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第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録
絡めとるは12脚の蜘蛛なりや 第結章
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「………転移が出来ませんね」
「え?」
「空間歪曲…この子…空さんの魔力が制御出来ないので彼がいる周辺の空間が捻れています…収納も出せないですね」
「だ、大丈夫なの?帰れないよね」
《イトセトナ》…住民はやはり誰1人も残らず全て糸の中で吸収され生命は、外神、晴海、蜘蛛の赤ん坊空だけだった。
糸を焼き払い街はこのままに、超長距離転移を行おうとした所銃を宙に撃っても空間は開かず、収納から出そうにも収納空間も反応が無い。
「皆さんと連絡を取る方法は…」
「スマホは圏外になってる…」
「晴海さん…移動します、空を飛びますね。準備します、時間停止収納袋も使えませんが普通の収納袋は機能しています、この布を空さんに風がありますから…それと額の目を隠します」
「うん」
収納袋から布を出し空の身体に巻き、外神が空の額に手を当てれば空が泣くが我慢して貰い額の目を閉ざし消えていく。
「結界がありますが念の為晴海さんも着ていて下さい」
「外神さんは寒いでしょ?」
「……痛覚遮断をしているので感じないんです」
「………分かった」
外神が上着を脱いで晴海に着させれば晴海が外神の心配をし問題無いと晴海を抱き、その腕の中に空をぎゅっと抱き締めた。
「飛びますね…」
「うん…」
ふわりと飛行魔法を発動させ瞬く間に高い木を追い越し《イトセトナ》から離れていく、晴海はそれを外神越しに見つめて黙とうを捧げた…。
「あれから1時間以上…おい」
「はい」
「行けないのか?」
「行ってどうします?」
「どうなっているのか教えて欲しい、外神くんと晴海くんなら無事な筈だ」
大河が蒐集家に話しかけ、超長距離転移が出来だろうと踏んで頼めば蒐集家が手を前に出すが何も起こらない。
「妨害されていますね、蜘蛛の空間歪曲で空間が捩じれています。今回の蟲人蜘蛛の性質は空間特化型ですね、恐らく千歳さんの空間特化と並びますね、メシュレラさん外神さんとの連絡は?」
「無理だ…反応がない…」
「蜘蛛がいる限りは転移出来ませんね」
「なんとか連絡を取る方法は」
「飛行船が出来次第《イトセトナ》に向かおう、神様達外神君に伝える事は出来ないか?」
蒐集家が銃と睨み合うメシュレラに尋ねれるが銃は無反応で沈黙し、千歳が思考を巡らし崇幸が神々にも協力を乞う。
『視えないのです、蜘蛛が数外個体魔王に進化したようなのです』
『空間特化……少し時間を下さい。様子と連絡を取れるように…』
「急いでくれ」
神々も何とか《イトセトナ》の状態を確認しようと手を考えている、千歳と綴、詠斗で転移を何度か続け《イトセトナ》へという話しも出ている。
崇幸もいつでも飛行船を飛ばせるように点検作業に入る、懐記と率と舵と燈火も外神と晴海の安否確認が取れる方法を模索していた。
「あの街で休みましょう」
「うん」
「疲れましたか?晴海さん」
「ううん、平気」
「………」
《イトセトナ》を出て30分以上空を飛び大きな街を確認したのでその手前で着地し、外神が抱こうとすれば激しく空が泣くので晴海が抱き街へと入る。
「《ザインダ》へようこそ、1人入街料3,000ログです。子供連れなら泊まりかい?宿屋街は此処から先左奥にありますよ」
「……どうも」
「ありがとう」
にこやかな門番に9,000ログを支払う、晴海は親切な門番に礼を言うが外神は少し考え込む。
「すみません、晴海さん買い物を済ませたらこの街を出ます」
「?分かった」
ちらりと感じる視線、傍から見れば親子には見えないかと言って兄弟なのか…奇妙に映る関係なのだろうがそれならば気にはしない、外神の鑑定はそれ以外の物を指していた。
収納袋に入れていた金を使い、掛け布や服を買いお茶や香辛料等を手早く外神が買い込みさっさと街を出て暫く歩いた後晴海と空を抱えて空を飛んでいく。
「………収納袋にテントがあります、それで今日は森で過ごしましょう。明日街に行きます」
「うん」
何か良くない事があの街にあったのだろう、外神の判断に任せ手ごろな森に入った。
「うえぇぇえん」
「……テントは無理そうですね、家を造ります。晴海さんと空さんは座っていて下さい。お茶と果物…空さんは果物を磨り潰した物にしますね」
「家を作るの!?」
「はい、すぐに出来ますから」
「果物、俺向くよ」
「お願いします。コンロとポットとコップとナイフと皿は此処に。空さんのベッドは…」
「すごい、木の形変えられるんだ」
「はい、布を敷きますからそちらに空さんを」
手ごろな場所を見つけテントを置いて中に入ろうとすれば大声で泣く空、空間魔法が使われている空間が苦手なのかテントをしまえば泣き止んだので家を岩魔法で構築する事にし晴海と空を休ませる為にてテーブルと椅子を用意し、木のベッドを用意し布を敷いて空を寝かせようとすればまた泣くので紐を使い晴海がおんぶしてお茶の用意を行う。
岩魔法と収納袋から魔石を出し混ぜながら簡易的な家を造っていく、晴海はその様子を見つめすごいなー魔法みたいだとワクワクしている反面外神に申し訳ない気持ちで一杯だった。
「外神さん、お茶と果物剥いたよ食べよう」
「はい、家も出来ました。中は後で弄りますね」
「うん、ほら空ご飯にしようね」
リンゴもどきを擦った物を匙に掬って空の口元に運べば口を開けて飲み込む、歯が生えているので少し硬い物も良いのかもしれない、夜はお粥を用意すると外神は言いながら果物の香りのするお茶を飲む。
「すみません、晴海さんお手伝いできれば良いんですが…」
「ううん、俺も出来る事何でもするよ。空、沢山食べなね」
空の食事が終わりまたおんぶし、晴海もお茶と果物を美味しいと喜んでいた。
「こんな立派な家すぐに出来るんだ…すごい」
「急ぎで簡単に造ったので、風呂場と水場とベッドで今日は休みましょう、食料の木を幾つか作るので風呂に入りますか?幾つか皆さんと連絡を着く方法は考えているので大丈夫ですよ」
「そっか、外神さんも一緒に入ろう。待っているよ布団とか準備する」
「そうですね、この収納袋に色々入っていますから出してみて下さい」
「うん!」
晴海の顔が綻ぶ嬉しそうだ、木を用意し食材の準備が出来たら連絡をしようと木を幾つも用意した…。
「あれから3時間以上…」
【マスターの身体に異常は感知されません」
「行こう!転移を何度かすれば行けるよね、ナビくんゲーテくん近くに行けば外神くんの場所分かるよね?」
『【はい】』
「外神君の孔雀ですね何かあったんですか?」
詠斗がナビとゲーテに確認し向かおうとした所で転移で、《島船》、ベルンの所、皇国の孤児院、《トイタナ》の孤児院にいる魔法生物の孔雀4匹が転移でやってくる、黄金色の孔雀、白と黒の孔雀、黒い孔雀、白い孔雀の内黄金の孔雀が前に出て嘴を開いた。
『みなさん、ご心配をお掛けしています…。晴海さんと…蟲人蜘蛛…晴海さんが空さんと……ザザ…』
「外神くん!良かった!」
「ノイズが混じっていますね」
「空間が安定しないのと遠すぎるからだね少しごめんね」
会話が途切れ途切れなのを千歳が孔雀の額に触れて確認する、距離の問題で安定しないが千歳が空間を魔力で保つ。
『ありがとうございます、現在森で家を建て休んでいます。晴海さんの声も聞かせられたら良いんですが…難しいので、それとこの手も何回も使えません空さんが空間系の魔法を苦手としているようで…手短に明日以降は《バンギーン》という国に向かいます。孤児院がある国とは間反対になりますが、飛行船で此方に来るのが一番シンプルだと思います』
『ここから空路で3日程の場所ですね』
「よし明日から向かおう」
外神の現在地に風早が計算し飛行船を完成させた崇幸が頷く、その場にいた全員が3名の無事を確認し安堵した。
「外神君…ありがとう。必ず迎えに行く、待っていてくれ」
「外神…晴海にもう少し待っていて…って伝えて」
「必ずすぐ行くから!空にもよろしくな」
崇幸が頭を下げイザラとイデアも晴海にと思いを伝え、「分かりました」と外神の静かな声で通話が終わり孔雀達も転移で帰って行った。
「よし、俺に少し考えがある皆会議室に集まってくれ」
『はい!』
崇幸が手を叩き皆を引き連れ会議室に向かう、全員が喜び安堵し外神に晴海を託し先へ進む。
「外神さんご飯おいしいよ」
「良かったです…沢山食べて下さい」
みんなと外神の会話を隣で聞いていた晴海、外神が思考を巡らせ思い付いたのが孔雀を使って伝言を伝える事(孔雀達は何故か渋ったらしい?)イザラとイデアからの伝言も聞き、簡単にご飯と袋に入っていた種で造った食料木の野菜スープと街で購入した調味料で野菜炒めを作りそれを出せば晴海が美味しいと言ってくれる。
先におかゆを食べさせた空は満腹になり晴海の腕の中で寝てしまうので木枠のベッドに寝かせようとすれば泣くのでおんぶして食べている、抱き癖が付いてしまったのか1人にされるのが嫌なのか、カーテスに1人で寝て貰うコツを聞こうと思いながら食事を楽しむ。
「外神さんはあの子の事知っているの?」
「……何度か会って……そうですね…いつかゆっくり話します」
「うん、教えてね」
「はい」
食事が終わり後片付けを行い、3名で広めに造った風呂に入る、空を作った桶に入れてやれば気持ち良さそうにしていた。
「収納袋あって良いね!俺ももとう」
「以前収納が使えなくなった時があったので、時間停止のと普通の収納袋を持つようにしたんです」
風呂に浸かりながら晴海の質問に答える、空が眠いようでむずがっているので身体を洗い風呂から上がった。
「晴海さんどうぞ、冷えた果実水です。空さんには果物を絞ったものです」
「わ!ありがとう!冷蔵庫だ!」
「入れ物やコップを造るのは好きなので…」
服は収納袋から外神の服を借り、空の服は街で買った物を着せ、室内には背の低い観葉植物の様な木が幾つか置かれ、岩魔法で造った冷蔵庫から冷えた果実水と果物を絞ったジュースを渡してくれた。
「はい空、飲もうね」
匙で晴海が空に飲ませている間、明日の朝食の準備を行いながら果物を剥いて並べて干し果物にした。
時間停止が出来ないので沢山作れないし、明日は街に行くつもりなのであまり弄らないようにしておく。
ゆっくりと晴海が飲ませウトウトしている空と一緒にベッドに入る事にする、大きくして貰ったベッドに空が落ちないように壁際に寄せて掛け布を掛け、晴海も一緒にウトウトしていく。
「外神さんも一緒にねよ」
「はい…今行きます…」
いつもは大人達やイザラとイデアも一緒に、大勢の大人に囲まれているのだ今はたった3名だ、口には出さないが心細さは伝わってくる、外神もベッドに入りランプを消して一緒に眠りに就いた…長い1日の終わりがゆっくりと訪れ無意識に寝つきの良い晴海が外神に身を寄せたのでそっと頭を撫でてやる。
『外神、子供は私達が思っている以上に感情に敏感で繊細な存在です。言葉でいくら言っても不安を拭えない時もあるでしょうその場合は笑って抱き締めてあげなさい、心の音を聞かせれば少しは心安らぐでしょう』
マユラの師であり今は鬼人国の孤児院で院長をしている彼の言葉を思い出す、温かい晴海の身体をしっかりと抱き締めその言葉を反芻しながら目を閉じた…。
絡めとるは12脚の蜘蛛なりや 第結章 完
「え?」
「空間歪曲…この子…空さんの魔力が制御出来ないので彼がいる周辺の空間が捻れています…収納も出せないですね」
「だ、大丈夫なの?帰れないよね」
《イトセトナ》…住民はやはり誰1人も残らず全て糸の中で吸収され生命は、外神、晴海、蜘蛛の赤ん坊空だけだった。
糸を焼き払い街はこのままに、超長距離転移を行おうとした所銃を宙に撃っても空間は開かず、収納から出そうにも収納空間も反応が無い。
「皆さんと連絡を取る方法は…」
「スマホは圏外になってる…」
「晴海さん…移動します、空を飛びますね。準備します、時間停止収納袋も使えませんが普通の収納袋は機能しています、この布を空さんに風がありますから…それと額の目を隠します」
「うん」
収納袋から布を出し空の身体に巻き、外神が空の額に手を当てれば空が泣くが我慢して貰い額の目を閉ざし消えていく。
「結界がありますが念の為晴海さんも着ていて下さい」
「外神さんは寒いでしょ?」
「……痛覚遮断をしているので感じないんです」
「………分かった」
外神が上着を脱いで晴海に着させれば晴海が外神の心配をし問題無いと晴海を抱き、その腕の中に空をぎゅっと抱き締めた。
「飛びますね…」
「うん…」
ふわりと飛行魔法を発動させ瞬く間に高い木を追い越し《イトセトナ》から離れていく、晴海はそれを外神越しに見つめて黙とうを捧げた…。
「あれから1時間以上…おい」
「はい」
「行けないのか?」
「行ってどうします?」
「どうなっているのか教えて欲しい、外神くんと晴海くんなら無事な筈だ」
大河が蒐集家に話しかけ、超長距離転移が出来だろうと踏んで頼めば蒐集家が手を前に出すが何も起こらない。
「妨害されていますね、蜘蛛の空間歪曲で空間が捩じれています。今回の蟲人蜘蛛の性質は空間特化型ですね、恐らく千歳さんの空間特化と並びますね、メシュレラさん外神さんとの連絡は?」
「無理だ…反応がない…」
「蜘蛛がいる限りは転移出来ませんね」
「なんとか連絡を取る方法は」
「飛行船が出来次第《イトセトナ》に向かおう、神様達外神君に伝える事は出来ないか?」
蒐集家が銃と睨み合うメシュレラに尋ねれるが銃は無反応で沈黙し、千歳が思考を巡らし崇幸が神々にも協力を乞う。
『視えないのです、蜘蛛が数外個体魔王に進化したようなのです』
『空間特化……少し時間を下さい。様子と連絡を取れるように…』
「急いでくれ」
神々も何とか《イトセトナ》の状態を確認しようと手を考えている、千歳と綴、詠斗で転移を何度か続け《イトセトナ》へという話しも出ている。
崇幸もいつでも飛行船を飛ばせるように点検作業に入る、懐記と率と舵と燈火も外神と晴海の安否確認が取れる方法を模索していた。
「あの街で休みましょう」
「うん」
「疲れましたか?晴海さん」
「ううん、平気」
「………」
《イトセトナ》を出て30分以上空を飛び大きな街を確認したのでその手前で着地し、外神が抱こうとすれば激しく空が泣くので晴海が抱き街へと入る。
「《ザインダ》へようこそ、1人入街料3,000ログです。子供連れなら泊まりかい?宿屋街は此処から先左奥にありますよ」
「……どうも」
「ありがとう」
にこやかな門番に9,000ログを支払う、晴海は親切な門番に礼を言うが外神は少し考え込む。
「すみません、晴海さん買い物を済ませたらこの街を出ます」
「?分かった」
ちらりと感じる視線、傍から見れば親子には見えないかと言って兄弟なのか…奇妙に映る関係なのだろうがそれならば気にはしない、外神の鑑定はそれ以外の物を指していた。
収納袋に入れていた金を使い、掛け布や服を買いお茶や香辛料等を手早く外神が買い込みさっさと街を出て暫く歩いた後晴海と空を抱えて空を飛んでいく。
「………収納袋にテントがあります、それで今日は森で過ごしましょう。明日街に行きます」
「うん」
何か良くない事があの街にあったのだろう、外神の判断に任せ手ごろな森に入った。
「うえぇぇえん」
「……テントは無理そうですね、家を造ります。晴海さんと空さんは座っていて下さい。お茶と果物…空さんは果物を磨り潰した物にしますね」
「家を作るの!?」
「はい、すぐに出来ますから」
「果物、俺向くよ」
「お願いします。コンロとポットとコップとナイフと皿は此処に。空さんのベッドは…」
「すごい、木の形変えられるんだ」
「はい、布を敷きますからそちらに空さんを」
手ごろな場所を見つけテントを置いて中に入ろうとすれば大声で泣く空、空間魔法が使われている空間が苦手なのかテントをしまえば泣き止んだので家を岩魔法で構築する事にし晴海と空を休ませる為にてテーブルと椅子を用意し、木のベッドを用意し布を敷いて空を寝かせようとすればまた泣くので紐を使い晴海がおんぶしてお茶の用意を行う。
岩魔法と収納袋から魔石を出し混ぜながら簡易的な家を造っていく、晴海はその様子を見つめすごいなー魔法みたいだとワクワクしている反面外神に申し訳ない気持ちで一杯だった。
「外神さん、お茶と果物剥いたよ食べよう」
「はい、家も出来ました。中は後で弄りますね」
「うん、ほら空ご飯にしようね」
リンゴもどきを擦った物を匙に掬って空の口元に運べば口を開けて飲み込む、歯が生えているので少し硬い物も良いのかもしれない、夜はお粥を用意すると外神は言いながら果物の香りのするお茶を飲む。
「すみません、晴海さんお手伝いできれば良いんですが…」
「ううん、俺も出来る事何でもするよ。空、沢山食べなね」
空の食事が終わりまたおんぶし、晴海もお茶と果物を美味しいと喜んでいた。
「こんな立派な家すぐに出来るんだ…すごい」
「急ぎで簡単に造ったので、風呂場と水場とベッドで今日は休みましょう、食料の木を幾つか作るので風呂に入りますか?幾つか皆さんと連絡を着く方法は考えているので大丈夫ですよ」
「そっか、外神さんも一緒に入ろう。待っているよ布団とか準備する」
「そうですね、この収納袋に色々入っていますから出してみて下さい」
「うん!」
晴海の顔が綻ぶ嬉しそうだ、木を用意し食材の準備が出来たら連絡をしようと木を幾つも用意した…。
「あれから3時間以上…」
【マスターの身体に異常は感知されません」
「行こう!転移を何度かすれば行けるよね、ナビくんゲーテくん近くに行けば外神くんの場所分かるよね?」
『【はい】』
「外神君の孔雀ですね何かあったんですか?」
詠斗がナビとゲーテに確認し向かおうとした所で転移で、《島船》、ベルンの所、皇国の孤児院、《トイタナ》の孤児院にいる魔法生物の孔雀4匹が転移でやってくる、黄金色の孔雀、白と黒の孔雀、黒い孔雀、白い孔雀の内黄金の孔雀が前に出て嘴を開いた。
『みなさん、ご心配をお掛けしています…。晴海さんと…蟲人蜘蛛…晴海さんが空さんと……ザザ…』
「外神くん!良かった!」
「ノイズが混じっていますね」
「空間が安定しないのと遠すぎるからだね少しごめんね」
会話が途切れ途切れなのを千歳が孔雀の額に触れて確認する、距離の問題で安定しないが千歳が空間を魔力で保つ。
『ありがとうございます、現在森で家を建て休んでいます。晴海さんの声も聞かせられたら良いんですが…難しいので、それとこの手も何回も使えません空さんが空間系の魔法を苦手としているようで…手短に明日以降は《バンギーン》という国に向かいます。孤児院がある国とは間反対になりますが、飛行船で此方に来るのが一番シンプルだと思います』
『ここから空路で3日程の場所ですね』
「よし明日から向かおう」
外神の現在地に風早が計算し飛行船を完成させた崇幸が頷く、その場にいた全員が3名の無事を確認し安堵した。
「外神君…ありがとう。必ず迎えに行く、待っていてくれ」
「外神…晴海にもう少し待っていて…って伝えて」
「必ずすぐ行くから!空にもよろしくな」
崇幸が頭を下げイザラとイデアも晴海にと思いを伝え、「分かりました」と外神の静かな声で通話が終わり孔雀達も転移で帰って行った。
「よし、俺に少し考えがある皆会議室に集まってくれ」
『はい!』
崇幸が手を叩き皆を引き連れ会議室に向かう、全員が喜び安堵し外神に晴海を託し先へ進む。
「外神さんご飯おいしいよ」
「良かったです…沢山食べて下さい」
みんなと外神の会話を隣で聞いていた晴海、外神が思考を巡らせ思い付いたのが孔雀を使って伝言を伝える事(孔雀達は何故か渋ったらしい?)イザラとイデアからの伝言も聞き、簡単にご飯と袋に入っていた種で造った食料木の野菜スープと街で購入した調味料で野菜炒めを作りそれを出せば晴海が美味しいと言ってくれる。
先におかゆを食べさせた空は満腹になり晴海の腕の中で寝てしまうので木枠のベッドに寝かせようとすれば泣くのでおんぶして食べている、抱き癖が付いてしまったのか1人にされるのが嫌なのか、カーテスに1人で寝て貰うコツを聞こうと思いながら食事を楽しむ。
「外神さんはあの子の事知っているの?」
「……何度か会って……そうですね…いつかゆっくり話します」
「うん、教えてね」
「はい」
食事が終わり後片付けを行い、3名で広めに造った風呂に入る、空を作った桶に入れてやれば気持ち良さそうにしていた。
「収納袋あって良いね!俺ももとう」
「以前収納が使えなくなった時があったので、時間停止のと普通の収納袋を持つようにしたんです」
風呂に浸かりながら晴海の質問に答える、空が眠いようでむずがっているので身体を洗い風呂から上がった。
「晴海さんどうぞ、冷えた果実水です。空さんには果物を絞ったものです」
「わ!ありがとう!冷蔵庫だ!」
「入れ物やコップを造るのは好きなので…」
服は収納袋から外神の服を借り、空の服は街で買った物を着せ、室内には背の低い観葉植物の様な木が幾つか置かれ、岩魔法で造った冷蔵庫から冷えた果実水と果物を絞ったジュースを渡してくれた。
「はい空、飲もうね」
匙で晴海が空に飲ませている間、明日の朝食の準備を行いながら果物を剥いて並べて干し果物にした。
時間停止が出来ないので沢山作れないし、明日は街に行くつもりなのであまり弄らないようにしておく。
ゆっくりと晴海が飲ませウトウトしている空と一緒にベッドに入る事にする、大きくして貰ったベッドに空が落ちないように壁際に寄せて掛け布を掛け、晴海も一緒にウトウトしていく。
「外神さんも一緒にねよ」
「はい…今行きます…」
いつもは大人達やイザラとイデアも一緒に、大勢の大人に囲まれているのだ今はたった3名だ、口には出さないが心細さは伝わってくる、外神もベッドに入りランプを消して一緒に眠りに就いた…長い1日の終わりがゆっくりと訪れ無意識に寝つきの良い晴海が外神に身を寄せたのでそっと頭を撫でてやる。
『外神、子供は私達が思っている以上に感情に敏感で繊細な存在です。言葉でいくら言っても不安を拭えない時もあるでしょうその場合は笑って抱き締めてあげなさい、心の音を聞かせれば少しは心安らぐでしょう』
マユラの師であり今は鬼人国の孤児院で院長をしている彼の言葉を思い出す、温かい晴海の身体をしっかりと抱き締めその言葉を反芻しながら目を閉じた…。
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