あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第010部 魔人達に捧げる禍つ謳

第015話 ピンポンパン

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『ぴーんぽーんぱーんぽーん、こほん、お子さま限定たまごダンジョン今からオープンしまーす。興味ある子は18階たまごダンジョン迄保護者といっしょにきてねぇーん待ってるわ~』
カジノタワー商業エリア、孤児院、グローリー宅、魔人の子供たちのいる場所に識が放送を掛け、エプロンを掛けたゴーレムや動物達が案内役と受付で待機していた。

「よろしくお願いします、頑張れ!エクトちゃんセレネちゃん」
「がんばれ…晩ごはんは卵丼…」
「うんー」
「うー」
「うぇぇ」
「うえん」
「イビヤちゃんとセスカちゃんは僕とお留守番ね」
キートと一緒にいた赤ん坊はセスカと名付けられ、ベビーカーにイビヤと乗せられて受付を済ませたグローリー
とカーテスと待つ、たまごダンジョン最初のお客様だった。
「こんにちは、フュード殿をお願いします」
フユーゲルに連れられた魔人の子供はフュードど名付けされ、受付を済ませてエクト達とゴーレムに連れられダンジョンに向かった。
「ねむー」
「トラングちゃんおはよ」
「おはー、ほらナテア行ってらっしゃい~」
「きゃーうるー」
「沢山取ってくればーはぁーねむい」
「よお、トラング。頑張ってるか?」
「げぇ」
「ほら、うちの息子のコーラスも行くって言うから」
『早くいくのね~』
「いく」
トラング達の元へ行った、お金大好き魔人はナテアと付けられ、眠そうなトラングから離れてタタタとゴーレム達の元へ
駆けて行く、続けてやって来たゴーシュとコォンとコーラスと名付けられた子供も一緒に向かう。
卵を集めて売るという目標はぶれないし、カーテス達は良いのかなーと思うが暫くは様子見にする事にした。
「こんにちは」
「よお」
「お願いしまーす」
「来た」
「よろしくお願いします」
サウ、ネス、カークとカル、バルタルも子供たちを連れ受付を済ませて、ソファに座りゴーレム達から出されたお菓子とお茶を飲む、孤児院の子供たちもナイデルやアゲイルに連れられゴーレム達の引率でたまごダンジョンに向かった。
保護者席ではモニターで子供たちの様子を確認できるので、安心して待っていられる。
その間うちの子自慢が始まり、グローリーが少ししょんぼりしながら話を聞いていた。

『ドワーフのいけてるおじ様達が作った網と素敵なマダム達が作ったカゴはみんな持ったかしら~』
『はい!』
『あい!』
『今から飛んでるたまごを網で捕まえてね~捕まえたら籠に入れてちょーだい。元気に遊んでね~今夜のご飯か明日の朝ごはんよ~ではスタート』
渡された虫取網の様な物と肩掛けのカゴを受け取り、識から説明され始まった。

「あら、簡単ですわ!お兄様達や皆様に食べて欲しいので本日は…20個程」
「こっちはパンに使いたいから30個!」
「んーとりあえず10個かな?」
「俺もその位かな、また明日も来よう」
「へへ、俺は100個!売るぞ!んでもって茹で玉子屋オープンだ!」
『おお!』
ユラヴィカやキッキ、ライルやラキに他の子供達も目標を立てぴょんぴょん跳ねる卵を捕まえていく、朝に懐記と綴から貰った茹で玉子が美味しかったので、一部の子供達はこれで店を立ち上げると張りきっていた。

「たまー」
「こち」
「うー」
「きゃーうるー」
「とった」
「うぇぇん」
「だっこちてー」
「とってー」
「たべたーぃ」
こちらは魔人の子供たち、ゴーレム達が付き添い虫取網もどきを振り回して低空飛行する卵を捕まえてきゃきゃ喜んでいる、のんびりとした光景だった。
「あ、こんにちはー」
「頑張ってるね、僕も弟達に食べさせたいからがんばる」
「う、うん」
シアとヒビカ、寝て落ち着いたのかエニューも来て魔人の子供たちの側で卵を捕まえている。
回復した獣人の子供達も訪れ、卵がぴょんぴょん跳ねる光景に驚きつつ卵を捕まえてはカゴに入れていった。

『ぴんぽんぱんぽーん、おつかれさま~1人1日分1時間よーまた明日もお待しているわー』
識のアナウンスで時間が来子供達から順にゴーレム達や動物達と保護者待機室に向かって戻って行く、皆卵を沢山持ち帰り笑顔だった。
「おかえり~」
「おかえり…みんな頑張ったね」
『あい!ぱぱ!』
魔人の子供たちがグローリーに卵を1つずつ渡していく、グローリーは感動し皆を抱き締めた。
「ありがとう…」
連れて帰りたいが皆の希望もある、グローリーは子供たちを見送りエクトとセレネの手を引いて家に戻った。

「少しおそくなったねー」
「いこうーベルンー」
「たまごダンジョン…あいつらも変なもん作るなー」
「みんな~がんばれ~今日のごはんはおむらいす?だって~」
ベルンとカタン、ラピスとゴーレム2体を抱えたユインが保護者席で応援している、ゴーレム達に案内されて虫取網もどきを抱えて卵を捕まえていく、、何せ大所帯だ食料はあるにこした事はない。
「俺は半熟茹で玉子が好き」
「カタンはめだまやきー」
「俺は甘い卵焼きー」
どんどん卵を捕まえていく、舵やトイ、ニト達が準備してくれているので今夜の夕飯のメインはベルン達にかかっていた。
「たまごーたくさんー」
「おもしろい、たのしいねー!」
「子供向け…ん?」
『はぁーいランダムに金の卵が出るのよ~捕まえたら何か良いものでるかもぉ~』
卵を採り続けるベルン達、魔力の流れの変化に最初に気付いたラピスに識から放送が入り目の前に金色の卵が浮いていた。
「わ、綺麗!」
「ピカピカー」
「速そうだな」
ベルンが近づけば離れる、カタンがそっと近づけば避ける。
「捕まえたいなー」
「むーはやーい」
「子供が捕まえられる位だぞ、魔法も必要ない。静かに座るといい」
ラピスが金色の卵を観察し、ラピスとカタンとベルンでその場に座り暫し待つ。
「あ…」
「きた…」
「捕まえればいい」
「うん…」
ベルンの目の前に金色の卵が浮かぶ、ラピスがアドバイスをしそっと両手で捕まえれば卵は宝箱に変わった。
「やった」
「ベルンすごーい」
「ああすごいぞ!」
「開けるね、卵50個!」
「全部2個入りだって」
「味も普通のより良いらしい」
宝箱の中から丁寧に藁を敷かれた卵50個、カードには全て双子で質の良い物と書かれベルン達は喜んだ。
『はぁーいおつかれさま~保護者席にお茶用意してるからのんでね~またきてねぇーん』
識の声でゴーレム達がユインの元へ連れて行ってくれる、今夜のご飯が楽しみだった…。
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