あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
上 下
436 / 867
第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録

第01話 自己紹介/異世界

しおりを挟む
第01話 自己紹介
「燈火っち、米助っち、まず飯、風呂、寝るで話しは明日。俺は懐記」
テントに転移した詠斗達、まず懐記が軽い食事を出して椅子に座らせれば米助をケージから出した。
「よ、よろしくお願いします。おいしそう…いただきます」
「茶を淹れよう」
千眼と千華が茶を淹れ、燈火が千眼と蒐集家を見つめる。
「あの2人が気になるのかな?」
「あ、なんとなく。前に逢った事があるような…」
「日本で?」
千歳が燈火の隣に座り燈火の視線の先を尋ねればそう返す、詠斗がこんな美形達日本にいたら大騒ぎだろうと思う。
「でも何か違う…すみません気のせいですね…僕は漫画家…いえ元漫画家で似顔絵とかも得意なんです、人の顔を覚えるのは苦手でもないんですが…このシチューおいしいですね」
懐記が用意してくれたミルクシチュー、米助も人と同じ物を食べても問題なしと言われパンと木の実をカリカリしている様を率と晴海と舵が可愛いと眺めていた。
『漫画家?』
「はい、先月打ちきりになった『ノーゲーム』という漫画なんですけど」
『知ってる!』
「え、あー打ちきり!俺好きだったよ!職場の休憩室にあった雑誌の漫画!」
「ええ!もしかして十火 熾(とうかおき)先生!?」
「本あるな、前作の『ライフノットライフ』が好きだ」
「デビューした年齢が若くて話題になりましたよね僕は『君と海』が好きです」
「僕は『たんたんだん』です!描写が細かくて、悲しい話しなんですけど」
「俺も読んだ事あるよ!『前後不覚』!主人公カッコいい!」
「僕はデビュー作の『トッケン』が好きだね」
「俺はネットで上がった読み切り『窕』が好き、ホラーだったよね。背筋ぞくとした」
「俺はやっぱり『ノーゲーム』だなーコンビニで深夜読んでたぞ」
「あのサイトで一時期出してた未完の漫画『街にて』とか好きだわ」
『み、皆さんそれまでで、ご主人照れ屋だしエゴサとかしないので…』
『あ…』
盛り上がる詠斗達に米助が慌てる、振り返ってみれば燈火は顔を真っ赤にし俯いていた……。

第01話 異世界
「………?」
テクテク歩く、ふらふらとソーラー電池の腕時計はここに着いてから2時間経った事を示す。
「…………」
疲れない、はっきり言ってしまえば体力は皆無だ、こんなに長い間歩いても全く疲れないのはどうしてなのか、でもお腹が空くし喉も渇く、目に付いた枯れた大木が倒れていたので一休みしようかと座った。
「…………」
思考、考え、何故自分がここにいるのか、一緒にいたケージを大事に抱えていた彼は無事なのだろうか、否、人の心配をしている場合ではない。
「………」
荷物を改める、夢だろうかと考える、もしかしたら死んだ後の世界なのかもしれない、異世界よりかはまだ信じられる。
所持品はペラペラの折り畳んだ草臥れた財布に、千円札1枚と500円玉に小銭数枚のみ、上着の内ポケットには手帳とボールペン、反対側には昨日行ったコンビニで買った飴1つ、いつも夜の散歩で口に入れている物と今この中では一番価値が高い腕時計。
「…………」
これを今食べるかどうか悩む、唯一の食糧、このあたりの草は食べられるのだろうか、いくら少食でも多少は食べておきたい。
「表なら食べる、裏なら食べない」
10円玉を弾き手の甲の上に手を被せ、表だと確認して食べる、甘いうまい…だが、もう食糧はないさてどうしようか。
「…………ステータスオープン?」
物は試し今は誰もいない、異世界に来たら大体の人間はやるだろう事を試した。
「…………出た」
まさか本当に出るとは、顔には出ない全くの無表情で少し驚いた…。

第01話 自己紹介
「まさか、漫画家さんがくるとはなー」
「いえ…」
「あ、似顔絵が得意なら。その行方がわからない人の似顔絵描いたらいいよ!コピー出きるし!紙あるよ」
「そうですね!描きます」
崇幸が笑いまだ顔の赤みが取れない顔で晴海の提案に乗る燈火、紙とペンは詠斗から受け取り早速描いていく。
「出来ました」
「早……でも」
「どうかなー」
「この世界では珍しいかもしれないね」
「なんだろ、ギャルゲーに出てくる主人公みたい?」
「うーん…」
1分足らずで描いた似顔絵は、長い前髪に目が隠れ気味の若い男だった、皆が特徴がないと考えてしまう。
『俺が覚えているのは、痩せてて手足が長くて…ちょうどそこのお兄さん位の体型ですね』
「あ、懐記位の体型なら珍しいかも!」
「いい、特徴ですね!」
詠斗と率が口を揃える、米助が懐記を指すので彼位の体型なら《アタラクシア》では珍しい、もう夜も深いし明日もあると似顔絵を晴海がコピーして各々に渡し親友の行方も分からず3日まとも寝ていない燈火に布団を渡し、寝る様に促した。
「………色々ありがとうございます」
「うん、色々難しい事は沢山あるけれど俺達が出来る事は何でもするよ!」
「はい、ありがとうございます」
詠斗が優しく笑う、燈火は泣き笑いながら異世界で逢えた同じ世界の人達は優しくて温かいよと大切な幼なじみの親友に伝えたかった…。
『おやすみ』
「おやすみなさい」
燈火は本当に久しぶりにまともに寝る事が出来た、不安も色々考えていかなければならない事は多いが今日は先ずは寝る事にした…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。

長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。  女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。  お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。  のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。   ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。  拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。  中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。 旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!

アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。 ->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました! ーーーー ヤンキーが勇者として召喚された。 社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。 巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。 そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。 ほのぼのライフを目指してます。 設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。 6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。 気付いたら、異世界に転生していた。 なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!? 物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です! ※この話は小説家になろう様へも掲載しています

屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです

わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。 対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。 剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。 よろしくお願いします! (7/15追記  一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!  (9/9追記  三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン (11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。 追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。

処理中です...