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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

第6幕 第3話 飛翔

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『とういう訳で魔人の傭兵集団を雇った国が《ガーデン王国》を巻き込んで《イグン王国》と戦争を起こすらしい…試しに作ってみたヘリコプター(仮)で外神君達と同じ位…もしくは早めにガーデン王国に行くつもりだ』
「……危険過ぎます」
『皆承知の上だ…せめて《ガーデン王国》晴海君が助けたいと思った国は護りたい…」
「崇幸さん…今から行けるメンバーをせめて…」
『千歳君無理はしなくていい…すまないな。そっちも大変だろう』
「崇幸さん…少しみんなと話しあいます…」
『ああ、俺たちは《アタラクシア号》チグリス君、ラウラス君、トイ君と新たに加わったエピシュという妖精を残して今から向かう』
「分かりました」
『なあに、自分たちが出来る事をするさ無茶はしない…なるべくな』
「その言葉信じます」
『ああ…』
そう言ってスマホが切れる、千歳が深呼吸をして冷静に思考を巡らせる、タイミングが色々と不味い…どうしてこうなる、まるで何かに邪魔をされているように…。
「千歳、戦争か…俺が行く」
「ジラさん…相手に魔人の傭兵集団がいると…《砂城の牙》という名前だけど」
「ああ、知っている。師匠がいるからな。だが状況は良くないな。何回転移すれば着くか」
ジラが千歳に自分が行くと伝える、問題は此処からどれ程の時間を有するのかだ。
「私たちも行こう、魔人の傭兵興味有りだ」
「流石大陸を越えれば強者有り」
「んじゃ、マユラもシュリも行くって言うしー俺達も行こうか、なフォン」
「はあ?ふざけんな誰が行くか俺は盗賊専門だ傭兵じゃねぇ」
マユラ、シュリ、フェシェスタ、フォンが続いて自分達も《ガーデン王国》へと名乗りを上げる、グローリーも自分もと言うがメシュレラがそれを阻む。
「許可しない、弟。傭兵をするような魔人達だおそらく此方の話など聞かないだろう、魔神皇のお前が行けば刺激を与える可能性もある」
「お兄ちゃん…イザラとイデアがいる…」
「ああ…あの2人なら大丈夫だ。必ず晴海と一緒に帰ってくる、息子達を信じろ。お前を待つ孤児院の子供達もいるんだ」
「そう…だね、グリ君、メシュレラさん《空船》をお願いしたいな。こんな時だからこそ…」
「千歳………分かった、船、守る…」
メシュレラと千歳の説得に諦めきれないがグローリーが受け入れる、後は移動手段やはりポイントを支払い神々に頼んで転移させるのが一番簡単だろう。
「私が運ぼう」
「イシュター良いのか?」
「イシュター様それは…」
イシュターが前へ出る、ジラがイシュターの横顔を見つめライガルが焦る。
「構わない、私は皇国を造ったが…皇国の龍ではない。私の翼なら1日で行ける、認識疎外と隠蔽で目立ちはしないだろう」
「しかし……いえ、そうですね。イシュター様の翼なら間に合いますね」
「そうか……」
「千歳さん、イシュターに頼もう。こっちはこっちで恐らくかなりの時間を要する物だろう。戦争も出来るなら回避したい。それには速さが必要だ…ポイントは最終手段にしよう。これから本腰を入れてポイントを稼ぐ事も視野に入れおこう」
「そうだね、分かった。イシュターさんお願いします」
「ああ、分かった」
「では薬や薬草を用意しましょう」
「食料も追加で収納袋に入れて運んでくれるかな」
「了解、よし1時間後に出発な」
「勝手に決めんな」
大河の提案に千歳も同意する、思考の切り替えを行い今しなければならない事を纏め、蒐集家と大河が薬の準備、他に連絡をし追加の薬草や食料の運搬を頼み、マユラとシュリは部屋へ戻り装備を整え、フェシェスタはフォンを宥めている。
「フォンさん…フェシェスタさん晴海さんの所に行くの?」
「がんばれー」
「お前たちが行くなら安心だな!」
少し不安がるベルン、2人ならと元気に見送るカタンとラピス、フェシェスタが3名の頭を撫でてやりフォンもベルンの表情を見て頭を撫でた。
「ち、すぐ戻るから」
「はい…」
「だいじょーぶ、ベルンちゃんすぐ帰ってくるから!」
「はい!これミルク途中で飲んで下さい」
「ああ…」
ミルクが入った瓶を受け取り収納にいれる、荷物は収納袋に入っているので時間までベルン達空の上で過ごした。

「もう驚いたよ、急に晴海ちゃん達の所に向かうっていうから」
「こ、これお弁当みんなで作りました食べてください」
「僕も作ったので食べてくださいね」
出発間際連絡を受けた舵、率、燈火が見送りに来てバスケットやタッパや水筒に入れた食事をジラ達に渡していく、蒐集家も薬をジラに渡す。
「傭兵の魔人…どれほどの強さか」
「…さて、噂や伝説みたいなもんだからな」
「ただでは済まなさそうですね」
「戦場で無傷で帰れるとか甘い事思っているやつから先に死ぬ」
「それもそうですね、ご武運を」
「心の底からそう思ってなさそうだがな」
「ふ…貴方はそう簡単に壊れたりしないでしょう」
「……さあ」
ジラと蒐集家のやり取り、チリン……ジラは人生の大半は戦場にいたそれこそ死にそうな目等幾らでも遭って来たし絶対に生き残ってやるという気持ちも薄いが、今は帰って来たい場所がある、死ぬつもりはない。
「甲板出る…」
イシュターの声にジラ達が頷く、皆に見送られ甲板へと赴いた…。

「では背に乗れ…』
甲板から空に浮かんだイシュターが緋色と黄金と赤で構成された深紅龍へと転じ、その背に飛び移り結界を張り翼を傍目かせあっという間に空高く飛んでいく。
「ああ…本当にお前は綺麗だな」
輝く鱗波打つ鬣…ジラが笑みを浮かべその美しさに称賛の言葉を口にする、マユラとシュリは景色を楽しみフェシェスタは寝ころび、フォンはむすっと座っていた。
「空が美しいな…」
「はい…」
マユラが笑みを零しシュリが頷く、イシュターはジラの言葉に内心笑みを零し目的地に向かって空を駆けた…。
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