あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録

第05話 500年後の現在/500年前の現在

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【第05話 500年後の現在】

「………ここか…この状態だと読みづらいので壁を使っても?」
『…どうぞ』
指を這わせ白い石を眺めていた蒐集家が風早に許可を得て白い石から文字と魔方陣を紐を引き抜く様に抜いて壁全てを使い魔方陣と術式が表示される。
「不味い…風早さん魔王全員此処から出して下さい」
『承知しました』
「なんなんだ…異常…だ…」
壁に刻んだ行方不明の人物の情報に蒐集家が驚愕し、すぐさま所持していたカルナラー石、魔聖石、魔鉄、神鋼を投げ壁に吸収させた。
「何が起きた!?」
「大丈夫ですか?」
「魔力異常…模倣の魔方陣でこれか?この人物はまともに生きているのか?」
「さぁ?」
「う…酔いそうだ、無理矢理魔力を注がれているような気分だな」
大河と綴が蒐集家に駆け寄り魔力に酔うジラの傍らでイシュターが顔を歪め、チグリス、ナイル、ラジカ、ジラは目眩を起こしジラの短かった髪が一度に背中まで伸びていく。
『皆さん魔力異常により、グローリー様のヒヨコと同じ原理で4つの鉱物を媒介に生物が産まれます』
『ちょ、ちょっと外に転移…不味いわ!ダンジョンに影響しちゃう!神様達!ダンジョンの人達外に転移させて!』
『は?』
「無茶苦茶だ…」
焦る風早に続く識、詠斗が呆然と呟く。
『吸収した鉱物は外へ…』
『転移完了したわ!出るわよ!4体の魔法生物』
カジノタワーの屋上に鉱物を転移させ、それぞれの鉱物が形を成していく。
「…………」
蒐集家は構わず壁に刻まれた魔方陣等を読み解いていく、大河がその様子を見届けた。

【第05話 500年前の現在】
「…………」
建てた家の付近を散策する、鑑定すれば『食べられる…あ、そこにキノコありますよ、あ、あっちには木の実が…そっちには売れる草があります…もう少し食べた方が良いですよ』
と出て来るので淡々と採取していく、キノコ…味が無いが文句は言えない、松茸のような見た目のキノコを幾つか採取して家に戻る。
鏡が無い…自分の顔など見たくは無いし、人にも会わないが…やはりどうにもならなく前に人がいる場所に行かないと駄目かと悩む。
「……はあ」
今日はもう十分動いた、ひと休みしようと椅子に座った。

第05話 500年後の現在
黄金色の孔雀、白と黒の孔雀、黒い孔雀、白い孔雀が4種類の鉱物から産まれ今は詠斗達と共に会議室で静かにしていた。
「綺麗ですねー」
「うわ、触り心地いいね!グリさんちに連れていってもいい?」
「あ、こっちにもいいかなーかわいいし」
「孤児院にも連れて行っても良いですか?」
「あ、《島船》もいいんじゃないか?」
「連れて行って嫌がらなければ良いと思うよ…これ蒐集家さん読めるのかな?僕には読めないな、千眼さん達は?」
「無理だ…」
「私もです、神々独自の言語ですね」
孔雀達を触ったりしながら、蒐集家の回答を待つ、千歳も壁の魔方陣や情報を読み取ろうとするが全く読み取れない。
「神々も最後まで解読していないですね」
『貴方には何処まで読めるか分かりませんが…魔方陣や術式は読み解く物ではないので…』
「そうですね、この方…500年前の《アタラクシア》に飛ばされてますよ」
『え?』
『は?』
蒐集家の淡々した答えに詠斗達と神々が唖然とし、一緒に来た燈火の顔色が青ざめた。

『マスター』
「どうしました?」
『そろそろ神々とコンタクト取れそうです』
「そうですか」
『………俺が神々に500年分の文句言いに行っても面倒な依頼受けないで下さいよ』
「…………」
『受けないで下さいね』
「……………面倒ではない依頼を受けます」
『駄目だ受けそう、おいゲーテ』
『はいはあーい』
『俺が離れている間マスターが面倒な依頼受けないようにしろよ』
『むりむーり』
『ちっ』
人里離れた場所に家を置き、ソファに座る痩せすぎな青年、何処からともなく聞こえる声は何処かイライラ気味に家主に釘を差すが言われた方は感情の読めない全くの無表情、声はもう1名の自分と同じ存在を呼び更に釘を差す…が軽く返され舌打ちをしてしまう。
「僕の魔方陣と術式…個人情報を視られたようです…」
『神々でも解読出来ないのに…ですか?』
『へー異界の神か…悪魔かも?』
「…どちらでも…解体…してきます」
『どうぞー』
『行ってらっしゃーい』
ソファから立ち数少ない趣味の解体をしに隣の解体専用の部屋に向かう、2つの声はそれを見送った。

「500年前?」
「だ、大丈夫なのかな」
「たった1人で?異世界にきたんですか」
「それは辛いな、今はどうなっているんだ?」
「生きていますよ、消息は…ここからちょうど裏側の大陸にいるみたいですよ」
「神様達、連絡取れないの?」
『こちらでは不可能です…』
『完全に気配を遮断しています』
「相当な人嫌いか孤独が好きなようなので、放っておいても良いですよ。元気みたいですし、あちらは私達がいるのを知っているようです」
「向こうが接触してくるまで待つか」
詠斗、晴海と綴、崇幸が心配の表情を浮かべるが、蒐集家は淡々としている、大河が今はそっとしておこうと提案し全員賛成し、現在の彼の状況をもう少し蒐集家から聞く事にした。
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