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第014部 君分かれる事なかれ/君離れる事なかれ
第00話 四千年前…
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四千年前の《アタラクシア》……
「あぁ~ああ~終わってしまう終わらないでほしい~楽しかった!愉しかった!あぁどうしてぇどうしてぁ終わってしまうぅ~ずっとずっと続いてほしいぃ」
「欲望を吐き続けるなゲス」
「あぁ~無理ぃどうしてぇおわらないでぇ」
「その声潰す」
「潰しても再生する」
「チっ!」
喚く魔人どうしてだと顔に手を当て絶望する、隣の魔人は心底嫌そうな表情を浮べて、他の魔人達も辛辣な言葉を吐き捨てた。
「魔人戦争は決着が…勝敗が決まらなかった」
「そうですぅそうですぅ~だからまだ終わるのはおかしぃぃ」
「付き合いきれねぇ、俺は行く。石像になった奴らはどうにも出来ん置いていく…あっちもそうだろ」
「そうだな、願わくばお前達とはこの先2度と会わない事を願う、《アタラクシア》は広いからな」
「ああ、そうだなじゃあな」
「あぁ~あぁ~」
喚く魔人をその場に残し、他の魔人は散っていく…出来ればもうこの地には戻りたくないと各々思いながら…。
「我々は結局何も成せなかった…」
「多くの犠牲を出した…魔人は生き続けるが…死んだ多くの者達…」
「1つの大陸の半分以上を犠牲にした…」
「残った魔人達も我々以外は散り散りに…」
焼けた大地に佇む魔人達、皆傷つき疲弊しそして多くを失った。
「石化は幾つもの魔法と魔術を用いて構成されています…神々すらも封印を解くことは至難でしょう」
「収納空間には入らねぇ、置いて行く。いいな?」
「何があっても外界から干渉されない、すまない同胞達よ」
「……いつか私が拠点を造り準備を整えたその時は…私の元で…」
周辺に置かれた石像は同胞達、戦った魔人…皆思いや願い、勝ち取るべき物を抱き魔人戦争に挑んだ…。
「そうだな…俺達は失い過ぎた今は何もない…だからごめん…」
『………』
何名かの魔人達が涙を浮かべる、申し訳ないという気持ちと石化された中には魔人戦争に大きく貢献してくれた者達もいる、ここに…置いたままなのは忍びない。
「俺はこの大陸に残る、此処は呪いすら産まれない場所……またいつか皆会いにきてくれ、俺は全てに絶望はしない」
『……』
1体の魔人が固く決意を固める、他の魔人達は成すべき事がある、それが終われば…また必ずと各々心に決めた。
「すまない…」
「ごめん…」
「謝るな、謝らないで笑って皆行ってくれ…」
「貴方に任せます…いつか必ずここへ戻ります」
「ああ…必ず…決着を付けたその時は必ず」
「我々の魔人戦争は…真の意味で終わっていない…」
「ああ…他の地にいった石像も回収……せめてどこに行ったのか…私は探す」
「僕も探すとしよう…みんなももし見つけたら場所の把握はしてくれ…」
「他の魔人には気をつけて…残った他の魔人達は危険過ぎる……」
「………いつかまた…」
全員が成すべきこと抱え、たった1人を残し皆去って行った…。
「面白い事をしていましたね、興味深い……魔人戦争…ですが無意味、魔人のしている事に関心はありませんが…これは面白いと思いました。魔王が魔人を野放しにすれば争いが起きる…絶対的身分を排除し平等を齎す為の戦争でしたか…結局は決着が着かないまま終わってしまいましたね。見世物としては面白い物でした。いい暇潰しでした」
少し離れた場所で魔人戦争の結末を見届けた青白い顔の細身の男、唇だけは異様に赤く瞳は黄昏の瞳をしていた。
「魔王としてこの世界に転生しましたが…地球と《アタラクシア》どちらが地獄なんでしょうか…一…」
答えはない、序列第12位蒐刻魔王は少し寂し気な表情を浮べた…。
「素敵、素敵!とっても素敵!ふふ……」
「お姉さま、楽しそうですね」
「ええ、ええ、とても楽しい物を観たわ。素敵だった」
「お姉さまが楽しそうで私も嬉しいです」
《神聖王国テンランド》の城内、豪奢なドレスにみを包む少女が頬を染めくるくると楽しそうに1人ダンスを楽しむ、その少女を姉と呼ぶ少女は椅子に座り腕の中でがすやすやと眠る赤子を抱き姉が躍る様を見てうっとりとした視線を向けた。
「ふふ…何があったか教えてあげる、欲しいわ…素敵…あの石像…」
「お姉さまが欲しい物は全て私が手に入れますわ、ね、アシュア…」
うっとりと回る姉の姿に妹が頬を染め腕の中の赤子の名を優しく呼ぶ、赤ん坊は穏やかな顔で眠っていた…。
龍皇国で龍皇イシュターレジェイドチラーグケイオスは遙か遠くの大陸で何かが起きたのを察知したが、動く事はない、彼の役目は《アタラクシア》を守る事ではない、《アタラクシア》に在る事。
古代種…龍として公平に在るべき存在であれば良い、神々からは何の神託もない。
《アタラクシア》は今日も空は灰色、ドラゴンの姿に戻って空を駆ける気も起きない、皇国のドラゴン達も基本人型だ、皇国を離れ群れを持つドラゴン達はドラゴンの姿で過ごしている者が多いが聞けばやはり然程空を飛びたいと思わないらしい。
イシュターは皇城の窓から空を暫く眺めふいに眼を逸らし歩き出す、《アタラクシア》は病んでいる…以前の神々からの神託で教えられた事を反芻する。
神々がなんとかしようとはしているが、先は長いだろう彼らはいつも長い時間を掛け話し合いを行う。イシュターはイシュターとして《アタラクシア》に在る…それだけだ…。
「あぁ~ああ~終わってしまう終わらないでほしい~楽しかった!愉しかった!あぁどうしてぇどうしてぁ終わってしまうぅ~ずっとずっと続いてほしいぃ」
「欲望を吐き続けるなゲス」
「あぁ~無理ぃどうしてぇおわらないでぇ」
「その声潰す」
「潰しても再生する」
「チっ!」
喚く魔人どうしてだと顔に手を当て絶望する、隣の魔人は心底嫌そうな表情を浮べて、他の魔人達も辛辣な言葉を吐き捨てた。
「魔人戦争は決着が…勝敗が決まらなかった」
「そうですぅそうですぅ~だからまだ終わるのはおかしぃぃ」
「付き合いきれねぇ、俺は行く。石像になった奴らはどうにも出来ん置いていく…あっちもそうだろ」
「そうだな、願わくばお前達とはこの先2度と会わない事を願う、《アタラクシア》は広いからな」
「ああ、そうだなじゃあな」
「あぁ~あぁ~」
喚く魔人をその場に残し、他の魔人は散っていく…出来ればもうこの地には戻りたくないと各々思いながら…。
「我々は結局何も成せなかった…」
「多くの犠牲を出した…魔人は生き続けるが…死んだ多くの者達…」
「1つの大陸の半分以上を犠牲にした…」
「残った魔人達も我々以外は散り散りに…」
焼けた大地に佇む魔人達、皆傷つき疲弊しそして多くを失った。
「石化は幾つもの魔法と魔術を用いて構成されています…神々すらも封印を解くことは至難でしょう」
「収納空間には入らねぇ、置いて行く。いいな?」
「何があっても外界から干渉されない、すまない同胞達よ」
「……いつか私が拠点を造り準備を整えたその時は…私の元で…」
周辺に置かれた石像は同胞達、戦った魔人…皆思いや願い、勝ち取るべき物を抱き魔人戦争に挑んだ…。
「そうだな…俺達は失い過ぎた今は何もない…だからごめん…」
『………』
何名かの魔人達が涙を浮かべる、申し訳ないという気持ちと石化された中には魔人戦争に大きく貢献してくれた者達もいる、ここに…置いたままなのは忍びない。
「俺はこの大陸に残る、此処は呪いすら産まれない場所……またいつか皆会いにきてくれ、俺は全てに絶望はしない」
『……』
1体の魔人が固く決意を固める、他の魔人達は成すべき事がある、それが終われば…また必ずと各々心に決めた。
「すまない…」
「ごめん…」
「謝るな、謝らないで笑って皆行ってくれ…」
「貴方に任せます…いつか必ずここへ戻ります」
「ああ…必ず…決着を付けたその時は必ず」
「我々の魔人戦争は…真の意味で終わっていない…」
「ああ…他の地にいった石像も回収……せめてどこに行ったのか…私は探す」
「僕も探すとしよう…みんなももし見つけたら場所の把握はしてくれ…」
「他の魔人には気をつけて…残った他の魔人達は危険過ぎる……」
「………いつかまた…」
全員が成すべきこと抱え、たった1人を残し皆去って行った…。
「面白い事をしていましたね、興味深い……魔人戦争…ですが無意味、魔人のしている事に関心はありませんが…これは面白いと思いました。魔王が魔人を野放しにすれば争いが起きる…絶対的身分を排除し平等を齎す為の戦争でしたか…結局は決着が着かないまま終わってしまいましたね。見世物としては面白い物でした。いい暇潰しでした」
少し離れた場所で魔人戦争の結末を見届けた青白い顔の細身の男、唇だけは異様に赤く瞳は黄昏の瞳をしていた。
「魔王としてこの世界に転生しましたが…地球と《アタラクシア》どちらが地獄なんでしょうか…一…」
答えはない、序列第12位蒐刻魔王は少し寂し気な表情を浮べた…。
「素敵、素敵!とっても素敵!ふふ……」
「お姉さま、楽しそうですね」
「ええ、ええ、とても楽しい物を観たわ。素敵だった」
「お姉さまが楽しそうで私も嬉しいです」
《神聖王国テンランド》の城内、豪奢なドレスにみを包む少女が頬を染めくるくると楽しそうに1人ダンスを楽しむ、その少女を姉と呼ぶ少女は椅子に座り腕の中でがすやすやと眠る赤子を抱き姉が躍る様を見てうっとりとした視線を向けた。
「ふふ…何があったか教えてあげる、欲しいわ…素敵…あの石像…」
「お姉さまが欲しい物は全て私が手に入れますわ、ね、アシュア…」
うっとりと回る姉の姿に妹が頬を染め腕の中の赤子の名を優しく呼ぶ、赤ん坊は穏やかな顔で眠っていた…。
龍皇国で龍皇イシュターレジェイドチラーグケイオスは遙か遠くの大陸で何かが起きたのを察知したが、動く事はない、彼の役目は《アタラクシア》を守る事ではない、《アタラクシア》に在る事。
古代種…龍として公平に在るべき存在であれば良い、神々からは何の神託もない。
《アタラクシア》は今日も空は灰色、ドラゴンの姿に戻って空を駆ける気も起きない、皇国のドラゴン達も基本人型だ、皇国を離れ群れを持つドラゴン達はドラゴンの姿で過ごしている者が多いが聞けばやはり然程空を飛びたいと思わないらしい。
イシュターは皇城の窓から空を暫く眺めふいに眼を逸らし歩き出す、《アタラクシア》は病んでいる…以前の神々からの神託で教えられた事を反芻する。
神々がなんとかしようとはしているが、先は長いだろう彼らはいつも長い時間を掛け話し合いを行う。イシュターはイシュターとして《アタラクシア》に在る…それだけだ…。
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