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第013部 序列第13位と生きた山脈×まだまだ続くよ空の旅

第7幕 第6話 本を作ってみる ×Stage.7-6 ラージュとゴーレム 

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 第7幕 第6話 本を作ってみる
「このお店を手放すんですか?僕は綴と言います」
「俺はアコミア、いやあ御覧の通りお客はさっぱりだからさ」
「工房ですよね?私はオベリスカと申します」
「そう俺の城って言っても露店のような物さ」
「店を売るのは別にして、本作る所見せてくますすか?俺はラウラスす」
「もちろん、何か本にしたい物ある?俺の手元の奴でもいいけど」
話し掛けられた綴達、ほぼ露店のアコミアの工房には手造りの屋根とテーブルと道具などがしまわれているであろう棚といったシンプルな工房だった。
子ども達も興味津々と眺めているので自己紹介しつつ、本を作る所を見せて貰う事にした。
「本にしたいもの…絵本というか子ども達が描いた絵を本にして貰いたいのですが…」
「いいね!じゃまずは絵を出してくれ、表紙と裏表紙の紙を選んで?何冊作る?」
「みんなに1冊ずつ、4冊お願いします。表紙と裏表紙の紙を選んでね」
『はーい』
棚からアコミアが紙の見本を数枚出してくれる、紙はまた別な工房に依頼するそうだがアコミアは紙も自分で作っているとの事、白い紙、青い紙、橙色やピンクなど紙を並べてくれた。
「アコミアさん、とても腕の良い職人ですね。この紙の質とても素晴らしいです《エンビ》のマイスターですか?」
「い、いや、違うよ。俺の師匠がマイスターだけど…」
「マイスター?それはすごいすねー《エンビ》のマイスターなら王様や貴族に献上する本や書物を製本する匠すね」
オベリスカがアコミアの紙を見て尋ねる、アコミアは首を横に激しく振り師匠がマイスターだと言えばラウラスも感心を寄せた。
「師匠はすごいけどね、さ、決まった?」
子ども達がそれぞれ表紙と裏表紙にする用紙を決めて、好きに題名を描いたり絵を描いたりすれば良いと絵具と筆を貸してくれる。
「他の工房を少し見ましたけど、世話しない感じでしたね」
「まあ、俺みたいに1から全部の工程を1人ではやらないし、分担作業で行うから…絵にこの薬を掛けて構わないかい?文字や絵を紙に写し取る物なんだ。元の紙は変色したり濡れたりはしないから」
「マークウッドの樹液を加工した物ですね、問題ないですよ」
「物知りだなーじゃ掛けていくな」
アコミアがオベリスカの知識に関心し子ども達が描いた絵に瓶に入った薬品を振り掛け、紙を乗せ写し取ればそのまま同じ絵の紙が出来上がった。
『すごーい』
「だろ?もっとページが多かったり作る冊数が多い場合は、風魔法を使ったり魔石を使用して一気にページを写し取る。《エンブ》は風魔法の遣いて手や魔法具を造る職人も多い」
「やりたーい」
「おもしろー」
「すごーい」
「ああ、いいよ。君たちの本だからね」
アコミアが薬品を掛けて子ども達が絵を紙に写し取っていく、楽しそうな笑い声に綴達も笑顔を浮かべて見守った。

Stage.7-6 石像と魔人
《ロメンスギル国》王城、は今長い歴史上最も重大な岐路に立たされて…いる…とラージュ・デイル・アストリガー・ロメンスギル国王はそう思っていた。
「はあ…」
『何度目の溜息ですか?陛下』
「……私に溜息をつかせる元凶の1つが言わないで欲しいんだが」
『…現在《ロメンスギル》は周辺各国から同盟や友好国にと使者達が押し寄せ、貢物等で城を圧迫し私達ゴーレムが城を増改築し、難民や移民を受け入れ、間も無く《ロメンスギル》が帝国になる、そんな重大な時に皇帝になられる方が溜息などと嘆かわしいですね』
ラージュの執務室には、現在ラージュを補佐するゴーレム達、おりがみの子たちとヒヨコ達にラージュ同様頭を抱えている臣下達に、ラージュを選んだ魔人の赤子……と魔人の赤子1名と子ども3名が囲っている柵の中で玩具やゴーレム達と遊んでた。
「グローリー殿も今は不在、明日には1度、千歳達の元へこの子らを連れて行きたいのだが…」
『スケジュール上問題ありません』
「陛下、また難民と…同盟を結びたい国から書状が…」
ラージュの隣の机でタイタンによく似たゴーレムが書類を片付けていく、その傍にはプロメテウスに似た黒いゴーレムが書類を飛ん運んで行く、ノックがされ騎士と補佐官がどんよりした表情で書類を手に執務室へ入ってくる…ラージュはまた深いため息を吐く。
「陛下、先日捕らえた賊の雇い主が割れました」
「陛下、2日前に御子様を攫おうとした者が組みする組織が分かりました」
「陛下、昨日御子様達がボコボコ…こほん手傷を負わせ逃亡したメイドと侍従を捕らえました」
「陛下……御子様達が増えたのが知られ…婚姻を結びたい貴族や王族からの文が……」
「……もう嫌…というわけにもいかないな…同盟を結びたい国は書状を確認後内容を纏め此方へ、子ども達を害そうとした国…貴族…組織は…」
『ゴーレム部隊が制圧に向かいます』
「だそうだ、子ども達の婚姻に関しては私の一存ではどうにも出来ないと、預かっているだけだと書状を返してくれ。子ども達と繋がりを持つ事を考えない様にと遠回しに伝えてくれ」
『どこの馬の骨とも分からない輩共に渡す物は御子様達の毛筋の先もないと返して下さい』
「……上手く返します…」
ゴーレムの容赦のない言葉に臣下達も引きつりながら仕事を進める、ラージュは再度深いため息を吐き仕事を片付けていく…。
崇幸が魔人の子を育てるならばと千眼と一緒に造ったゴーレムをくれ、ヒヨコやおりがみの子たちや動物達が、城で同じ位の遊び相手もいないので構いに来るようになり…ニアが修復したゴーレムも護衛にと寄越してくれたのも良い…何時の間にかゴーレムが増え城を好きに行き交い、魔人の赤子の体調を気遣い厨房を乗っ取…基指揮し始め、使い勝手が悪いと改築したのも…まあいい(?)気が付けば城は要塞の様になり、子ども達が何処からともなく増え(?)喋るようになったゴーレムのタイタロスが政治に口を挟み、周囲の国をゴーレム達を使って属国にした上に、ラージュを大国の皇帝にしようとしている←今ここ。
『皆様、休憩にしましょう。おやつをどうぞ』
食事は向上しラージュ達の楽しみの1つに場が湧く、魔人の子ども達のおこぼれだがこれがまた美味しい。
『本日はミルク蒸しパンとフルーツオレです』
コック帽を被ったゴーレム達がワゴンに載せたおやつを運んで来てくれる、最初はゴーレムに反対していた宮廷料理人達もゴーレム達の腕に己の未熟さを知りゴーレム達に教えを乞い、同盟国や友好国の料理人も修行に訪れている程だ。
あくまでゴーレム達は魔人の子ども達の為に動き、タイタロスは崇幸からのラージュの救けになって欲しいと言う願いを叶えて(タイタロス基準)いる。
「はあ…今日も食事が美味だ」
『今夜はステーキですよ、肉ダンジョンの』
「それは…楽しみだ」
ラージュはゴーレム達におやつを食べさて貰い笑顔の子ども達の表情を眺め、蒸しパンを食べながら表情を和らげた…。

「ニスムちゃん、大丈夫?」
「ごめんなさい…」
「ううん、果実水飲んで少し休もう」
「はい…」
遺跡から出て広場にシートを敷いて昼食を皆で食べる、泣いたニスムは燈火から冷えた果実水を貰い呑み込んだ。
「すみません、私までご一緒させて貰って」
「ううん、沢山あるから食べてね」
遺跡を案内した案内役もカーテスに勧められ昼食を共にする、持ち寄りのお弁当には玉子焼きや腸詰、ミートボールにポテトサラダ、魚のフライやサンドイッチおにぎりが…あっという間に子ども達の胃袋へ収まっていく。
ウォルゾガは果物を剥きながら先ほどの事を考える、上品に卵サンドを食べるタナトスは普段通りだ、この後《空船》に戻り現在治療中の虫達の世話に駆り出されたメシュレラ達を呼びあの石像をを視て貰う、ウォルゾガも薄々だがあの石像の正体に気付いているが出来れば外れて欲しい所だ。
「あれ、あの子達は?」
「あ…彼らは…」
そうして用意した弁当が空になりつつある時に此方を見ている視線にカーテスが振り向けば、木の陰から此方を伺う2人の子ども達に案内役が顔を顰めた…。

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