あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

第06話 1歩進んで…

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『皆様、《ガルディア》には伝えてあります、状態等確認し《島船》等での療養も可能です』
「ありがとうございます、風早」
「スープと肉も焼けるわ」
「俺のパンも食ってくれ」
《アタラクシア号》に商隊を招き最初は空を飛び驚き祈りを捧げたり、泣いたりしている者達も披露や空腹で食事に集中し進路は《ガルディア》へと戻る。
「あ、ありがとうございます。このご恩は…」
「ん、いいんだ。ゆっくり休んでくれ明日の朝には《ガルディア》に到着だから」
「な、なんと感謝すれば…怪我も治していただき…」
「大丈夫ですよ皆さん、身体を休めて下さい。《アウトランダーズ商会》の僕達が責任を持って皆さんをお連れします」
パンやスープを配り綴が柔らかく笑う、厨房ではシュピインや千眼も手伝い肉等を処理していく。
崇幸が収納に入れた各自の荷物を戻し、イザラ達は馬の世話や食事を配り元気な者から順に風呂に案内していった。

「崇幸さん達は《ガルディア》に戻るんだね」
「外神さんから連絡は?」
「無いみたいだ」
《空船》で夕食の手伝いをしていた詠斗と合流した率、千歳と大河もヴィッセ達からの画面越しの連絡と識とゲーテからの報告により、合流が遅れる旨を聞き商隊が無事な事にほっとしつつ晴海と空、外神の現状も気になる所だった。
「因果が絡んでいるのかもしれないな」
「因果?原因と結果で戻る事になったからか?」
メシュレラの言葉に大河が反応する、千歳もそうなのかと、この《アタラクシア》ではそういった現象が起こりやすいと魔王としての知識の中にある。
「今行くべきでは無い?」
「千歳…因果は巡るのもの、旦那様達に必要な過程かもしれません…そして千眼にも」
「……今回の空の旅は僕達全員を試しているのかもしれないね」
千歳の思考に茶を運ぶ千華が口添える、誰も彼も嫌な思いをして欲しくないのだ、千歳も大河も詠斗も率も頷いた。
「試しされてるのかどうか分からないけど、俺は俺に出来る事をするよ」
「ああ、詠斗くんの言う通りだ。俺達は俺達がやれる事をする、それだけだ」
「はい!晴海くんも強いですし外神さんもいますから、旅で誰かを助ける事が出来るなら僕も手を差し伸べます!」
「そうだね、気持ちと想いが大事だね。崇幸さん達に託したんだこちらはこちらですべき事をしよう」
『はい!』
茶を千華が配り、明日の受け入れの話を進めていった。

「《栄光の剣と盾》リーダーであり《ガーデン》王国第7王子ホスィソ・ガーデンだ、感謝する」
「同じくサブリーダーを務めるツゥムストス・シダンだ。救助感謝する」
「魔法使いのトハトネです、ありがとうございました」
「前衛のダージだ治療ありがとう」
「同じく前衛のマーフだ、貴方がいなければどうなっていたことか…」
「みんな無事で良かったね」
《栄光の剣と盾》が挨拶と礼を言い晴海と子供たちが冷えた果実水を渡せば、全員何杯もお代わりしついでに食事も出す事にした。
「皆さん血や汗をかいているので風呂どうぞ、服は洗って乾かして置きますよ」
「ああ、俺が案内するよ。来てくれ」
「風呂?ここに?」
「見れば分かるさ」
「お、俺も見ていいか?」
無事救出された姿に安堵するギルドマスターゲンジンもチェカの後を付いて行き、外神は後で洗濯しようかとテーブルや椅子や食器の準備を行った。

「ほーい夕食に弁当どうすかー」
「焼き肉サンドーゴーレムの焼き肉屋とのコラボっす」
「唐揚げー肉串どうです」
「魚フライと魚串ー」
「おにぎりーおにぎりありますよー」
「お茶ー果実水ー」
「パンいかがですかー」
「焼き芋ー」
《空船》のエントランスで夕食の屋台が並ぶ、厨房にも食事が用意されているが昼が好調だった為少数販売を行っていた。
「僕、焼き肉サンドー」
「ぼ、僕は焼き芋」
「俺は魚ー」
「やあ、皆さん」
「ユナイドさんズィーガーさん!こんばんわー」
シア、エニュー、ヒビカが屋台を覗いていると、ユナイドやズィーガー、その後ろではグローリー達がいたので皆で食道であれこれ持ち込んで食べる事にした。
「空の旅良いものですな」
「たのしー」
「うん…綺麗…」
ゴーレム達やヒヨコやおりがみの子達が手伝いをしながら、ラウラス達が食事の準備をしている。
他の商会の支配人や商人達、様々な人々が各々空の旅を楽しんでいた。
「明日はテラスに出てお茶をするから、シアちゃん達もきてねー」
「クッキーたくさん作った」
「ジャムの食べ比べとかするからね、ニスムちゃんたちもくるからね」
エツィア、エージェ、カーテスがシア達を誘い楽しみにしている、ズィーガー達は少し酒を入れている。
「そういえば、塩辛いおやつの試作していると聞きましたね」
「あ、おせんべいとか甘くないパウンドケーキ?とか」
「大人向けにお酒を使ったお菓子も作ってるよー」
「おお、それは楽しみですな。《ズィーガー商会》は調理部門は弱い分買わせて頂きますぞ」
会話が弾む、食事が済めば、ゴーレム達がお茶や果物を持って来てくれた。

「はーい勝ち勝ち」
「あー負けたーもう1勝負!」
「はーい」
カジノでゲームに打ち込む客と従業員、ゲームは各テーブルで白熱している。
明日からは《空船》にもちょっとしたゲームを置く事になり子供でも遊べるようにと昼に動ける従業員は既に《空船》に行き、今夜の営業も終盤だが何処かこのカジノの支配人トラングはバックルームで不機嫌そうにモニターを見ていた。
「………ち」
支配人トラング以外は全員カジノで仕事している、テーブルの上で指を叩く、他に誰かがいればしないが自分しかいないのだからと苛立たしさは隠さない。
「あー会いたくねー」
理由等1つだ、後2日もすれば嫌でも顔を合わせる伯父とも呼びたくない存在、領主でいればこれからも会わずに済んだかもしれないがあんな退屈な場所に戻る気も起きない、面白い方が好きだからだ。
『ふうん、つまらない答えだトラング。君は兄とは違うと思ったけれど、死にたくない生きる為にという当たり前過ぎる理由で兄弟を殺したのか?ならお前も普通だな…ガッカリだ』
「はっ、向こうが殺そうとしたから殺したそれの何がつまらないんだよ」
過去に言われた言葉を何度も思い出しそれに一々反応して腹を立てる自分にも腹が立つ、誰かが部屋に入る気配を感じ指を叩くのを止めた。
「支配人、今日の営業はもう終わる…いい加減機嫌を直したらどうだ?」
「べつにーふつーいきますよー」
「行きたくないなら、私がゴーシュ殿に伝える」
「…へーきー」
「そうか」
カトゥーシュカがトラングの表情に呆れながら助け船を出すが、トラングはそれを一蹴してカジノに出向き客と挨拶を交わし《空船》の宣伝も行いつつ本日の営業の終了をマイクでアナウンスした…。
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