あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第013部 序列第13位と生きた山脈×まだまだ続くよ空の旅

Stage.7-31 3.4.5回戦×第015話 昼ごはん

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Stage.7-31 3.4.5回戦
「ではどうぞぉ」
『ぐるるるぅ』
『うがあああああ!』
『シャーシャー!』
「これはすごい、ガーンドにタイナークとゴーヴァーグですね。よく捕獲してきましたね」
「いくらタナトスがいいと言ったからとはいえ、あの3体は酷く飢えているじゃないか!」
入口から入って来たのは3体の大型魔獣、上半身が灰色ので下半身が燃え盛る炎を纏う熊のガーンド、顔は獅子だが胴体が鱗の緋色のタイナーク、緑色の馬に2つに分かれた尾が体長と同じ位のゴーヴァーグ、ウォルゾガがその3体の状態を見て闘技場に向かって叫ぶ。
「……」
タナトスは黙ってその3体を眺める、タナトスを捕食しようと狙いを定め今か今かと襲い掛かる準備を3体はしていた。
「ウォル…大丈夫タナトスは勝つよ」
「エージェ…」
エージェはタナトスから一瞬も眼を離さない魅入られ、タナトスに惹きつけられるもっと見たい魅せて欲しいとエージェは願う。

「では~3.4.5回戦一気に行っちゃいましょう~」
『ぐるるるぅ』
『うがぁぁぁぁ』
『シャー』
タナトスはその3体を眺め1度強めに眼を閉じそして眼を開く、襲い掛かろうとした3匹の動きが止まりそして…3匹が一斉に倒れ白目を剥いて泡を吹いていた。
観客席に張られた結界に亀裂が入る程の圧、魔獣達は起き上がれない。
『ちょっと!タナトスちゃん加減して!結界が壊れちゃうわよ!』
【あわわ…再構築再構築!】
「これでも加減はしましたよ、終わりました。6回戦目の相手を出して下さい、その魔獣達は貰います」
「はぁいおめでとうございますぅ」
フゥは用意した魔獣が敗けても気にもしない、ゴーレム達が速やかに何体かで担いで回収していった。

「凄い…スキルの威圧だ…」
「おえー気持ち悪ぅ」
「結界もあるのに影響されていてはお前もまだまだだな」
「加減してあの3体を圧倒させるとはな、結界が無ければ我々も影響を受けていただろう」
エージェは感動し観戦に来たトラングは影響を受け舌を出しアガニータが肩を竦め、デュスノアも感心していた。
「ええと…もう6回戦目?」
「勝っているから良いのか?」
「ここからでしょう、何が出て来るのか分かりませんがまともなものではないでしょう」
千歳が仕事を片付けるいつもタナトスと変わらず淡々とした姿に苦笑いを浮かべ大河はタナトスの底知れない実力に引いている、ラジカが6回戦目に何が来るのか身構え、蒐集家はそっと姿を消した。

第14話 昼ごはん
「へぇやっぱ持ってたか威圧、あ、懐記唐揚げちょうだい」
「あそこにいたくないなぁ、俺には焼いた魚ちょうだい~」
「さっさと終わらせろよ、こんな茶番。おれ飯大盛り」
「タナトスすごい、メロンパンおいしい」
「自信満々だったしな、チョココロネうま」
「タナトスはすごい…みんな野菜食べて」
「父上この黒い粒のパン美味しい…」
《黒鳶》会議室闘技場の画面を眺め、昼食が始まった。
各自の収納と崇幸のスキルコンビニで出した物を食べていく、此処からが本番だと思うが当のタナトスはいつもと変わらない淡々としている姿が画面越しに映る。
「たくさん食べてね、エスティア。野菜もスープも」
「はい」
「あいつ何であんなに楽しそうなんだろう…あの牢獄の人達苦しめて、毒まで使って」
「人の事も牢獄の事も玩具だと思っているんだ、俺達は魔人だが人に他者に害を与えたいとは思わない。でも中にはいるんだああやって弄ぶ奴が」
ナチェがサンドイッチを食べながらフゥを見て疑問に思う、ギーギスが何処か遠い目をしながら答えた。
「俺は他の魔人はここと、子ども達以外会った事がないんだけど怖い魔人ているよな」
「残念だがいるんだ…」
ギーギスがおにぎりを頬張るナチェの頭を撫でてやる、本当の勝負は此処からだ。

「すごい、タナトスさん」
「見事な威圧ですね、このパンケーキ美味です」
「おかわりあるよ、タナトスがケガしなくて良かったよ。でも動物達気絶しただけみたいだし腹も減っているようだから気が付いたらゴーレム達が飯出してくれるように風早伝えて」
『承知しました』
《アタラクシア号》でも昼食が始まっていた、テーブルに魔法ホットプレートが置かれ、パンケーキや腸詰、ハムや野菜を置いて自由に焼いて食べている、オベリスカはパンケーキが気に入り両親と共に自分で焼いて食べていた。
詠斗が風早に気絶した魔獣達に食事を食べさせるように頼み、詠斗も焼かれていくパンケーキを次々重ねて塔にしていく、晴海が果物を乗せて盛り付けしてアコミアやキッフ、ヤクハに渡していった。
「綺麗だな、よし俺も焼こう。無事に5回戦まで勝てて良かった。問題は次からだな、何が来るのか…」
「あの彼ならいけるだろう、微塵も迷いがない」
ヤクハが生地を焼く、キッフがパンケーキの塔にナイフとフォークを入れて口に運びその美味さに眼を輝かせた。
「冷静というか自分の実力をしっかり把握している、そして相手を理解しているよ。強いね、ん~美味しい」
「ええ、でも無茶をさせています」
アコミアがホットプレートで焼いた腸詰にチーズを乗せて食べれば、身悶えし全身で美味しさを表現し綴が申し訳なさそうにしている。
「大丈夫だよ、綴さん!タナトスさんはやりたくなかったらちゃんと嫌だって言うと思う」
「そう、ですね…会ったらきちんとお礼をします」
「そうだね、何が良いか考えておこう。崇幸さんが部屋とか1人になれる場所を用意するって言ってたし…」
「んー今度決闘会終わったらタナトスさんにラインしてみるよ」
した事はないがラインにはいる、返って来るかは分からないがきっと晴海のメッセージなら返してくれるだろう。
綴は微笑む、彼はいつも素っ気ないが子ども達にはより優しい事を皆知っているからだ…。
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