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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう
第022話 ヴェリ?
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その生き物は誰かと仲良くなりたくて、遊びたくて遊んで欲しくて…でも皆が怖がるがら、じっとしている事にした、いつかいつかきっと遊んでくれる誰かが見付けてくれると信じて…。
「うん、状態もいいね気に入ったよ」
「後は魔王に会えれば良いですね」
「楽しみですね」
ファミから借りた鍵をドアの古めかしい鍵穴に入れて回せば簡単にドアが開き中に招かれる。
中は木と岩で造られカウンターとテーブルと椅子が置いてあり、資料によると老夫婦が営んでいた食堂だったらしく温かみもあり千歳は気に入った。
「奥にいるようだね、来て貰えるかな」
奥の扉の先にどうやらここの建物を曰く付きにした数外個体魔王がいるらしい、千歳が声を掛ければゆっくりと扉が開いた…。
『いらっしゃい、さ、パンをどうぞ』
この家にいた老婆は目が見えなかったから、この姿を見ても怯えなかった。
『こんなおばあちゃんのお友達になってくれてありがとう、主人も死んで、私も目が見えなくなって店も辞めて…来てくれる人も減って寂しかったの、嬉しいわあ』
朗らかな老婆、目が見えなくとも不思議と家の事はよく分かると微笑んでいた。
『ふふ、あなたと後どの位おしゃべり出来るかしら』
確かに先は短いだろう、だからこの場所を大切にした…。
『ヴェリ!』
「わ、君が魔王だね。初めまして穂高千歳です、僕も魔王だよ」
『ヴェ!ヴェリ!』
扉の奥から千歳に駆けよって来たのは、淡い蒼白の肢体に赤紫の斑模様の豹の様な見た目の大型犬サイズの数外個体魔王だった。
千歳を見て嬉しそうに周りを周り、千歳の身体に擦り寄せた。
「随分愛想の良い魔王ですね」
「どうします?連れていきますか?」
「そうだね、この子が良ければ。君はどうして此処にいたのかい?」
『ヴェ!ヴェ』
「皆と遊びたいけど皆怖がるからここにいたんだね、優しい子だ君は」
『ヴェリ!』
「僕達と来るかい?遊んでくれる子ども達が沢山いるよ、君はもう寂しくない」
『ヴェリ!!』
「わ、そうか…ずっと独りだったんだね」
千歳の言葉に良く熟れたベリー系の果物を思わせる瞳がぱあっと輝き嬉しそうに千歳に身体を寄せる、ネコ科の動物を思わせるが何処か犬の様で、幼い頃犬を飼いたくて両親に頼んだ事を思い出す、母親が犬アレルギーだったので飼えなかった……此処には改めて様座な種族の動物がいる、友人としてだ、この数外個体魔王も友人だあの時ペットを飼えなくて良かったと思う、千歳が数外個体の魔王の頭を撫でた。
ラジカはその様子を静かに眺め、コーカスは面白そうに眺めた。
「この子を連れて、ファミさんの所へ戻ろうか。この家を店として使いたいのだけれど良いかな?」
『ヴェリ!』
「なら、行こうか」
数外個体魔王にこの建物を使っても良いか聞けば嬉しそうに頷く、転移で千歳達は商業ギルドへ向かった。
「も、もうしわけぇございませぇん!」
「いえ、良いんです。あの物件購入させて下さい、中に入る事が出来問題がない事を確認できましたから」
「そ、そうなんですね、わ、わかりました。すぐ、じゅ、じゅんびします」
「お疲れさまでした、皆さん。解決したようですね、コーカス殿は?」
「ええ、お陰様で。彼にはあの場にいた数外個体魔王と先に《空船》に戻って貰いました」
「街中には難しいですか?」
「人の型をしていないからね、後で隠蔽魔法を掛けるよ。舵君達に頼んだから気に入った場所で過ごして貰えれば良い」
商業ギルドに戻るとユナイドとファミに迎えられラジカと千歳が手続きを行う、コーカスは数外個体魔王を連れて転移札で《空船》へと舵達が待ってくれている。
「はじめましてーかわいいねー俺は舵だよ」
「こんにちは、初めまして僕は燈火です。可愛いですねー豹っぽい」
「僕は率です、仲良くしてね。ふかふかですよ」
『ヴェリ!』
「とても人懐っこい魔王ですよね、大人しいですし」
コーカスに連れられた数外個体魔王を出迎えてくれたのは、舵、燈火と率だった。
「まずはみんなに紹介するからおやつにしよう」
「コーカスさんも一緒にどうですか?」
「良いのですか?是非ご一緒にと言いたい所ですが、良ければ包めますか?千歳さん達の所に持っていきますよ」
「ありがとうございます、今日のおやつは大学芋ですよーみんなで作ったんです」
「始めて聞く物ですが、楽しみですね」
コーカスがおやつの誘いをまた千歳達の元へ戻ると伝え、舵達が準備をしてくれる数外個体魔王は尻尾を振って喜んでいた。
「以上で売買はかんりょうでふ…」
「ありがとうございました、随分安くして貰って」
「い、いえ、200年も買い手が付かなかった場所ですからありがとうごいます」
「では、これがカジノタワーの商業エリアに入るカードです。店の出店はまた契約が必要です」
「は、はい!嬉しいです!ありがとうございます!」
ラジカが懐からカードを出してファミに渡す、また購入した建物を見に行こうかという話しをしているとコーカスが手に籠を持ち戻って来る。
「戻りましたよ、魔王殿は舵さん達にお願いしてきました。それとおやつを預かってきました、大学芋という物らしいです」
「それは良いですね、飲み物は…入っている、流石舵さん達」
「では準備しましょう」
「コーカス殿にお遣い事ですか…舵さん達も中々豪気ですね」
「私は気にしませんよ、お世話になっていますから」
ラジカが飲み物を準備し千歳が籠の中のラップに掛けられた山盛りの大学芋の皿を置き、取り分け得て皆の前に置いていく、ユナイドがコーカスを遣いに使うとは内心ちょっと引きつった。
「僕とラジカとコーカスさんはコーヒーで良いかな、ユナイドさんは何を飲む?お茶と果実水とコーヒー、ミルクもあるけれど、ファミさんも何を飲みます?」
「そうですね、私はミルクを頂きます」
「ミ、ミルク?もしや…」
「モギのミルクです」
「ひゅ、わ、わたしも、ミルクを…」
ミルクと聞いて何処か興奮気味のファミ、モギのミルクが手に入る場所は多くあるわけではない、それでいて高価な物だ、庶民が飲める代物でもないだろうと千歳がにこっりと笑ってティーカップに注いだ。
「この大学芋という物美味ですね」
「ふ、ふぁい!」
「僕も久しぶりに食べたよ、懐かしいね」
皮付きのサツマイモ、皮ごと揚げて水あめを掛けて……母親が良く作っていた物だ、父親の好物でもあった。
「おいしいですね」
「ミルクが合いますね」
「こ、このミルクは、花の香りがします!まさか最上品ですか?こ、こんなのこの国王でも飲めませんよ?」
「ふふ、商業エリアにくれば分かりますよ」
ミルクを飲み興奮気味のファミに笑い、しばし会話を楽しんだ後購入した建物に向かった。
「うん、状態もいいね気に入ったよ」
「後は魔王に会えれば良いですね」
「楽しみですね」
ファミから借りた鍵をドアの古めかしい鍵穴に入れて回せば簡単にドアが開き中に招かれる。
中は木と岩で造られカウンターとテーブルと椅子が置いてあり、資料によると老夫婦が営んでいた食堂だったらしく温かみもあり千歳は気に入った。
「奥にいるようだね、来て貰えるかな」
奥の扉の先にどうやらここの建物を曰く付きにした数外個体魔王がいるらしい、千歳が声を掛ければゆっくりと扉が開いた…。
『いらっしゃい、さ、パンをどうぞ』
この家にいた老婆は目が見えなかったから、この姿を見ても怯えなかった。
『こんなおばあちゃんのお友達になってくれてありがとう、主人も死んで、私も目が見えなくなって店も辞めて…来てくれる人も減って寂しかったの、嬉しいわあ』
朗らかな老婆、目が見えなくとも不思議と家の事はよく分かると微笑んでいた。
『ふふ、あなたと後どの位おしゃべり出来るかしら』
確かに先は短いだろう、だからこの場所を大切にした…。
『ヴェリ!』
「わ、君が魔王だね。初めまして穂高千歳です、僕も魔王だよ」
『ヴェ!ヴェリ!』
扉の奥から千歳に駆けよって来たのは、淡い蒼白の肢体に赤紫の斑模様の豹の様な見た目の大型犬サイズの数外個体魔王だった。
千歳を見て嬉しそうに周りを周り、千歳の身体に擦り寄せた。
「随分愛想の良い魔王ですね」
「どうします?連れていきますか?」
「そうだね、この子が良ければ。君はどうして此処にいたのかい?」
『ヴェ!ヴェ』
「皆と遊びたいけど皆怖がるからここにいたんだね、優しい子だ君は」
『ヴェリ!』
「僕達と来るかい?遊んでくれる子ども達が沢山いるよ、君はもう寂しくない」
『ヴェリ!!』
「わ、そうか…ずっと独りだったんだね」
千歳の言葉に良く熟れたベリー系の果物を思わせる瞳がぱあっと輝き嬉しそうに千歳に身体を寄せる、ネコ科の動物を思わせるが何処か犬の様で、幼い頃犬を飼いたくて両親に頼んだ事を思い出す、母親が犬アレルギーだったので飼えなかった……此処には改めて様座な種族の動物がいる、友人としてだ、この数外個体魔王も友人だあの時ペットを飼えなくて良かったと思う、千歳が数外個体の魔王の頭を撫でた。
ラジカはその様子を静かに眺め、コーカスは面白そうに眺めた。
「この子を連れて、ファミさんの所へ戻ろうか。この家を店として使いたいのだけれど良いかな?」
『ヴェリ!』
「なら、行こうか」
数外個体魔王にこの建物を使っても良いか聞けば嬉しそうに頷く、転移で千歳達は商業ギルドへ向かった。
「も、もうしわけぇございませぇん!」
「いえ、良いんです。あの物件購入させて下さい、中に入る事が出来問題がない事を確認できましたから」
「そ、そうなんですね、わ、わかりました。すぐ、じゅ、じゅんびします」
「お疲れさまでした、皆さん。解決したようですね、コーカス殿は?」
「ええ、お陰様で。彼にはあの場にいた数外個体魔王と先に《空船》に戻って貰いました」
「街中には難しいですか?」
「人の型をしていないからね、後で隠蔽魔法を掛けるよ。舵君達に頼んだから気に入った場所で過ごして貰えれば良い」
商業ギルドに戻るとユナイドとファミに迎えられラジカと千歳が手続きを行う、コーカスは数外個体魔王を連れて転移札で《空船》へと舵達が待ってくれている。
「はじめましてーかわいいねー俺は舵だよ」
「こんにちは、初めまして僕は燈火です。可愛いですねー豹っぽい」
「僕は率です、仲良くしてね。ふかふかですよ」
『ヴェリ!』
「とても人懐っこい魔王ですよね、大人しいですし」
コーカスに連れられた数外個体魔王を出迎えてくれたのは、舵、燈火と率だった。
「まずはみんなに紹介するからおやつにしよう」
「コーカスさんも一緒にどうですか?」
「良いのですか?是非ご一緒にと言いたい所ですが、良ければ包めますか?千歳さん達の所に持っていきますよ」
「ありがとうございます、今日のおやつは大学芋ですよーみんなで作ったんです」
「始めて聞く物ですが、楽しみですね」
コーカスがおやつの誘いをまた千歳達の元へ戻ると伝え、舵達が準備をしてくれる数外個体魔王は尻尾を振って喜んでいた。
「以上で売買はかんりょうでふ…」
「ありがとうございました、随分安くして貰って」
「い、いえ、200年も買い手が付かなかった場所ですからありがとうごいます」
「では、これがカジノタワーの商業エリアに入るカードです。店の出店はまた契約が必要です」
「は、はい!嬉しいです!ありがとうございます!」
ラジカが懐からカードを出してファミに渡す、また購入した建物を見に行こうかという話しをしているとコーカスが手に籠を持ち戻って来る。
「戻りましたよ、魔王殿は舵さん達にお願いしてきました。それとおやつを預かってきました、大学芋という物らしいです」
「それは良いですね、飲み物は…入っている、流石舵さん達」
「では準備しましょう」
「コーカス殿にお遣い事ですか…舵さん達も中々豪気ですね」
「私は気にしませんよ、お世話になっていますから」
ラジカが飲み物を準備し千歳が籠の中のラップに掛けられた山盛りの大学芋の皿を置き、取り分け得て皆の前に置いていく、ユナイドがコーカスを遣いに使うとは内心ちょっと引きつった。
「僕とラジカとコーカスさんはコーヒーで良いかな、ユナイドさんは何を飲む?お茶と果実水とコーヒー、ミルクもあるけれど、ファミさんも何を飲みます?」
「そうですね、私はミルクを頂きます」
「ミ、ミルク?もしや…」
「モギのミルクです」
「ひゅ、わ、わたしも、ミルクを…」
ミルクと聞いて何処か興奮気味のファミ、モギのミルクが手に入る場所は多くあるわけではない、それでいて高価な物だ、庶民が飲める代物でもないだろうと千歳がにこっりと笑ってティーカップに注いだ。
「この大学芋という物美味ですね」
「ふ、ふぁい!」
「僕も久しぶりに食べたよ、懐かしいね」
皮付きのサツマイモ、皮ごと揚げて水あめを掛けて……母親が良く作っていた物だ、父親の好物でもあった。
「おいしいですね」
「ミルクが合いますね」
「こ、このミルクは、花の香りがします!まさか最上品ですか?こ、こんなのこの国王でも飲めませんよ?」
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