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第010部 魔人達に捧げる禍つ謳
第5幕 オマケ 穏やかな夜にて×STAGE.5ーオマケ ご想像に
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第5幕 オマケ 穏やかな夜にて
「広くて綺麗な部屋だよな、本当に俺も住んで良かったのか?」
「ええ、勿論です」
焼き肉パーティーが終わり風呂も入り、さっぱりとしたヤハネとヴィッセ、積もる話しは沢山あるが明日以降…先の未来は分からないが一緒なのだから少しずつ話していけばいい。
「……逢いたかった…ヤハネ」
「……俺達は終わったんだ」
「それでも貴方を忘れた日はないです」
「………」
向かい合わせでソファに座る、座り心地の良いソファだ、2人の距離感を示す。
「お前は…」
「分かっています、自分の立場を…でも自分が仕える魔王に会って…あの方なら分かってくれると思いました」
「法と秩序の番人たる魔王に仕えるお前が感情で自分の主君を見るな、あれは違う」
「それも貴方に確認しようと思ってました、異界で弱体化して戻った様で魔力がほぼありませんし…何か引っ掛かります」
「それもそうだけど…魔力がほぼ無いせいか鑑定がぼやけるんだ。気になる点があるから今度確認する」
「ええ、お願いします。急ぐ…話しではありませんし舵様は今の生活を気に入っていますから」
「そうみたいだな、魔王全員揃わなきゃ俺達魔人は今の所只の魔人だし」
「そうです、大分先の話しです」
「俺達魔人ですら長いと感じる先…序列1位の魔王の弱体化が何処まで響くかだな」
「魔人の勢力が強くなっているのは間違いありませんね」
「あーめんど。もう休むわおやすみ」
「おやすみなさい、私は少し本を読んでからにします」
「んー」
ヤハネが先に立ち上がる、ヴィッセは明日の予定を立てながら読み掛けの本のページを開く、明日もヤハネは側にいる先ず大事な事はそこからだった…。
STAGE.5ーオマケ ご想像に
蒐集家とて風呂に入る、どちらかと言えば長湯を好む方だ。
広い湯船から上がり風魔法で瞬時に身体を乾かし、ゆったり目のシャツとスラックスに黒い靴下、スリッパに黒い手袋を魔法で着用し洗面台の鏡を見つめる、ジラ達が容姿だけは最上と言う蒐集家の外観、本人は生まれ持ってきた物だ造形は良いという程度の物だ。
「これだと見えるか……お前達勘が良いな」
いつもは肌をほぼ晒さない分、今夜の寝巻きのシャツから覗く蔦がシャツから見えないようにしゅるりと下がっていった。
「やった事など無いが…神と関係を持つとどうなるか面白そうだ」
蒐集家の口が大きく歪み、首に付けた鈴がちりんと鳴った。
『大河様がお見えです…お断りします』
茶と香をテーブルに置きソファで優雅に足を組む蒐集家に風早から連絡が入る、端からこの部屋に来て欲しくない風早に嗤った。
「通せ、可哀想だろう?」
『……………大河様、どうぞ』
「ああ、悪いが泊めてくれ」
「構いませんよ、どうぞ」
風早は迷いながらも大河を招く、ドアから入って来た大河は何処か顔色が悪かった。
「吐き気等は?」
「お前の薬で無いが…」
「眠れない…と」
「ああ」
「睡眠導入剤も渡しましたが…茶をどうぞ、白湯もあります」
「ああ」
出された湯飲みを大河が飲む、蒐集家も飲み落ち着いた。
「目の前で人間が炭になり、ちらつきますか?」
「…………」
図星か…なら、来なければ良かったのにと蒐集家は思う、あれ位想定内だろう。
「脆いなあ人間は、本当に脆い」
「そうだ」
「次は来ない方いいですよ?あれ位でそうなったら保ちませんよ」
「………その時決める」
「好きにしろ、さっさと寝たらどうた?明日も早い、私もだ」
「ああ、そうさせ………」
ピクリと大河の様子が変わる、目が見開き蒐集家を睨み付けた。
「何をした?」
「親切心」
「風早!」
「時間を固定させてるから干渉出来ない、神々もだ」
「は?」
「身体に影響はない、記憶を薄くするだけだ。あの部分だけを」
「まさに悪魔か…」
「違いますよ、これでも異界の神なんですよ?それもかなり上位の」
大河がふらつきながら立ち上がる、蒐集家のシャツを掴んで睨み付けはだけた部分が顕になった…。
「なんだこれは?タトゥー?」
「違いますよ」
白い肌には這うように存在する蔦、唖然とする大河に薄く嗤う。
「水でも飲みますか?」
何処までも淡々としている蒐集家に大河が腹を立て…身体の芯が疼くのを感じた。
「これは…」
「起きたら忘れますから、好きにしたら良いですよ?」
「お前…なんで」
「さあ、面白い方が良いでしょう?大丈夫明日には覚えてませんよ、この時間に何があったかも。怖かったんでしょう?人が炭になったのも首が無く身体が溶け…酷い形相でしたよね?」
「やめろ」
思い出すあの国で見た国王の顔と身体と部下の消し炭になった場面、大河は蒐集家をソファに倒す、彼はくくと心底愉快げに嗤った。
「どうぞ?時間はある」
大河は…思考止め、蒐集家の肌に手を伸ばした…蒐集家の身体は何処までも冷たかった…。
「大河君…私はとても意地悪なんです」
「知っている、かつて俺はアンタと会った事がある」
「ええ、かつていつかの何処で…」
大河は蒐集家の顔に顔を寄せ、吐息が交わる距離で話しをする…睦言にしては色気の無い物だった…。
「広くて綺麗な部屋だよな、本当に俺も住んで良かったのか?」
「ええ、勿論です」
焼き肉パーティーが終わり風呂も入り、さっぱりとしたヤハネとヴィッセ、積もる話しは沢山あるが明日以降…先の未来は分からないが一緒なのだから少しずつ話していけばいい。
「……逢いたかった…ヤハネ」
「……俺達は終わったんだ」
「それでも貴方を忘れた日はないです」
「………」
向かい合わせでソファに座る、座り心地の良いソファだ、2人の距離感を示す。
「お前は…」
「分かっています、自分の立場を…でも自分が仕える魔王に会って…あの方なら分かってくれると思いました」
「法と秩序の番人たる魔王に仕えるお前が感情で自分の主君を見るな、あれは違う」
「それも貴方に確認しようと思ってました、異界で弱体化して戻った様で魔力がほぼありませんし…何か引っ掛かります」
「それもそうだけど…魔力がほぼ無いせいか鑑定がぼやけるんだ。気になる点があるから今度確認する」
「ええ、お願いします。急ぐ…話しではありませんし舵様は今の生活を気に入っていますから」
「そうみたいだな、魔王全員揃わなきゃ俺達魔人は今の所只の魔人だし」
「そうです、大分先の話しです」
「俺達魔人ですら長いと感じる先…序列1位の魔王の弱体化が何処まで響くかだな」
「魔人の勢力が強くなっているのは間違いありませんね」
「あーめんど。もう休むわおやすみ」
「おやすみなさい、私は少し本を読んでからにします」
「んー」
ヤハネが先に立ち上がる、ヴィッセは明日の予定を立てながら読み掛けの本のページを開く、明日もヤハネは側にいる先ず大事な事はそこからだった…。
STAGE.5ーオマケ ご想像に
蒐集家とて風呂に入る、どちらかと言えば長湯を好む方だ。
広い湯船から上がり風魔法で瞬時に身体を乾かし、ゆったり目のシャツとスラックスに黒い靴下、スリッパに黒い手袋を魔法で着用し洗面台の鏡を見つめる、ジラ達が容姿だけは最上と言う蒐集家の外観、本人は生まれ持ってきた物だ造形は良いという程度の物だ。
「これだと見えるか……お前達勘が良いな」
いつもは肌をほぼ晒さない分、今夜の寝巻きのシャツから覗く蔦がシャツから見えないようにしゅるりと下がっていった。
「やった事など無いが…神と関係を持つとどうなるか面白そうだ」
蒐集家の口が大きく歪み、首に付けた鈴がちりんと鳴った。
『大河様がお見えです…お断りします』
茶と香をテーブルに置きソファで優雅に足を組む蒐集家に風早から連絡が入る、端からこの部屋に来て欲しくない風早に嗤った。
「通せ、可哀想だろう?」
『……………大河様、どうぞ』
「ああ、悪いが泊めてくれ」
「構いませんよ、どうぞ」
風早は迷いながらも大河を招く、ドアから入って来た大河は何処か顔色が悪かった。
「吐き気等は?」
「お前の薬で無いが…」
「眠れない…と」
「ああ」
「睡眠導入剤も渡しましたが…茶をどうぞ、白湯もあります」
「ああ」
出された湯飲みを大河が飲む、蒐集家も飲み落ち着いた。
「目の前で人間が炭になり、ちらつきますか?」
「…………」
図星か…なら、来なければ良かったのにと蒐集家は思う、あれ位想定内だろう。
「脆いなあ人間は、本当に脆い」
「そうだ」
「次は来ない方いいですよ?あれ位でそうなったら保ちませんよ」
「………その時決める」
「好きにしろ、さっさと寝たらどうた?明日も早い、私もだ」
「ああ、そうさせ………」
ピクリと大河の様子が変わる、目が見開き蒐集家を睨み付けた。
「何をした?」
「親切心」
「風早!」
「時間を固定させてるから干渉出来ない、神々もだ」
「は?」
「身体に影響はない、記憶を薄くするだけだ。あの部分だけを」
「まさに悪魔か…」
「違いますよ、これでも異界の神なんですよ?それもかなり上位の」
大河がふらつきながら立ち上がる、蒐集家のシャツを掴んで睨み付けはだけた部分が顕になった…。
「なんだこれは?タトゥー?」
「違いますよ」
白い肌には這うように存在する蔦、唖然とする大河に薄く嗤う。
「水でも飲みますか?」
何処までも淡々としている蒐集家に大河が腹を立て…身体の芯が疼くのを感じた。
「これは…」
「起きたら忘れますから、好きにしたら良いですよ?」
「お前…なんで」
「さあ、面白い方が良いでしょう?大丈夫明日には覚えてませんよ、この時間に何があったかも。怖かったんでしょう?人が炭になったのも首が無く身体が溶け…酷い形相でしたよね?」
「やめろ」
思い出すあの国で見た国王の顔と身体と部下の消し炭になった場面、大河は蒐集家をソファに倒す、彼はくくと心底愉快げに嗤った。
「どうぞ?時間はある」
大河は…思考止め、蒐集家の肌に手を伸ばした…蒐集家の身体は何処までも冷たかった…。
「大河君…私はとても意地悪なんです」
「知っている、かつて俺はアンタと会った事がある」
「ええ、かつていつかの何処で…」
大河は蒐集家の顔に顔を寄せ、吐息が交わる距離で話しをする…睦言にしては色気の無い物だった…。
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