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深楽朱夜

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第011部イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導　回顧録

絡めとるは12脚の蜘蛛なりや　第伍章

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「では、これが唄だ！音程等は気にせず魔力の流れに従い本能で唄って欲しい！側で聞けないのは残念だけど！」
「画面には出しますから…ありがとうございます」
書き上げた歌詞を千眼達に確認して貰う、曲は明日外神の銃から流れるので各々指定された場所で唄う事になる。
「１回限りの唄だから、本番で唄ってくれ」
「……はい」
「……ああ」
「ふふ……励みます」
「赤子を起こすのには良さそうだ」
「任せろ」
メディエスカから指示に集まった千華、千眼、ヴァンユモゼナ、ソスォサチ、アムドキアそれぞれやる気を出している、外神は20丁の銃に魔法で楽譜を組み込んでいく。
これが時間が掛かるようで、メディエスカとヴァンユモゼナ達はカジノタワーの部屋で休み、千眼は崇幸の元へ、千華は畑へと戻って行った。

「外神さんからお茶と馴染みの皆さんにとコーヒーの木を貰ったので試しに淹れてみました」
「俺、ミルク入った奴なら良いけどお茶か果実水がいいな」
「苦さもクセになるぞ」
「俺もコーヒーが良いな、崇幸が出してくれた後から良く飲む」
「外神達のいた世界のコーヒーって眠りにくい成分や依存性が含まれているらしい、無いのもあるけど」
「………
「これは無いですね、ミルクや砂糖で自分の好みで調整出来るのがいいですね」
『折角ですからお菓子も食べましょう』
ヴィッセ達のブックカフェ、ユピカの図書館と空間を千歳に繋いで貰いオープンに向け飲み物の試飲会が行われていた。
ヴィッセ、テーデ、ヤハネ、カイム、シヴァと本に夢中で飲み物も飲まず読書に耽るストフスが集まり、ユピカが出してくれた焼き菓子を食べながら話しをしていた。
基本はヴィッセはラジカ達の仕事の手伝いを行い、テーデ、ヤハネ、シヴァとストフスで店を回していく。
「こんな時間か、俺はカジノに行くわごちそうさま」
カイムはコーヒーを飲みカジノに仕事に向かう、テーデは果実水を飲みながらクッキーをつまみ、明日にでもオープンさせようかという話しになっている。
「席も十分だしな、外に食事出来るスペースも用意したし」
「大河さんにラインしておきます」
「えーと飲み物は1杯500ログで本読み放題で…持ち込み良しの軽食はラウンジと同じ物な」
『保存魔法と浄化魔法が掛けられていますから、零しても平気です』
「子供が楽しめるキッズルーム？ってのも防音で絵本とか読めるしな」
「…まあ、ゴーレム達が面倒みるんだろう」
テーデがチラリと奥の可愛い扉を眺める様をヤハネが首を竦める、明日の昼前位に店を始めようという話しになり動かないステフスをシヴァが担いで、カジノタワーの家に転移した。

「ゆき…凝りすぎだと思うが…」
「いやぁーメディエスカ君が空で演奏したいって言うからな舞台や、ボーリング場にシアタールームやカフェだろ、風呂も何種類も作って…厨房も大きいのを2つだろ、客室は1,000室に空で教室をしたいってナイデルさん達の希望も聞いて…」
「《アタラクシア》号も飛ばすのだから…」
「そっちはそっちで店とか、イベント会場に空でもカジノをってトラング君達のカジノも作って…」
「………ゆき…少し休め…《イトセトナ》の件が終わらなければ行けないだろう？」
「も、もう少しだけ！」
「後30分で食事に行こう…」
「おー」
カジノタワーの会議室に戻り崇幸が集中して飛行船……もはや船型の巨大なショッピングモールを造っている崇幸、千眼が止めても後少し後少しと崇幸の作業の手が止まらない、千眼も隣で手伝う、この後《島船》で懐記の所で食事を貰うつもりでいる、おにぎりと味噌汁と何かを貰おうと考えながら少年のような横顔を眺めた…。

「すみません、傷薬を下さい」
「熱冷ましを…」
「風邪に効く薬を…」
「目の痛みに効く薬を…」
蒐集家が昼過ぎに開けた薬屋は今日も今日とて繁盛している、大河が手伝い日替わりで他の面子も手伝いに来て客が引けた所で営業終了となる、不定期な店だがこの商業エリアでも上位の繁盛店でもある。
「客が引けましたね、終わりにしましょう」
「ああ」
大河が外のドアの札を営業終了に入れ替え後片付けを行い、手伝いに来てくれた獣人の子供達に給料と飴を渡し皇国に帰っていくのを見送った。
「どこで飯にするか？」
「どこでもいいですよ」
「…そうか、ならお前の部屋で良いか？懐記君とテュフから試作を貰ったからな」
「良いですよ」
蒐集家は食事等どうでも良い、コーヒーがあればそれで良いので最近は大河に全て任せている。
「行くぞ…」
「………」
明日は面白い物が見られると内心楽しみにしながら、蒐集家は大河の後に続いた。

「無人販売の売り上げが素晴らしいですね」
「あの塩はすごいからね」
カジノタワーの千歳達のオフィスで本日の運営業務を終わらせた千歳とラジカ、《ゼロ商会》の無人販売店は連日大盛況だ、1㎏500ログの塩と器や密封性の高い瓶や保温が冷たさを保てる水筒等冒険者を始め商人達に好評で日々利益を叩き上げている。
「冷たさも温かさも維持出来る水筒も安いですしね」
「それに軽いから人気だよね、塩も美味しいし」
「ええ」
「では、今夜はそんな塩を使った焼き肉にしようか」
「いいですね、行きましょう」
今夜はゴーレム達の焼き肉屋に決まり、焼き肉に転移した…。

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