あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

第010話 バス走りまーす

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「味はどうですか?」
「おいしいよー外神さん、ね、空」
「あーう」
チェカとウズラが運転をしたいというので任せ、ホスィソと子供たちはテントの家で用意した朝食を食べている間、外神と晴海と空もバスの2階の食堂でおにぎりと腸詰ソテーとサラダとスープ、空には果物を細かくしたものと薄く味付けした野菜煮込みを食べさせた。
「綴さんの車や崇幸さんが造った車と同じで木とか避けていくね」
「はい、魔法と魔石のお陰ですね。即席で造りましたが安定して走ってくれるので良かったです」
「静かだし、揺れないから落ち着くよー」
食後のお茶を外神が淹れて、テントの中の様子を見に行くと降りていく、晴海は空を側の籠に寝かせ流れていく景色を眺めた。

「皆さん、食事はどうですか?」
「文句なしにおいしい!」
「おいしいよー果物もパンもー」
「お茶も美味いな」
「いやあ、こんなに良くして貰って悪いな~」
「ねね、テント出てくるまに座ってもいい?」
「はい」
『わーい』
「お、俺達もいいか?」
朝食を終わらせお茶を飲んでいた子供達とホスィソ達も走っている車に興味があるらしく片付けを終わらせ皆テントの外に出て行く、外神は昼の準備等をする事にした。

「中々だな、この索敵も上手く作動してるし。少し休むか」
運転というかハンドルとブレーキと付近に異常がないか分かるモニター位しかない席でチェカが安全面を確認し、一休みしようと席を立ち適当な座席に寝転んだ。
ウズラが掛け布を渡しそのまま静かに寝息を立て、テントから子供達が出て自由に座り景色を眺めはしゃいでいた。
「すごい乗り物だ」
「ええ、魔力も鉱物もとんでもない代物ですよ」
「まさかこんな楽に帰れるとはなー」
「馬の手配とかもせずに済むし、晴海のおかげで食料なんかも支援してくれるから有り難いな」
「その分返せるものは返していく、魔石核まで融通してくれたのだ。彼等は恩人だ」
ホスィソ達パーティーもバスにはしゃぎつつ、気を引き締める返せる自信が無い恩を受けたのだ、国を代表する冒険者パーティーとして恥ない様にこのバスの中でも子供達や晴海を守っていこうと決めていた。

「さぁ、行きますか」
「馬車を用意しました、地上に降りたら馬車で向かいましょう」
《グシャグ》の国上空先発で降りる面子とライガルが用意した馬車と馬に千歳が頷き、むすぅとしているトラングにも正装させ向かおうとした所、嫌そうな顔をしたレトが見送りに来る。
「あいつんとこ行くならこれも持ってけ、以前外神が作った万能薬と解呪札だ。あれは呪いだかんな効くかしらねーけど手札はあった方がいいだろ」
「じゃ、レトもくればー?」
「やだね、あいつの顔なんかみたら数年は酒が不味くなる」
「ありがとう、レトさん貰っておくね」
「ん、気を付けろよ。毒の花の側に幾ら毒を消せる物を置いても、この世に産まれ落ちた瞬間から毒を孕んでいた花は決して毒を消せない…」
「分かった、アドバイスありがとう」
「んなんじゃねーがな、外神もそうだけどアンタらは人が好すぎなんだよ。まあ、この世界の悪意ってのを喰ってくると良い」
「…お腹壊したら蒐集家さんに薬を頼もうかな」
「気を付けろよ」
レトと千華に見送られ千歳の転移魔法で地上へと降り立つ、トラングはカトゥーシュカ達からのメッセージを読み、さっさと帰りたい気持ちになった…。

「しゅかー」
「抱っこか?今日はカジノが休みだから、《空船》に行こう」
「みんなと遊びますよー」
「子供用のゲームもたぁくさんあるよー」
「あいー」
カトゥーシュカが足元に来たナビヤを抱き、とテンテストとジゼも支度をしている、《空船》の出張カジノも好評なので本日は客として向かう。
「グローリーさん達とご飯を食べましょうねー」
「今日は手巻き寿司パーティーだよぉ」
「魚ダンジョンで沢山魚を狩って来たからな沢山食べると良い」
「トラぁ」
「支配人にも帰って来たら食べて貰いましょうね」
「あいー」
カトゥーシュカに抱かれたナビヤのふくふくした頬をテンテストが突っつけばきゃははと可愛い笑い声を上げる、相も変わらずお金大好きな幼児だが可愛いくて仕方ない。
「では、行こう」
カトゥーシュカが腕の転移石を使って《空船》へと向かう、人数が多いから手伝いをしないとと思いつつ、朝からのなんとも言えない表情を浮かべていたトラングの横顔を思い出した。

「タナトス支配人…」
「………」
「この書類の確認をお願いします」
「………」
「新しく来た商隊の皆さんの状況と出店場所の確認を」
「………」
「ヴィッセさんは?」
「現在皆さんの状態の確認中です、栄養失調や軽い風邪を引いている方等を除けば2、3日中に仕事を始めたいそうでしす」
「7日は休ませるように、店はそこでいいでしょう。薬は足りていますか?」
「現在蒐集家さんを筆頭にカジノの薬草ダンジョンで集めています」
「現在手が空いている冒険者を追加して薬草ダンジョンに向かうように、薬がまだ足りていないですね」
「わかりました」
「《ゼロ商会》と《裏ギルド》の皆さんも魔人の方々筆頭に各ダンジョンで食材を集めています」
「分かりました、卵は滋養があるので商隊に毎日1個以上出すようにして下さい」
「分かりました」
「……………」
奴隷ギルドの支配人の筈が人財の管理まで行うタナトス、現在拠点は勝手に《空船》に移され魔人達と手分けして業務を片付けていく、ようやく難民達の受け入れと仕事の振り分けに購入した獣人の奴隷達の身分やらを確立したと思えばこれだ《名も無き島》で来る客を相手に商売をしていた時が天国に思える忙しさだ、それに…《グシャグ》に行くと言う彼等…嫌な予感しかしない。
「ちょっと早いけど昼飯とおやつもって来たからなー」
「ウォルゾガさんありがとうございます」
「ど、どうも」
「今お茶を用意しますね」
「いや、また今日の食事の仕込みに戻らないとならないから」
「すみません、お手伝い出来たら良いんですが」
「気にしないでくれ、そっちの仕事もあるからな。ほらタナトス」
テスナとソーン、ワンズが支度をしウォルゾガがタナトスにおにぎり2個とだし巻き玉子、具沢山味噌汁のトレイを置いてやる。
「おやつはパンケーキとアイスな、冷蔵庫に入れたから後で食えよ」
「………」
「ん、お茶は濃い目のな、ほら熱いから」
「………」
「ん?晩飯は手巻き寿司なお前の好きな卵焼きも用意しとく」
「果物も食べるか?果実水も冷蔵庫にあるぞ、剥こうか」
「それ」
「ああ、じゃ食べててくれ」
ウォルゾガがお茶や果物を剥いてくれ、タナトスがおにぎりを食べていく最近懐記からリンゴウサギの剥き方を教わり、リンゴもどきが家で出ればグローリー以外は喜ぶ。
皆の分も剥いてウォルゾガが部屋を後にする、ウォルゾガやグローリー達も食事の仕込みで忙しいようだ。
仕事の合間合間に食事を各自していく、なんとか夜までに切り上げて合流したいという気持ちで仕事を進めていった…。
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