あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

第6幕 第2話チーム結成×Stage.6-2 傭兵集団

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Stage.6-2 傭兵集団
「今日はミルクシチューとパン、ご飯食べたい人はご飯もあるすよ」
「サラダとステーキもありますよ」
《アタラクシア号》の厨房で懐記、ラウラス、トゥナーが夕食を用意してくれる、作業の手を止め先に風呂に入って来た崇幸達が夕食を受け取り食事を始めた。
「うまいなあー」
「美味しいですねー」
「パンおかわりしよ」
「俺も…」
仕事後の夕食は染みるとシチューとパンを食べながら、マンドランド達と野菜や果物を収穫してから風呂に入って来たイザラとイデアも合流して夕食を食べ始めた。
「ステーキおいしい」
「ん、うまい!」
「本当懐記は料理うまいよなー」
長風呂だったギーギスもシチューとステーキ丼にして食べる、ゴーレムやお化け野菜、マンドランド達もいて賑やかに食事が進んだ…。

「おいしいー」
「たくさんたべてね!」
「これもどうぞー」
「慌てなくても誰も取らないぞ、よく噛め」
テントの中、風呂に入れて貰い服も着せて貰った獣人達、消化に良い具沢山スープと果物を沢山食べてツゥムストスが焦らないようにと促し、トハトネが追加の果物を剥き、ダージ、マーフがスープや飲み物を追加してやる。
ホスィソがお湯を沸かしお茶の準備を行い、痩せた子供達の身体を見て故郷の子供達に思い馳せた。
《ガーデン王国》の子供達も…いや大人達も痩せ食うに困る生活だ、民は国に必要な柱だと先代国王、ホスィソの祖父は良く言っていた。
「さ、沢山食べたら少し休もう」
お茶を並べ干した果物も並べる、また後で沢山作っておこうと思い子供達のぎこちない笑顔を眺めた。

「外神、ちょっと来てくれ」
「はい…」
「これを見てくれ、この先異常があるな」
「これは…見てきます」
「良いのか?」
「はい、晴海さんと空さんをお願いします」
「分かった」
バスの2階の簡易的なキッチンでパン等の備蓄を晴海と用意していた外神をチェカが呼び、運転席のモニターを見せ様子を探ると行って出て行く、チェカは何かを言いたげにしていたが晴海達の様子を見つつ周囲を警戒した。

第6幕 第2話チーム分け
「とまあ、そんな感じだからもう1度確認をするよ。僕とラジカ、蒐集家さん、大河君、デュスノアさん、ゴーシュさん、カイムさん、ヤハネさん、ハイン君とワグナー君で店の2階を拠点に情報収集と薬をばらまいている相手を探し確保、詳しい話しは拠点で行おうか」
「ゴーシュお父様ー」
「お、コーラス来たのか?」
『ゴーシュ、さっさと戻るのね!コイツと一緒にずっとは嫌なのね!』
話し合いをしていればゴーシュが養子に迎えた魔人の子供のコーラスとプンプン宙に浮いて怒るコォンがやって来る、ゴーシュがコーラスを抱き上げ怒るコォンを宥めていてもコォンの怒りは収まらない。
「ゴーシュ、お前は残れ」
「デュスノア…」
「子供に《グジャグ》は酷だ」
「そうだね、ゴーシュさん《空船》をお願いします」
「悪いな」
デュスノアと千歳の意見が一致しデュスノアは頷く、ゴーシュに抱えられたコーラスは嬉しそうにしている、その光景を眺めていたカイムが前に出る。
「話の続きな、やりたくねぇけど。俺とヤハネとハインとワグナーは情報収集で動く」
「ああ!真贋鑑定の見せ所だな!任せてくれ」
「俺もお手伝いさせて頂きます」
「宜しくお願いします」
「4人共よろしくね、明日朝には《グシャグ》に向かうから」
「あー支配人の親戚とか性格破綻してんだろどうせ」
「否定しないけどー減給しちゃおうかな、カイムー」
「は、副支配人に言い付けてやるよ借金支配人」
「はいはい、そこまでそこまで」
トラングを煽るカイム、ゴーシュが間に入るがこの程度の軽口は日常茶飯事の光景だ。
「今日は早目に休んで欲しいけど」
「俺はカジノ行く」
「俺は暫く休みにしといてくれ」
「オケオケ~」
「崇幸さんから連絡だね、はい…」
『千歳君悪いニュースだ…外神君達がこれから向かう《ガーデン王国》が巻き込まれる形で戦争が始まる』
「戦争…ですか?それはタイミングが悪い…」
スマホに崇幸から連絡が入る、崇幸の神妙なトーンの声で話される内容に流石の千歳もその周囲も空気が止まった…。

Stage.6-2 傭兵集団
時間は遡る、外神が異変がある方へバスから降りて距離を取り転移すればそこには、武装した集団…統一性の無い鎧や剣は傭兵集団だろうが血にまみれ倒れていた。
「………これは」
「う……なんだ迎えか?死ぬ時は美女に迎えに来て貰うって決めてんだよ俺は」
「お迎えではないです、傷薬や回復薬はありますから手当てしますよ」
「そうかい……何人生きている?」
「………全員辛うじて」
「はは…しぶといな」
辛うじて…本当に辛うじて虫の息で10数名が血塗れて倒れている、ほぼ一刀で行動不能にしている辺り剣聖や英雄とも呼べる存在か…または…思考を止めバスを遠隔で呼ぶ間に浄化魔法をかけて重症な者から診ていく。
「血が足りない…」
傷は手持ちの薬で酷い物から治す、晴海の回復魔法の札もあれば事足りるが皆血を失っていて顔色が悪い。
「おい、外神!これは酷いな」
「中に運んでもいいか?」
「お願いします…」
チェカとホスィソ達がテントの中に担いで連れていく、自力で立てる者達も見慣れぬ乗り物に驚きながらも命を最優先に指示に従って中へと進んだ。
「外神さん、これ燈火さんから預かったんだ再生魔法の札使って、俺は食べ物とか用意するよ、空がいるから中には入らないけど手伝う」
「…晴海さん、ありがとうございます。これで血が作れます」
「うん…」
晴海が心配そうに外神に札を渡す、傷は大分塞がっているので後は本人達の気力次第だった。

「ああ、あー眠い眠い、イラつく」
「リーダーお仕事中だよ」
「そーそー合図が来たら戦争戦争」
「戦…」
「さて、弱そうな国だしすぐ終わっちゃうなー」
「ぐちゃぐちゃ♪」
とある国の城の中、所謂謁見の間にいる6名の青年達。
目の前の玉座に座る王は青ざめた表情で青年達を見下ろす、真ん中のイライラと黒い爪を噛みひたすら眠いと言うリーダーと呼ばれる青年の青白い肌と目の下の深い隈、他の仲間の青年達はいつもの癇癪だと肩を竦めた。
「さっきの雑魚どもは腹の足しにもならない、眠い…」
「本当あちらも弱いの連れてきたよねー」
「あのさーもっと砕き甲斐があるのこないかなー」
「つまらん…」
「んー0点」
「ぐちゃぐちゃに出来なかったー」
「さ、さすがは《砂城の牙》労して呼んだ甲斐がある」
口々に物足りなさ手応えの無さに6名がつまらなさそうに玉座の王を睨む、狼狽え怯えゴクリと唾を飲み込む、王は…この勝利の呼び水にと呼んだ…必ず勝利をもたらすであろう切り札だ。
「開戦の狼煙は間も無く上げて貰おうか…眠いから早く…」
「明日、朝…」
王の言葉にリーダーが爪をカリカリ齧り頷く、ああ勝手に乗り込んで勝手にぶっ壊したい衝動を抑え6名は用意された部屋に向かう。

《砂城の牙》……他の大陸から渡って来た素性不明な傭兵集団、とある商人からの手引きでこの国《ブリキノ国》にやって来た。
国を大国…帝国にしたいと欲望を抱いた王の望みを叶える兵力……本当にそいなのか…背筋が虫を這うようなおぞましい感覚が産まれ、それから目を逸らした…勝てば良い…それだけだ…。
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