あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

第6幕 第1話 薬……×STAGE.6-1 獣人の奴隷

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第6幕 第1話 薬……
「いい場所ですね、ありがとうございます。早速店を出しても?」
「ええ、勿論。なんでも無人販売を行うと中々豪気な事をしますね」
「ええ、あくまで目的は中継地点設置ですから」
「こちらで人員を配置しても」
「そうして貰えるならお任せします」
「これは面白い、興味深いですね。私の拠点…ああそうだ私の本店《ラグライック商会》の拠点は隣の大陸の《コーデリ》という国にあります、よければ中継地点にお使い下さい。《ラグライック商会》には3名の支配人がいますから《コーデリ》の本店の支配人には話を通しておきます」
「初聞きですね、貴方が支配人だとばかり思ってましたが」
「20年ほど前に大きくし過ぎた結果管理が大変になりましてね。若い支配人を置くことにしました、中々優秀でしてね、私も今は隠居状態です」
「それはそれはさぞ優秀な人員なのでしょう」
「ええ」
案内された場所は程よく広く人通りも有り理想とも言える、崇幸と外神が設計し千眼と千歳で作った2階建て長方形の建物を収納から出して設置した。
コーカスの言葉にパイプは持って置いた方が良いと判断し、次は《コーデリ》と念頭に置いておく、
ラジカはコーカスの言葉に引っ掛かりを覚えつつ千歳同様《コーデリ》に向かう事を決めた。
「これは綺麗な物ですね」
「2階を中継地点としています、人が行き交うと思いますがよろしくお願いします」
「ええ、勿論」
「販売が始められるようにしておきます」
「では、私とコーカスは患者を連れて来ましょう」
アガ二ータとコーカスが馬車で患者を迎えに行く、トラング達も中に入り店造りを手伝う。
「ラジカ、しばらく僕はこの街で薬をばら撒いた者を追う事にするよ」
「千歳、私も残ります。どうも気になりますねこの街」
「私も残る、ライガル、トラングは船に戻れ。その代わり蒐集家を連れて来い、魔人の護衛もいるなカイムも連れて来い」
「ありがとうデュスノアさん、さてこの国は綺麗に歪すぎる」
「それは、あいつの国だからな」
「……」
「ライガルさん気にしないで、ライガルさんはライガルさんのすべきことをして欲しい。もちろんトラングさんもね」
「旅には興味あるが、俺も残るとする。コーラスとコォンは任せた皆がいるからな安心して任せられる」
「あーったくみぃんないい子ちゃんぶって、カジノが終わったら毎日来るよ。さっさと薬の出所割ってこんな腹黒な国出たら良いよー」
千歳、ラジカ、ゴーシュ、デュスノアが残る事にし事件を追う、デュスノアが蒐集家とカイムを呼ぶように言い、ライガルは微かに狼狽するも皇国がある宰相であるライガルが自由に出来る時間は限られている。
「いい子なのはトラングさんもね」
千歳が笑う、船の事は大河に…いや大河も来そうだ、グローリー、メシュレラ、率、舵、燈火に託す事にしよう何かあれば転移でどうとでもなるが、この事件それだけじゃ済まなさそうな気がする…それと皆の顔を見れるのは少し先になると思うと寂しい…。

STAGE.6-1 獣人の奴隷
「遅くなりました…」
「外神さん…その子たち…まずは食事と手当とお風呂と着替えだね」
「はい」
「その子たちは私たちが見よう、テントの中に入ろう」
「そちらの動物や馬も一緒に」
「お願いします」
「どうやら解決できたようだな」
「……はい」
バスの遠隔コントロールを使いバスの進行方向の少し先でバスを止め奴隷の子供達と魔物と馬と動物と乗り込み、チェカと晴海とウズラに出迎えられ、子供達の世話はホスィソ達に任せる事にした。
首輪は外し酷いケガは持っていた薬で治した、引き続きチェカに周囲の警戒を任せ食事の支度など行う為にテントに入り、晴海も2階でパンやおにぎり等作っていく、空はタージとマーフが彫ってくれた木彫りの人形とチェカがくれた人形で遊んでいた。

第6幕 第1話 薬……
「お待たせしました、彼らが患者です」
「分かりました、店はいつでも開店できます。それと薬の件が片付くまで僕と、ラジカ、ゴーシュさん、デュスノアさんと他の《アウトランダーズ商会》のメンバーで2階を拠点に過ごそうと思います」
「それはそれは…感謝します、良いのですか?ゴーシュ様まで」
「此処に千歳たちだけには出来ないからな」
アガ二ータとコーカスが戻り残る面子を伝えれば微かにアガ二ータが驚く、トラングはうんざりといった感じだ。
「分かりました」
「後でどこから周るのか等決めておきます、患者の皆さんを運びます」
「そうですか、良ければでは明日こちらに来ましょう」
アガ二ータとコーカスがニコリと笑い患者を乗せた馬車の扉が開かれる、薬と病人の臭い千歳が中を伺い顔を顰めラジカ達全員を連れて《空船》へと戻った。

「薬草ダンジョンから戻った早々これですか、《グジャグ》中々に愉快な国でしょう?支配者が良い趣味をしている」
《空船》の医務室で嗤う蒐集家と大河が出迎える、事情を話し蒐集家と大河、カイムを連れて《グジャグ》に行く事を伝えた。
「別に構いませんよ、薬の成分を調べます。明日には分かりますよ」
「彼らはどうするんだ?」
「自業自得でしょう、薬に溺れるのは己の弱さですよ」
「耳が痛い言葉だけど社会復帰はさせたい、また手を出すならば…」
ベッドに寝かせられた患者の内1番重症なの者は一目で分かる、肌は土気色窪んだ眼窩浮き出た骨元の顔が全く分からない程変貌していた。
他2名はぶつぶつと何かをつぶやき口から涎を零し無気力に空を見つめ、蒐集家は渡された資料に目を通す。
「こちらの2人はゴーレム達に看病の仕方を教えますが…多少元気な分、薬が抜けていけば幻覚症状や暴れたりもするので拘束が必要です。こちらの重症な方は……あちらからの嫌がらせですね」
「嫌がらせ?」
「助かる見込みがない、鑑定してみれば分かりますよ」
千歳が尋ねれば蒐集家は口元を歪ませ嗤う、大河や千歳もそうだろうと思う程に回復の見込みは無さそうに見えた。
「確かにこれはダメかもなー」
「おお、怖い怖いのじゃ薬というもの、依存…」
「ふふ…悪趣味…」
医務室にやってきたのはアムドキア、ソスォサチ、ヴァンユモゼナ達が訪れ患者の様子を見て引き受ける。
「俺たちも《アウトランダーズ商会》の一員だからな任せてみてくれ!」
「《空船》の事は私が指揮を執ろう、ハインとワグナーを連れていくと良い。偵察等に長けているの勝手が良いぞ」
「メシュレラさん…良いんですか?ありがとう」
アムドキアが胸を張りメシュレラがハインとワグナーを連れて来る、患者達1度蒐集家たちと《島船》へと運ばれて行った。
「薬という物は最終的に本人の強い意志がなければ止める事は出来ないと昔外神が言っていたな」
「前にもこういう事が?」
「《アタラクシア》ではよくある事だ、金になるし払えなければ奴隷そして売り払う。《グジャグ》はまだ領主が動いているからマシな方だ。国絡みでそういう商売をする所もあるからな」
「………」
千歳が考える、性格はともかく思考も…ともかく…暴君という訳ではないのだろう。
「アイツは昔も今もゲーム感覚で生きているんだよ、俺たちを弄って遊んでいるだけ」
「否定は出来ません…」
「そうだね、きっとこの件も僕たちが来なかったら、治せる見込みのない患者は切り捨て薬を広めた人物を容赦なく罰してそれで終わりだろうね。僕の事も試すような感じで見ていた」
「なぁに、魔王としてのプライドが許さない感じ?」
「どうだろう?でも向こうが遊びたいなら遊んであげるよ、人の生死に関わらない程度でね」
トラングが意地悪気に千歳の顔を覗く、千歳は笑みを浮かべて挑むように思考を巡らせた。

「2…魔王というよりは宮仕えが似合いそうな感じだ」
「だから序列第4位なのでしょう」
「違いない」
屋敷に戻り9面ダイスを振るアガ二ータと酒を楽しむコーカス、向こうも本腰を入れて調べるというのだ此方も貸す手を惜しまずと言った所だ。
「コーカスはこのまま此処にいても良いのか」
「といいますと?」
「君は彼方側のだろう」
「まさか、私は何処の魔王の味方でもないですよ」
「そういう事にしておけという事か…」
「ええ」
「では、明日からしばらく退屈はしなさそうだ…3」
アガ二ータとコーカスは嗤う、本の少しの暇潰しだ彼らには程よく働いて貰おう…。
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