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第010部 魔人達に捧げる禍つ謳
第5幕 第18話挨拶×STAGE.5ー18後始末
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STAGE.5ー18後始末
『ご歓談中の所失礼します、明日蒐集家に診て貰いたい方々と薬を用意して欲しいと懐記様から要請がありました。明日朝店を始める前に《島船》へ』
「良いでしょう、羽を切り離した蠱毒蝶が気になったので診ましょう」
『お願いします』
「千歳、コーヒーに砂糖を2つ」
「はい、大河君は?」
「俺はブラックで」
「どうぞ、蒐集家さんは?」
「私もブラックで」
「どうぞ」
千歳がコーヒーの準備をし、風早からの放送が入り蒐集家が特に嫌な顔もせず了承しコーヒーの香りを楽しむ。
「これが《刻の亡骸》と《意思の無効》だよ、それともう1つあの遺跡にあった…」
「《花の聲》ですか、これはちょうど良いです。蠱毒蝶は花も食べますから、これだけ借りて後は返せば良い。風早神々に報酬の樹は仮でも未完成でもすぐに《島船》に植えるよう伝えて下さい。すぐに《花の聲》を発動させます」
『承知しました』
「残りはエピシュさんに返しておくね、千華さんは?」
「私は《花の聲》を見たかったので、花が咲くのが楽しみです」
「貴方の花も良ければ、良い薬になりますし。《花の聲》は歌や楽器で花の質を変える至宝というべきか魔法具と呼ぶべきか迷う代物ですね」
「是非、これを作った者は砂漠の国でも咲く花を作りかったのでしょう」
「……使いこなせるやつがいなかったのか」
「そうみたいだね、良い物なのに」
「今はいますよ、聖者がそれに魔王も」
「ええ、私も使ってみましょうか」
「お願いするよ」
「そうだな」
コーヒーを飲みながら宝石の花を千歳が蒐集家に託す、《意思の無効》《刻の亡骸》を水から回収する際に一緒に引き上げた物だった。
千歳や大河は《花の聲》を作り出した者は荒れた砂漠の大地に僅かでも希望を見て欲しかったのだろうと思い馳せる、蒐集家はコーヒーを飲み終わり追加を貰い、千華はミルクを追加した。
「で、いつ《ドンドース》に向かう?宴会が始まる前に行くぞ」
「だそうですよ、千歳さん」
「どうします?」
「んー」
「おやつありますよ、ゴーレム達がマシュマロを沢山貰いました。どうです?」
大河が3名に本題を問う、蒐集家と千華は千歳に丸投げする事にした。
「食べようか、大河君も食べよう。コーヒーお代わりする?それともお酒にする?」
「焼き肉前なので食べませんよ、人が死ぬのは受け入れる」
「………出来れば来ないで欲しいけど…」
「千歳…諦めましょう。少し脅しに行くだけですから」
「私は蠱毒蝶の羽を使いたいので」
「国を終わらせる気なのか?」
「いいでしょ」
「………行こう」
大河も引くつもりはないらしく千華が物騒な事を言いつつ、蒐集家は平常運転で千歳は溜め息を吐きながら今夜はラジカと呑もうと決めて《ドンドース》の城へと転移した。
第18話挨拶
「お、カイム!俺達の長、美人じゃん!いいね!」
「美人かどうかは知らねーが真っ黒な宝石に金撒いた感じだよな」
「?はじめましてグローリーです…」
「俺はヤハネ!会えて嬉しい!宜しく」
「はい」
《島船》の食堂で身支度を整えたヤハネやエピシュに、盗賊団達や獣人の奴隷達と拘束し連れて帰った術者達に食事や衣服を提供しつつ、グローリー達もヤハネと会い嬉しそうにはしゃいでいた。
「今夜は焼き肉…」
「パーティーだぞ!」
「へぇ、そりゃ楽しみだな」
ヤハネにイザラとイデアが今夜の事を話せば頭を撫でる、グローリーを始めとする魔人、イビヤ達も集まり挨拶をする。
「おい、ヤハネ。お前真贋鑑定できるよな?」
「ああ、まあ、できっけど」
「あの赤ん坊鑑定しろ、《魔神皇》の眼から産まれた最上位の王属性持ちだ」
「おお、どれどれー」
「勝手に《魔神皇》の御子を鑑定するなど不敬ですよ」
「固い事言うなよ」
「そーそー石頭だな、ヴィッセは。もし下位の魔神から最上位の王属性の魔人が誕生したら…」
「ネフィリムを引き摺り下ろす手札が手に入る」
カイムがヤハネの首根っこを掴みイザラの腕の中で眠るイビヤを指す、ヤハネも興味深く赤ん坊に視線を移せばヴィッセが咳払いを行い咎めるがカイムの一言に引き下がった。
「うん、間違いなく最上位の王属性だ。最高だな!俺達下位の評価が変わるな………カイム?」
「………ああ」
イビヤを通り越し何処か遠くを見るカイムにヤハネは首を傾げる、頭を振り引き続きグローリー達とこの後ヤハネが何処に住むか等話し合いを行った…。
「んじゃ、ダーグ達はホテルね。案内するよ、夜は焼き肉だからゆっくり過ごしてよ」
『はい!』
詠斗がダーグ達に説明し、ロックスは部屋の用意を頼んであるし暫くしたら職等の案内も行う事になっている、盗賊所謂義賊なら続けても良いのではと詠斗は思うが、ダーグ達はちょうど良い渡りに船と言った感じで喜んでいるので詠斗もそれ以上は言わずに《ホウラク》のホテルに向かった。
「お、アパートか!面白そうだな」
「明日造るか?仕事部屋と一緒に…」
「ああ!造ろう。さて焼き肉までこのゴーレムを調べるか」
「ああ…」
カジノタワーの大会議室で《ドンドース》から持ち帰った巨体獣型ゴーレムを崇幸と千眼とで調べていた。
「砂と土……魔石に……この石は…魔鉄?」
千眼がゴーレムの中にある物を調べていく、胸の部分の板を千眼が見聞し魔王若しくはそれに近しい力を微かに感じた。
「《テンランド》…の魔王か…」
思い当たるのは序列第12位…いや、あの魔王ならばこんな残滓は残さない。
「ま、気にせずに千眼さん。こいつを公園の番人にしよう!」
「ああ…滑り台はどうだ?」
「お!いいね!さ、やるぞ」
崇幸が千眼の肩を叩けば、千眼が薄く薄く笑った…。
STAGE.5ー18後始末
「これは…」
「あ、こんにちはー!挨拶合ってるー?」
「はい、こんにちは。で、やります?」
「えーどうしよ」
「待て…これはなんだ…」
「大河君…前に出るな千華さんも」
到着した《ドンドース》の王城へ到着した一行…大河が眼前の無惨な光景に唖然とし、千歳が大河と千華の前に腕を出して警戒する。
目の前の玉座の前に恐らく王だった男の首から下は玉座にどろどろと崩れ、首は…あどけない少年が片手でボールの様に跳ねていた。
「これは、掃除の手前が省けました。ありがとうございます」
「えへへ、褒められたー」
「お駄賃にお菓子を上げます、どうぞ」
蒐集家が礼を言えばあどけない少年が朗らかに笑い、収納から出したゴーレムが作った葉に包んだマシュマロを渡した。
「わあ!これ!さっきガジェスト兄様がこっそり食べようとしてたのだー1個貰ったらおいしかったーうれしー」
「それでどうします?」
「んー?えとー蒐集家とはやるなーって言われているからかえるよー」
「そうですか、随分減らしましたね」
「んー、んーせっかくあげたゴーレム台無しにしたし聖者も持って帰れなかったからお仕置きだってー」
チリン…蒐集家が外に視線を逸らせば外にこの国の生存者はいない《ドンドース》は今を持ってして滅んだのだ。
「こいつはなんだ?」
「ぼくぅはねー」
「王!へ、陛下!?ひぃ!」
砂まみれ、汗だくのオグノスが転げらながら腰を抜かす、眼前で王の身体が玉座で溶けて頭を子供に玩具にされているのだ、将軍と言えどまともにその場には立っていられない、良い王では無かった、不老不死に取り憑かれた暴君だったがそれでも王だった…。
「はい、さよならー」
『逃げろ!』
少年の陽気な声に大河と千歳が声を揃えるが、オグノスが声1つ上げられず消し炭となり不愉快な臭いが充満する。
「失敗した結果ですね」
「そーそー、あ、お母様がー言ってたんだけど、この世界には神や魔人やドラゴンや色々な種族がいてでもねでもね」
『悪魔はいない』
「そーなんだよーねー悪魔なの?」
「似て非なると言っておきます」
「そーなんだー」
「そろそろ帰った方が良いかと」
「そーだねーさよーならー」
「はい、さようなら」
少年と蒐集家が声を揃える、そして少年は王の頭を放って空間を裂いて消えてしまった。
「どうしましょう?この国」
「………」
「鑑定出来なかったね」
「ああ、国はちょうど良いですね。彼らに管理を任せてみましょう」
千華と千歳と蒐集家は焼けた死体も王の酷い死体も独断感心も感情も動かないようだ、大河が少し考えていれば蒐集家が指を鳴らし空間から2体の黒いゴーレム…ニアが修繕したゴーレムとタイタンが現れた。
「タイタン、ベル君は良いのかい?」
『はい、今ベル様はお昼寝中です。プロメテウスがそばにいますから』
「彼らに管理して貰いましょう、崇幸さんには王を追い出したのでゴーレム達と…」
『皆様お疲れ様です、私と…』
『はぁーい、識ちゃんよー』
「この2名に管理して貰います」
「君達働き過ぎじゃないのか?」
「すみません、流石に冷静さを失いました。風早達良いのか?」
『問題有りません』
『へーきよぉ~』
「千歳さんここと《ホウラク》《島船》カジノタワーと空間を繋げて下さい」
「もちろん、構わないよ。もしやれるなら《カトナント》も管理してくれないかな?空間を繋げるよ、いつかエピシュさんが戻れた時にね」
『承知しました』
タイタンがこくりと頷き千歳が空間を繋げていく、大河は切り替えようと頭を振った。
『すみません、ベル様が起きますので先に失礼します』
『あら、そろそろ焼き肉パーティー始まるわぁー』
「戻りましょう、ニアのゴーレム達宜しくお願いしますね」
宙に浮かぶ翼を羽やしたゴーレム達が口から牙を剥き出しにし笑って手を振る…後にこの《ドンドース》と《カトナント》を纏めその周辺の砂漠地帯が《ゴーレム王国》として名を馳せるのは少し先の話し…。
『ご歓談中の所失礼します、明日蒐集家に診て貰いたい方々と薬を用意して欲しいと懐記様から要請がありました。明日朝店を始める前に《島船》へ』
「良いでしょう、羽を切り離した蠱毒蝶が気になったので診ましょう」
『お願いします』
「千歳、コーヒーに砂糖を2つ」
「はい、大河君は?」
「俺はブラックで」
「どうぞ、蒐集家さんは?」
「私もブラックで」
「どうぞ」
千歳がコーヒーの準備をし、風早からの放送が入り蒐集家が特に嫌な顔もせず了承しコーヒーの香りを楽しむ。
「これが《刻の亡骸》と《意思の無効》だよ、それともう1つあの遺跡にあった…」
「《花の聲》ですか、これはちょうど良いです。蠱毒蝶は花も食べますから、これだけ借りて後は返せば良い。風早神々に報酬の樹は仮でも未完成でもすぐに《島船》に植えるよう伝えて下さい。すぐに《花の聲》を発動させます」
『承知しました』
「残りはエピシュさんに返しておくね、千華さんは?」
「私は《花の聲》を見たかったので、花が咲くのが楽しみです」
「貴方の花も良ければ、良い薬になりますし。《花の聲》は歌や楽器で花の質を変える至宝というべきか魔法具と呼ぶべきか迷う代物ですね」
「是非、これを作った者は砂漠の国でも咲く花を作りかったのでしょう」
「……使いこなせるやつがいなかったのか」
「そうみたいだね、良い物なのに」
「今はいますよ、聖者がそれに魔王も」
「ええ、私も使ってみましょうか」
「お願いするよ」
「そうだな」
コーヒーを飲みながら宝石の花を千歳が蒐集家に託す、《意思の無効》《刻の亡骸》を水から回収する際に一緒に引き上げた物だった。
千歳や大河は《花の聲》を作り出した者は荒れた砂漠の大地に僅かでも希望を見て欲しかったのだろうと思い馳せる、蒐集家はコーヒーを飲み終わり追加を貰い、千華はミルクを追加した。
「で、いつ《ドンドース》に向かう?宴会が始まる前に行くぞ」
「だそうですよ、千歳さん」
「どうします?」
「んー」
「おやつありますよ、ゴーレム達がマシュマロを沢山貰いました。どうです?」
大河が3名に本題を問う、蒐集家と千華は千歳に丸投げする事にした。
「食べようか、大河君も食べよう。コーヒーお代わりする?それともお酒にする?」
「焼き肉前なので食べませんよ、人が死ぬのは受け入れる」
「………出来れば来ないで欲しいけど…」
「千歳…諦めましょう。少し脅しに行くだけですから」
「私は蠱毒蝶の羽を使いたいので」
「国を終わらせる気なのか?」
「いいでしょ」
「………行こう」
大河も引くつもりはないらしく千華が物騒な事を言いつつ、蒐集家は平常運転で千歳は溜め息を吐きながら今夜はラジカと呑もうと決めて《ドンドース》の城へと転移した。
第18話挨拶
「お、カイム!俺達の長、美人じゃん!いいね!」
「美人かどうかは知らねーが真っ黒な宝石に金撒いた感じだよな」
「?はじめましてグローリーです…」
「俺はヤハネ!会えて嬉しい!宜しく」
「はい」
《島船》の食堂で身支度を整えたヤハネやエピシュに、盗賊団達や獣人の奴隷達と拘束し連れて帰った術者達に食事や衣服を提供しつつ、グローリー達もヤハネと会い嬉しそうにはしゃいでいた。
「今夜は焼き肉…」
「パーティーだぞ!」
「へぇ、そりゃ楽しみだな」
ヤハネにイザラとイデアが今夜の事を話せば頭を撫でる、グローリーを始めとする魔人、イビヤ達も集まり挨拶をする。
「おい、ヤハネ。お前真贋鑑定できるよな?」
「ああ、まあ、できっけど」
「あの赤ん坊鑑定しろ、《魔神皇》の眼から産まれた最上位の王属性持ちだ」
「おお、どれどれー」
「勝手に《魔神皇》の御子を鑑定するなど不敬ですよ」
「固い事言うなよ」
「そーそー石頭だな、ヴィッセは。もし下位の魔神から最上位の王属性の魔人が誕生したら…」
「ネフィリムを引き摺り下ろす手札が手に入る」
カイムがヤハネの首根っこを掴みイザラの腕の中で眠るイビヤを指す、ヤハネも興味深く赤ん坊に視線を移せばヴィッセが咳払いを行い咎めるがカイムの一言に引き下がった。
「うん、間違いなく最上位の王属性だ。最高だな!俺達下位の評価が変わるな………カイム?」
「………ああ」
イビヤを通り越し何処か遠くを見るカイムにヤハネは首を傾げる、頭を振り引き続きグローリー達とこの後ヤハネが何処に住むか等話し合いを行った…。
「んじゃ、ダーグ達はホテルね。案内するよ、夜は焼き肉だからゆっくり過ごしてよ」
『はい!』
詠斗がダーグ達に説明し、ロックスは部屋の用意を頼んであるし暫くしたら職等の案内も行う事になっている、盗賊所謂義賊なら続けても良いのではと詠斗は思うが、ダーグ達はちょうど良い渡りに船と言った感じで喜んでいるので詠斗もそれ以上は言わずに《ホウラク》のホテルに向かった。
「お、アパートか!面白そうだな」
「明日造るか?仕事部屋と一緒に…」
「ああ!造ろう。さて焼き肉までこのゴーレムを調べるか」
「ああ…」
カジノタワーの大会議室で《ドンドース》から持ち帰った巨体獣型ゴーレムを崇幸と千眼とで調べていた。
「砂と土……魔石に……この石は…魔鉄?」
千眼がゴーレムの中にある物を調べていく、胸の部分の板を千眼が見聞し魔王若しくはそれに近しい力を微かに感じた。
「《テンランド》…の魔王か…」
思い当たるのは序列第12位…いや、あの魔王ならばこんな残滓は残さない。
「ま、気にせずに千眼さん。こいつを公園の番人にしよう!」
「ああ…滑り台はどうだ?」
「お!いいね!さ、やるぞ」
崇幸が千眼の肩を叩けば、千眼が薄く薄く笑った…。
STAGE.5ー18後始末
「これは…」
「あ、こんにちはー!挨拶合ってるー?」
「はい、こんにちは。で、やります?」
「えーどうしよ」
「待て…これはなんだ…」
「大河君…前に出るな千華さんも」
到着した《ドンドース》の王城へ到着した一行…大河が眼前の無惨な光景に唖然とし、千歳が大河と千華の前に腕を出して警戒する。
目の前の玉座の前に恐らく王だった男の首から下は玉座にどろどろと崩れ、首は…あどけない少年が片手でボールの様に跳ねていた。
「これは、掃除の手前が省けました。ありがとうございます」
「えへへ、褒められたー」
「お駄賃にお菓子を上げます、どうぞ」
蒐集家が礼を言えばあどけない少年が朗らかに笑い、収納から出したゴーレムが作った葉に包んだマシュマロを渡した。
「わあ!これ!さっきガジェスト兄様がこっそり食べようとしてたのだー1個貰ったらおいしかったーうれしー」
「それでどうします?」
「んー?えとー蒐集家とはやるなーって言われているからかえるよー」
「そうですか、随分減らしましたね」
「んー、んーせっかくあげたゴーレム台無しにしたし聖者も持って帰れなかったからお仕置きだってー」
チリン…蒐集家が外に視線を逸らせば外にこの国の生存者はいない《ドンドース》は今を持ってして滅んだのだ。
「こいつはなんだ?」
「ぼくぅはねー」
「王!へ、陛下!?ひぃ!」
砂まみれ、汗だくのオグノスが転げらながら腰を抜かす、眼前で王の身体が玉座で溶けて頭を子供に玩具にされているのだ、将軍と言えどまともにその場には立っていられない、良い王では無かった、不老不死に取り憑かれた暴君だったがそれでも王だった…。
「はい、さよならー」
『逃げろ!』
少年の陽気な声に大河と千歳が声を揃えるが、オグノスが声1つ上げられず消し炭となり不愉快な臭いが充満する。
「失敗した結果ですね」
「そーそー、あ、お母様がー言ってたんだけど、この世界には神や魔人やドラゴンや色々な種族がいてでもねでもね」
『悪魔はいない』
「そーなんだよーねー悪魔なの?」
「似て非なると言っておきます」
「そーなんだー」
「そろそろ帰った方が良いかと」
「そーだねーさよーならー」
「はい、さようなら」
少年と蒐集家が声を揃える、そして少年は王の頭を放って空間を裂いて消えてしまった。
「どうしましょう?この国」
「………」
「鑑定出来なかったね」
「ああ、国はちょうど良いですね。彼らに管理を任せてみましょう」
千華と千歳と蒐集家は焼けた死体も王の酷い死体も独断感心も感情も動かないようだ、大河が少し考えていれば蒐集家が指を鳴らし空間から2体の黒いゴーレム…ニアが修繕したゴーレムとタイタンが現れた。
「タイタン、ベル君は良いのかい?」
『はい、今ベル様はお昼寝中です。プロメテウスがそばにいますから』
「彼らに管理して貰いましょう、崇幸さんには王を追い出したのでゴーレム達と…」
『皆様お疲れ様です、私と…』
『はぁーい、識ちゃんよー』
「この2名に管理して貰います」
「君達働き過ぎじゃないのか?」
「すみません、流石に冷静さを失いました。風早達良いのか?」
『問題有りません』
『へーきよぉ~』
「千歳さんここと《ホウラク》《島船》カジノタワーと空間を繋げて下さい」
「もちろん、構わないよ。もしやれるなら《カトナント》も管理してくれないかな?空間を繋げるよ、いつかエピシュさんが戻れた時にね」
『承知しました』
タイタンがこくりと頷き千歳が空間を繋げていく、大河は切り替えようと頭を振った。
『すみません、ベル様が起きますので先に失礼します』
『あら、そろそろ焼き肉パーティー始まるわぁー』
「戻りましょう、ニアのゴーレム達宜しくお願いしますね」
宙に浮かぶ翼を羽やしたゴーレム達が口から牙を剥き出しにし笑って手を振る…後にこの《ドンドース》と《カトナント》を纏めその周辺の砂漠地帯が《ゴーレム王国》として名を馳せるのは少し先の話し…。
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