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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう
終戦のナギep.6
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「ナギっち以外全員崇幸っちに頼んだわ」
「ん」
間も無く陽が昇る朝、空は暗く懐記が空を見るジラの傍らに立つ。
手当や風呂食事を提供しひと段落着いた後、懐記が《ノゼバ国》へ届け崇幸に託して戻ったのが今。
「後は魔人に会って、ナギっちはどうする?」
「どうもしないさ、好きなようにやればいい」
「ふうん、連れて帰ってもいいわけ?」
「……望めば」
「そう、じゃ口説いとくわ」
「ああ」
懐記の軽口にジラが笑う、あの少年の何もかもがかつてのジラの友のナギと一致する。英雄王と謳われた少年、戦場は年齢など関係ない強く手柄を立て名声を上げれば有名になり長く戦場に留まり生き残れば名は勝手に売れていく、それが戦場だった…すくなくともジラにとっては生活の場であり、明日の糧を得る場であり、あした生きているか保証の無い場だった。
「おはよ、おにーさん達早いね」
「おはよ」
「おはよ、ナギっち、ミルク飲む?」
「ミルク!?あるの?」
「あるある」
「そこ座って」
「うん!」
「おはよう…」
「おはよ、早いじゃん」
「イザラっち達もミルク飲む?」
「飲む、温かいの」
「俺もー」
「あたたかいの!?]
「ちょっと待ってて」
朝も早くナギがバスのテントから起き出し活き活きとした目でミルクに反応すれば、イザラ達も起き出し椅子とテーブルに座って懐記が用意してくれるミルクを待つ。
「イザラ達はいつもおいしいもの食べているのか?」
「うん、オムライスが好き」
「親父たちみんな料理美味いぞ」
「そうかぁ、いいな」
「食べに来て、卵美味しいよ」
「うん、来いよ」
「いいの?」
「家族多いから…いつも食事は沢山作る」
「そーそーおすそ分け?したり貰ったりしてるな」
イザラ達の会話を離れた場所で聞くジラ、喋り方も声も懐かしい…。
「おはようございます、周辺は今の所問題異常はないですね…」
「ああ…」
「ほい、出来た」
トゥナーもまた楽し気に話すナギの顔を眺め懐かしさに浸っている、懐記がコンロで温めたミルクをコップに注いで皆に振る舞いゆっくりと空が明けて行った。
「もう、いい、待てない私は行く」
「お待ちください!」
「単騎でむかうつもりか?」
「ああ、他が弱すぎる足で纏い」
「《ノゼバ》は間も無く何もしなくとも落ちる」
「どうでもいい、私の顔に傷をつけた者を倒す」
「そうか…止はしない、だがこの国を勝利に導いてくれた礼をしよう」
「お父様!」
《ガンネ国》の王城謁見の間において顔に傷を負った少年が王を睨みつけ戦場に向かう事を告げる、傍らの王女は顔を青ざめ引き止めない国王…父親に向かって声を上げた。
「アネイシャ、下がれ」
「…申し訳ありません…」
少年は窘めれた王女を顧みない、空間を裂き転移で最前線へと戻っていく、王女は不安げな表情で見送った。
夜が終わり朝が訪れる、可憐な王女は無事に戻るように祈りを捧げた…。
「美味しい…懐記!昨日の飯も美味かったけど!この白い粒と黄色い卵焼いたのおいしい」
「たくさんあるから食って」
「うん、ありがとう!このスープもおいしいー」
懐記と外神、トゥナーとフェシェスタが用意した朝食を食べる、おにぎりとだし巻き卵に焼いた肉と具沢山のみそ汁に熱いお茶、ナギは幸せそうに笑っている。
「本当、懐記ちゃんの料理おいしい」
「うまい、おにぎりもっと」
フェシェスタもフォンもおにぎりをおかわりしながら、懐記と外神が握る様子を眺めている。
「同じおにぎりでも外神と懐記が握り方違うし味も変わるー」
「俺はばあちゃんに教わったから、柔らかく握って塩は手につける感じ」
「僕はしっかり握りますね、塩はご飯に混ぜてから握ります」
次々握っていく2人…ふと外神の手が止まりイザラ達も立ち上がる、ナギも剣を手に空間に視線を向けた…。
一方そのころのグローリー、《ガンネ国》と《ノゼバ国》の最前線手前まで超長距離転移を発動させ到着したが、負担が大き過ぎた。
身体が重い視界がふら付く、ゴーレムと元合成獣達も心配そうに水や果物をグローリーに渡しそれを呑み込む。
「ありがとう…あともう少し…」
後1回の転移でイザラ達の元へ行ける筈、気配を感じるもう近いのは分かってはいるが…身体は休憩を求めている。
「……うん…少しだ…け…いる、来た。ごめん…いこ」
イデア達の気配の先に新たに魔人の気配、不安定で怒っていてお腹が空いていて…痛みを抱えた子供がグローリーを待っている…グローリーはゴーレム達を抱え再度ナイフを出して転移を行った。
「兄……」
「良かった会えた…俺はイザラ」
「親父待ってるぞ、俺はイデアな。お前に会いに来た」
「……父上」
空間を裂いて現れたのは顔の傷が生々しい少年、白い顔に無表情でイザラ達とナギを見ていた。
「俺が傷を付けたヤツ…」
「お前を殺す、倒す」
「止めよう、帰ろう。みんな待ってる、傷も治せる」
「否だそいつを殺すまで父上に会いたくない」
「ナギは俺達と一緒に行くんだよ、友達になったから。戦争も終わりにする」
裂いた空間が閉じ少年がナギを睨み続ける、イザラとイデアがナギと少年の間に割って入り場を収めようとする。
「戦争はどうでもいい、弱いどいつもこいつもそいつ以外、そいつはおかしい人の振りをした何か、人の容をした別物」
「うん、でも友達」
「そうそう、いんだよ、ナギはナギ」
「イザラ、イデア…」
「戦争終わらせれば傭兵はお役御免だ、もう間もなく終わる。そうしたらイザラとイデアとみんなでうまい物沢山食べろよ」
「ジラおにーさん」
少年の言葉にイザラとイデアも頷きそれでも良い構わないと言えばナギ複雑な表情を浮べ、隣でジラがナギに笑いかける。
「否だ、そいつと戦かう」
「頑固なやつだなー分かったよ。ナギとやりたかったら俺を退けてからにしろよ」
「イデア?どうして?」
「ダメだ、家族って言ってたじゃないかイデア」
「だからだよ、力づくで止めて連れて帰る。傷も治ってない、痩せてるし、顔色も悪いし…親父が見たら悲しむしー俺達の友達とやり合ったら落ち込みそう」
「父上………イデアを退かせばそいつと出来るなら私はやる。それが魔人の本能…」
「オッケ、じゃやるか」
イデアが腕輪に魔力を込めゲーライフラステスの剣を出現させ構えれば、少年もまた腰に帯びた白く輝く剣を抜いた。
「似合わない剣だな」
「剣なんかどうでもいい《ガンネ》の王が寄越して来た」
「ふうん、後で似合いそうな剣探そうぜ」
「……行く」
少年はイザラに剣を向け一気に距離を詰めイザラ達は距離を置き、懐記と外神達は食事作りを再開し、フォン達は椅子に座りミルクを飲みながら観戦する事にした。
「いやぁ、若い若い」
「おーおーやれやれ、動画撮っておくか」
「グリが見たら凹みそうだなー、イデアの勝ちか。剣が合ってない、傷も痛いだろうし痩せているからな」
フェシェスタが面白がりフォンはスマートフォンを出して録画を始め、ジラはそれを肴にミルクを飲み勝敗はイデアが有利と見ていた…。
「ん」
間も無く陽が昇る朝、空は暗く懐記が空を見るジラの傍らに立つ。
手当や風呂食事を提供しひと段落着いた後、懐記が《ノゼバ国》へ届け崇幸に託して戻ったのが今。
「後は魔人に会って、ナギっちはどうする?」
「どうもしないさ、好きなようにやればいい」
「ふうん、連れて帰ってもいいわけ?」
「……望めば」
「そう、じゃ口説いとくわ」
「ああ」
懐記の軽口にジラが笑う、あの少年の何もかもがかつてのジラの友のナギと一致する。英雄王と謳われた少年、戦場は年齢など関係ない強く手柄を立て名声を上げれば有名になり長く戦場に留まり生き残れば名は勝手に売れていく、それが戦場だった…すくなくともジラにとっては生活の場であり、明日の糧を得る場であり、あした生きているか保証の無い場だった。
「おはよ、おにーさん達早いね」
「おはよ」
「おはよ、ナギっち、ミルク飲む?」
「ミルク!?あるの?」
「あるある」
「そこ座って」
「うん!」
「おはよう…」
「おはよ、早いじゃん」
「イザラっち達もミルク飲む?」
「飲む、温かいの」
「俺もー」
「あたたかいの!?]
「ちょっと待ってて」
朝も早くナギがバスのテントから起き出し活き活きとした目でミルクに反応すれば、イザラ達も起き出し椅子とテーブルに座って懐記が用意してくれるミルクを待つ。
「イザラ達はいつもおいしいもの食べているのか?」
「うん、オムライスが好き」
「親父たちみんな料理美味いぞ」
「そうかぁ、いいな」
「食べに来て、卵美味しいよ」
「うん、来いよ」
「いいの?」
「家族多いから…いつも食事は沢山作る」
「そーそーおすそ分け?したり貰ったりしてるな」
イザラ達の会話を離れた場所で聞くジラ、喋り方も声も懐かしい…。
「おはようございます、周辺は今の所問題異常はないですね…」
「ああ…」
「ほい、出来た」
トゥナーもまた楽し気に話すナギの顔を眺め懐かしさに浸っている、懐記がコンロで温めたミルクをコップに注いで皆に振る舞いゆっくりと空が明けて行った。
「もう、いい、待てない私は行く」
「お待ちください!」
「単騎でむかうつもりか?」
「ああ、他が弱すぎる足で纏い」
「《ノゼバ》は間も無く何もしなくとも落ちる」
「どうでもいい、私の顔に傷をつけた者を倒す」
「そうか…止はしない、だがこの国を勝利に導いてくれた礼をしよう」
「お父様!」
《ガンネ国》の王城謁見の間において顔に傷を負った少年が王を睨みつけ戦場に向かう事を告げる、傍らの王女は顔を青ざめ引き止めない国王…父親に向かって声を上げた。
「アネイシャ、下がれ」
「…申し訳ありません…」
少年は窘めれた王女を顧みない、空間を裂き転移で最前線へと戻っていく、王女は不安げな表情で見送った。
夜が終わり朝が訪れる、可憐な王女は無事に戻るように祈りを捧げた…。
「美味しい…懐記!昨日の飯も美味かったけど!この白い粒と黄色い卵焼いたのおいしい」
「たくさんあるから食って」
「うん、ありがとう!このスープもおいしいー」
懐記と外神、トゥナーとフェシェスタが用意した朝食を食べる、おにぎりとだし巻き卵に焼いた肉と具沢山のみそ汁に熱いお茶、ナギは幸せそうに笑っている。
「本当、懐記ちゃんの料理おいしい」
「うまい、おにぎりもっと」
フェシェスタもフォンもおにぎりをおかわりしながら、懐記と外神が握る様子を眺めている。
「同じおにぎりでも外神と懐記が握り方違うし味も変わるー」
「俺はばあちゃんに教わったから、柔らかく握って塩は手につける感じ」
「僕はしっかり握りますね、塩はご飯に混ぜてから握ります」
次々握っていく2人…ふと外神の手が止まりイザラ達も立ち上がる、ナギも剣を手に空間に視線を向けた…。
一方そのころのグローリー、《ガンネ国》と《ノゼバ国》の最前線手前まで超長距離転移を発動させ到着したが、負担が大き過ぎた。
身体が重い視界がふら付く、ゴーレムと元合成獣達も心配そうに水や果物をグローリーに渡しそれを呑み込む。
「ありがとう…あともう少し…」
後1回の転移でイザラ達の元へ行ける筈、気配を感じるもう近いのは分かってはいるが…身体は休憩を求めている。
「……うん…少しだ…け…いる、来た。ごめん…いこ」
イデア達の気配の先に新たに魔人の気配、不安定で怒っていてお腹が空いていて…痛みを抱えた子供がグローリーを待っている…グローリーはゴーレム達を抱え再度ナイフを出して転移を行った。
「兄……」
「良かった会えた…俺はイザラ」
「親父待ってるぞ、俺はイデアな。お前に会いに来た」
「……父上」
空間を裂いて現れたのは顔の傷が生々しい少年、白い顔に無表情でイザラ達とナギを見ていた。
「俺が傷を付けたヤツ…」
「お前を殺す、倒す」
「止めよう、帰ろう。みんな待ってる、傷も治せる」
「否だそいつを殺すまで父上に会いたくない」
「ナギは俺達と一緒に行くんだよ、友達になったから。戦争も終わりにする」
裂いた空間が閉じ少年がナギを睨み続ける、イザラとイデアがナギと少年の間に割って入り場を収めようとする。
「戦争はどうでもいい、弱いどいつもこいつもそいつ以外、そいつはおかしい人の振りをした何か、人の容をした別物」
「うん、でも友達」
「そうそう、いんだよ、ナギはナギ」
「イザラ、イデア…」
「戦争終わらせれば傭兵はお役御免だ、もう間もなく終わる。そうしたらイザラとイデアとみんなでうまい物沢山食べろよ」
「ジラおにーさん」
少年の言葉にイザラとイデアも頷きそれでも良い構わないと言えばナギ複雑な表情を浮べ、隣でジラがナギに笑いかける。
「否だ、そいつと戦かう」
「頑固なやつだなー分かったよ。ナギとやりたかったら俺を退けてからにしろよ」
「イデア?どうして?」
「ダメだ、家族って言ってたじゃないかイデア」
「だからだよ、力づくで止めて連れて帰る。傷も治ってない、痩せてるし、顔色も悪いし…親父が見たら悲しむしー俺達の友達とやり合ったら落ち込みそう」
「父上………イデアを退かせばそいつと出来るなら私はやる。それが魔人の本能…」
「オッケ、じゃやるか」
イデアが腕輪に魔力を込めゲーライフラステスの剣を出現させ構えれば、少年もまた腰に帯びた白く輝く剣を抜いた。
「似合わない剣だな」
「剣なんかどうでもいい《ガンネ》の王が寄越して来た」
「ふうん、後で似合いそうな剣探そうぜ」
「……行く」
少年はイザラに剣を向け一気に距離を詰めイザラ達は距離を置き、懐記と外神達は食事作りを再開し、フォン達は椅子に座りミルクを飲みながら観戦する事にした。
「いやぁ、若い若い」
「おーおーやれやれ、動画撮っておくか」
「グリが見たら凹みそうだなー、イデアの勝ちか。剣が合ってない、傷も痛いだろうし痩せているからな」
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