あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録

第038話 ちぃ~す

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『ちぃ~す、おれっちゃんは《封印都市メーダー》の筆頭最上位魔人セジェンダ=インダーダストだよ!よろ~』
「こちらは最後に向かう街を管理しているセジェンダさんです」
『はーい、メシュー兄弟見つかって良かったじゃん!』
「ああ…可愛い弟と兄だ」
「やったね!」
外神がカジノタワーの会議室で詠斗達を呼び、大画面に現れたのはチャラい…軽めな印象の魔人セジェンダだった。
「よろしくー」
「《封印都市メーダー》まで外神さんの管轄とは」
「あの都市は丸ごと封印と結界を施し、邪神、異界生物、《真月識・弐》《歪識》という存在を閉じ込めています。都市そのものが特殊で魔力量が多くなければ入れません」
「ああ、国とも呼べる膨大な土地を使い大規模な封印を施している」
『そーそーで、ここにも、えーと空飛ぶ船で来てくれるって言うから~挨拶したくてー特別派手にパーティ出来る魔導列車と新たに魔導列車を造るしーおれっちゃんおライブもやるからー楽しみしていてよん』
「列車があるのか!?見たいな」
一通り挨拶を交わし《封印都市メーダー》について話が始まると、列車に崇幸が食い付きセジェンダがオッケとウィンクし都市の全容を紹介してくれる。
『《封印都市メーダー》はこんな国ー水と小舟と線路と駅と高い建物が特徴ねー駅は24駅、円形に列車が走り常に結界内を循環し魔力の流れの安定を促し封印を保っている感じ~』
「へえ、おもしろそ」
『おっもしろいよ~懐記っちゃん、その耳とか口元活かしてるぅ』
「セジェっちもやる?」
『やるやるぅ~ライブでお披露目しちゃう~」
画面には上空から見た都市の映像、円形の敷かれたレールを走る列車、前24駅から延びる線路は中央のつぼみの様な石造に集約し列車が数本走り駅を中心に高い建物が水の中から聳え、小舟がいくつも行き交っていた。
懐記がその映像を見て面白いと言えばセジェンダが口笛を吹きながら、懐記のピアスを褒めて盛り上がる。
「列車かー俺も造りたいな」
『崇幸っちゃん、いいよ~それと空飛ぶ船、うちにも売ってよん。空もいいよね~』
「じゃ、プレゼントするぞー。じゃ俺は早速続きやりに行く」
『買うよ~』
「貰っておけ…」
『魔王様が言うなら~ま、こっちも色々用意しとくよ。外神っちゃん、《オプクトー》で追加したアンスローポモフィク50体の受け取りよろしくー』
「はい、《オプクトー》にも中継地点を置くのでついでに受け取ります」
「豪奢なお金の遣い方しますね、1体最低価格5億ログの代物ですが」
セジェンダが外神にお遣いを頼めばラジカが感嘆とする、アンスローポモフィクは《封印都市メーダー》と相性が良く使い勝手が良いらしい。
【セジェンダ…仕事】
『はいはーい。仕事来たんでこの辺で~空飛ぶ船出来たらまた呼んで~』
「はい、また」
『じゃあね~』
セジェンダとの通信が終わり、外神と中継地点等の設置する場所の話し合いが進む。
「こちらが希望するのは《キマイゲウ帝国》と《セマズア》ですね、《キマイゲウ帝国》の現帝が間も無く退位するので、彼を迎えにいきます」
「《キマイゲウ帝国》の現皇帝は憲帝としての人格者ですね」
「はい…退位後はこちらに加わる事になっていたので、《アウトランダーズ商会》の傘下に加わった事は伝えています…会うのを楽しみしていると」
「皇帝まで仲間にするとはすごいね」
「こっちにもいるけどね」
千歳が笑うと詠斗がニジェルガを連想する、中継地点はいくつ作っても良いだろうとズィーガー達とも相談して決める事になる、長い旅路だ全員が楽しめるようにと色々なアイデアを各自で出していった。

「ああ、クソ、なんでこうも上手くいかねえ」
「もう、怒らないでよ」
朝もかなり早い時間《エットナ》から徒歩半日程掛かる町の冒険者ギルドでイライラしている冒険者の少年とその取り巻きの少女たち、エージェを追い出したパーティのメンバー達がボロボロになった装いでギルドで休んでいる物の周囲の視線は冷ややかだった。
「もう!エージェがいなくなって散々!」
「お気に入りの服がこんなに汚れて!」
「お風呂入りたい……」
エージェを追い出した後に受けた依頼や任務は悉く失敗、金も入らずパーティは散々だった。
「もう、エージェをもうもっかい仲間にしよ」
「《エットナ》に向かったって言ってわよ」
「今、キャラバンも来ているし護衛任務とか引きうけましょう」
「あーっち!ここにいても仕方ねぇ、いいぞ行くぞ!仕切り直しだ」
リーダーの少年が周囲の冷ややかな視線に耐えられず立ち上がり支度をする、ここ数日まともに全員食事もしていないが新たな可能性に賭ける事にし鼓舞し《エットナ》に向かう事にする。

「エージェちゃん!エピシュちゃん、キートちゃん。手伝ってくれて、ありがとう!」
「ミルク飲んで下さい!」
「ゆで卵たべよー」
《エットナ》で急遽ベルン達ととゆで卵屋の手伝いを頼まれ、グローリーと本日《ガルディア》の店が休みのニアも加わりせっせと卵を茹でミルクを売り、コップを洗い…を繰り返し店が昼を少し回った所で営業が終わった。
「おつかれさま…」
グローリーがキート達を労い、ニアがカタン達からミルクとゆで卵にお昼にと舵からもサンドイッチを貰う。
「ニア…お昼終わったらナイルさんの所?」
「はい、お菓子作りのお手伝いをします。後で皆さんのお店にも遊びにいきますね」
「待ってます!」
「美味しいお茶を淹れますよ」
ニアが収納袋から出したテーブルと椅子に座り、さっそく昼食を食べていけばグローリーがニアにこの後の予定を尋ねる、グローリーはカーテス達がいるたまごダンジョンに行く予定だ。
急遽手伝いが入ってしまったので明日の料理教室には、エピシュ達もさんかするつもりだ。
焼きたてのパンに作りたてのジャムを付けて食べるのが楽しみだ。
「最近《ガルディア》でもパン造りが流行していて色々なパンが食べられて楽しいですね、クッキーも…そうだ今度お店で出すクッキーを率さんたちと食べてみて下さい」
「嬉しいです!」
「やった!」
「ありがとう」
葉に包んだクッキーをニアからエピシュが受け取る、外神の食料木を沢山受け取り小麦の供給が安定してる為色々なお菓子が食べられるようになった。
「おい!なんで終わりなんだよ」
「こっちは並んでいたのよ!」
「看板は出していたよ、他のお客さんが教えてくれたのに無視していたのは君たちだよ」
「後ろにあるじゃない、売ってよ」
「あれは、みんなでたべるのー」
昼食を楽しんでいればエージェの耳がぴくりと反応する、聞き覚えのある声と舵とカタンの声にエージェは溜息を吐いて立ち上がった…。
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