あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

Stage.6-9 王様やって

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「救世主の皆様お会い出来光栄です、私は《イグン王国》国王オベリスカ・イグン。コーランダーファッドを父に精霊を母に持つ種です」
「お会い出来こちらも光栄です陛下、皆藤 崇幸と申します」
「俺は時永 詠斗です」
「僕は更級 綴と申します。オベリスカ様」
「俺はギーギス」
「私はシュリと申します」
仮面を付けた王、オベリスカ・イグンは優し気な声で大仰に頷く、勿論此方が来た理由も理解していた。
「元々此方は戦をする気は無かったのですが…《ブリキノ国》が仕掛けてくるというので兵士を募った次第です。ここにある精霊の血を狙っての事、人の見る夢や野望はいつも変わらぬ物ですね…」
「こちらは戦争を止める、《ガーデン王国》を戦場にしないというお願いをしにきました」
「はい、《アタラクシア》の救世主の皆様から願い、オベリスカ・イグンの名において応じましょう。《ブリキノ国》との話し合いを…」
「申し訳ない、今《ブリキノ王国》にいる仲間からの連絡が来たので状況の確認をさせて頂きます…懐記君か?こっちの話し合いは…済んだぞ……何だって!?それで他の皆は?」
懐記からスマートフォンに連絡が入り此方の状況を確認し、懐記達の方の状況も確認すれば崇幸が驚きの声を上げた。

「そーそー、こっちの王様は魔人に殺されて今ジラっち達が戦闘中っと派手にやってるわ」
『今の音がそうなのか!?』
「そー、で王様殺されたからこの国は大パニックなわけ。今のは爆発?ぽいわ」
『そうだろうな、こっちは問題ない。陛下もこちらの意図を汲んでくれている……よし話しが終わり次第そっちに向かう』
「おけ、ホスィソっちがいるから王様やって貰って」
『良い考えだな懐記君!』
「でしょ」
城の外の庭で懐記がまず崇幸に連絡し、こちらの状態を伝えている途中で外神達がいた場所、謁見の間がぶっ飛び音が崇幸まで伝わった。
通話を終わらせ懐記は爆発音を聞き付けても来る気配がない兵士達と侍従達、王が殺害された話しだけは瞬く間に広がった様で皆我先にと城の金目の物を盗み逃げていく様子を眺めた。
「この国の王様人気ないわ、ま、いっか」
懐記は吹き飛ばされた謁見の間の方を見、崇幸達の到着を待つ事にした。

「という訳だホスィソ君、《ブリキノ国》の王様をしてくれ」
「は?」
「戦争回避良かったな、大丈夫だ。お前が王になったら支えるさ……まあぼちぼち」
「はい!僕もお給料貰えればお仕えします!」
「おー王子様から一気に王様かーおめでとう」
「よーし、酒飲もう」
崇幸がホスィソの肩を叩けば仲間たちが祝福をしてくれる一応、当のホスィソは戸惑い首を横に振った。
「じゃ、《ブリキノ国》の新しい王様はホスィソって事で!」
「はい、行きましょう《ブリキノ国》へ。懐記君達が心配です」
「では、私も行って良いですか?」
『え?』
詠斗と綴が急かすそこで手を上げたのは…オベリスカ、この国の仮面の王だった…。

「魔人て強いわ」
「ジラ、負けんのか?」
「えー《傭兵王》負けちゃう?」
「ジラ君…負けないでくださいね」
「私とも手合わせ願いたかったのだが」
「おい、勝手に決めるなよー。そう言ってるお前たちはどうなんだよ」
謁見の間を吹っ飛ばしたジラvsエスパール、ジラの聖剣と魔剣が荒れた結果魔法が発動し、他の魔人達と交戦中のフェシェスタ達もジラをからかいながらも余裕は無い。
「なぁんだ、クロマイトー大した事ないよー《傭兵王》って」
「なら、さっさと終わらせるべき…」
「戦闘中に他との会話は感心しません、ぶれますよ?」
エスパールが退屈そうにジラを眺め、クロマイトはトゥナーと距離を取り間合いを図っている。
「狼さーん息上がってる?休憩する?」
「あ?そっちこそ休憩したいんじゃないのか?」
「そんな事ないよ」
速さが互角なフォンとシリカ、互いの剣捌きも互いに流し体力の削り合いが続く。
「さて、剣も飽きたしー鞭でいこうかなー」
「ひゅーじゃこっちも武器変えよーんーじゃこっちも鞭ね」
剣だと埒が明かないとフェシェスタが剣を放り腕輪を鞭に変えれば、スラグもまた剣を鞭に変え打ち合いが始まる、小さな傷を負いつつフェシェスタが間合いを詰めていった。
「剣鬼って強いねー《剣鬼師》ラカンとやってみたかったけど、君も中々だね」
「…私はあの位まで辿り着かなかったが…誉め言葉とて頂戴しておこう」
「お世辞は好きじゃないからねー本当にそう思うよ。彼もドラゴンと婚約しなければ長生き出来たのにねぇ。そう思うでしょう?」
「…確かに」
コーテッドの大剣を細身の剣で躱し、会話を続けるコーテッドとマユラ、ラカンを知っているという事は2千年以上前から存在する魔人達か、マユラはちらりと外神達の方を見る、12名の混戦で城が間もなく崩れるだろう、外神にマユラとフェシェスタが目線を送った。
「本気を出す気がないのか?」
「そちらもですね」
「雇い主は殺したし、あの薄いのは外だからな…」
「なら、止めますか?そうして貰えれば助かります…」
「イライラする…1人くらい首を持って帰る…」
ゴートが片手で外神んの銃の玉を全て弾く、玉は撃ち続け雷撃、炎、氷結魔法を絶え間なく放ち、ゴートの周囲の重力を重力魔法で重くしても不機嫌そうな顔色1つ変えず攻撃を防ぐ。
「お前らのリーダーすごいな」
「でしょでしょ!うちのリーダーすごいんだから!」
ジラがすごいと言えばエスパールが喜ぶが互いに攻撃の手は緩めない、フォン達も外神とゴートの戦いを見ながら攻撃を互いに与え続けていく。
「こんなもんか…次は俺がやる…」
「《仮面卿》…リーダーは破壊魔法を使う、転移出来る者は?」
「転移石があります…」
「そうか…ならリーダーが破壊魔法発動した瞬間動き出し仲間達と外へ出ろ」
「分かりました…すみませんが僕をジラ君の元へ飛ばして下さい」
「ああ…」
ゴートの気配の変化を感じクロマイトがトゥナーに小声で囁き、クロマイトがトゥナーをジラの方へ向かって蹴り飛ばす。
「ん?師匠?」
「リーダーが破壊魔法を放つよん、逃げて」
「おい」
「感謝します、転移石の準備を」
「また今度あそぼ、次は綺麗にぐちゃぐちゃにしてあげる」
剣を交えながら吹っ飛ばされて来たトゥナーにジラが首を傾げれば、エスパールが耳元で囁き魔剣と聖剣は不満そうだがジラもすぐに転移石に指を置く。
「あーあ、残念。狼のおにーさん転移出来る?」
「あ?お前のリーダーいかれてんな、出来る」
「また今度ね」
シリカもまたゴート気配の変化に気づきフォンに囁く、フォンがゴートの方を見て思い切り顔を顰めて転移石に魔力を込めた。
「……ここから出て、鬼人なら転移出来るね」
「感謝する」
スラグの唇の動きをマユラが読み言葉短く礼を伝え、フェシェスタの元へ向かう。
「んーじゃまた」
「これはお預けだな、マユラ」
「フェス、行くぞ」
スラグが鞭をしまい手をフェシェスタに振り、マユラがフェシェスタの元へ外神以外は転移で外へと脱出する。
「どうする?異界人」
「皆さんが出たので特には…」
「リーダー破壊魔法は止めて下さいよ」
「ぐちゃぐちゃになるけどなんか違うんだよ」
「お前も出ろ…」
「そう、またね」
「またあそぼう」
ゴートが爪を噛み外神を睨む、コーテッド達もゴートの側に移動し外神に此処から出る様に促し外神も頭を下げて転移で城から脱出する。
「破壊魔法発動」
ゴートが唱えると同時に空間を割いて魔人達も全員その場から消える、城が粉々に砕け崩れ一瞬で瓦礫の山と化した…。
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