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第010部 魔人達に捧げる禍つ謳
第5幕 終幕×STAGE.5ーFINAL
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第5幕 終幕×STAGE.5ーFINAL
「はーい、皆さんコップ手元にありますか?」
本日の進行係(じゃんけんで負けた率)がゴーレム達の焼き肉屋を本日貸し切り《アウトランダーズ商会》のおごりで皆に食事を振る舞う、コップが全員に配り終わったのを確認し率が高くコップ(ジュース)掲げた。
「それでは皆さんお疲れ様でしたーカンパイ」
『カンパーイ』
蒐集家やオーケスとラヴィトリ達は、《島船》に残り獣人達の様子を見る事にし、ナイル、千眼、千華は畑で食事を…一部不参加な者達もいるが概ね揃い賑やかな焼き肉パーティーが始まった。
「なんだ!この肉うめぇ」
「うう、生きてて良かったー」
「はあ、馴染みにも会えたし酒がうめえな…」
ダーグがしんみりと酒を飲みながら一時はもう駄目かと思ったが今は本当に良かった、彼等にはどれだけ返しても返しきれない恩が出来たが今は…。
「それは俺が焼いた肉だ」
「あ、それ俺の」
「いや、これは俺のだ!」
焼いている肉の醜い奪い合いをしている、肉はまだまだあるが兎に角焼いている肉を食べたいのだった。
「うわあ、ネズミさんこんなに美味しいお肉初めて食べました」
『そうですねぇ、いつもは生か塩も無い焼いた肉が食べれたら良い方でしたもんねぇ』
「たくさん食べて」
「これも食べて…」
「ほら、これやるよ」
「あ、ありがとうございます」
キートが噛めば口の中でとろける様な肉に喜び、隣のネズミが頷いて過酷な環境だったのを口にしながら柔らかい肉に齧り付き、グローリーやイザラとイデアが次々焼けた肉をキートの皿に盛る。
「たくさん食べてね!」
「ありがとう晴海ちゃん…」
晴海が鉄板の上の肉をトングで返しながら更に追加で焼いて行く、ゴーレム達がサラダや果物も並べてくれるので目に楽しく、今迄の食事の中で1番幸せな物だった。
今療養中の一緒に過ごした獣人の子供達とここに来ようと決める、その時は自分の金で来ようと誓った。
「子供だらけだな、おい危ない」
「何故私まで…それはまだ焼けてません」
「宴だからな、ほら食え」
「はい、イビヤちゃんあーんしてはいはいちょっとまっててねー」
掘りごたつのお座敷を全て使い、子供達と保護者にゴーレム達にヒヨコやおりがみの子達に動物達も動員し、元気な獣人の奴隷の子供達や孤児院の子供達に、皇国から孤児院の教師やスタッフ達も顔合わせてという形で子供達の間で世話をしたていた。
タナトスもむすっとしながら焼き肉を食べ、テスカやカヌイも馴れないながらも子供達の世話し後でグローリー達と交代
する事になっている、エクトはゴーレムに食べさせてもらい、セレネはカーテスに食べさせて貰うのを待っていた。
「増えたなーまだまだ増えんな、焼けたぞ」
「増築しましょう、さあどうぞ」
「土地はいくらでもあるからな、ん、こちらも良いぞ」
「働き手を増やす、追加を貰おう」
「必要だな、こっち米とタレもな」
ティス、ライガル、ニジェルガ、イシュター、ジラ達が子供達に肉や野菜を食べさせながら、皇国の孤児院の話しをしていた。
子供達が回復し様子を見て本人達の意思で皇国に来るか決めて貰う、選んでくれれば嬉しいとドラゴン達は思っている。
「美味しいです、お水も…果物も…お肉もこのご飯というものも…」
ほう…と溜め息を吐きながら優雅に食べながら、舵達と子供達の食事の手伝いをして顔をエピシュが顔を綻ばせた。
「たくさん食べて」
「はい、どうぞ!」
「これ、おいしいよぉー」
「これも焼けたぞ」
舵がニコニコし、ベルンとカタンとラピスが出来た物を皿に乗せてくれる向かいで上機嫌なカクラとどんよりしているカラクの隣で苦笑いを浮かべながらカルン達にミルクを飲ませるトイとニア。
「仕方ないだろう?お前には騎士団があるのだから」
「だからって父上だけー」
「ばぱーお仕事がんばれー」
「がんばって下さい!」
「がんばれ」
「うう、ぱぱもみんなに囲まれたいー」
皇国の孤児院の教師及び運営陣の1名として招集されたカクラとならば自分もと立候補(騎士団はどうすると即却下された)したが結果は…なので拗ねていた。
「お前も非番の時はいつも来ているのだから」
「父上なんか、孫可愛さに部下脅して引退してー」
「脅してはいない、快く交代して貰った。そのお陰で可愛い孫達と住めるからなふふ」
「カタン!ばぱもみんなと住めるように頑張るからな!」
「へーきだよーみんないるからー」
「うう…息子の成長がはやいよお」
泣くカラクに嬉しいカクラ、お座敷は大層賑やかだった。
「ありがとぉ、ゴーレムちゃんたちい」
「あーう!」
『はい、ベル様のお肉ですよ』
目隠し男が両手にゴーレム2体を持ち焼き肉を食べさせて貰っているのに、対抗して向かいのベルが肉を最速しタイタンが食べさせる、いつも食事よりお菓子をねだるので良い傾向だとタイタンとプロメテウスは思う。
「おいしいよお、かわいいねえ」
ゴーレムにデレデレの目隠し男、ゴーレム達にも肉を食べさせているのでそれを見たベルも肉をタイタンとプロメテウスに食べさせる。
「あぅ、あぅ」
『はい、いただきます』
『………』
タイタンとプロメテウスもこくこくと食べる、ベル満足そうに笑った。
テンテストがちらとテーブルを見れば、テュフとデュスノアとトラングとカトゥーシュカという、まとまりなが無さそうな卓だった。
「酒の追加だ、ワインを」
「旦那焼けたぞ」
「ああ、貰おう」
「チーズはどうだ?」
「合うな」
「魚もおいしーソース良し」
テュフが肉を焼き、カトゥーシュカが魚を焼きデュスノアに渡してからトラングとテンテストに渡す…周囲は皆距離を置いて食べている、理由はシンプル赤いのだ、肉とか魚とソース、調味料等諸々…辛い料理が並ぶ卓でテュフは料理の試作がてら4名に振る舞っていた。
「キノコのチーズ掛けに香辛料を掛けた物は赤ワインが合うな」
「この貝の酒を掛けた物に辛い粉を掛けた物は白が合う」
「ん~この四角のステーキにはこのかなり辛い黒ソース良いねぇ。たっぷりの冷えた酒が合う~」
この3名詳しくわ聞いていないが良い育ちらしい、料理と酒の相性もすぐ組み合わせが出来る、テンテストは何でも食べる残すなどもっての他だ、辛い物も勿論好きだ。
「あ、この芋を焼いたのにチーズ掛けて辛いソース掛けたのおいしい!」
「そうか!ならこっちも食べてみてくれ」
テュフがポテトサラダを食堂から出してくれ、詠斗に教えて貰った箸を使ってみればテンテストがぱあと笑顔になる。
「おいしい!これなんですか!?」
「ん?ポテトサラダだぞー懐記から教えて貰ったぞー気に入ったか?」
「はい!」
「私にも」
「ちょーだい」
「こちらにも」
「お、食ってくれ。新メニューだからな、作り方教えるぞ」
「本当ですか?」
「ああ、明日カジノ行く前に寄ってくれ」
「わぁ、はい!」
テュフがニカッと笑い、トラング達も美味しいと言えば周囲も是非とやってくる。
「作ったら食べさせてよー」
「えーいいですよ」
ねだるトラングに少しだけ意地悪く言い、でも笑顔でポテトサラダを食べた。
「サラダ追加でー」
「はーい」
「お酒下さいー」
「そこに用意した」
「すみません、ご飯お願いします」
「こっちは焼き野菜をー」
「ここにあるよー」
「子供達にジュースを」
「お、こっちにあるぞー氷も持ってってくれー」
焼き肉屋の厨房では詠斗達が汗をかき、世話しなく料理しとっかえひっかえ人が入れ替わり立ち替わり料理を運び皿を片付ける。
「交代します」
「食べて来てください」
カイネとバルタル達がやって来たので交代し、テーブルでチグリス達と焼き肉を頂いた。
「んーはぁ、美味しい」
「ああ、うまい」
「チーズソースあいますー」
「毒ダンジョンのスパイス美味しいですね」
「うん、神様達も喜んでいたねー」
「焼き肉には米とスープと酒が進むわ」
「みんな頑張ったからね、また明日からは暫くは忙しいけど。英気を養っておこう」
「明日はアパートと事務所造りだ、楽しみだよ。今回の砂漠で砂も持ち帰ったし、砂場も作ろう。あの大きなゴーレムも動かせるから、色々出来るぞ」
詠斗達が焼き肉を始め、ジラや雑務を片付けたラジカに舵が座り適当にカンパイしてお互いを労う、最近はバラバラに活動している事が多いせいかなんだか久しぶりの感じがした。
この後は温泉に入りゆっくりして、また明日朝から動こうと適当な時間まで穏やかかな時間が流れた…。
蠱毒蝶…数百…または千年単位で突如出現する、蟲人最強の種。
「美しいですよね、脆いから美しいと思うんですが。どうです?」
『あっしはしがないネズミですから、美というものにはとんと縁がありません』
「そんな事はないでしょう、《灤嚙鬼(らんごうき)》たる貴方ならば蠱毒蝶など簡単に始末出来たでしょう」
『ええ、まあ』
《島船》眠る蠱毒蝶のチナスの様子を蒐集家とネズミが見守る、部屋に置かれたソファに座り蒐集家が薄く嗤う。
「情でも湧きましたか?」
『……子供を殺すなんざあっしにはできゃせん、兄弟達に顔向け出来ませんから』
「兄弟…」
ピクリと蒐集家が反応する。ネズミはそれに気付いたが何も言わない。
『助けて頂いた事、感謝いたしやす』
「気にする必要はありませんよ」
『天上の君たる貴方だからこそ、あれで済みやした』
「………ほぉ、流石というべきですね」
『あっしは大したもんじゃありゃしません』
蒐集家は嗤う……が流石に少し、そう本の少し疲れたと夜の海に目を向けた…。
第5幕 終幕×STAGE.5ーFINAL 完
「はーい、皆さんコップ手元にありますか?」
本日の進行係(じゃんけんで負けた率)がゴーレム達の焼き肉屋を本日貸し切り《アウトランダーズ商会》のおごりで皆に食事を振る舞う、コップが全員に配り終わったのを確認し率が高くコップ(ジュース)掲げた。
「それでは皆さんお疲れ様でしたーカンパイ」
『カンパーイ』
蒐集家やオーケスとラヴィトリ達は、《島船》に残り獣人達の様子を見る事にし、ナイル、千眼、千華は畑で食事を…一部不参加な者達もいるが概ね揃い賑やかな焼き肉パーティーが始まった。
「なんだ!この肉うめぇ」
「うう、生きてて良かったー」
「はあ、馴染みにも会えたし酒がうめえな…」
ダーグがしんみりと酒を飲みながら一時はもう駄目かと思ったが今は本当に良かった、彼等にはどれだけ返しても返しきれない恩が出来たが今は…。
「それは俺が焼いた肉だ」
「あ、それ俺の」
「いや、これは俺のだ!」
焼いている肉の醜い奪い合いをしている、肉はまだまだあるが兎に角焼いている肉を食べたいのだった。
「うわあ、ネズミさんこんなに美味しいお肉初めて食べました」
『そうですねぇ、いつもは生か塩も無い焼いた肉が食べれたら良い方でしたもんねぇ』
「たくさん食べて」
「これも食べて…」
「ほら、これやるよ」
「あ、ありがとうございます」
キートが噛めば口の中でとろける様な肉に喜び、隣のネズミが頷いて過酷な環境だったのを口にしながら柔らかい肉に齧り付き、グローリーやイザラとイデアが次々焼けた肉をキートの皿に盛る。
「たくさん食べてね!」
「ありがとう晴海ちゃん…」
晴海が鉄板の上の肉をトングで返しながら更に追加で焼いて行く、ゴーレム達がサラダや果物も並べてくれるので目に楽しく、今迄の食事の中で1番幸せな物だった。
今療養中の一緒に過ごした獣人の子供達とここに来ようと決める、その時は自分の金で来ようと誓った。
「子供だらけだな、おい危ない」
「何故私まで…それはまだ焼けてません」
「宴だからな、ほら食え」
「はい、イビヤちゃんあーんしてはいはいちょっとまっててねー」
掘りごたつのお座敷を全て使い、子供達と保護者にゴーレム達にヒヨコやおりがみの子達に動物達も動員し、元気な獣人の奴隷の子供達や孤児院の子供達に、皇国から孤児院の教師やスタッフ達も顔合わせてという形で子供達の間で世話をしたていた。
タナトスもむすっとしながら焼き肉を食べ、テスカやカヌイも馴れないながらも子供達の世話し後でグローリー達と交代
する事になっている、エクトはゴーレムに食べさせてもらい、セレネはカーテスに食べさせて貰うのを待っていた。
「増えたなーまだまだ増えんな、焼けたぞ」
「増築しましょう、さあどうぞ」
「土地はいくらでもあるからな、ん、こちらも良いぞ」
「働き手を増やす、追加を貰おう」
「必要だな、こっち米とタレもな」
ティス、ライガル、ニジェルガ、イシュター、ジラ達が子供達に肉や野菜を食べさせながら、皇国の孤児院の話しをしていた。
子供達が回復し様子を見て本人達の意思で皇国に来るか決めて貰う、選んでくれれば嬉しいとドラゴン達は思っている。
「美味しいです、お水も…果物も…お肉もこのご飯というものも…」
ほう…と溜め息を吐きながら優雅に食べながら、舵達と子供達の食事の手伝いをして顔をエピシュが顔を綻ばせた。
「たくさん食べて」
「はい、どうぞ!」
「これ、おいしいよぉー」
「これも焼けたぞ」
舵がニコニコし、ベルンとカタンとラピスが出来た物を皿に乗せてくれる向かいで上機嫌なカクラとどんよりしているカラクの隣で苦笑いを浮かべながらカルン達にミルクを飲ませるトイとニア。
「仕方ないだろう?お前には騎士団があるのだから」
「だからって父上だけー」
「ばぱーお仕事がんばれー」
「がんばって下さい!」
「がんばれ」
「うう、ぱぱもみんなに囲まれたいー」
皇国の孤児院の教師及び運営陣の1名として招集されたカクラとならば自分もと立候補(騎士団はどうすると即却下された)したが結果は…なので拗ねていた。
「お前も非番の時はいつも来ているのだから」
「父上なんか、孫可愛さに部下脅して引退してー」
「脅してはいない、快く交代して貰った。そのお陰で可愛い孫達と住めるからなふふ」
「カタン!ばぱもみんなと住めるように頑張るからな!」
「へーきだよーみんないるからー」
「うう…息子の成長がはやいよお」
泣くカラクに嬉しいカクラ、お座敷は大層賑やかだった。
「ありがとぉ、ゴーレムちゃんたちい」
「あーう!」
『はい、ベル様のお肉ですよ』
目隠し男が両手にゴーレム2体を持ち焼き肉を食べさせて貰っているのに、対抗して向かいのベルが肉を最速しタイタンが食べさせる、いつも食事よりお菓子をねだるので良い傾向だとタイタンとプロメテウスは思う。
「おいしいよお、かわいいねえ」
ゴーレムにデレデレの目隠し男、ゴーレム達にも肉を食べさせているのでそれを見たベルも肉をタイタンとプロメテウスに食べさせる。
「あぅ、あぅ」
『はい、いただきます』
『………』
タイタンとプロメテウスもこくこくと食べる、ベル満足そうに笑った。
テンテストがちらとテーブルを見れば、テュフとデュスノアとトラングとカトゥーシュカという、まとまりなが無さそうな卓だった。
「酒の追加だ、ワインを」
「旦那焼けたぞ」
「ああ、貰おう」
「チーズはどうだ?」
「合うな」
「魚もおいしーソース良し」
テュフが肉を焼き、カトゥーシュカが魚を焼きデュスノアに渡してからトラングとテンテストに渡す…周囲は皆距離を置いて食べている、理由はシンプル赤いのだ、肉とか魚とソース、調味料等諸々…辛い料理が並ぶ卓でテュフは料理の試作がてら4名に振る舞っていた。
「キノコのチーズ掛けに香辛料を掛けた物は赤ワインが合うな」
「この貝の酒を掛けた物に辛い粉を掛けた物は白が合う」
「ん~この四角のステーキにはこのかなり辛い黒ソース良いねぇ。たっぷりの冷えた酒が合う~」
この3名詳しくわ聞いていないが良い育ちらしい、料理と酒の相性もすぐ組み合わせが出来る、テンテストは何でも食べる残すなどもっての他だ、辛い物も勿論好きだ。
「あ、この芋を焼いたのにチーズ掛けて辛いソース掛けたのおいしい!」
「そうか!ならこっちも食べてみてくれ」
テュフがポテトサラダを食堂から出してくれ、詠斗に教えて貰った箸を使ってみればテンテストがぱあと笑顔になる。
「おいしい!これなんですか!?」
「ん?ポテトサラダだぞー懐記から教えて貰ったぞー気に入ったか?」
「はい!」
「私にも」
「ちょーだい」
「こちらにも」
「お、食ってくれ。新メニューだからな、作り方教えるぞ」
「本当ですか?」
「ああ、明日カジノ行く前に寄ってくれ」
「わぁ、はい!」
テュフがニカッと笑い、トラング達も美味しいと言えば周囲も是非とやってくる。
「作ったら食べさせてよー」
「えーいいですよ」
ねだるトラングに少しだけ意地悪く言い、でも笑顔でポテトサラダを食べた。
「サラダ追加でー」
「はーい」
「お酒下さいー」
「そこに用意した」
「すみません、ご飯お願いします」
「こっちは焼き野菜をー」
「ここにあるよー」
「子供達にジュースを」
「お、こっちにあるぞー氷も持ってってくれー」
焼き肉屋の厨房では詠斗達が汗をかき、世話しなく料理しとっかえひっかえ人が入れ替わり立ち替わり料理を運び皿を片付ける。
「交代します」
「食べて来てください」
カイネとバルタル達がやって来たので交代し、テーブルでチグリス達と焼き肉を頂いた。
「んーはぁ、美味しい」
「ああ、うまい」
「チーズソースあいますー」
「毒ダンジョンのスパイス美味しいですね」
「うん、神様達も喜んでいたねー」
「焼き肉には米とスープと酒が進むわ」
「みんな頑張ったからね、また明日からは暫くは忙しいけど。英気を養っておこう」
「明日はアパートと事務所造りだ、楽しみだよ。今回の砂漠で砂も持ち帰ったし、砂場も作ろう。あの大きなゴーレムも動かせるから、色々出来るぞ」
詠斗達が焼き肉を始め、ジラや雑務を片付けたラジカに舵が座り適当にカンパイしてお互いを労う、最近はバラバラに活動している事が多いせいかなんだか久しぶりの感じがした。
この後は温泉に入りゆっくりして、また明日朝から動こうと適当な時間まで穏やかかな時間が流れた…。
蠱毒蝶…数百…または千年単位で突如出現する、蟲人最強の種。
「美しいですよね、脆いから美しいと思うんですが。どうです?」
『あっしはしがないネズミですから、美というものにはとんと縁がありません』
「そんな事はないでしょう、《灤嚙鬼(らんごうき)》たる貴方ならば蠱毒蝶など簡単に始末出来たでしょう」
『ええ、まあ』
《島船》眠る蠱毒蝶のチナスの様子を蒐集家とネズミが見守る、部屋に置かれたソファに座り蒐集家が薄く嗤う。
「情でも湧きましたか?」
『……子供を殺すなんざあっしにはできゃせん、兄弟達に顔向け出来ませんから』
「兄弟…」
ピクリと蒐集家が反応する。ネズミはそれに気付いたが何も言わない。
『助けて頂いた事、感謝いたしやす』
「気にする必要はありませんよ」
『天上の君たる貴方だからこそ、あれで済みやした』
「………ほぉ、流石というべきですね」
『あっしは大したもんじゃありゃしません』
蒐集家は嗤う……が流石に少し、そう本の少し疲れたと夜の海に目を向けた…。
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