上 下
555 / 574
第013部 序列第13位と生きた山脈×まだまだ続くよ空の旅

第00話 《魔王録》

しおりを挟む
《アタラクシア》には誰が書いたか何処から現れたのか一切不明の本が1冊だけ《神聖王国テンランド》の限られた者のみ閲覧が許された書がある、そこにはこう記るされていた…。

通称《魔王録》一部を抜粋する、以下を参照………。

《アタラクシア》には序列第1位から第13位に数を持たない数外個体魔王達がいるとされている、あくまでいるとされているだけであり今現在定かではない。
魔王達の中でも序列第1位と第13位を最上とし、2位以下から順に強く特に2位、3位は別格とされている。

序列第1位
序列第2位 千華の魔王
序列第3位 千眼魔王
序列第4位 渦喰の魔王
序列第5位
序列第6位
序列第7位 暴樂魔王
序列第8位 珀暱魔王
序列第9位 僉范の魔王
序列第10位 冽獄魔王 
序列第11位 
序列第12位 蒐刻魔王
序列第13位

そして始まりには零という数字が在る、《アタラクシア》は果たしてこの零という数字を無視するのだろうか…。

尚、この書は生物として成立している……………。

『も……』
遥かな山脈、今にも息絶えてしまいそうな生物が呼吸をする度山が命動する、形状が変わり山は脈打つ、その山にいた魔物、動物達はとうに山から逃げ出し残ったのは動けない植物や逃げる選択肢の無い行き場も寿命も少ない虫達、弱っていて誰にも手を差し伸べて貰えなかったか弱い動物と必要に駆られこの危険な山に入って来た人々…この今にも息絶えそうで絶えない生物の存在で変化しつつあった…・

「みんな…どうして…俺の髪…こんな色じゃ…」
呆然と呟く青年、洞窟の中でもう何日いるのか分らない、ゆっくりと抜けた1本の髪の毛…自分の髪の色は薄い茶色だったが落ちた髪の色は色が白に近い茶色…今現在意識があるのは彼、ジュナイのみ他の町人達は眠ってはいる…が動きも身じろぎも目覚めもしない、食べ物はある…あったのだ。
恵みの山必要な薬草も形状は少し変わっていたがいつも町で重宝されている薬草に違いない物、木の実や果物や野草も美味い、だから精神的消耗は激しいが肉体は元気な筈だが日を追うごとに他の仲間達は眠りから覚める時間が少なくなっていった。
「早く…この山から出ないと…」
外を見れば再び雪、夜が来ない、ずっと空が晴れている…もう自分がおかしくなってしまうまで時間が無い気がする。
「ノイズ…ミュナイ…ヒュー…シュー…ごめん…ごめん」
何度も何度もジュナイは詫びる、届かない声を上げて…。

通称《魔王録》……内容を抜粋、以下を参照…。

決して序列は覆る事は無い、零は最初に来るのか…最期に来るのか…序列第1位は以下12位までの全ての能力の上位を使用可能とされる、序列第13位は序列第1位が持たない物を持つ故に序列第1位を超える可能性を持つ。
では、そこでこの章は存在があるかないか不明の仮に序列第零位魔王がいると仮定し内容を進めるとする。
《アタラクシア》は13という数字を愛し、14という数字を嫌っている何故かは不明である。
だからこその零であるとする、14を零に置き換え《アタラクシア》は14番目を生み出し次の15に納得するとする、だが、数ありの魔王は13名は決まってしまっている。
魔王が13体のみしか存在しないのは《アタラクシア》の意思本意ではない、だが、14を嫌う故に零で置き換えているとする。
数外個体魔王を以下とし魔王を増やす、数外個体魔王の数は不明である。
《アタラクシア》に意思があり話が出来るならば幾つか聞きたい事がある、そのうちの聞いてみたい事の内2つを此処に記す『貴方は零は好きか?』『この世界を愛しているのか』(※この章の内容は随時変更する可能性がある)

以上を抜粋、尚、このこの書は生物として成立している……………。

「参った…本当に参ったぞ」
「ふむ…皆になんと言えば…」
「病は治っていない上に…」
「問題が次から次へと…」
「隠れるのが上手すぎる12位…そして子供を産む…」
「まさか、ありえませんと言いたい所ですが…」
「目…見た…真実…」
「詠斗達に申し訳なさずぎなのです…」
「召喚魔法も消滅していない」
「手帳の件も、魔神皇が蒐集家と…超長距離転移まで取得し…このままいけば魔王と魔人の関係が逆転するやもしれません」
「とはいえ、魔神皇は未熟…未完成です」
「最強の数外個体が此方に着いたのは吉兆です」
「1つずつ解消とはいきませんね、問題はこれからも増え続けるでしょう…人工妖精の件もそうですが」
『はあ』
《神の庭》13体の神々が目の前の問題に心を痛めている、歯がゆさもジレンマも抱えているが、実際もっとそれを複雑に抱えているのは彼らだろう。
「彼らに感謝し完治した《アタラクシア》を…美しい世界を見せたいのだが…」
「彼らにそういえばきっと今も《アタラクシア》は美しいと言ってくれるでしょう」
「それが彼らの美徳か」
茶を飲みながら神々も中々気持ちを切り替えられない、外神に対しても謝罪はしたものの彼からの要求を通すのも中々難しい。
「本当に私たちの見えている…いえ、見えない箇所もありますが…それはもしかしたら…」
「憶測で物を言うのよしなさい、我々は神なのです」
言い淀み遮られ口を噤む、意図的な《アタラクシア》からの介入により何かを見落とし続けている気がしてならない。
「ふむ、彼らの補助を行って絡んだ糸を解す、外神からの依頼を可能にする」
「《アタラクシア》の見えづらい部分を視る」
「やるなのです」
「旅…無事…」
神々が問題を上げ話し進めていく、嘗てのように1つの物事を永い年月を掛け決めるのではなく、話し合いながらも出来る事をする…それは救世主達から学んだ事だった…。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

少し冷めた村人少年の冒険記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:170pt お気に入り:2,186

不実なあなたに感謝を

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:70,191pt お気に入り:2,449

無属性魔術師、最強パーティの一員でしたが去りました。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:714

巻き込まれたんだけど、お呼びでない?

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:823pt お気に入り:1,985

運命の番に出会った話

BL / 連載中 24h.ポイント:497pt お気に入り:1,006

図書室の名前

青春 / 完結 24h.ポイント:596pt お気に入り:0

転移したらダンジョンの下層だった

Gai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:4,068pt お気に入り:4,643

処理中です...