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深楽朱夜

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第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録

第023話 《アタラクシア》流夜の過ごし方 2

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「うへぇ、気持ち良かった~」
「眠くなっちゃいました…」
「ここで寝ますか?ベッド出しますよ、寝室も扉を出したので開ければありますよ」
「じゃ、そうしよ俺はここが良いわ、おやすみー」
「俺も…おやすみ」
「ああ、外神さんのベッドを奪うのは良くないですよ」
「こちらも出してみました、どうぞ」
「お、すごいね3人位寝れそう。俺眠いし、晴海くんとナイルさん寝よ」
「うんー」
最初から有った外神のベッドにジラとチグリスが潜り込み寝てしまう、他に出したベッドにはもう眠い晴海と詠斗、ナイルが借りてあっさり寝てしまう。
千歳とラジカは寝室の一室を借り、率と綴と燈火も寝室に入り3人で眠り、崇幸と大河は1人用の寝室を借りて入っていった。
外神や懐記に魔王達は出されたテーブルで外神の話しを聞く事にし、静かな夜が始まった。

「外神っち朝の予定は?」
「神々との謁見、ラジカさんの父上に依頼品の引き渡し…勇者にも会わせて欲しいですね。後は現在の商会とギルドの皆さんの位置の確認と雑務……何も起こらなければそれ位です」
「そ、じゃ空いたら持ってる食材とか見せて」
「…はい」
「500年は貴方には長かったですか?」
懐記が外神に明日の予定を聞いて、千華が尋ねた。
「いえ、永いとは思いませんでした」
「《アタラクシア》をどう思いますか?」
「……………………」
「ありがとうございます」
千華の質問に外神は無言で返し千華は納得した、千眼も茶を啜る、舵はまだ若い干し果物を齧る。
沈黙を持って彼は魔王達にこの世界での今までを答えた、懐記はそんな光景を眺めた。
「外神っちねよ、ベッド出して」
「はい」
暫くは取り留めない会話をし懐記が立ち上がる、外神がベッドを収納から出して懐記が潜り込めば外神に手招きする。
「…?」
「俺短時間の睡眠で良いタイプなんだわ、どうせ外神っちもでしょ。ベッド2つ出す程でもないからさっさと寝よ。おやすみ」
「はい…おやすみなさない」
『おやすみなさない』
特に拒否もなく外神もベッドに入る、人形めいた端整な顔の青年の眠る姿を視界に入れて外神もまたゆっくり眼を閉じた…。

「朝飯は卵焼きに野菜の味噌焼きとキノコのすまし汁と」
「おにぎり出来ましたよ」
「サラダも…」
細やかな声に眼を開ける珍しく熟睡した気がすると外神が身体を起こせば、懐記と千眼と千華がテーブルに朝食を並べている、他はまだ寝ているようだ。
「おはようございます」
「ん、おはよ。何か食べたい飯とかない?」
「いえ…おいしそうですね。顔を洗って来ます」
「んー」
魔王が朝食の支度をしている…外神が顔を洗う、日本にいた時の洗面所に近い物を作った。
「起きた順に食うから先食べよ」
「はい…いただきます…米…日本のですよね?」
「そ、俺や崇幸っちのスキルね」
「おーおはよう、良いベッドだなー」
「おはようございます…僕も米の成る木を造ったんです、この世界に稲に近い植物があったので」
「へぇ、ある?」
「はいどうぞ」
「確かに米だわ、《アタラクシア》産の米ねー木ちょうだい。今夜はこれで飯ね」
「お、楽しみだな」
「はい」
草で余れた袋の中には大粒な…確かに米が大量に入れられ、懐記が言えば崇幸が笑う。
詠斗達も起き出し、相も変わらず千歳、大河、チグリスを残し皆起き出して賑やかな朝食が始まった。

此方はグローリー宅、エージェと新たにメシュレラも加わり賑やか過ぎる朝、此方は朝は皆同じ時間に起床し朝ご飯を手伝いし皆で食べる事になっている。
「エージェちゃんお代わりは?」
「欲しい」
「あーキートマヨネーズ取ってー」
「はあい、テスカさんお醤油は?」
「掛ける、お茶下さい」
「はーい」
「おい、腸詰め1人3本だろ。俺まだ2本しか食ってない」
『…さあ?』
「むぅ」
「イデア、あげる…食べて…」
「むーいいよ。親父のだし」
「お、いいこなイデアには昨日の残りのミートボールな」
「やり」
『ずるい』
「おかず増やさないとね、ご飯もー皆野菜も食べてくれるしー懐記ちゃんに色々聞いてこよ」
「そうだなー台所もっと広くするか、エージェは昨日来た外神って異界人が用があるらしい率とそいつの家に行く前に寄ってくれって」
「私がついて行こう、外神が面白い木をいくつも持っているからな、あいつに作らせる」
食欲旺盛な魔人と勇者、肉やらの1人何個までが加わり…朝からおかずの奪い合いやら、譲った譲ったで非難されつつイデアは嬉しそうにミートボールを食べる。
「良いけど…」
目玉焼きを食べながら黙々と食事を取るタナトスの方に気配を送る、タナトスは無反応だ。
食後に出された大量のリンゴもどき、カーテスとウォルゾガとグローリーにメシュレラが皮を剥いて切った端からなくなる、皮はゴーレムやヒヨコやおりがみの子達が美味しそうに食べていた。
「みんなにもあるから…」
グローリーが他の果物も出してやる、後でニスム達の所へ行って他の孤児院の様子も知りたいから教えて貰う事にする。

「このジャムうま」
「お、だよな」
「後で懐記さんに作り方を教わります」
「てか、なんで俺もお前らと飯食うんだよ。これから寝るところなんだぞ」
カジノタワーのヴィッセとヤハネとテーデ宅、仕事帰りのカイムも加わり4名でトーストとコーヒーにハムエッグ、サラダ、スープを食べていた。
「寝なくてもいいだろ、一緒に他の孤児院の話しを聞いたりニスムの孤児院の様子も見に行くぞ」
「はあ?魔人なんか独りでも勝手に成長出来るだろ」
「今まではそうでもこれからは違います」
「そーそー親父がこれから出現する魔人は全て手元で育てるって決めたんだから」
「知らね国が出来るぞ」
「喜ぶじゃんグローリー」
「では、後で魔神皇に進言し土地を確保しますか?」
「千歳に頼んで空間繋げて貰って、いいじゃん」
「勝手にしろよ」
コーヒーを飲んで方頬をつくカイム、本当にこれから出現する魔人全てを集めたら国が出来る事に盛り上がる3名を尻目にどうでも良さそうにするカイム。
「あ、そーそーメシュレラに聞いたらあの3体は魔人から産まれた兄弟らしいな」
「やはりあの噂は本当なんですね、魔人同士で子を成せると」
「ま、魔人7不思議だよな。カイムお前もそのうちの1つだけど」 
「はっ、くだらねー」
「魔人7不思議?」
「古い魔人の間に囁かれている話しです、魔人同士で子が成せる、彼カイムの事…後は…コホンまた今度で」
ヤハネの話しに鼻であしらうカイム、ヴィッセが言い掛けて咳払いをし朝食の片付けを始め、テーデも手伝う。
「コーヒーど?」
「貰う」
ヤハネがコーヒーのお代わりをすすめ、カイムがマグカップを前に出した…。
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