あなたは異世界に行ったら何をします？～良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう～

第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録

第031話 どこ住む？

「えーフォンこの子達と住んでいるの？じゃ俺も住も」
「はぁ！？どっか行け！」
「えーねぇ、ベルンちゃんカタンちゃん、妖精王殿ー俺もすみたぁい」
「はいいいですよ！」
「いいよー」
「ベルンの家だから、ベルンがいいなら良いぞ！」
「やったー」
ヘラヘラとパンを齧りながらフェシェスタが喜ぶ、フォンは心底嫌そうだが家主はベルンだ彼が良いよ言えばそうなってしまう、本当に嫌だが諦めた、出ていくのは簡単だが気に入っているから仕方ない…嫌だけどと葛藤が暫く続いた。

「わ！素敵な服！」
「本当！可愛いい綺麗！」
「すごく似合っていますね」
「きれー」
「でしょー自分達で作ったんだよ！みんなも可愛い」
「僕たちは《ゼロ商会》の衣装部だね！スタッフの服とかデザインとかしてまーす」
「テトラさん達といっしょ…」
「この服の小物も可愛いですねー、ネスさん達に写真送ってもいいですか？」
「写真？支配人の魔法具みたいなの？」
「こっちは板だねー」
「あ、小人さんですね。かわいいですー」
「本当にかわいいー」
率達が外神の部屋で会話した面子をエツィア達に紹介する、中には際立つゴシック調のこの世界には明らかにない装いの青年達と肩に乗った小人達2人に、エピシュやカヌイ、キートとテスナがはしゃいでいる。
「この子達…かわいい……すき…チャス」
「俺もそう思う！俺はニーシャ」
「可愛いし綺麗ですねー僕たちの服着て欲しい！僕はナテフ！」
すっかり率達と意気投合したチャス達に、率が折角だからとテトラ達も呼ぶ事にし軽食を楽しんだ。

「俺はギーギスな！外神とは古い知り合いで、メシュレラの旦那と同じ魔人だ。あえて嬉しいよメシュレラの旦那の弟で魔神皇」
「グローリー……」
「どうだ！ギーギス、私の弟は！美しいだろ、外神も綺麗だと褒めていたぞ」
「そりゃ、メシュレラの旦那の弟だから綺麗だろう、あの外神がねぇ」
ギーギスが屈託の無い笑みで挨拶をグローリー達と交わす、他にも魔人がして挨拶を交わしつつパンを食べている。
「で、外神は？」
「ああ、今日の晩の手伝いやら報告で忙しいな、お前たちも後で任務やらの報告とかをしろ。向こうでの活動は終わりだから」
「おれは、ヤハネな。今日はみんなゆっくり過ごして明日はカジノタワーに造った職場を見てくれって」
「暫くは僕たちが此方でサポートに入って業務をフォローするからよろしく、穂高千歳です」
「私もそちらの補助をさせて頂く、ヴィッセです」
「ほー魔王に最上位とは豪華だなー緊急依頼もないし仕事片付けてくれるのは助かる、ところで俺下位魔人のユノンてやつを探しているんんだ、何か知らないか？」
千歳とヤハネ、ヴィッセが首を振る、そうかと少しトーンが下がるギーギスだがニコリと笑った。
「他にも魔人がいるから聞いとくよ、カイムにも」
「カイム？カイムがいるのか？」
「知り合いですか？呼びます？」
「いや、いい。名前だけな…有名な魔人だからな」
「そうか、じゃ、飯食って休めよ。寝泊まりはカジノタワーもホテルも、《島船》も俺達の部屋でもいいぞ」
「あー、ニスムの所に行くさ、手伝う」
「助かる、私は弟と兄の所にいたい」
「はいはい、久しぶりの再会楽しんで下さいよ」
ギーギスが肩を竦める、他2名がニスムの所にいくとの決めていた。

「外神様、寂しかったですよ」
「外神、相も変わらず冷たい」
「そこが外神の良き所でもあるな」
「ふふ…連絡の1つもくれないとは拗ねてしまいますよ、外神？」
「うわ、美人どころが揃ってんな。鬼人にこの世界の者じゃないし…後は…」
「アンスロポモーフィク(擬人化人形)ですね。此処まで精巧な物は始めてみましたが…」
「初めまして皆様、アンスロポモーフィクのニーチェです宜しくお願い致します」
「私は鬼人族のマユラだ、良しなに」
「妾は異界の魔族ソスォサチ＝ゼアサンじゃ」
「ふふ…私は異界の天屍ヴァンユモゼナと申します、宜しくお願いします」
「で、俺は異界龍のアムドキア＝デミャテマだ、これからよろしくなー」
懐記達やジラ、ラジカと軽食を用意していた外神の元へジラが眼を見張らせる美形たちが訪れた。
ラジカが少々驚きつつ挨拶を交わし、ヴァンユモゼナが一歩前に出て白い手の甲を微笑みを浮かべ外神に差し出し、外神は無表情にその手を取り軽く口づける。
「すみません、ヴァンユさん」
「ふふ…少しからかっただけです」
すいと手を引くヴァンユモゼナ、クスクスと柔らかな声が転がる。
「他の皆さん住む場所を決めているようですが、ニーチェさん達は僕の家で良いですか？」
「ん、いや俺はこの高い建物に棲む！気に入った」
「私もこの建物が気に入った、シュリもこちらでとの事だ。ギルドもあるのだろう」
「妾は船が良い」
「私も船が良いですね、海が好きなので…そしてゼナも私が良ければいいでしょう？」
「もちろんだ、俺の花…」
ふわりとヴァンユモゼナを背後から抱き締め外神が口づけた手の甲に口づけるゼナドと呼ばれた男が薄く笑う、ヴァンユモゼナを抱き寄せヴァンユモゼナも花が咲き誇るような笑みを浮かべた。
「私はニスムさんの所へ、お仕事の道具や材料がないのでしょう。お手伝いします」
「分かりました」
「外神様…明日の夜は私とお茶を飲みましょう…」
「………はい」
アムドキアとマユラはカジノタワーへ、ソスォサチとヴァンユモゼナ、ゼナド《島船》へニーチェはニスムの孤児院へ住む事が決まり、ニーチェが明日の夜の茶を誘い外神が頷き、他の面子が外神の肩を叩いて軽食が並ぶ方へと向かった。

「懐記、今日の晩飯…さカレーとかどうかな？外神さんはどう？日本食久しぶりじゃない？」
「………カレーなら作れます…スパイス作れたので……」
「へぇいいじゃん、食べ比べど？」
「はい…」
商会や住居も決まり詠斗が此方へ向かって、折角ならばこの世界で食べられなそうな物を夕食にと言うと、暫し考えた外神がそう返し懐記が食べ比べをとの事で、今から夕食の支度に取り掛かる、ゴーレム達やトゥナー達もやってくれば、1人酒が抜けてない人物がやってくる。
「外神ー3億ログちょーだい、負けたー」
「分かりました」
「ええー何したらそんな大金必要なの？」
「うーん、賭博ー」
「……」
「詠斗さん、此方のジゼさんはうちの裏ギルドの稼ぎ頭だったので3億程度問題ないです」
「そうよーめちゃ稼ぎ頭ーでも負けるーあはっはー」
「ええ……」
「外神ーここカジノっていうのがあるんだってー支配人達と住むー遊ぶー」
「分かりました」
「うんー」
そう言って千鳥足でトラング達の元へと向かう、外神は特に気にもせず黙々と準備を行っていく。
詠斗はその背を見送り徐々に、みんなを知って行こうと思った。