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第013部 序列第13位と生きた山脈×まだまだ続くよ空の旅
Stage.7-26 命が軽い場所 Ⅱ 僅かな眠り 僅かな夢
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『あ?四千年前の魔人達の事が知りたいって?なにお前あの石像達を憐れんでんのか』
別に違う、あの場所に安置された石像が何なのか知りたかっただけだ。
『からかわずに教えてやってよ、四千年前の魔人達は何で石像になったのかさ。俺も詳しく知らないし』
隣で口を挟むナギの笑顔、教えてくれないなら自分で調べるから良い、鑑定出来ないから気になっただけだ。
『そーかよ、なら調べやすくなるヒントをやる。魔人戦争って魔人同士の戦争でああなった奴らだ』
敗者側が見せしめで石像にさせられたのか、答えが出たから調べなくても良いか。
『いや、明確な決着は着いてねぇ。一部の奴等が石像にされたんだ』
『なにそれ』
『色んな意味で戦争は終わってない、調べるには中々面白いテーマだと思わねぇか?』
それなら調べる、興味が湧いた。
『そうかよ、調べるなら《歓喜の魔人》《狂気の魔人》《絶望たる魔人》《道化たる魔人》《悦びの魔人》《快楽の魔人》《嘆きの魔人》は抑えとけ、イカれた奴らだ』
『名前は?通称しかないの?』
『んなもんとっくにねえだろ、名前なんかあいつらに意味ねえ』
それは僅かな眠りで見る僅かな夢、そうしてタナトスはゆっくりと眼を開けた。
「夢の中の過去か」
カジノダンジョンの最奥で朝を迎えたタナトス、用意した物との相性は悪くない最終階層のボスもついでに仕留めドロップ品には興味が無いが収納空間にしまい、明日の調整と最終確認を行う為に《空船》へと戻った。
「…………」
蒐集家が手袋越しに相手の手首に触れる、分かっている触れる前にも鑑定する前にも死んだ事等分かっている。
「まぁた燃やすんですかぁ?燃やすならこちらにくれたらいいんですよぉ」
「私に言われても、私も死骸は有効活用した方が良いと思いますよ」
「ですよねぇ~もったいなぁい」
蒐集家は大河達がくれば亡くなった者事は任せるつもりだ、今は店の中には昨夜亡くなった者の遺体今亡くなった者の遺体と何処から入ったのかフゥと蒐集家だけだった。
「私に何か用ですか?」
「異界の神様ならぁアタシの願いを叶えてくれますかぁ~」
「いいですよ」
「なにを差し出したらいいですかぁ」
「何を差し出しますか?」
「アタシが出せる物ならぁ」
「そうですね、では決闘会で貴方側が勝てば叶えてあげましょう。貴方の願いも願望も欲望も知っています」
「わぁすごい~さすがぁ異界の神様ー《アタラクシア》の無能な神々とは違いますねぇ」
「ふふ、聞こえないとは言え挑発的な発言ですね」
「真実でうすぅ~では支配者様には頑張ってもらいますぅ」
「楽しみにしています」
蒐集家は嗤うチリン…フゥはひらひらと手を振り何処かへ行ってしまう、入れ違いで大河が入り安置されている遺体に手を合わせた。
「…すまない救えなかった」
「何処にでも死はありますよ」
「分かっている」
「ここはそれが多い」
「知っている」
「なら何故そんな顔をしているんです?」
「救いたかった」
「ふうん」
大河の翳りを帯びた表情連日の牢獄での労働に精神を疲労させている、千歳も同じだ。
命が軽い散るのが早い、此処は本当に酷い場所だった。
「ああ、亡くなったの…」
千歳とラジカも店に入り遺体に手を合わせる、どうか次の生は安らぎに満ちたものになるようにと願った。
「…明日だね、必ず此処にいる皆さんを救う」
「ああ」
「それはタナトスさん次第でしょう」
「彼ならやり遂げるでしょう」
まだまだやるべき事は山の様にある、大勢の人々の手を借り牢獄は大きく変わろうとしている。
「うめえなこの肉挟んだパン」
「うん、スープも美味いな」
「もっと他に食べる場所なかったのかよ」
カイム、ヤハネ、そしてテーデの3名が牢獄の路地裏の適当に建てた家の屋根の上で朝食を食べる、バスケットに燈火や舵達が作ったホットドッグと唐揚げ、甘めの玉子焼きと具沢山スープにチーズと芋のグラタンという内容でカイム達の腹を存分に満たしてくれた。
「見通しが良いからな、此処からなら人の動きが良く分かる」
「この貧民街は広さはそれ程じゃないけど入り組んでいて複雑だから、明日の決闘会が始まるまでに地形を把握しておかないと」
「タナトスの計画かよ、この下の生き物の口を探すって?」
「そうだぞー」
「鼓動も息も視線も耳も目もずっと俺達を伺っているってのが伝わってくるけど肝心な口が分からないんだよな」
「戻りました」
「ああ、カイネも飯食えよ」
「お茶あるよ」
「ありがとうございます、貰います。奴隷商人が……奴隷の扱いが酷くて…」
「此処の奴らは罪を犯そうが犯してなかろうがいれば罪人だ扱いは外より遙かに酷いだろ、金はあるから買い上げするか」
「はい」
カイネが戻りヤハネから温かい蜂蜜入りのお茶を受け取り、ホットドッグを食べ小休憩を行うが牢獄を探っている最中に見た奴隷商の奴隷の扱いを思い出し顔を顰めた。
「ワンズさんとテスカさんとソーンさんに頼みます」
「戻りました、こっちは動けないご老人を蒐集家さんの店に運んできました」
ハインとワグナーも戻りお茶を受け取る、休憩が終わればまた残っている住民達の確認やタナトスから頼まれているこの下の生物の口探し、カイネがパンを食べ終われば丁度千華からの連絡が入る。
『お疲れさまです、この先に老いた女性が倒れています、足を痛めたようですね。あちらには…揉め事でしょうか女性が殴られています。向こうは子供が親ででしょうか?叩かれています』
「老婆は俺行くわ」
「女性は俺達が」
「子どもが俺とテーデで行こう、カイネが此処で待機しといて。すぐにまた千華から連絡がが入るだろうから」
「分かりました、皆さん気を付けて」
各自散って行く、揉め事はすぐに起きる、小さいいざこざが大きな事件に繋がり簡単に人は殺し合いを行う、此処では既に誰もが罪人なのだ罪をいくら犯しても出られないのは同じ、少しでもこの牢獄でまともな暮らしをと望めば金がいる、1番手っ取り早いのは他者から奪う脅す盗むが簡単だろう、または弱者に金を稼がせそれを横取りする、まともに働いてもまともに稼げないのが此処命が軽い牢獄だった…。
別に違う、あの場所に安置された石像が何なのか知りたかっただけだ。
『からかわずに教えてやってよ、四千年前の魔人達は何で石像になったのかさ。俺も詳しく知らないし』
隣で口を挟むナギの笑顔、教えてくれないなら自分で調べるから良い、鑑定出来ないから気になっただけだ。
『そーかよ、なら調べやすくなるヒントをやる。魔人戦争って魔人同士の戦争でああなった奴らだ』
敗者側が見せしめで石像にさせられたのか、答えが出たから調べなくても良いか。
『いや、明確な決着は着いてねぇ。一部の奴等が石像にされたんだ』
『なにそれ』
『色んな意味で戦争は終わってない、調べるには中々面白いテーマだと思わねぇか?』
それなら調べる、興味が湧いた。
『そうかよ、調べるなら《歓喜の魔人》《狂気の魔人》《絶望たる魔人》《道化たる魔人》《悦びの魔人》《快楽の魔人》《嘆きの魔人》は抑えとけ、イカれた奴らだ』
『名前は?通称しかないの?』
『んなもんとっくにねえだろ、名前なんかあいつらに意味ねえ』
それは僅かな眠りで見る僅かな夢、そうしてタナトスはゆっくりと眼を開けた。
「夢の中の過去か」
カジノダンジョンの最奥で朝を迎えたタナトス、用意した物との相性は悪くない最終階層のボスもついでに仕留めドロップ品には興味が無いが収納空間にしまい、明日の調整と最終確認を行う為に《空船》へと戻った。
「…………」
蒐集家が手袋越しに相手の手首に触れる、分かっている触れる前にも鑑定する前にも死んだ事等分かっている。
「まぁた燃やすんですかぁ?燃やすならこちらにくれたらいいんですよぉ」
「私に言われても、私も死骸は有効活用した方が良いと思いますよ」
「ですよねぇ~もったいなぁい」
蒐集家は大河達がくれば亡くなった者事は任せるつもりだ、今は店の中には昨夜亡くなった者の遺体今亡くなった者の遺体と何処から入ったのかフゥと蒐集家だけだった。
「私に何か用ですか?」
「異界の神様ならぁアタシの願いを叶えてくれますかぁ~」
「いいですよ」
「なにを差し出したらいいですかぁ」
「何を差し出しますか?」
「アタシが出せる物ならぁ」
「そうですね、では決闘会で貴方側が勝てば叶えてあげましょう。貴方の願いも願望も欲望も知っています」
「わぁすごい~さすがぁ異界の神様ー《アタラクシア》の無能な神々とは違いますねぇ」
「ふふ、聞こえないとは言え挑発的な発言ですね」
「真実でうすぅ~では支配者様には頑張ってもらいますぅ」
「楽しみにしています」
蒐集家は嗤うチリン…フゥはひらひらと手を振り何処かへ行ってしまう、入れ違いで大河が入り安置されている遺体に手を合わせた。
「…すまない救えなかった」
「何処にでも死はありますよ」
「分かっている」
「ここはそれが多い」
「知っている」
「なら何故そんな顔をしているんです?」
「救いたかった」
「ふうん」
大河の翳りを帯びた表情連日の牢獄での労働に精神を疲労させている、千歳も同じだ。
命が軽い散るのが早い、此処は本当に酷い場所だった。
「ああ、亡くなったの…」
千歳とラジカも店に入り遺体に手を合わせる、どうか次の生は安らぎに満ちたものになるようにと願った。
「…明日だね、必ず此処にいる皆さんを救う」
「ああ」
「それはタナトスさん次第でしょう」
「彼ならやり遂げるでしょう」
まだまだやるべき事は山の様にある、大勢の人々の手を借り牢獄は大きく変わろうとしている。
「うめえなこの肉挟んだパン」
「うん、スープも美味いな」
「もっと他に食べる場所なかったのかよ」
カイム、ヤハネ、そしてテーデの3名が牢獄の路地裏の適当に建てた家の屋根の上で朝食を食べる、バスケットに燈火や舵達が作ったホットドッグと唐揚げ、甘めの玉子焼きと具沢山スープにチーズと芋のグラタンという内容でカイム達の腹を存分に満たしてくれた。
「見通しが良いからな、此処からなら人の動きが良く分かる」
「この貧民街は広さはそれ程じゃないけど入り組んでいて複雑だから、明日の決闘会が始まるまでに地形を把握しておかないと」
「タナトスの計画かよ、この下の生き物の口を探すって?」
「そうだぞー」
「鼓動も息も視線も耳も目もずっと俺達を伺っているってのが伝わってくるけど肝心な口が分からないんだよな」
「戻りました」
「ああ、カイネも飯食えよ」
「お茶あるよ」
「ありがとうございます、貰います。奴隷商人が……奴隷の扱いが酷くて…」
「此処の奴らは罪を犯そうが犯してなかろうがいれば罪人だ扱いは外より遙かに酷いだろ、金はあるから買い上げするか」
「はい」
カイネが戻りヤハネから温かい蜂蜜入りのお茶を受け取り、ホットドッグを食べ小休憩を行うが牢獄を探っている最中に見た奴隷商の奴隷の扱いを思い出し顔を顰めた。
「ワンズさんとテスカさんとソーンさんに頼みます」
「戻りました、こっちは動けないご老人を蒐集家さんの店に運んできました」
ハインとワグナーも戻りお茶を受け取る、休憩が終わればまた残っている住民達の確認やタナトスから頼まれているこの下の生物の口探し、カイネがパンを食べ終われば丁度千華からの連絡が入る。
『お疲れさまです、この先に老いた女性が倒れています、足を痛めたようですね。あちらには…揉め事でしょうか女性が殴られています。向こうは子供が親ででしょうか?叩かれています』
「老婆は俺行くわ」
「女性は俺達が」
「子どもが俺とテーデで行こう、カイネが此処で待機しといて。すぐにまた千華から連絡がが入るだろうから」
「分かりました、皆さん気を付けて」
各自散って行く、揉め事はすぐに起きる、小さいいざこざが大きな事件に繋がり簡単に人は殺し合いを行う、此処では既に誰もが罪人なのだ罪をいくら犯しても出られないのは同じ、少しでもこの牢獄でまともな暮らしをと望めば金がいる、1番手っ取り早いのは他者から奪う脅す盗むが簡単だろう、または弱者に金を稼がせそれを横取りする、まともに働いてもまともに稼げないのが此処命が軽い牢獄だった…。
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