が朝食を食べながら作業進め出来た建物からタナトスの元へと運ばれる、配置に関してはタナトスに任せていた。
「大丈夫…」
「ああ…朝食の準備が出来た食べてから続きを…」
「腹減ったぁーこっちの作業はもう終わるー」
「うん、公園ももうすぐ出来る…」
グローリーが懐記達の身を案じながら彼らならば大丈夫と信じる、千眼が朝食の玉子焼きと腸詰、焼いた魚とおにぎりとみそ汁を運べば療養街に作る公園を任されたイザラとイデアも腹が減ったと早速朝食に有り付いた。
グローリーはゴーレムの修復や療養街に自由に座れるベンチやせせらぐ川や小さな水飲み場など造り、ヤクハやチグリス達は道の整備、トゥナーやラウラスは畑や果物が成る木等の配置を行い皆で造りあげていた。

『準備は出来ました』
【はい!お願いします!】
『セレちゃんよろしくねぇ~』
【緊張しますぅー】
『異世界…興味深い』
魔人の子ども達が作った泥人形を加工し魔石を入れ神々とメシュレラの傀儡魔法で動かし、風早達の息識を入れる、通常のいつものゴーレムの素体よりも魔人の子ども達が0から造ったゴーレムの方がセレネと《アストマーズ》にいるセレネのゴーレムと繋がりやすいというの識と神々の見解だった。
「いくー」
セレネが張り切り空間を歪めた、何故かタナトスのスキルも行きたいと言うので試験的に連れて行くことにした。
「みんな気を付けて行ってこい、懐記達によろしくな」
「神様達みんなをお願いします」
『はいセレネのフォローは万全に』
「外神に此方は問題ないと伝えてくれ」
『分りました、ではセレネさんお願いします』
「うんーどぞー」
ウォルゾガとカーテス、メシュレラ達に見送られ歪められた空間に風早達のゴーレムが飛び込んだ…。

第9話 到着とダンジョン
「ベッドもの心地いいなぁ」
「私、朝風呂入っちゃった」
「ん~良く寝たおはよーて良い匂いだな」
「おや、朝から妙な気配が…」
「風早さん達が来ますね…」
「へぇ、みんなと連絡とれんじゃん」
早朝炊き立てのご飯と畑でマンドランドやお化け野菜とぎゅーともちゃ達が収穫した野菜のみそ汁と目玉焼き、腸詰とキノコソテーに焼いた魚を懐記と外神やノイズやナチェが用意しチェカとウズラも起き出し皆食堂に集まった所で、セレネのゴーレムの口が開きどどどと小さなチョコレート色のゴーレム達が雪崩込んだ。
『あいー』
『着きましたね』
【マスター!】
『みんな元気そうね、あら、やだこっちもイケメンばかり』
【良かったですぅー流石に世界が違うのは心配ですぅ】
『面白い世界ですね、神がいない代わりに種族がはっきりとした世界…』
「おつかれーちょうど朝飯、食べよ」
「おつかれさん、飯くおーぜ」
『【はい】』
セレネのゴーレムがやったぞと言わんばかりにい片手を上げる、懐記とジラが5体を労い食事を追加し起きて来た子ども達にもみくちゃにされながら会話をしつつ情報を共有した。

第09話 いざ異世界
『風早達が《アストマーズ》に着きました…まもなく此方にも意識が繋がります』
「良かった」
「ああ…これで一安心だな」
「ほっとしました。セレネさんのお陰ですね」
神々の報告に療養街のオフィスビルで仕事を行う千歳達が胸を撫で下ろす、タナトスは無関心にコーヒーを啜る。
「異界にも興味があるね」
「ええ、どんな物があるのか知りたいですね」
「俺は本だな」
風早達が行けば連絡が取り易くなる、異世界交流も良いかもしれない……無事戻って来てくれるのが一番良い。
「それで崇幸から来た建物と公園の場所は?」
「そうだね、この建物の周辺に…綺麗な大きな公園だね」
「それはこの建物の側がいいね」
「分かりました、置いてきます。それと薬師ギルドと飲食ギルドの学舎の建物を蒐集家とカイネ達に選んで貰いさっさと稼働せて下さい」
「分かった、今連絡をする」
タナトスはそんな事を気にせず淡々と事務的な仕事をこなす、蒐集家はまあいいですよと引き受け、カイネとバルタルは戦々恐々としつつナイル達にも協力を仰ぎやってみると了承してくれた。
拠点は大事だろうとそれぞれに大河は連絡し、タナトスはケークスと共に外へ向かった。

「ふぁ、起きた」
「今日は休みだから酒のも…」
「今日はナビヤ達と教室行って公園に行くけど、メンルェトは来る?」
「いえ…私は…」
「別に誰も気にしないと思うけど?」
トラング宅の朝、ジゼがメンルェトを誘うが首を横に振る、昨夜のカジノタワーの仕事でトラングは今起き出しテンテストはまだ寝ている、カトゥーシュカは少しの睡眠で海ダンジョンに向かい、ジゼとメンルェトとメンルェトの侍従達は朝食を済ませ、トラングには用意していたホットドックと野菜スープ、昨日の残りのグラタンとティスが持って来た筋煮込みを出す。
メンルェトの侍従達は仕事を行う以外は与えられた部屋でゴーレムの修復をして過ごす、食事も別々に摂る、カジノの仕事も手伝うが声は発さない。
「いえ、ここにいます」
「そう?出たかったら言って一応誰かを付けるって話しだし」
「はい」
カジノタワーのスタッフルームで子ども達の世話をするか、此処にいるかしかしていないメンルェトにジゼが一応誘いの言葉を掛けたりもするが断るだけだった。
「ただいま…」
「おかえりー」
「おかえりー」
『……』
カトゥーシュカがダンジョンから戻りジゼとナビヤと妖精が声を掛ける、収納袋をジゼに渡してシャワーを浴びに行く。
「後で魚焼いて持っていこうか」
「うんー」
ジゼが言うとナビヤも喜ぶ、スタッフルームに食事を持ち込めば誰かしら食べるし他の
食事も楽しめる、従業員もかなり増えたので沢山焼こうかと、メンルェトや侍従達にも頼もう。
「ご飯なら…炊けます…」
「じゃ、おにぎりにしよ。飯食ったらまたねるぅ」
メンルェトが控えめに言えばトラングが頷き食事を終わらせ流しに食器を運び、ジゼがナビヤと妖精を連れて転移札で教室へと向かった。
メンルェトは最初何も出来なかったが、食器を洗うご飯を炊く事は出来るようになった。
不思議だ…今までそんな事したいとも思った事もないが、此処では誰も彼もが自分の事は自分で行う、食器を洗いに流しに立てば侍従達は自室へ引き上げる、彼らに自我があるのかも知らない、メンルェトは食器を洗い終えたら本でも読んで過ごそうと思った。
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